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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
763:北畠蒼陽 2005/07/23(土) 21:14 [nworo@hotmail.com] 「まったく……一騎打ち? そんなバカなことばっかり言ってるとMNSVに犯されてえそ斑点病になっちゃうぞっ!」 えそ斑点病ってメロンの病気じゃないかッ! せめて人間様の病気を言えッ! ストレスがたまるのを感じる。 なるほど……承淵の心配どおりになった。 そう自分で思い当たった瞬間、なぜか心が楽になった。 なるほど。『突き抜ける』っていうのはこういうことなのか。 「朱績ちゃん、聞いてる? おぉ、不肖の主将よ。人の話を聞かないとは嘆かわしい」 王昶がわざとらしく首を横に振る。 なぜかそのときのあたしの心の中は余裕で満たされていた。 「全煕、全員を下げさせて」 傍らの全煕に指示を出す。 「え、でも……」 「いいから」 全煕の反論をにっこりと笑って封じる。 『なにがいいものか』という全煕の顔。多分、彼女はまだあたしが感情に突き動かされてる、と思ってるんだろう。 気持ちはわかる。 でもあたしには勝算があった。 全煕が渋々、全員を後退させる。 「……?」 拡声器からの声はない。でも当惑の雰囲気だけは伝わってくる。 ……大丈夫だよ? その当惑に答えを与えてあげる。 あたしは全煕にさらに指示を出したあとゆっくりと拡声器のスイッチを入れた。 「やぁやぁ、さすがは名将? あたしじゃ太刀打ちできないからこのまま撤退させてもらおうと思うんだけどそういうのってどんなもんかな?」 あいつは…… 王昶は確かにすごい。それはもう認めざるを得ない。 でも、だからこそ。 今、あたしは撤退を宣言した。 実際にその選択肢も幕僚会議で出ている。 あたしはあくまで援軍。援軍『だけ』で決まる勝負なんてこの世に存在しない。 要するに主戦場の朱異ががんばってくれさえすればあたしまでがんばる必要はないのだ。 そう思っても……誤解させてもおかしくないのだ。 だから撤退する。 王昶ならそれを追撃することだろう。 後方からの攻撃というのはいつでも、誰にとっても弱点だからだ。 しかも相手はあたし……王昶にとって安全牌以外の何者でもないだろう。 だから追撃させる。 王昶に校舎の主力部隊を空にさせる。 その隙に伏兵に校舎を攻めさせる。 今、全煕に精鋭を募らせている。 あたしが弱いからこそ…… ……必ず王昶をトばすことができる。 あたしは確信していた。
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