下
Sacrifice統合質問スレッド【ネタバレ注意】
15:疑問点を整理2007/12/19(水) 02:05:03 ID:r7z6fLvJ
はじめまして。SH初心者の未熟者ではありますが書きこさせていただきます。
疑問点を整理してみると、割と一般的なものに近い意見になってしまいましたが。
「かもしれない」とついているところなどはとくに、推測というよりは想像で補った部分が大きいです。
・妹は障害者
「一人では何も出来ない」「神に愛された」などの言葉から
「生まれつき」脳(精神)に障害があったと思われる(高熱による後遺症ではない)
このころの考えでは「子供=小さな大人=労働力」なので「小さいから働けない」ことはないと考えられる。そのため「働けない=子供」ということは考えにくい。また少なくとも妊娠できる年齢だということからも、その図式は否定される
・妹の高熱
常々感じていた妹への嫉妬がはっきりと「死んじゃえばいいのに」と言葉になった、その翌日に偶然にも妹が高熱を出した
(姉の呪いによるものではない)
これは、あるいは高熱の兆候が前日にもあり、それをやたら気遣う母親を見て妹への嫉妬が特に強くなったなども考えられるので、ただの偶然ともいえない
・母親の死
妹の看病による、心労を含む過労により免疫力が低下。で病を得る。
母の存命しているころから貧しかったことが予想されるため、例えば妹の薬を買うため、いいものを食べさせるために食事を削っていたりもしていたのかもしれない
そのため、妹への呪いがが母に移ったとまで考えるだけの必然性はない
そして母の最期の言葉がある種の呪いともなって、姉は妹を盲目的に溺愛していく
妹のために母を失ったという妹への憎しみが、母の言葉によって狂愛とも言える感情にすりかえざるを得なかった?
愛憎は表裏一体だと考えると。
・働く姉
妹が働いていないことからも「妹は障害者であった」ことが伺える。
また、「姉が『夜の仕事』として娼婦のようなことをやっていた』という意見があるが、夜に出来る職業はそれだけではないから(大体ただで妹の方とそういう行為は出来るのに金を払ってまで器量の悪い姉と寝るという男はあまりいないだろう)
仕立て屋から下職など貰っていたのかもしれない(仕立て屋が姉妹の世話を焼く、にも通じる)
・家に残った妹
男たちが優しくなったのは妹と寝るためのカモフラージュ。妹の世話(たとえば食事を運ぶなど)を時々代わりに頼んでいた、なども考えられる→小さな村だから村人を信頼していたならそれもありかと。
(妹の世話を焼いてくれる→優しい!)
女たちが冷たくなっていったのは、男をとられたことに対する恨み もしくはそ知らぬ顔して妹を「売っている」姉に対しての軽蔑
(姉は妹の『行為』に気づいていなかったのかも知れないが、村の女たちはそうは思わなかった)
精神に障害を持つ妹はそのような行為を「悪いこと」だとは思わなかった
最初は抵抗したかも知れないが、男に諭されて納得してしまったのかもしれない
それについて、妹の口から姉に告げられることはなかっただろう
・妹の妊娠
仕立て屋の若おかみ
「世話を焼いて」…姉に仕事を与えていたことかもしれないし、姉の不在のときに多少妹を世話していたのかもしれない
そういったことをしていたのは若おかみでなく大おかみのほうで、若おかみはずっとそれをよく思ってなかった、なども考えられる
で、主人を「寝取られて」いたことに対する怒りが妹の妊娠によって爆発。
妹の妊娠に最初に気づいたのが若おかみなのかもしれない
・断片的な記憶、断罪的な罵声
「仕立て屋の〜張り飛ばした」→「私は〜つかみかかった」→「緋く染まった〜苦い土と錆〜頭上を〜」(→姉も殴られた)
のちに裸足であるのは、この時に脱げたか、家の中でつかみかかってそのまま引きずり出されたからと考えられる
ここは妹が連れて行かれるのを止めようとしたけど姉も殴られて止められなかったんだろうなあと。
「純潔の…悪魔の契り…災いの種…マリア様の…誰もガブリエルを…火炙りだ」について、…部分を少々無理やりですが補ってみますと
「『純潔の』うちに身ごもったというのか」
「もしや『マリア様の』生まれ変わりか/『マリア様の』ような処女懐胎なのか」
「いや、『誰もガブリエルを』見ていない」(補足:ガブリエルはマリアに受胎を告知しに現れる)
「それならこれは『悪魔の契り』によって妊娠したんだ」
「ああ、こいつはこの村の『災いの種』だ」
それならば、
「火炙りだ」
といった感じでしょうか。まあ、だいたいです。
順番がばらばらなのは「断片的な記憶」なので順番は当てに出来ないから、というのとおんなじような応酬が何度も繰り返されたと考えられるため聞きとった順番は関係ないだろうというのとの二つの理由からです。
・妹の火炙り
「悪魔と契った」ことで妹は魔女だとされた。また生まれてくる子は悪魔の子であるので、その子の出生を未然に防ぐ意味もあったのだろう。また中世のキリスト教的考えの中では、この結論は容易に導き出されたのだろう。
「悪魔とはお前たちのことだ」という台詞は「妹と契ったのは村の男たちだ」という意味で言ったのではないのだと思われる。「神の御子では〜」の台詞からも、姉は最後まで妹の純潔を信じていたことも否定できない。もちろん知っていて目を背けていたという可能性もある(だとしたらこれが『背徳的行為』にあたる)
ただ何にせよ結果的にそのことを指摘していることが、皮肉として私たちの目に映るわけである。
妹が最後に残した言葉が、村人への恨みの言葉ではなく「ありがとう」だったことが、「全てを許すのでしょうね」の根拠になったのだろう。
もし妹が本当に魔女だとしたらこの時点で火炙りを回避できたと考えられる。
「火に触れて覚醒した」という意見も、流れから見れば少々無理があるだろう。これでは姉も「妹が魔女であった」と認識してしまうはずだ
・姉の復讐
「地平線の鍵」さんで触れられているように、姉は教会に村人を閉じ込めて焼き殺したのでしょう。
妹が火炙りにされた後、その災いを祓うためのミサなどが行われたなどということが考えられる。それなら安息日などを待たずとも、姉は村人全員が集った教会に火をつけることができたはずだ。
「裸足の娘」という描写からも、妊娠が発覚した夜の事件からずっと教会を焼くための準備をしていたと考えられはしないか。
事件のときに靴が脱げたのなら、の話ではあるが。
姉が魔女だったとしたらやはり火炙りから阻止できたはずなので、これも考えにくい。
そもそもABYSSサイドの世界観に、純然たる「魔法」というのは違和感がある。
というわけで村人を集めた教会に放火(村人丸焼き)→村の家々に放火→村全体で揺らめく焔の向こうに仮面の男 の流れになるでしょう。
「村全体」に姉も含まれているかどうかは果たして分かりませんが。
妹は村のために犠牲[Sacrifice]になり、村人たちは姉の妹への狂愛の犠牲[Sacrifice]になったのです。
うわあ、激しく長くなってしまいました。
最後にAbyssの共通点は、「盲目的な狂愛」「背徳的な行為」(同性愛、近親相姦、殺人など)「狂愛の対象を失い、自らも身を滅ぼす」だと思われます。まあ「背徳的な行為」と「狂愛の対象を失い、自らも身を滅ぼす」は同じであることが多いですが。(サクり以外では自分の手で愛する人を殺していますもんね)
常識はずれな長文乱文失礼致しました。
上前次1-新書写板AA設索