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198:岡本 2003/02/19(水) 08:46 >ぐっこ様、雪月華様 >隆慶の「虎が自ら鍛えてるのを見たことあるか? 強い >奴は強いんだよ」ってなシチュを思い出しますた 私も同様な意見を持っています。隆慶一郎氏のファンでも ありますので。 ただ、呂布についての印象は皆さんの持っているだろう印象とかなり違いが ある恐れがあります。はっきりいうと私は”否定的な”立場です。 実は白馬の次の章はこのあたり(=張遼と関羽と呂布)に絡んでくるので 雪月華さまの作品を拝見したとき、 ”しまった、人格描写が食い違う可能性がでてくる” と、考えを練り直すため一旦筆をおいた次第です。 何とかうまい解がでないか考えて見ます。
199:雪月華 2003/02/19(水) 11:32 >岡本様 これまた知らぬこととはいえ失礼を。 ちょっと私先走りしてしまったかもしれません。 実を言うとまだ文章化してませんが合肥の戦いもかなり進んで、 甘寧の細かい言葉づかいまで脳内推敲してる状況です。 最近、創作の神が無節操に降臨してくるので、 空気読みが鈍ってきたのかも…。とにかく、お詫びいたします。
200:教授 2003/02/20(木) 00:07 ■■法正 〜卒業前夜〜■■ 三月。 冷たい風が徐々に暖かくなってきている。 また一つの冬が終わり、そしてまた一つ春がやってくる。 それでも夜風はまだ身を凍えさせるだけの冷たさを持っている。 「………」 法正はそんな夜の帳の中を歩いていた。 黙々と前だけを見つめるその顔からは、彼女が何を思いそして何を考えているのかは窺えない。 白い吐息が冷えた夜の風に流される。 彼女の足がふと止まった。 そこは益州校区で最も美しく、最も古くからあると言われている桜の樹の下だった。 「……卒業…か…」 まだ蕾の桜を見上げ、小さく呟く。 月明かりの下に映し出されるその無機質な表情。 目の前に根付く桜の方がよっぽど躍動感がある…。 他人が見ればそう思わざるを得ない程に無感情だった。 「…私は…何を卒業するんだろう…」 法正は右手を樹に当て、眼差しを蕾に…そして天へと向ける。 梢の隙間から満天の星と、煌びやかな月が見えていた。 「…私が自分に納得できていないのに…。卒業した先に答えなんてあるの…?」 星と月に向けられる清水のような淀みのない眼が次第に潤んでいく。 心の奥から瞼の裏に様々な映像が矢継ぎ早に送られてくる。 不遇な劉樟時代…自分の力を発揮できた帰宅部連合…。 そして話題にも上らないちっぽけな…それでも楽しかった記憶。 引退してからは普通に過ごしてきた。 それもまたかけがえのない思い出。 それが…明日終わりを迎える。 「長いようで短い…とはよく言ったものね…」 法正は微かに苦笑いを浮かべた。 樹を一撫でし、そして踵を返す。 「答えは…分からない。でも、明日…みんなに会えば…巡り合えるかもね…」 自分にそう言い聞かせるように呟くと、そのまま来た道を引き返して行った。 そして…卒業の日の朝日が昇り始める―― ■あとがき 3月の頭には投稿したいと思っている卒業ネタの予告編用です。 お見苦しい文章で大変申し訳なく思っております。
201:彩鳳 2003/02/20(木) 02:06 [shouji-sakurai@mti.biglobe.ne.jp] >岡本様 「広宗のG・P・M」、拝読致しました。 流石は無敵の新聞部と言うべきか・・・音楽に国境は無い、という事でしょうね。 ただ、私もガンパレは詳しくないのであまりそっちの話が出来ませぬ。(‐‐; 一番格好良いのは主役のの4人の筈なのですが、それ以上に皇甫嵩が 格好良すぎると思ってしまったり(^^; すみません。ここから先は与太話です(−−; 合唱の事は詳しくありませんが、最近のアーティストは昔と比べて声が高くなっている。 騒音の中でも声が良く聞こえるからだ・・・という内容の番組を数年前に見た覚えがあります。 そういう実験結果もあったと思います。 また、たまたま通りかかった心理学関係のサイトでは、音程の高い曲ほどカタルシス (=心を癒す効果)がある・・・という文章を見かけました。 これに関しては、私の好きなワーグナーやヴィヴァルディは完全に当てはまっています。(と私は信じています(^^; (ただ、両者の曲の性格上、ワーグナーは「壮麗」、ヴィヴァルディは「華麗」と言うべきだと思いますが・・・) >雪月華様 「黄巾の落日」より 何と言えば良いのか・・・切ないですね。この手のシリアス物も機会があったら手掛けてみたいです。 本当は、「一月の花時雨」もシリアス路線の筈だったのですが、完成した第一部はああなっていた(滝汗)ので、 私としても参考になります。SSの中盤をこれから手掛ける予定なので、活かせればいいのですが・・・。 すみません。ものの勢いでこんなものを ↓・・・(−−; http://gaksan1.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upboard/upboard.cgi 「烏丸征伐反省会」より これは・・・!面白いです! 呂布が出てる話って余り見かけないので、新鮮な感じですね。 次の第3部で呂布の絶大なパワーが炸裂しそうな予感ですが、張遼がどう対抗するのか・・・ 非常に楽しみであります。 >教授様 「簡擁と張飛」より これです!私もこんなコミカル調(?)に筆を進めたいのですが、なかなか難しい・・・(‐‐; それにしても、簡雍の神出鬼没ぶりは神の領域に達していますね。(^^; ジャーナリストは情報力が命ですが (世論とは別のアングルから物を見るスタンスも必要ですが。) 簡雍に関しては、私のSSでも登場予定なので、これまた参考になりました。 話は変わりますが、簡雍に海外で売られている様なウソ専門の雑誌を書かせたら無敵じゃないか? と思うのは私だけでしょうか(^^;;; けどそれだと新聞部が新聞部として成り立たちませんね・・・( ̄▽ ̄;
202:雪月華 2003/02/20(木) 10:39 烏丸征伐反省会 その3 〜呂布と張遼 −勝者と敗者−〜 剣道場に殺気が満ちている。凄まじい殺気の奔流を発している呂布。急流の中に屹立する岩のようにその殺気を押し返すでなく自然に受け流す張遼。呂布は相変わらず竹刀を右手に下げ、張遼は八双に構える。部員達は呂布の気に圧倒され、ほとんど背後の壁に背中を押し付けられるようにしていた。凄まじい緊張感。 不意に呂布がそのままの構えでスッと右側に一歩動いた。0.2秒前まで呂布の喉があった空間を張遼の竹刀が貫く(ちなみに中学生の剣道では喉への突きは禁じ手です。高校以上は有効。)。必殺の突きを外されて張遼は体勢を崩さ…なかった。刺突と同じ速さで手元に竹刀が引き戻され、すかさず胴を薙ぐ。呂布が跳んだ。3尺(約90cm)ほど飛び上がる。足の下スレスレを張遼の竹刀が通り抜けていった。呂布は着地と同時に面打ちに行く。張遼は流れた竹刀を引き戻さず、逆に竹刀のほうに体を寄せ、面をかわした。呂布の竹刀が床を打つ寸前に静止し、右膝をついた呂布は伸び上がりつつ右足を踏み込み、竹刀を凄まじい勢いで斬り上げる。体勢を立て直した張遼が袈裟懸けに斬り下げる。乾いた音がして、お互いの竹刀が中ほどから粉砕された。お互いに一歩飛び退る。張遼の突きからここまで2秒とかかっていない。 「竹刀を!」と張遼が叫ぶ。ようやく我に返った部員の一人が、立ち上がろうとして転び、また立ち上がると新しい竹刀を2本持ってきた。 最後の連続した斬り下げ、斬り上げは燕返し。佐々木小次郎が得意とした技であり、虎斬りとも呼ばれた。上段からの見せ太刀(かわされることを前提とした剣。)で体勢を崩した相手の股間を狙って斬り上げる。地面スレスレまで振り下ろした剣をすかさず斬り上げるのだから、強靭な筋力が必要とされる。佐々木小次郎は細面の美男であると同時に筋骨隆々の大男であったといわれている。 再び気が張り詰める。今度の対峙は長いものになった。呂布は相変わらず竹刀を右手に下げ、張遼は今度は上段にとっている。5分、10分と時が過ぎていく。一見、互角に見えるが、その実、張遼は押され始めていた。激流の中に屹立した岩はいずれ、外郭を削り取られ、ひびが張り、崩壊する。ただ、押され始めはしたが、張遼は汗もかいていなければ、震えてもいなかった。よりいっそう神経が研ぎ澄まされてゆく… 20分が過ぎたとき、今度は張遼が仕掛けた。 「エェェェェェェイッ!」 腹の底から裂帛の気合を発する。於夫羅でさえ聞いたことのない張遼の気合。剣道場内の時が止まった。 止まった時の中を張遼が動いた。 止まった時の中で呂布も応じた。 凄まじい踏み込みとともに張遼が面打ちに行く。呂布が左手に避けた。胸の高さで張遼の竹刀が滑らかに横移動し、呂布を追う様に薙ぐ。呂布はそのままの体勢で待ち、それを1cmで見切った。胴薙ぎの体勢に入る。張遼は流れた竹刀を剣尖を回しながら八双に戻し、少し体をかがめると、空気抵抗により発火しそうな勢いで斬り上げる。柳生新陰流「逆風の太刀」である。 もともと、戦場で使われた剣であり、唯一鎧で覆えない股間を狙って切り上げる。内股には動脈があり、それを狙う。狙う場所が場所だけに、現代の剣道では禁じ手とされている。 呂布は右手に下げた竹刀に左手を添え、無造作に胴を薙いできた。これも発火しそうなほどの速さだ。 だが、見事に張遼の読みどおりのタイミングである。あとは下から呂布の竹刀を擦り上げ、体勢を崩した呂布を打つ。 思いがけないことが起こった。張遼の竹刀が何の手ごたえも無く振り上がってしまったのである。自分の時間だけが0.5秒飛んだような感覚があった。タイミングは完璧だったはずで、自分の竹刀が呂布の竹刀を擦り上げていたはずである。しかし今ここには、胴が伸びきってがら空きになった張遼と、今まさに胴を薙ごうとする呂布の姿があった。(死んだ)、と張遼は思った。 呂布の竹刀が張遼の胴に叩き込まれた。息が詰まる。それでも必死の思いで体を伸ばし、鳩尾への直撃を外す。衝撃で自分の体が浮き上がる錯覚を覚えた。いや、錯覚ではなく実際に浮き上がり、背後の壁に向かって吹き飛びつつある。吹き飛ばされたときに汗よけの手拭がほどけ、セミロングの艶やかな黒髪が解放された。 ほとんど本能だけで体を半回転させ、両足をそろえて「壁に」着地し、態勢を立て直して床に降り立つ。姿勢が前に崩れた。前のめりになったところを咄嗟に左手をついて上半身を支え、すかさず右手に逆手に持った竹刀を杖に立とうとする。…が、中腰になった時点でそれ以上体が持ち上がらなかった。膝に力が入らないのだ。 「…腹への打撃は足に来る。5分は立てない。」 相変わらず竹刀を右手に下げたまま呂布が言う。不思議と嘲りには聞こえなかった。張遼は堪え切れなくなり、ぺたんと座り込んでしまう。それでも竹刀は放そうとしなかった。 呂布の右頬にわずかに血がにじんでいる。胴を打たれると同時に張遼が横面を狙って薙いだのだ。その分、回避が遅れ腹部へのダメージは大きくなった。すんでの差でかすり傷のみに終わったが、まぎれもない覚悟と執念の賜物であった。 「…全員倒すつもりだったけど、その子…張遼って言ったっけ。…張遼の「覚悟」に免じて帰ってあげる。」 呂布は竹刀を投げ捨て、身を翻すと入ってきたときと同じように無造作に出て行った。きちんと扉を閉めていったのは張遼への敬意だったのだろうか? 張遼が剣道部をやめたのはそのすぐ後だった。 「その後の1年間は私のトップシークレットです。たとえ会長でもお話することはできません。」 「え〜!なんで〜?!いいじゃんかさ〜。」 「ダメです!」 「…はい。」 于禁が感心したようにため息をついた。 「しかし中学生どうしの立会いとは思えん技の応酬だったな。呂布の強さも凄まじいが、その呂布に防具無しで立ち向かうお前もどこかキレていたとしか思えんぞ。」 「あの時は初めて自分と対等以上に戦える人に会って、どうしようもなく高揚してたものですから…つい100%の自分でぶつかってみたかったんです。」 「それで、最後に呂布が使った技、「無拍子」だろう。宮本武蔵が京都の一乗寺下り松の決闘で吉岡清十郎を破ったときに使った。」 「そうです。ぎりぎりの間合で故意に自分の動きをほんの一瞬中断させ、相手に隙を作り、そこを斬る。見切りと度胸が無ければできません。ただ、動きが中断するため威力は落ちます。私が今生きていられるのもそのおかげかもしれません。」 しばらく、于禁、張遼、徐晃の3者間で剣談に花が咲いた。 やや退屈そうに曹操が壁の時計を見る。5時52分。郭嘉の宣言した時刻まで500秒弱。 なにげなく許チョのほうに目をやると、許チョは天井の隅あたりを見上げて茫洋としている。 星でも見ているのだろうと解釈した曹操は新たな話相手を求めて、郭嘉のほうを向いた。 はっとした。様子がおかしい。目の焦点が定まっておらず、上半身がかすかに左右に揺れ始めている。気を失いかけているのだ。そのまま郭嘉は、ゆっくりと、右手側の徐晃に寄りかかった。 「え?何?ちょ、ちょっと郭嘉どうしたのよ?」 徐晃が慌てて郭嘉の肩をつかんで揺さぶる。于禁と張遼も郭嘉の異変に気づいたようだ。ややあって郭嘉の目の焦点が合い、ちょっと驚いたようにあたりを見回す。 「…え…あ、わ、わりぃ徐晃。最近、寝不足でさ…」 声にも力がない。ほんの2時間前とは別人のようだ。 「ホントに大丈夫?ほら、そこの席空いてるから横になりなよ。」 「心配すんなって。あんまり長ったらしい話が続いたから…」 ぴんぽーん (生徒会の郭嘉さん、冀州校区[業β]棟保健室の華陀先生から2番にお電話です。繰り返します・・・) 「華陀先生が?奉孝、あなたひょっとして…」 曹操はなにかとてつもなく悪い予感に襲われた。そしてこういう予感は例外なく的中するものである。 「わりぃ徐晃、ちょっと通して…。」 徐晃が立ち上がって廊下への道を空ける。廊下に出て3歩と歩かぬうちに郭嘉が膝をついた。それまで茫洋としていた許チョが機敏に駆け寄って肩を支える。たった三歩歩いただけなのにもう呼吸が荒い。 「すごい熱…」 「虎ちょ。内線まで連れてってあげて。」 「うん。」 曹操が真剣な口調になっている。 「…よけいなことすん…」 「いいからっ!!」 その声はほとんど叫びに近かった。周囲の数組の生徒達が何事かと視線を向ける。郭嘉もしぶしぶ承知したようだ。許チョが郭嘉に負担を与えないように注意して、レジスターの傍の内線まで連れて行く。3分ほど話が続き、許チョに支えられて郭嘉が戻ってきた。その間、曹操をはじめ4人とも一言も言葉を交わしていない。 「郭嘉、明日からしばらく絶対安静だって。放課後だけじゃなくて、授業も出られない。」 「どうして?どんな病気なの?どのくらいで治るの?」 「…言えない。」 「虎ちょ!」 「なんでもねえって…只の…風邪…だよ。3日も…すりゃ…。」 「うそっ!風邪程度でそんなにひどい症状が出るわけないよっ!」 「会長、落ち着いてください!」 「公明の言うとおりです。許チョ、君は郭嘉を寮まで送ってくれ。まだ路面電車の最終があるはず。」 6人の雰囲気が周囲の生徒に伝染し、深刻な雰囲気に包まれたティーラウンジ。そこに場違いなほど明るい声が飛び込んできた。 「やっほー!会長ー!会長ー!あっ!やっぱりここでしたか!吉報ですよ吉報!公孫…」 「「「やかましいっ!!!」」」 曹操、于禁、徐晃に同時に怒鳴られ、生徒会の1年生は何がなんだかわからず、床にへたり込んでしまった。あまりのショックに半べそをかいている。張遼が慌てて駆け寄り、なぐさめながら用件を聞き出す。用件を伝えた1年生は入室のときとは正反対のテンションでしょんぼり出て行った。 「会長。遼東棟長の公孫康からの封筒です。」 曹操は張遼から封筒を受け取り、封を切ると逆さにして振った。千円札をかたどったバッジが二個、高額貨幣章が数個。裏には袁姉妹とその主立った幹部の名が刻印されていた。誓紙が一枚。内容は以降、遼東棟および周辺の各施設は生徒会に従う。というものだった。意図せずして郭嘉を除く全員が時計を見る。6時ちょうど。本来なら小躍りして喜び、郭嘉を褒めちぎるところだが、誰も喜色を示さなかった。当の郭嘉はもはや喋る気力も無いようであり、許チョにもたれかかり、浅く、短い呼吸を続けていた。 「…反省会を閉会します。明日放課後、生徒会幹部全員は冀州校区〔業β〕棟、生徒会会議室(旧生徒会分室会議室)に集合。今後の戦略を話し合います。以上。解散。」 「幹部」の中に郭嘉が含まれることはしばらくないだろう。期待が大きかっただけに、曹操の声もどこか気落ちしていた。 その頃、荊州校区、襄陽棟近くの臥龍ヶ丘公園地下秘密実験室では… 「フフフフ…できた…できました!エキセントリック!これでワタクシの世界征服の夢は一歩前進…」 「お夕食ですよ孔明様ー。あれ?そのおっきな機械、なんです?」 「おお、これはマイ・リトル・シスター諸葛均。聞いて驚け、このマーヴェラスなマシーンは超弩級中性子ビームカノン!開発名R.E.N.D Ver.αだ!。プラズマを利用してニュートリノを核融合させ、そこから導き出される熱量を…」 「この赤いボタンを押すとビームが出るんですかぁ?えいっ!」 「うわあアあアあアぁ…」 「ああっ、孔明様がこんがりと黒焦げに。」 「だ、だいじょうぶです、ノゥ・プロブレム。身頭滅却すればマグマもまた一段とクール…」 「じゃあもう一発。えいっ!」 「うわあアあアあアぁ…………ぱた」 「あっ、倒れた。」 −−−−−−−−−−−−−−−−− ギリギリだったけどちゃんと入ったかな?お待ちかね決着編&急遽完結です。 郭嘉…。このしばらくあと、曹操の身内にも悲劇が待ってます。 「怒り、恐れ、嘆き、悶えるお前の”人の顔”を露にしてくれよう。」 とっても魯粛な気分です。あっ!いつの間にか孔明が!
203:★ぐっこ 2003/02/20(木) 23:43 >呂布のキャラ 基本的に、現在の人物設定どおりだと「榊さん級」萌えキャラというところ なんですよね…(;^_^A ただ、実際の呂布の人物と較べると、かなりギャップが… もっと自分勝手…というか超然としたエゴとフィーリングだけで、特に意識もせず 学園史を引っかき回すような存在のほうが、よりフィットするかもです… まあ、作品ごとに多少キャラ像が揺れても、構いません。 >教授様 む…! 「最終回予告」ノリな一本! ここしばらくガンガン前面に出てた簡雍&法正たんですが、いよいよ 卒業の日を迎える時がキタですか〜。期待。 ほややん麋竺たんとお使い乾ちゃんも登場きぼん… >雪月花さま 呂布の中の人…じゃない、人中の呂布の真骨頂ですな! な、なんか凄い殺陣描写(;´Д`)ハァハァ… 張遼たんも凄いけど、 やはり呂布ですな…。 そして郭嘉たんが… … ・゚・(ノД`)・゚・
204:★ぐっこ 2003/02/21(金) 00:22 [sage] あ。レス抜け(;^_^A >彩鳳様 やや、イラストありがとうございます! いかん、そういえばアプロダの 巡回しばらくやってなかった… 独特の迫力というか、切実さがひしひし伝わってくる絵ですよ…
205:彩鳳 2003/02/21(金) 18:48 >教授様 卒業式ですな! 人それぞれの思いがあるでしょうが、どうなるか・・・ 凄い重みの在る予告です! >雪月華様 なんというのか・・・「るろうに剣心」の剣心vs斎藤を思い出させますね。 アレはアレで凄まじいですが、呂布のケタ違いのパワーも凄い・・・(^^; 問題の郭嘉が・・・あぁ・・・(T_T) >ぐっこ様 アレは、実は下書きの試作の方が良く出来ていたりしていまして(T_T) 次こそは・・・・
206:彩鳳 2003/02/21(金) 19:03 さて、私も皆様に続きまして、第二部を・・・ ■ 一月の花時雨 ■ 第二部 ―雪道の交錯― 「ふぇっ・・・くしょん!!」 「畜生! 寒くてかなわへん!!」 ここは、荊州校区の新野棟。まだ表には出していないが、曹操が狙っている荊州校区の北東部に位置しており、校区の中枢である襄陽棟とは比べるべくも無い、辺鄙な棟である。 だが、前年の秋に帰宅部連合総帥の劉備が棟長に就任してからというもの、事情が少々変わりつつある。 前年度の夏休み、カント公園にて生徒会長の袁紹と副会長の曹操による一大決戦が行われた。 戦闘開始直後は圧倒的な大兵力を擁する袁紹の勝ちかと思われた。だが、参謀の許攸が曹操側へ寝返った事で状況は一変、危機的状況にあった曹操が文字通りドンデン返しの大勝利を収めたのである。 大敗北を喫した袁紹は会長を辞任、ここに曹操の覇権確立は決定的なものとなる。 袁紹の大敗という誰もが予想出来なかった(一部の人間を除く。)結末に学園内部は震撼し、曹操の名前を知らない生徒は存在しなくなったと言っても過言ではなかった。 当の曹操は会長に就任し、袁紹の後継者が定まらずに内部割れを起こす華北の情勢を見るや直ちに進撃を開始した。冀州、青州は立て続けに制圧され、袁氏の勢力圏は、并州の高幹と幽州の袁尚に分断された。 なおも生徒会勢の進撃は止まらず、正月が明けてから李典・楽進率いる生徒会の大軍は高幹の守る并州校区へと動き出した。 数で勝る生徒会勢だが、高幹は地形を利して激しい抵抗を行っており、并州校区では現在も戦闘が続けられている。 一方、帰宅部連合(新聞部)を率いる劉備は、カント公園の決戦直後に関羽と涙の再開を果たし、冀州に主力を向ける生徒会勢の後方攪乱を行うべく汝南棟へ移動、黄巾党の残存勢力と共に決起した。 だが、蒼天会本部を狙う帰宅部の動きを曹操は見逃さなかった。夏侯惇、夏侯淵らの逆襲を受けた帰宅部は大敗し、汝南の地を維持出来ずに荊州校区へ逃亡したのである。 荊州校区へ逃れた劉備一行は、校区総代・劉表の庇護を受け、新野棟長に就任。帰宅部本来の新聞部としての活動を再開し、校区公認のローカル新聞(地方紙)「新野通信」を刊行していた。 「新野通信」は、その内容と劉備のカリスマ性との相乗効果で愛読者を多数獲得し、新野棟とその周囲の地域では徐々に劉備の名声と支持者が増大している。 劉備の本拠地となった新野棟には劉備を慕う生徒達が集まり始め、僅かづつにではあるが辺鄙な棟は賑やかになりつつあった。 だが、荊州校区本部では劉備の影響力を恐れ、蔡瑁を中心とするグループが密かに動き出していた。この動きは引退が近い荊州校区総代の後継者問題とも絡み、 このしばらく後から蔡瑁一派は幾度と無く劉備を付け狙う事になるのであった。 当の劉備は、妹分の関羽と張飛を従えながら校舎への道を歩いてゆく。だが、今日は生憎の大雪で路面電車(レールバス)が止まっている。生徒達は皆、雪道に苦戦しつつも校舎への長い道を歩いていた。 「・・・しっかしエライ雪やなぁ。歩きにくいったらあらへんで。」 「確かに歩きにくいですが・・・姉者、雪で路面電車が止まっています。急いだほうが良いかも知れませんよ。」 「・・・ハックション!!」 「そやな、急ごうか。電車使(つこ)うてたから気付かんかったけど、寮から校舎まで結構な距離あるで。」 「ええ、急ぎましょう。ここで我らが遅刻でもしようものなら、『新野通信』の名誉に関わります。折角生徒達の支持を集めてきたところです。生徒達を失望させるような真似は避けるべきです。」 「関さん、そこまで大げさに考えんでも・・・って、遅刻する以前に朝飯食えへんな。遅れたら。」 「・・・ハーックション!!」 「・・・翼徳?あんた寒いんちゃう?」 「まったく・・・だから『コートを着ていくように』と言ったのに・・・。」 当の張飛は普通の制服姿だ。ただし『制服』だけであって、その上には劉備の様なパーカーも、関羽の様なコートも何も着ていない。他の生徒の様にマフラーもしていないのだ。 「あんなのいらへん!だいたい動きにくいし面倒くさ・・・――ックショイ!!」 『要らない』と言い張る張飛だが、意地を張っていることは誰が見ても明らかだ。 劉備が白い溜息を付く。 「――ったく、見てられへんなぁ。しゃーない、コレ貸してやるわ」 「いえ、姉者がそこまでなさらなくても・・・それでしたら私が」 「ええって、いらん言うとるねん!んな事言うひまがあったら先にいくぞ!」 あくまでも拒絶する張飛であったが、劉備もこう言う事ではテコでも引かない。 「うるさい!お前が着ない言うならワイが着せたる!! 関さん、手伝ってな!」 「はぁ・・・姉者がそこまで言うのでしたら。」 関羽が張飛の腕を押さえ込む。内心『こんな道の真ん中で・・・』と思っているのだが、その一方で張飛のやせ我慢に 呆れているのもまた事実だ。増してや劉備はやる気満々であった。こういう時は止めても無駄だと、長い付き合いで分かっている。 「――っ、おい!よせって、こんな所で!!大体急ぐんじゃなんかったんか!?」 「お前が人の言う事聞かんから、こんな所で上着着せてるんやで。それが嫌なら大人しくせや!」 雪道の通学路でもみ合う三人。 はっきり言って目立つ事この上ない。劉備自身多数の視線を感じているが、今更やめる気にはならない。意地でも自分のパーカーを着せる気である。 もみ合う三人を避けて、横目で見ながら登校する生徒達。その中に紛れて――。 「あーぁ、朝っぱらからよくやるよ・・・雪降ってるのに。ま、私は構わないけど。」 遠巻きにこの騒動を見つめる少女たちの影に紛れ、嬉しそうに笑いを浮かべながら、一人の少女がビデオカメラを構える。周りの少女達も 目の前の騒ぎに目が向いていて、この少女の事に気付いていない。もちろん、劉備たちも――。 「おっ、いいよいいよ。翼徳〜頑張れ〜☆」 (『よくやるよ』って・・・そう言うあんたもよくやるよ、と私は思うね。ま、お互い様と言うところかな?) 構えたビデオに夢中になっている少女をこれまた横目に見ながら、一人の女生徒がもみ合う劉備たちを眺めている。品定めをするかのようなその目つきは、 興味本位で三人を眺める女生徒たちや、すぐ近くで楽しげにビデオを廻す少女のものとは全く性質を異にしている。 「あぁ、玄徳のヤツ!何やってんだ。折角良いアングルなのに・・・」 (『何やってんだ』はあんたもだろ。だが・・・確かに噂通り、面白そうな連中だな・・・) 満足そうに目を細めた少女は、向きを変えて校舎の方へと再び歩き始めた。その手には、袋に納められた竹刀が握られている。 (劉備玄徳・・・『新野通信』の責任者さんか。さて、どうしたものか・・・一応司馬徽先生に話しておくかな。) 「翼徳のヤツ・・・(ププッ)パーカーのサイズ合ってないぞ。(まあ、玄徳のだから当たり前なんだけど。)しかし今日は朝からツイてるぜ〜☆」 (それは良かったな。まあ、御健闘を。) 録画の邪魔にならないよう、竹刀の少女はビデオの少女の後ろを回って、そのまま遠ざかってゆく。少し 離れたところでは、無理矢理サイズの合わないパーカーを着せられた張飛が、露骨なテレ隠しで喚き散らしていた。 いつの間にやら荷物係になっている関羽と、ハリセンを振り回して張飛と向かい合う劉備。そして、それを様々な目で見つめる女生徒たち。 幾つもの思いが交錯しながら、新野棟の一日が始まろうとしていた。 ―第二部 END― ■作者後記■ ・・・何とか第二部、「雪道の交錯」が完成致しました。(タイトル被ったりしてませんよね?@滝汗) 第一部、「北風の銀華」と第二部が《午前の部》 次の第三部から《昼休みの部》となります。また製作が長引きそうで心苦しいのですが、どうか見捨てないで下さい(m‐‐m) ・・・張飛って冬でも薄着のイメージがあったので、あんな展開になりました・・・(^^; 敢えて名前出さなかった人物が二名ほどおりますが、誰だか分かりますよね? (^^;
207:教授 2003/02/23(日) 05:08 ■■卒業 〜序章 曹操編〜■■ 「孟徳、急げよ〜」 「分かってるって!」 卒業式当日の朝。 トーストを頬張りながら夏侯淳が曹操を急かす。 いつもと変わらない朝の光景だ。 当の本人は下着姿で制服を品定めしていた。 その数はクローゼット一つでは納まりきらない程だった。 同室の夏侯淳はやたらと制服を詰め込む曹操を見兼ねて、自分のクローゼットを使わせている。 その為、自分の分のクローゼットは無くなり、仕方なく自分で作って隅においていた。 「いい加減、何か着ろよ」 コーヒーカップを優雅に傾けながら苦笑いの夏侯淳。 「んーと…どれにしよ〜…」 下着姿のままの曹操がクローゼットを文字通り引っ掻きまわす。 暫くして、はたと動きが止まる。 そして一着の制服を手に取った。 「これ! これがいい!」 その制服は曹操自身が生徒会長に就任した時に特別に作った服だった。 夏侯淳は曹操の手に掴まれた制服を見ると、右目を閉じ憂いを込めた笑みを浮かべる。 「…それか。そうだな、今日はそれがいいだろ」 「うん。この服は…奉公がいなかったら作れなかったもん…」 きゅっとその制服を胸に抱きしめる曹操。 制服の右腕部に『郭嘉奉孝』という名前が刺繍されている。 それは彼女達を大勝利に導いた現生徒会最高の頭脳の名前。 今は亡きその人物の功績は評価しても評価しきれない。 それだけに早すぎるその死は曹操達に悲しみの涙を与えた。 曹操は姿見を前に制服に袖を通していく。 一年以上も前に作った服だが、それでも曹操の体躯にぴったりだった。 「…奉孝。今日は一緒に卒業しようね」 鏡に映る自分の姿を見ながら、いるはずのない少女に言葉を掛ける。 …と、その背後に微笑む少女の姿が映った。 「…! 奉孝!?」 ばっと振り返る曹操。 しかし、その姿は見えず、夏侯淳が不思議そうな顔をしてこちらを見ているだけだった。 「…どうしたんだ? 何か見えちゃいけないものでも見たような顔して…」 「う、ううん…何でもない…」 曹操は苦笑いを浮かべてもう一度姿見の前に立つ。 すると、また郭嘉の姿が曹操の後ろに見える。 「奉孝…」 今度は驚かなかった。 むしろ、嬉しささえ込み上げてきていた。 鏡に映る郭嘉が囁いた。 『卒業おめでとう…これからも私は貴方を見ています…』 懐かしくも力強い声。 曹操の目に涙が溢れてくる。 そして、郭嘉の姿が鏡の中から消える。 「本当にどうしたんだ?」 姿見の前で立ち尽くす曹操を心配して夏侯淳が傍に近づいてきた。 「何でもないよ。それよりも、早くいこ!」 「お、おい!」 涙を乱暴に拭うと夏侯淳の手を握り駆け出す。 郭嘉が最後に見せた最高の笑顔と言葉は何よりも曹操の心に残り続けていた。 『本当にお疲れ様でした、会長。私はずーっと傍にいますからね♪』
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