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729:烏丸 沙宮 2005/07/10(日) 20:15 流石に、朝も早いこの時間、食堂には人がいなかった。四人は、自分の分のトレーを受け取ると、いつもの席へ向かった。 それぞれに食べ始めると、二人の女性が近づいてきた。 「あ、張遼先輩、李典先輩。」 真っ先に気付いた于圭が言った。それは、犬猿の仲とも呼べる組み合わせだった。そんな二人が食堂で食べるとは、珍しい。 「おはよう、皆。」 「おはよう。」 先輩が挨拶したからには、こちらも挨拶し返さないといけない。 「「「「「「おはようございます!」」」」」」 そして、二人は席に着いた。張遼は張虎の隣。李典は李禎の隣。真反対の方向であった。二人の先輩は気にしないで食べ始める。 やがて、李典がお代わりすると言い出した。飯櫃に一番近いのは張遼である。張遼が厭味たらしく言った。 「あらー、李典さんお代わりするの?運動しないのに?そ ん な だ か ら最近横っ腹が出てきてるんじゃありませーん?」 李典も負けじと言い返す。 「あらー、じゃあ張遼さんはお代わりしないの?そ ん な だ か ら試合中集中力が途切れたりするんじゃありませーん?」 二人の視線は、冷たい氷のように寒い空気を生み出した。それに気付いた徐蓋が言った。 「李典先輩、私がくみます!」 徐蓋の伸ばした手に、李典のお茶碗が乗っかると、張遼は『フンッ』とでも言うようにそっぽを向いた。それに胃を痛くしたのは李禎である。 「どうして二人とも、仲良くできないかなぁ・・・。」 学校へつくと、張雄と李禎とは分かれた。二人は日直なのだ。階段を上りながら、楽チンはのんきに言った。 「今日も仲悪かったねぇ、張遼先輩と李典先輩。」 「そうだねぇ。卒業しても、お姉さまと李典先輩の仲はよくならないと思うな。」 受け答えをする張虎も、のんきなことだ。于圭は呆れた。 「張虎、お前には自分の姉たちを仲良くさせようとする気は無いのか。李禎はあんなに胃を痛めてるというのに・・・。」 「だって、無駄でしょ?」 悪びれず答える。こんなのを説得するほうが時間の無駄である。そんなこんなで、教室に着いた。 「ねえ于圭、今日の数学の宿題やった?見せてー!」 教室に着くなりそんなことを言っている楽チンに、于圭は特大の怒鳴り声を浴びせた。 「そんなん自分でやれぇーーー!!」
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