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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
855:北畠蒼陽 2006/02/05(日) 20:46 [nworo@hotmail.com] 「こんにちは、今日はいいお日柄ね?」 「……」 上機嫌に語りかける少女にもう1人の少女は無愛想に応じた。 袁紹と公孫サン。 易京棟の戦いの勝者と敗者が、同じ易京棟の生徒会長室において顔をあわせた。 ブルーブルーデイズ 「……私はすでに蒼天章を返上した身だ。なんの用だ?」 公孫サンはうんざりしたように……袁紹と目を合わせることもなく視線を斜め下に泳がせながら呟くようにいった。 その背には田楷、関靖ら、公孫サンの腹心たちが憔悴した顔で付き従っている。 「なんの用、ですって?」 公孫サンの言葉に眦を吊り上げる袁紹。 「貴女1人が蒼天章を返上したところで劉虞さんは帰ってこないわ。無意味なのよ、貴女は」 吐き捨てるように言う袁紹。 その話か……公孫サンは顔を下に向け苦笑した。 劉虞は私にとってジャマだった。だから潰した……それだけのことだ。 「なにがおかしいというの……ッ!」 手を振り上げる袁紹。 パシーンという音が鳴り響き、公孫サンが左頬を押さえて1歩後ろに下がった。 「貴様……!」 袁紹に飛び掛ろうとする関靖を左手で制して公孫サンは右手で口の端をぬぐう。 おっと……唇を切ったようだ…… どうでもよさそうに公孫サンはその血を眺めた。 「ふん……無能は無能なりによく躾けてあること。ただその程度が腹心、ってようじゃ私に逆らうのは早すぎたみたいね」 揶揄するように袁紹が呟く。 「……なぁ、袁紹殿。もう開放してもらってもいいだろうか? 今日は見たいテレビ番組があるものでね」 小ばかにしたように言う公孫サンに袁紹の眉が危険な角度につりあがっていく。 お、もう一発殴られるかな…… 公孫サンは苦笑する。お嬢様のお守りも大変だ。 しかし次の瞬間、袁紹の顔には微笑が広がった。 「……?」 なんだ、この余裕は……? 「そうね。もう帰ってもかまわないわ……麹義」 「はーいよ♪」 袁紹は後ろに控えていた腹心の名を呼ぶ。それと同時に顔良、文醜……2人が公孫サンの斜め後ろについた。
856:北畠蒼陽 2006/02/05(日) 20:46 [nworo@hotmail.com] 「みなさんをお連れして頂戴」 「はいはい、了解」 袁紹の言葉に麹義は砕けた一礼をしてから部屋より退出する。 なんだ、この胸騒ぎは…… 公孫サンは嫌な予感に眉をひそめる。 「そちらは……部下に対しての躾が完全に行き届いているようね。まったく羨ましいわ」 嫌味でも言わないと……自分が抑えられない。 「まぁ、待っていなさいな」 ふん、と笑う袁紹。 「大将、つれてきたよ〜♪」 「入っていただいて」 廊下からの麹義の声に、視線を公孫サンから離すことなく袁紹は言う。 公孫サンは唖然とした。 そこに入ってきたのは自分の戦友たち……白馬義従の面々。その胸に輝く蒼天章に公孫サンは顔をほころばせた。 ……よかった。私のせいでトばされずにすんだんだな。 「よかったわ、貴女が忘れっぽいひとじゃなくて……この方々の顔も覚えておられなかったらどうしようかと思ったところよ」 公孫サンのその表情に満足したように袁紹は、その白馬義従の1人の蒼天章を中指で弾き飛ばした。 一瞬なにが起こったのかわからなかった。 「あらあら、どうしたのかしら、呆けちゃって」 袁紹はくすくすと笑いながら2人目の蒼天章に手を伸ばす。 「貴様ッ! やめろーッ!」 袁紹に飛び掛ろうとした公孫サンは……しかし後ろから顔良、文醜に肩を押さえ込まれ床に倒れる。 袁紹はくすくすと笑いながら……次々と蒼天章を弾き飛ばしていく。 「やめろッ! やめろーッ!」 悲痛な叫び。 袁紹は振り返る。 その目に……公孫サンは初めて恐怖を感じた。 笑みなどもうすでにその顔には浮かんでいない。あるのはただ純粋なまでの憎悪。 「劉虞さんがそういったとき貴女はどうなさったのかしら……?」 公孫サンは黙り込む。 これは罰だとでも言うのか…… 黙り込んだ公孫サンに袁紹は白馬義従からはずした蒼天章を公孫サンの顔めがけて叩きつける。 蒼天章は公孫サンの額にぶつかり、血が流れた。 「私は……貴女をトばしたことを誇らない。最も恥じるべき愚者、公孫サン、貴女はこの学園に通う価値もないわ」 袁紹の宣告にも公孫サンは答えることができず…… 翌日、公孫サンは転校届けを出した。 彼女がどこに転校したのかは学園史にも残されていない。
857:北畠蒼陽 2006/02/05(日) 20:47 [nworo@hotmail.com] かっこいいエンディングのあとには醜いほどのエゴがあるッ! どっちかといえばエゴのほうを書いてたほうが楽だと思う北畠です、ごきげんよう。 >弐師様 ……に影響されて公孫サン&袁紹を書いてみました。 公孫サンを書いたのははじめてかな? かっこいい話のあとなんでおもいっきしアレな話にしちゃいましたが……なんか、ねぇ? 最近ギャグを書いてないのでギャグが書きたい! もう空気読んでないようなギャグが! とりあえず合格おめですよぅ。 高校受験といえば……うちの中学もゲーセン禁止だったんですが受験の帰り道、ゲーセンに寄ったら先生に見つかって補導されたのはいい思い出ですあははははは! 三国志大戦はおもろいですよ〜。もしよかったらいろいろ教えますし(笑 ぜひやりまっしょい。
858:海月 亮 2006/02/07(火) 20:40 うむ? ( ̄□ ̄;) おい俺は越されたのかぁぁぁ━━━━━━(;;゚Д゚)━━━━━━ !!?? やばいよここんとこ2chの音ゲー板で遊んでたよ私!? つか私ってば確か関羽攻略の続き考えてたと思ったら… ぜんぜん話進んでないようわーん回線切って吊ってやるー!・゚・(ノД`)・゚・ …冗談はさておき(半分本気だったけどw) >弐師様 いやぁやれやれ、なんだかあっという間に追い越されちまいましたよてかもうメチャ萌えた(;´Д`) 大丈夫大丈夫、腑抜けた今の私じゃあ束になってもこれ以上の作品かけませんって_| ̄|○ こうなったら絵で支援だ、近日ちうに関靖描いて来る!!(;;゚Д゚)ノシ >北畠蒼陽様 お嬢様黒いよお嬢様ッ!(;;゚Д゚)でもそういうのも私は大好きだ!!w いつぞやの鐘会もそうだったけど、人間のこういう面を巧く書けるのってめっさ羨ましいです本当に。 私はそういう表現が下手くそだから未だに岑昏と郭図のイメージが巧く出来なくて困ってますよ_| ̄|○
859:弐師 2006/02/08(水) 20:36 >北畠蒼陽様 良いですね、劉虞を飛ばしてからの「小董卓」的な公孫サンにはこういう結末しかないでしょうね 私にはこういった話は書けないのでうらやましい限りです。 三国志大戦には劉虞と公孫サンは出てるんですか? >海月 亮様 いえいえ、まだまだ未熟者でございます。 続きを期待していますです。 無理せず頑張ってくださいませ。 さて、次はどうしましょうねぇ。 九泉での劉虞と公孫サンの話とか、界橋とか、劉虞戦とか。 個人的には劉虞も好きなのでその話になりますかね。
860:冷霊 2006/02/11(土) 16:41 白水門への出立 「やっぱり行くんですか?」 「ああ、タマのお願いなら断る理由がないだろう?」 楊懐が荷物をまとめ、問いかけに答える。 「でも、先輩達がわざわざ白水門まで行かなくても……」 「あたし等だから行くんでしょ?」 トウ賢の言葉を高沛が遮る。 「それだけ信頼されてるって証拠でしょう。嬉しい話じゃないの」 高沛がトウ賢の肩に手を置く。 「それに気になることもあるしね……」 高沛が楊懐に視線を送る。 楊懐は応じるかのように頷く。 「……荊州の劉備」 視線の意味を理解した冷苞が口を開く。 「いくら張魯対策っつっても、わざわざ呼ぶ必要もないと思うんですけどねー……」 トウ賢が呟く。 周りの意見を鵜呑みにするのは劉璋の悪い癖である。 今回は曹操への偵察もこなした張松の提案だが……どうも腑に落ちない。 賛成派が異様に多かったのも気になる所である。 「張魯くらい、オレとトウ賢でもトバせるのに……」 「冷苞、相手を倒すだけが戦いじゃないぞ」 楊懐が嗜めるように言う。 「相手を制するのも戦いだ。お前等が行けばどれだけ怪我人が出ると思う?」 「あ……」 冷苞が不意に声を漏らす。冷苞やトウ賢が腕が立つのはわかる。 下手すると高沛や楊懐とタメを張るかそれ以上なのだ。 そんな二人が行けば当然敵にも大きな被害が及ぶだろう。 「タマちゃんの優しさってトコかな?相手のことまで気使う必要ないのにさ」 クスリと微笑む高沛。 「ま、逸る気持ちも分からないでもないが、な」 楊懐が笑みを浮かべ、冷苞の肩を叩く。 「楊懐さん……」 冷苞が握り締めていた拳をそっと解く。 「ま、私の初陣もお前達と同じ頃だったからな」 懐かしそうに楊懐が遠くを見つめる。 その様子を見て、同じく目を細める高沛。 「そうそう、初陣と言えば楊懐が……」 「こ、高沛!」 少しだけ慌てた様子で楊懐が声を張る。その頬は僅かに紅潮している。 「初陣がどうしたんですか?」 冷苞が首を傾げた。 「ん?聞きたい?聞きたい?」 「聞きたいでーす」 トウ賢が口元を綻ばせながら答える。 一方、尋ねた高沛の口元も既に緩みっぱなしだったりする。 「無駄口を叩くな!高沛、さっさと行くぞ!」 「楊懐せんぱーい、まだ荷物詰め終わってないんじゃないんですかー?」 憮然と立ち上がる楊懐へトウ賢が追い討ちをかける。 「だ、だからさっさと準備を済ませろ!それに高沛も終わってないだろう?」 「……あ」 そこには詰める途中で放置された高沛の荷物が置いてあった。 「それじゃ、さっさと準備済ませちゃいましょーか。冷苞は楊懐先輩の手伝い宜しくー」 トウ賢はすたすたと高沛の後に付いて行く。 「うーん……一体何が……?」 冷苞は首をかしげたまま、楊懐の方へと歩み寄っていった。
861:冷霊 2006/02/11(土) 17:02 いろいろ迷った挙句、一旦出発の話を書いてみました。 劉璋や劉闡も登場させたかったのですが、とりあえず東州関係者でまとめてしまいました。 劉備との対面なども結局書き直したり……むぅ、ぼちぼち頑張らねば(汗) >弐師様 まずは合格おめでとう御座いますー。 改めて読み返してみると、関靖が酷吏と呼ばれてたのを初めて知りました(汗) でも、公孫サンに信頼されてたり袁紹軍に突撃したりなど一概にそう言えない面も…… 何だかそういう関靖の一面を感じちゃいました。 >北畠様 因果応報といいますか……歴史の影の部分を垣間見たような気も致します。 やはりこういう話も時には必要となるわけで……見習わなくては、ですね。 いつかきちんと、こういう話も書いてみたいものですね。
862:北畠蒼陽 2006/02/12(日) 21:19 [nworo@hotmail.com] >冷霊様 んー、東州をこのまま進めていくと…… いや、とても私好みの血で血を洗う展開になりそうです。めでたい! とりあえず楊懐&高沛はがんばってほしいですね。うひひ。
863:北畠蒼陽 2006/02/17(金) 17:59 [nworo@hotmail.com] 夏の日差しがプールの水面に乱反射する。その眩しさに諸葛誕は目を細めた。 「いっやー、あっついねぇ! もう青春って感じだねぇ!」 隣にはご機嫌な王昶。王基はちょっと離れたところで泳いでいる。 「ちょっと静かにしなさいよ……っていっても聞いてくれるようなタマじゃないわね」 諸葛誕が自分のセリフに諦めたように視線を斜め下45度のあたりへ彷徨わせた。 「こう暑いと太陽に向かって叫んじゃうね! 青春セリフバンザイ!」 青春セリフってなんだ…… 「あぁ、叫んでもいいから大人しくしてて」 「公休は不純異性交遊のエキスパートになりましたー!」 王昶は諸葛誕にエアウォーターガンの射撃を食らった。 「目がー目がー」 「水が当たったのは胸だし! あんたが向かって叫んだのは太陽じゃなくて女の子だし! そもそも不純じゃないし!」 泳いでいた王基が諸葛誕の方向に顔を向ける。 「……不純じゃないってことは男がいる事実だけは認めるのね」 「あんたらなにやってんのよ……」 視線を向けると諸葛恪が怖い顔をしていた。 なついあつのほにゃらら 「あー、やっほー、元遜」 「やっほー」 諸葛誕が嫌な汗を額に浮かべながら手を振る。王昶もまねをした。王基は無表情に手だけ振った。 「あんたら、なにやってんのよ……」 諸葛恪がもう一度同じ質問を発する。 「ほら、泳ごうと思って」 王昶が滅多やたら明るく答えた。 「あの……私は止めたのよ?」 諸葛誕が目線をそらす。 「泳ぎたい、それはわかった……で……」 諸葛恪が言葉の途中に無理やり笑みを浮かべる。額にはもちろん青筋。 「な ん で わ ざ わ ざ 建 業 棟 ま で 泳 ぎ に 来 る の か し ら ?」 「ん、だってここのプール広いじゃん」 王昶がこともなげに言って王基はこくこくと頷いた。んで泳ぎだした。 「泳ぐな人の話を聞けー!」 王基が不満そうな顔をして泳ぐのをやめる。 「いや……私は止めたのよ?」 諸葛誕は目線をそらしたまま。でもしっかり水着を用意しているので同罪だと思う。 「……まぁまぁ、夏休み中は無礼講」 とりなすように言う王基。 「無礼すぎるわッ! ……うっ」 頭に血があがってちょっとふらっときたようだ。 「あー、大丈夫?」 「はぁはぁ……大丈夫、ありがとう……じゃないわよッ! ……うっ」 ふらっときた。 「もぉ……ほんとに夏休み中だけだからね! それ以降来るんじゃないわよ! あとあんたらが来たらうちの部員がドン引きするから前もって襲撃を連絡してちょうだい!」 不機嫌な表情のまま、それでも何を言ってもムダと悟ったか諸葛恪がため息をついた。 「悪いわね、元遜」 「いいわよ。あんたもヘンなヤツらのお守り大変ね、公休」 従妹同士が苦笑を交わす中、王昶が張り切って宣言した。 「じゃ、前もって連絡ってことで明日明日ー!」 「毎日来るつもりかよッ! ……うっ」
864:北畠蒼陽 2006/02/17(金) 17:59 [nworo@hotmail.com] やっとギャグが書けました。 これを書いてる最中に新聞屋が襲撃したので撃退成功。つまりこの物語が書けたのは新聞屋のおかげです。ありがとう新聞屋。もうこなくていいよ! 夏ダイスキ星人、北畠にとって今の季節ってのは、まぁ、じょじょにあったかくなってきてるとはいえ苦痛でしかないので夏ですよ! ド夏! はやくあったかくなれー。30度くらいに。
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