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【Roman】06.緋色の風車 【考察】
74:Inari 2006/12/07(木) 20:36 [sage] はじめまして。(この掲示板に書き込むのははじめてです) >>67むりゃんさん すごく興味深い意見だと思いました。 そーいえば、大部分が少年の一人称で書かれているけれど、 少女の側の気持ちについては何も言及されていないんですよね。 わたしは、少女は少年を恨んで死んでいったと思います 彼女は怯えきっていて、縋る様な眼で少年を見た。 それなのに彼は自分を置いて逃げてしまった。 何が起こったのかわからないような混乱の中で、 自分の手を掴んでくれ、精神的支柱となってくれた唯一の人が、 いざとなったらその手を自分から放したのだから。 少年にしたら、命は惜しいでしょうから、 卑怯だと分かっていても、そういう風に体が動いてしまったのかもしれません。 だけど少女からすれば、それが自分への裏切りであることには変わらない。 どんなにふたりが好き合っていても、 そのことに関しては赦さなかったと思いますよ。 ところで、もし少年=ローランサンだったとしたら、 そのことも判っていて、復讐に及んだのではないでしょうか。 (因みに自分は、『腕』のローランサン=『風車』の少年≠『少年は剣を…』の少年 と考えています) 彼女が自分を恨んで死んだことに、変わりないことは判っていた。 赦されることなどもう望めない。それでもそうせずにはいられなくなった。 大切なものを(少女の命も、さらには自分を好いてくれていた彼女の気持ちまでも) 失って、残されたのは後悔と自責と、彼女を殺した男への空虚な憎悪。復讐だけだったから。 復讐を遂げ、走り去るローランサンの高笑いはなんだかみじめな笑いに聞こえます あれは実はとても乾いた笑いで、その後は虚脱状態のまま生涯、 赤毛のローランみたいに飲んだくれてひどい暮らしをしたのかなぁ…とか思ったりもします。 そして死ぬ間際(鳶色の子供に殺される間際?)にも、 まだ彼女を見捨てて逃げたことを悔やんだまま逝く…といいなと思います。 でも心のどこかでは、来世で結ばれることを望みながら。 (“もし生まれ変わったら…”。これだとあんまり図々しいかな;) えー、ローランサン好きが高じてこうなってしまった妄想半分なんですが(… そういう解釈をする人もいるんだー、と思っていただければ幸いです。 貴重な書き込みが読めて嬉しかったです。ありがとうございました。
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