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【Roman】総 合 考 察 ト ピ
553:むりゃん 2007/01/05(金) 21:57 話の流れをさえぎり、すみません。が、思ったので……。 まず、賢者がクロエに対して言った、「君は君の地平線を目指して」と言う言葉から“地平”はそれぞれの『物語・人生』を意味すると解釈します。 人々はそれぞれの地平を生きてきた。死と生を繰り返し、次の子、次に生きる人々に世界を、歴史を残していった。そして、新しい生命の光が地平線に見えた。新しい生が生まれようとしていた。しかし、その子は生まれてこなかった。生まれてこなかった子は、イヴェールだと解釈しています。 何故生まれなかったか。それを賢者の言葉から推測。 賢者の『繰り返される歴史は、死と喪失、楽園と奈落を巡り、少年が去った後、そこにどんなロマンを描くのか』という台詞。それぞれ、第一から第四の地平線を表しますが、少年の部分だけがおかしい気がするのです。“少年”の位置は、『第五の地平線』のはずです。けれど、イヴェールは少年と言う雰囲気ではない。 イヴェールが生まれてこられなかったのは、「誰かが彼を偽り、生まれたから」。もう既に誰かが“Hiver Laurant”を騙り、彼の人生に生まれているから、Hiver Laurantとして生まれることが出来なかった。 しかし、誰が自分を偽ろうとも、Hiver Laurantの人生であることには変わりがない。だから、完全に死ぬことも敵わない(生と死、どちらにも傾かない天秤)。そして、彼は添えてもらった人形で、“自分を偽る誰か”を。自分の『物語』を探す。彼が人形と一緒にそえてもらった“詩”にあう人生を。 “Hiver Laurantを騙る者”を探しているので、名が近い者・同じ者を探します。 そして『生まれる為には、前の人生を終わらせなくてはならない』為、“偽物”を発見したとき、偽者とイヴェールはそれぞれの人生を終える。そして、イヴェールは“Hiver Laurantの人生”をやりなおす。 この論で行くと、必ず誰か、“人生”の枠からあぶれ出ます。そのあぶれ出たものは、イヴェールと同じ道を辿ります。また、『物語』を探すのです。 上に戻ります。賢者が言った『少年』がイヴェールを騙る偽物ならば良いのですが、そうでなかった場合。賢者は嘘をついたことになります。「君の偽物は、“少年”だ」と。その嘘にメリットがあるのか。あるとしたら、それは自分を含む“大人”から目を離させる事。だとすると、本当の“人生の盗人”は『賢者』になります。賢者の嘘を信じれば、永遠にイヴェールは自分の人生を見つけられず、多くの人々の“焔”と“詩”を見続け、それぞれの人生の“詩”歌う、“詩人”と言う別の人生(それこそが本当の人生かもしれませんが)を見つけるかもしれません。 または、『屋根裏』に行くことになるではないかと考えました。もし、賢者が“人生泥棒”ならば、『屋根裏』に集まっているのは、『他人の命を犠牲にし、別の人生を生きようとする者』になると思います。ミシェルは、13人の少年を殺害し、“檻”から出ようとした。その“檻”は、はっきりとしないけれど、檻からの離脱は、別の人生への離脱にはなると思います。 「おりあわせしになさいな」が『妥協して』ならば、イヴェールは見つけることが出来ない“Hiver Laurantの人生を騙る”者の代わりに、無関係の少年の人生を賢者のように盗み、生まれてくることで妥協した……、と考えることが出来ます。 分りにくい分で、長文すみませんでした……。
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