★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
519:海月 亮2004/12/20(月) 22:13
なんだかミョーな歌を大音響でたれ流しながら、漢中アスレチックの管理人棟の一室にソイツはいた。
目鼻の整った顔、軽くウェーブのかかったセミロングの髪、そして白衣をまとった上からでもわかる、高校生離れしたプロポーション。
黙ってさえいればほとんどの人間が「美人」と呼ぶだろうその人は、しかして蒼天学園"最凶"の名をほしいままにする奇人、帰宅部連合ナンバー2の鬼才・諸葛亮、綽名を孔明である。
彼女の趣味でその部屋に取り付けられた、部屋の殺風景さから見るとどう考えても不似合いな、豪華なダブル・ベッドに寝転びながら、その脇に山と積まれたアニメ雑誌、ゲーム雑誌の類を貪るように読んでいた。
恐らくは、次のイベントで描く同人誌のネタを、そこから探しているのだろう。既存の人気作品にこだわらず、常に新しいところから読者のニーズに応える作品を生み出す…これが、彼女や劉備のポリシーでもある…と、考えているのは恐らく当人だけではなかろうか。
そんな彼女の一時をぶち壊しにしたのは、前線からやってきた一通の封筒だった。
省46
520:北畠蒼陽2005/01/21(金) 21:30 [nworo@hotmail.com]
-覇者と英雄(1/4)-

「あら、おいしい」
袁紹が少し驚いたように箸を止めた。
世界有数の名門、袁ファミリーお抱えの料理人の手によるものである。不味いわけがない。ないのだが……
「なかなか上質の和牛が手に入りましたもので……」
省22
521:北畠蒼陽2005/01/21(金) 21:31 [nworo@hotmail.com]
-覇者と英雄(2/4)-

「も、孟徳ッ!」
「……う、にゃあ!?」
夢の中で泣きながら電子レンジの塩焼きを食べることを強制されていた曹操はその慌てたような声に叩き起こされた。
時計を見る。
省30
522:北畠蒼陽2005/01/21(金) 21:32 [nworo@hotmail.com]
-覇者と英雄(3/4)-

運び込まれる肉の塊をちら、と横目で見て曹操は袁紹になんとなく、の疑問をぶつけた。
「袁紹は私が憎くないの?」
月が雲に隠れ、完全な闇があたりを包み込む。
一瞬の無言。
省24
523:北畠蒼陽2005/01/21(金) 21:35 [nworo@hotmail.com]
-覇者と英雄(4/4)-

曹操は夜闇の中、立ち尽くす。
「孟徳……夜風は体に悪い。風邪を引くぞ」
夏侯惇の言葉に……曹操は火がついたように……
苛烈に地団太を踏んだ。
省38
524:★惟新2005/01/26(水) 07:34
むしろ田沢湖並の深さでキュンキュンしてしまいました(;´Д`)ハァハァ
軽妙な流れの中、グッと引き締まる、宿敵となった幼馴染同士!
二人とも優れていればこその複雑な心境…くぅ!
それにしても袁紹さまの大物っぷりにやられました〜(=´∇`=)
525:北畠蒼陽2005/01/26(水) 14:49 [nworo@hotmail.com]
>惟新様
ぇ〜、こんなモノに過大な評価、光栄の至りです。
またなんか思いついたら投下しますねー。
526:北畠蒼陽2005/01/26(水) 23:16 [nworo@hotmail.com]
-或る少女の最後の日-

「うふふっふ〜♪」
少女はうかれていた。
子供の頃からずっといじめられてきた自分が今、この場に立っていることが信じられなかった。
自分は一生、地虫のようにはいつくばって生きていかなければならないのだと思っていた。
省70
527:海月 亮2005/01/26(水) 23:58
>北畠蒼陽様
お初にお目にかかります、半年ほど前から入り浸って、このサイトで狼藉の限りを尽くしている海月という者です。
考えてみれば1/20の時点で、SSスレに最期の投稿やらかしてたのは私だったから、本来は私が一番最初に気づいていなければいけなかったとか何とか…
_| ̄|○無礼の段、何卒お許しを。

っと、昜&鍾会ですな。
省10
528:海月 亮2005/01/27(木) 00:00
-東興・冬の陣-(1)

「左回廊、弾幕薄いよ! 何やってんの!」
トランシーバーを左手に、蒼天学園公認のモデルガンを右手に、長身の少女が檄を飛ばす。
小さなお下げを作った黒髪を振り乱しながら、窓の外へモデルガンを乱射しつつ指示を飛ばすその少女の名は留略という。長湖水泳部の現部長・留賛の妹である。
長湖部次期部長選抜に伴う内輪もめ…後に「二宮の変」と呼ばれる事件を経て、孫権が引退した直後の混乱を突いた蒼天会の大侵攻作戦が実行に移されたのだ。それを、前線基地である東興棟で留略と、先に引退した全Nの妹・全端がその猛攻を食い止めている状態だ。
省46
1-AA