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03『黒き女将の宿』 専用考察スレ
155:名無しさん@何にするか募集中 2010/12/27(月) 20:08:33 ID:wcbWQnFw [sage] >>151さん のレスを見てなるほどと感心したのですが、それならばメルの言う「身に覚えのない罪」が気になります。 自分で宗教を決めたわけではないのに贖宥状を持ったことが「身に覚えのない罪」となるのでしょうか? たしか贖宥状に関してカトリック教会は批判を受けると思いますが、その罪を農民に被せたことはないと記憶しています。そもそも教会しか発行できないものですから… もし「身に覚えのない罪」に関してのお話があれば是非聞きたいですっ
156:黒狐 2010/12/27(月) 21:46:16 ID:Aj9ob9CG いきなりすみません 私はこの話の原作を知らないときに考えたんですけど 過去の男達のことを女将さんが歌っているところで 「愛した男はみな儚く散った。運が悪いのか時代が悪いのか」 って言ってる部分で もしかしたらその人たちの肝臓も使ってたんじゃないか・・なぁ・・ とか思ったんです。 たしかにその時代は戦争とかできっと都心でも食べ物も無いだろうし そしてその女将に目をつけられて残念だったn・・運が悪かったね みたいな。 いきなりごめんなさい;;
157:ミロ 2010/12/27(月) 22:22:10 ID:AWmEQ51n [sage ] >>155さん ぶらん子の「身に覚えのない罪」ですが、ルター派からしてみたら、ルター派から(敵対する)カトリックへ改宗した時点で ルター派を裏切った、という罪が発生します。(領主の宗教はその領地に住む農民も信じなければいけませんでした) 逆に、元ルター派であった事がカトリック側にばれれば、「あいつはルター派だった!怪しい!」の一言で簡単に 罪をでっち上げられてしまいます。戦争になれば、いちゃもんつけられ見せしめに殺される。それが貧民層です。 対して、ぶらん子は農民であり、宗教革命の主旨を理解していません。貧民層に完全に宗教改革の内容が 完璧に伝わり、理解しているかと言われるとNOでしょう。領主や土地を納めている聖職者の口頭で伝えられる教義を 覚えられれば、とりあえずそれで生きていけます。宗教より明日食べるご飯が大切… そんなぶらん子が、宗教について罪を着せられても、どんな罪を犯したか、それが正統であるのか、理解する事は出来ないでしょう ルター派はカトリック教会を非難し、カトリック教会はルター派と対峙する。三十年戦争に発展する頃にはさらに宗派など 細分化し、複雑化、国内外問わず様々な思惑が飛び交う事になります。 しかも、領主の言ってる事が正しくない事もあり(下記の図解、現実の世界、ミュンツァーから農民への矢印部分参照) 個々の欲望が渦巻いていた時代でしたので、見せしめ目的に神に背いたと罪を着せられ、殺された可能性も否定できません。 http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1321558.jpg 宗教上の罪だ!と言われてしまえば、身に覚えがなくとも神に背いたとされ、殺されてしまう。 これがメルの言う「残念ながら身に覚えのない罪」なんだと思います。 魔女狩りとなんとなく似ていますね。
158:名無しさん@何にするか募集中 2010/12/28(火) 01:15:17 ID:9pMTRUAT [sage] >>157さん 早いレスありがとうございます(^ω^)確かに宗教のことはぶらん子にはちんぷんかんぷんでしょうし、一理あると思います。 ですが女将がカトリック、そして引き取られたぶらん子もカトリックに改宗したのなら、わざわざ元ルター派を蒸し返す必要はあるのでしょうか? 領主や指導者ならまだしも、何もわからない農民の娘。 宗教改革があったとはいえ、贖宥状をすでに手にするぶらん子をカトリック教会が罪を被せる必要性がいまいち弱いように感じます。 童話=仮想世界なら、実際にぶらん子がした復讐(童話的には「肝臓返せ〜のくだり」)は現実世界では何になるのでしょう。私はぶらん子の復讐は素直に取ってもいいのかなと思います。
159:ミロ 2010/12/28(火) 01:41:13 ID:dDNpNRzH [sage ] >>158さん カトリック教会にとってルター派は「金稼ぎの邪魔をした」存在です。ものすごく目の敵にしていました。 もしカトリック教会内で騒動が起きた時、純粋なカトリック教徒より、一時でもルター派で身分の低いぶらん子が 罪を着せられ殺される…そんな可能性も捨てきれないため、同時に書いておきました。 あと、ぶらん子はカトリックですが、贖宥状は持っていないと思います。ぶらん子の死因については >>154の4番に詳しく書きましたので一読頂けると幸いです。 ぶらん子の復讐について以下に記します。私もぶらん子の復讐のくだりは素直に取って良いと思って解釈してます。 現実の歴史では農民が復讐する事はありませんでした。そもそも誰に復讐すればいいか分からないからです。 でも、童話の世界では違います。現実の世界には存在しない(であろう)メルとエリーゼがいるからです。 現実の世界では復讐なんてとてもできない。なら、童話の世界で復讐しようじゃないか! きちんと復讐ができるよう童話を作り上げる事…それがメルとエリーゼがこの童話で行った事なんじゃないでしょうか? 現実世界で戦争に巻き込まれ死んだ農民が、童話の世界でぶらん子と一緒にドアをたたき、 「おらの肝臓を返せ!」と女将を襲う 仮に現実の世界で言いかえれば、カトリック教会で贖宥状を発行した強欲な人間に 「お前の強欲で死んだんだ!」と罵声を浴びせ、強欲な権力者を農民が襲う こうやって、現実で行う事が出来なかった復讐を、童話の中で果たしたのだと解釈しています。 現実の歴史での宗教戦争ではドイツ領内は荒果て、宗教に振りまわされた農民や庶民の信仰心は ずたずたにされ地に落ちてしまいます。その前のドイツはとても信仰深い「神の庭」とも呼ばれていたそうです。 女将への復讐は、地に落ちた信仰心、という揶揄も含んでいるのかもしれませんね。 補足 童話の世界では辻褄が合わないが、現実の世界なら辻褄があう会話をしている事から、 おそらくメルとエリーゼには現実の世界も見る事ができると推測できます。 「楽して儲けようとしても、中々上手く〜」→贖宥状を発行して金稼ぎしたらルターに改革起こされ邪魔された 「あんな杜撰な計画、上手く行く方が〜」→贖宥状自体がカトリック教会のでっち上げ、実際はタダの紙切れ (ついでに言うと、罪を軽くしてもらった効果が出るのは死後の世界なので、死んで贖宥状がでっち上げの 嘘っぱちだとばれても、死人に口なし、文句なんか絶対出ないというものすごい杜撰さ。) そうすると、メルの言う「境界」は死と生の境界の他に「現実」と「虚構(童話)」の境界という意味もあるのかもしれません。
160:名無しさん@何にするか募集中 2010/12/28(火) 10:29:07 ID:B/NR2f3T [sage] 「君はなぜこの境界(教会)を越えてしまったのか」ということですか どうでもいいですが、温いビアーってどうしてもアレを思い浮かべますよね?人は吊るされて絶命した場合垂れ流しになると聞きますし… ここで自分が思ったのは、元々黒狐亭は人肉やそういった物を専門とする店だったのではないのでしょうか?歴史上そういった死体愛好家の為の店はあったと聞きますし、「夜な夜な暗躍する」といったところから違法性は伺えます。 だとしたら当然ぶらん子は自分の店で出してる材料の調達方法を知っている(=共犯説の成立)が、自分は「直接手を下していない」(=「身に覚えの無い」という主張の成立)が成り立つかと。 うーん。自分で書いておいてなんですがちょっと無理がある解釈ですね…。 あとは「夜な夜な暗躍する宿屋」というのは実は死体の宿屋(=死体の安置所、火葬場)であって、表向きは普通の酒場として営業しているとか。 ただしこれで考えていくとどうしてもぶらん子が殺害される理由(女将の動機)が見当たらないんですよね…。 難しいです。
161:名無しさん@何にするか募集中 2010/12/28(火) 15:40:13 ID:l5nB3AfO >>160 人肉=豚として売り出していたなら屠殺ごっこみたいだなぁとちょっと思いました
162:ミロ 2010/12/28(火) 19:27:03 ID:dDNpNRzH [sage ] >>160さん 現代でもそうなんですが、ドイツは日本みたいにビールをキンキンに冷やす習慣ないんですよ。寒い地方だし。 常温より少し冷たい位が現代のドイツビールの適温です。ビールの味を楽しむための最適の温度と言われています。 あと、寒い時はホットビールを飲む習慣もあります。昔だと冷蔵するための装置もないですし、ぶらん子も美味いと勧めているので ぬるいビールは「ドイツビールのおいしい温度だ」という意味で勧めているのだと思います。客も嫌がってませんし。 ちなみに、ビールは麦と酵母を使う、と言う事で「液体のパン」と昔は言われていたようです。 血液であるワインではなく、体であるパンの役割を果たしている…という口実でビール飲んでたみたいです。 これは確か十字軍の頃の話だったかと
163:名無しさん@何にするか募集中 2010/12/28(火) 20:32:02 ID:ifp0QUez いきなりスミマセンが・・・ 私はブラン子はドイツ人じゃないんじゃないかと思うんです・・・ 歌も今までにない訛りが使われ、遠くの町に売られたとあるので国境を越えドイツに来たのではと・・・ しかも東北らへんの訛りだと思い、ドイツの北側かドイツよりも北の国だと思うんです。 スミマセン出しゃばって
164:名無しさん@何にするか募集中 2010/12/28(火) 21:10:29 ID:ONrceMFV [sage] この歌って、童話がベースですよね? 宗教を窺わせている歌詞もあるけれど、それはぶらん子の 生い立ちや黒狐亭で働くことになった理由を表しているだけなのでは? あと、女将の苦労話(惨めな〜)とありますが、ぶらん子の生い立ちがるように、 女将の過去を織り交ぜても不思議ではないし、これによって女将がぶらん子を 殺害しそうな気持ちも語られています。 >162さんの考察は、大変興味深いものなのですが、 『贖罪の新鮮な食材』には疑問があります。 此処に上がった説より 『贖罪』=罪人の肝臓 又は 墓を掘り返し強奪(←新鮮?) →肝臓が免罪符であっても、女将自身のものでなく、他人から奪取 した物。 『贖罪』=女将の所業 →教会が、女将の宿の実態を黙認するとは思えない。
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