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【Roman】総 合 考 察 ト ピ
569:むりゃん 2007/01/08(月) 17:10 なんとなく、『11文字』の母は、クロエではなく、クロエの母ではないかと思える今日この頃です。 そして、クロエが生むべきか、生まざるべきかと悩んでいたのは、『子の重荷になりたくなかった』からではないでしょうか。 母からの伝言、「しあわせにおなりなさい」は、「自分の人生」を「母の人生の延長」と考えてしまうほどに重いものだった。自分の人生を生きているはずなのに、自分の地平線を目指して歩んでいるはずなのに、ずっと「母の檻」の中で止まっているような気さえした。 そして、自分が母になったとき、自分が「檻」になることが怖かった。子供を産むと言うことで、また自分も子供に憑き、苦しめることになるのではないか。自分もきっと、子供に幸せになってほしいと願うだろう、そのせいで子供が「自分の地平線」を目指せなくなってしまうかもしれない。 そこで、賢者の登場です。彼は彼女に、二人の人生は別々のものだ、と教えた。 「しあわせにおなりなさい」と言われた子、クロエは母になり、彼女の『物語』、自分が愛する《地平線》を進む。そして、子もまた、自分の《人生》を愛する権利がある。子は母の『地平』で出会い、すれ違う人。彼女の『地平・人生』を構成するものの一つ。その子は、その子の『地平』で母と出会い、すれ違い、また進み続ける。そしてそれは、また別の《地平線》での『物語』。 埃が積もるほど長い間、『母の言葉』に捕らわれていた彼女は、今度こそ『自分の地平線』を目指して歩み始めた……。子供にも、『子供だけの《地平線》を愛してもらう』ために。 『11文字』で母の「しあわせにおなりなさい」が無いのは、クロエがそれに悩むのを母は感じていたから。 『無理に私の“幸せ”になる事は無い。アナタにはアナタの人生があって、辛い《人生》でもアナタにはそれを“愛する”資格がある……。だから、“私の幸福”におなりなさい、と私はいえない……』 そんな思いがあるように聴こえるのです。「しあわせにおなりなさい」がなければ。 賢者は、誰かの地平という『檻』を忌避し、『檻』に閉じ込めようとする「本当の伝言」を隠した。一人一人が、自分だけの『物語』を紡いで行くのを邪魔しないように。 そんな説はぶっ飛びすぎでしょうか……。分りにくい上、長文失礼しました……。
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