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523:北畠蒼陽 2005/01/21(金) 21:35 [nworo@hotmail.com] -覇者と英雄(4/4)- 曹操は夜闇の中、立ち尽くす。 「孟徳……夜風は体に悪い。風邪を引くぞ」 夏侯惇の言葉に……曹操は火がついたように…… 苛烈に地団太を踏んだ。 「う、うああああああああッ!」 獣のような声を上げ、あたりかまわず殴りつけようとする曹操を…… 「やめろ、孟徳!」 少し驚いたように、しかし慌てずに夏侯惇が曹操を背中から抱きすくめ止める。 曹操は……人目をはばからずに泣いていた。 泣き、わめいても発散できないストレスを押さえつけるように暴れた。 「元譲……私、いったん許に帰るから……蒼天会長にいろいろ報告もあるし」 曹操は夏侯惇に抱きかかえられたまましゃくりあげながらそれでもしっかりと言葉を刻んだ。 「再び私がカントに帰ってきたとき、本初お姉ちゃんを全力でつぶす」 「袁紹様、よかったのですか?」 張コウが車内で袁紹に声をかけた。 袁紹は、曹操とあったことで明らかに憔悴していた。 (無理もない) 張コウは心の中でそう思う。 袁紹が生まれついての『覇者』なら曹操も生まれついての『英雄』だ。 むしろあの曹操を相手に内心はともかくまったく表情を変えなかった自分の主君を誇りに思った。 「……張コウ」 袁紹は目を閉じながらがぐったりと口を開く。 「私は孟徳との勝負に勝つかもしれない。負けるかもしれない」 張コウが口を開こうとするのを手で制し、袁紹はそのまま言葉を紡ぐ。 「もし私が負けたら蒼天学園は孟徳のものよ……でも長湖部をはじめとしてまだまだたくさん敵はいる」 張コウは黙って袁紹の言葉を聴く。 「あなたは顔良、文醜すらがリタイアしたこの戦いで生き残っている。これからも生き残りなさい。そして孟徳軍の要になりなさい」 目を閉じ、月明かりに身を任す。 張コウはその主君の横顔を見つめ、そしてハンドルを握りなおした。 ----------------------------------------------------------------- というわけではじめてこういう形式のbbsにカキコして、しかもはじめてのSS投稿です。 泣きそうです。泣きませんけど(ぇー 大目に見ながら宍道湖くらい広い気持ち(中途半端)で読んでやってください。 お目汚し失礼いたしました。
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