★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
522:北畠蒼陽2005/01/21(金) 21:32 [nworo@hotmail.com]
-覇者と英雄(3/4)-

運び込まれる肉の塊をちら、と横目で見て曹操は袁紹になんとなく、の疑問をぶつけた。
「袁紹は私が憎くないの?」
月が雲に隠れ、完全な闇があたりを包み込む。
一瞬の無言。
そして……
「……ぷっ」
袁紹の吹き出すような声。
「なッ……まじめに聞いたんだぞー!」
「ごめんごめん」
そう言いながらも袁紹はおかしそうに目じりをぬぐいながら……
「バカね、孟徳。あなたのことが憎いわけなんかない」

曹操はその言葉に衝撃を受けたように黙り込む。
その様子に気付いているのか気付いていないのか、袁紹は微笑みながら言葉を継いだ。
「私は次期蒼天会長になる。そして孟徳、あなたは私が誤ったらそれを正しい方向へと導く大事な人間。憎むはずがないじゃない」
「じゃあ……今は……」
呆然と声を震わせながら曹操が問いを口に乗せる。
「そうね……」
袁紹が少し考えこみ……そして悪戯っぽく微笑んだ。
「かわいい部下との武力を使ったレクリエーション、ってところかしら」
曹操は完全に黙り込んだ。
そして袁紹がその場を立ち去るまで身動き一つしなかった。
1-AA