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601:北畠蒼陽 2005/03/07(月) 02:46 [nworo@hotmail.com] -あおいそら- その日…… 彼女は桜の並木道を歩いていた。 もちろん桜の季節にはまだ早い。 葉もない桜などただ物悲しいだけである。 彼女はそんな道を歩いていた。 向こうに見知った顔を見つけはっとする。 その少女は大勢の少女に囲まれ楽しそうに話をしていた。 「……でん」 声をかけようとして思いとどまる。 いまさらどんな顔をして会え、というのか。 少女の胸には誇らしげにコサージュがゆれている。 そして親友、なのだろう…… 4月に学園生活の転機が訪れて……そして彼女にはすでに親友とも呼べるひとがいる。 自分の隣には誰もいない…… 彼女は伸ばした手を下ろし…… そして軽くこぶしで自分の額をこつん、と打ちつけた。 彼女……袁紹は1人だった。 学園の卒業式は通常、校区ごとに行われる。 そして冀州学院校区…… この場所において袁紹は卒業式を迎えようとしていた。 式も単調に進められていく。 その中でも袁紹はたった1人だった。 一般学生たちが袁紹のほうを見て、なにかを囁きあい、そして笑っている声が聞こえる。 仕方がない、と思う。 自分はそれだけのことをやってしまった。 多くの人を……自分を信じてついてきてくれた人を裏切ってしまった。そう思う。 卒業式という行事の中、袁紹は一人ぼっちだった。 「……続いて連合生徒会会長よりの祝辞です」 退屈な式を聞き飛ば、そうとして袁紹ははっ、と顔を上げた。 連合生徒会会長!? まさか、と思った。 彼女がこんなところに来るわけがない…… 彼女を魏会長に推す動きがあることは袁紹も風の噂で聞いていた。 そんな大事な時期に彼女がこんなただの一般行事にくるわけがない……! 小柄な少女がステージの壇上に姿を現した。
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