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【Roman】02.焔 【考察】
53:むりゃん2007/01/03(水) 18:30AAS
微妙な解釈ですが、ふと浮かんだので……。
サンホラの世界で『地平』といいますと、一つの『世界』や『物語』を私はイメージします。
そして、『朝と夜の物語』の『生まれて来る前に 死んで行く』を、私は今生きている人間の、当然の原理だと解釈しております。
今、生きている私が生まれようと思えば、まず死ななければいけません。今の“生”をそのままに、次に生まれることは出来ないのです。
それを、『地平』に当てはめて考えました。『地平』をアルバムと解釈します。アルバムが再生された時が『朝』。終わったときが『夜』で、物語の完結。しかし、それは『次の地平』でも繰り返される。一つの『地平』が終わり、次の『地平』が奏でられ、それが終われば、また次の……。
前の『地平の住人』達は、次の『地平の住人』達に“愛した世界”を、“生きる事”を託して終わっていきます。
が、この歌の歌詞からして、次の『地平を奏でる者』は生まれてこなかった、と推測されます。
それは『前の“地平”がまだ、奏でられているから』ではないでしょうか。アルバム再生中(生きている)時に、次のアルバムの再生は出来ない。前の“地平”が生きているのに、次の“地平”が奏でられることはない。だから、『この地平』を歌うはずだったものは、誕生を前に亡くなった……。“歌い手”が“歌う”、「その人だけの物語」がないから……。
けれど、“歌い手”は完全には死ななかった。それは『第五の地平』が『前の地平の“生”』の中でも確実に存在しているから。だから、彼は添えてもらった人形で探す。『自分の物語』を。そえてもらった、彼の歌う筈だった『詩』を。
見つけたときに、彼はまず完全な“死”を迎えることになります。次に「生まれて来る」ために。今度こそ『第五の地平』を歌う為に。
……と、言う解釈なのですが、強引な感があるのは認めます……。もう少し、表現力が欲しい……。
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