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591:北畠蒼陽 2005/03/04(金) 21:00 [nworo@hotmail.com] -Sakura- 最終話:染井吉野 「うん、うん……わかった……ありがとう……うん、それじゃまたあとで」 孫程は携帯電話をゆっくり置いた。 やはりあの2人に済陰の君の説得を頼んでよかった。 自分であればなせなかったであろうことをあの2人はこんなにも短時間で成し遂げてくれた。 ……さて…… 机の上に置いた携帯電話を指でもてあそぶ。 これで終わった、といえないのが体育会系のつらいところ。 「むしろこれからが本番、ってね〜」 左手で携帯電話をくるくると回しながら器用に右手に皮のグローブをつける。 ぱちん……最後にバタンを留める。 グローブが手になじむのを……自分の手と同化していくのを感じる。 「ふぅ……」 さぁ、これから、だ…… このとき、孫程すらも知らなかったことだが少サマは喘息で入院しており、明日にも蒼天章を返上するかもしれない、という状況であった。 少サマはわずか初等部2年生…… もちろん政治がどういうものか、ということはわかりもしないし後継者を指名するなどできようはずもない。 密室政治により後継の蒼天会長は河間の君、劉簡と決まっていた。 もはや一刻の猶予すらなかった。 孫程は肩をぐるぐる回しながらそこに立っていた。 風が身にしみる。 目線を少し上にやると司隷特別校区の名物校舎、3号館、通称西鐘校舎が見える。 無機質に校舎を眺めてから孫程は再び体をほぐしにかかる。 孫程はいつものカムロの服を脱ぎ去っていた。 かといってスカートなどをはいていたわけではない。 孫程はその身に拳法着をまとっていた。 これは動きやすい。 動きやすいが目立つ。 だが目立とうと目立つまいと孫程にはまったく関係なかった。 (とりあえず……うん……) 心の中で手順の確認。 そして腕時計を見る。
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