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939:韓芳 2006/08/06(日) 01:49 咲かぬ花 第1章 更なる闇への突入 ここは徐州・下邳棟。 今、下邳棟は曹操・劉備連合に完全に包囲されていて、もはや勝ち目無しかと思われていた。 そんな折、陳宮が打開策を打ち出した。 「―――ということです。どうでしょうか?」 「ほかに何か意見ある?」 「あっても聞かないくせに・・・」 「陳宮、何か言った?」 「いえ、何も。」 「じゃ、この作戦で行こう。各自明日の昼までに準備を整えること!遅れると承知しないよ!」 「はっ。」 「あ、高順・・・・・・」 「? なんでしょう?」 「・・・いや、なんでもない。」 「でわ、失礼します。」 「準備よろしくね〜!・・・・・・なんでかなぁ・・・はぁ・・・」 「呂布様。明日の人数についてですが・・・呂布様?」 「ん?あぁ、何でもないわ。それで、人数は―――」 「ふぅ。忙しくなりそうね。」 降順は会議室を出て、とりあえず寮へ帰る。 下邳棟は完全に包囲されてはいるものの、一応規則があるために放課後以外戦闘はしない。 が、授業中は数人で下邳棟の交通整理を、放課後は完全に出入りを遮断し、私達を徐々に圧迫している。 何人かは学校で泊まっているほどである。 「陳宮の策かぁ・・・まあ、やってみれば分かるでしょう。」 正直なところ、高順は乗り気ではなかった。陳宮が好きになれなかったからである。 なので、いくら軍師とはいえ、普段の生活では陳宮とはあまり話したことも無く、話そうとも思わなかった。 「気が合わない分けじゃない。けど・・・」 自分の部屋に入ると、着替えを済ませベットへ倒れこむ。もちろん、すでに部下に指示は出してある。 「陳宮か・・・確かに、私たちには軍師が必要だったわ。そして、この状況を何とかしようと頑張っているのも事実。だけど・・・」 「『だけど・・・私の私の呂布様を奪い取るなんて・・・』」 「なっ・・・魏続っ!あれほど人の部屋に勝手に入るなと!!」 「わーっ!待った!ごめんごめん。独り言が丸聞こえだったから、ついね。」 顔を真っ赤にして襲い掛かろうとするところを見ると、半分事実だったらしい。 「ふぅ。・・・あやうく怪我をさせるところだった。ごめんなさいね。」 「いいよ〜♪いつものことだし。」 高順に睨まれてあわてて話題を変える。 「あっあのね、1つ重大な報告があるの。」 「?何かあったのか?」 魏続が急に真剣な面持ちで言った。 「・・・作戦が中止になった。」 「えっ・・・?なぜ・・・」 さすがの高順も焦りの色が見える。 「多分、呂布様の妹あたりがせがったんでしょう。危ない橋は渡らないで、って。私も最初は耳を疑ったわ。」 「そんな・・・今動かなければ将来もっと状況は悪くなることは分かってるのに。妹の言葉に動かされるなんて・・・」 「影で何人かは呂布様を見限り始めているわ。このままだと、下邳棟は分裂してしまうでしょうね。」 ・・・・・・ 「あれ?高順?まさか・・・」 そのまさかであった。すでに高順は、呂布のもとへと駆け出していった後だった。 「う〜ん、これはちょっとまずいかな〜?」 そう言うと、魏続も後を追った。
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