下
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
887:海月 亮 2006/03/05(日) 01:34 >冷霊様 お、白水門の攻防ですな。 この展開を見ると、かなり濃いものが期待できますな。 あと、バレンタインの話 >>431もそうですが、過去ログ読むと恐らくは関羽かと。あと張任かな。 そして私・海月は甘いものは好きだけどチョコは苦手というひねくれものです^^A
888:弐師 2006/03/05(日) 11:20 今日もまた、屋上でうたた寝をする。 つまらない授業をほっぽりだして、私はここに来ていた。 授業が解らないのではない、解るから、つまらないのだ。 あんな風に、他の人たちにも解るように、ゆっくり、丁寧に進んでいく授業など、つまらない。 もちろん教師達は正しい、わかりやすいように教えるのは、彼らの仕事であり、それが当然の事なのだ。 それに馴染めない、私が異端なのだ。 まあ、だから、というわけでもないのだけれど、いつしかここで、授業をさぼって一人で寝るのが習慣となっていた。 一人で、 そう、独りで。 「あれ、其処にいる人、どなたですかぁ?此処は立入禁止だよ?」 うとうとしているところに、急に声を掛けられ、そちらへと顔を向ける。 其処にいたのは、栗色の髪の少女。 そうだ、この人は確か・・・ 「棟長さんの妹さんか、こんな場所に何の用?」 そう、彼女は確か公孫越と言って、この北平棟の棟長である公孫サン先輩の妹だった。 「えっとね、「授業をさぼってばっかりだけどテストの点は良い」って言う人類の敵見たいな娘が私の同級生に居るって聞いたからね、探してたんだ。よろしくね 厳 綱 さ ん ?」 にっこりと、挑発するかのように微笑む彼女。 ご丁寧に、私の名前の部分にアクセントをつけてくれた。 なにが「どなたですかぁ?」だ、まったく。 最初から私目当てか。 棟長の妹って言うから、ただの真面目な娘かと思ってたが、なかなか、食えない娘じゃないか。 面白い。 「ふふ、人類の敵とは言ってくれるじゃない。」 「だって、そうでしょう?私みたいなお馬鹿さんには貴女の存在はもはや犯罪だよ?」 また嘘? この娘は、一年生どころか、上級生にも負けないほどの知謀を持っている。 ただ、それを表に出さずにこにこしてるだけ。 ほんとに面白い娘。 「で?結局何の用?人類の敵をやっつけにきたのかしら?」 「まさかぁ、そんなことしないよ。ただね、会いたかったの、厳さん、あなたにね。」 それから毎日、彼女は屋上に来た。 くだらない言葉遊び、だけど、どこか私のことを探っている。 そして、ある日彼女は遂に私に自らの目的を打ち明けた。 「ねえ、私のお姉ちゃん・・・公孫伯珪に仕えない?」 何だ、結局それ? 実を言うと、同じ事を劉虞先輩のところから言われていたのだ。 劉虞先輩は、優しく、慈愛の心にあふれた、女神のような―――――――― ――――――――そんな、とてもつまらない人。 だからといってそんな彼女と真逆な公孫サン先輩に協力する気もない。 正直、興醒めだ。 「興味ないわね、他の、もっと真―――――――― 他の、もっと真面目な人にでも言ってみたら? そう言いかけたところに、彼女の声が割り込んできた。 始めて会った時みたいな、誘うような声で―――――――― 「退屈なんでしょ?」 タ イ ク ツ ナ ン デ シ ョ ? 「別に?何でそう思うのかしら?」 動揺を悟られないように、慎重に声を絞り出す。 とことん、面白い娘だ、的確に心を攻めてくる。 「嘘・・・ふふ、厳さん、嘘は良くないよ?」 「誰が嘘なんてっ・・・!」 思わず声を荒げてしまう 「ほらぁ・・・そんなに怒らないの。可愛い顔が台無しだよ?ふふふ・・・」 ちっ・・・危うくこの娘に乗せられるところだったわ。 「解るよ、だって、私も退屈だったからね・・・ くだらない授業、くだらない友達、くだらない毎日。そうでしょう? 何もかもつまらない、世の中馬鹿ばっかり、何か物足りない・・・ ・・・貴女は飢えている、渇いている。」 自分の満たされない心を見透かされ、思考回路が破裂寸前になる。 「だから、どうだと言うの。」 そう言って私は、彼女から顔を背ける、私にできる抵抗は、最早それだけだった。 しかし、彼女はそんな私の顎をつかみ、自分の方に向け、私にとどめを刺すように、耳元で囁いた。 「私なら、貴女の心を満たしてあげられる・・・」 よく小説などで、悪魔の誘惑と言う物がある、まさしくこんな感じなのだろう。 この錆び付いた心に、熱い血が通っていく。 もう、止められない。 「わかったわ、だけど、貴女のお姉さんの為じゃない。私の渇きを満たすため。 それでいいかしら。」 「ふふ・・・御自由にどうぞ。よろしく、厳さん。」 面白い事になった。 これが、私の望んでいたことなのだろうか? いや、そんなこと、どうでも良い。 今、私は楽しんでいる、こんなにも愉快な思いは初めて。 それだけで十分だろう――――――――
889:弐師 2006/03/05(日) 11:21 >北畠 蒼陽様 格好いい承淵アンド毋丘倹に萌え燃えですよw 後期の人たちは殆どわからないので、毎回イメージが塗り替えられていきます にしても、やっぱり一瞬の勝負っていいですね。 自分も剣道をしてるのでそんな緊張感大好きです。 にしても三国志大戦の公孫サン・・・イラストはとても男前なのに・・・ 劉虞に至っては登場すらしてないとは・・・ まあ、でも董卓も袁紹もいるようなので、そちらに望みを・・・ >海月 亮様 孫晧排斥計画、楽しみにしてますです。 呉は自分も好きなので。 張布・濮陽興でしたっけ?廃位しようとしたのは。 間違ってたら済みませぬ・・・ >冷霊様 白水門、来ましたね。 いままであまり注目してなかった東州の皆さんの物語から目が離せません。 印象が次々に変わっているのは私もですw にしても、我ながら何故越はこんなキャラに・・・orz
890:北畠蒼陽 2006/03/05(日) 16:23 [nworo@hotmail.com] >冷霊様 きたきたきたきたぁぁぁぁぁッ! うふふ、これからが楽しみな展開じゃありませんか。 血なんて流さなくてもそれ系の展開でおなかいっぱいですよ。 うぅふ、楽しみ。がんばってくださいね! >弐師様 んー、これまた私好みのナンパですね(ぇー 越っちゃんがまたもう、いい雰囲気じゃないですか! GJ!なのですよー! ちなみに今、董卓は大ブレイク中のカードでネコも杓子も董卓って感じです。なので使ってあげません(笑 袁紹はあんまり人気がないカードですけど弱くはないですよ〜。今、試行錯誤してなんとか使おうと必死になってます(笑
891:海月 亮 2006/03/05(日) 18:36 >弐師様 悪魔の囁きは何処までも甘いのですな( ̄ー ̄) 私もこういう展開大好き。いやマジで。 そして廃位計画の話。時代的には、 1.濮陽興、張布 2.陸凱、丁奉、丁固 の順です。1は決行前に孫皓がふたりを粛清して、2は実行には至らず終っています。 以降はぐだぐだで、万揩烽モと不満を漏らしたのが原因で留平もろとも粛清されています。 そのあとにも賀循、楼玄、王蕃といった連中が孫皓の逆鱗に触れて殺されていますが・・・ 陸凱の件にしても、陸凱伝に触れられているのみで、真偽のほどははっきりしてないんだそうですよ。 まぁだからこそいじくり甲斐があるわけでwww
892:弐師 2006/03/11(土) 17:57 あ〜あ、暇だなぁ。 私は、いつも厳さんで遊んでる屋上に寝転がって、空を見ている。 仕事が、無い! 私たちのルールは「自分の仕事は自分で、己が領分を越えるな」なので、自分の仕事が終わるとかなり暇だ。 仕事中の厳さんでもからかって遊ぼうかな? あ、単さんだ、どうしたんだろ。 あの人は厳さんと違って乗りが悪いからなぁ、冷静すぎてつまんない。 弱点の田さんも弄りにくい人だし・・・ そんなことを勝手に考えていると、彼女は私を見つけて話しかける 「おや、越君じゃないか、伯珪さまが呼んでいたぞ。」 「え、本当ですか?ありがとうございます。」 よかった、このままだと暇で暇で死ぬところだった。 跳ね起きて、一直線に階段に向かう。 「じゃあ、失礼します!」 「あ、ああ。」 まったく、相変わらず元気な娘だな。 だが・・・何か彼女には引っかかるところがある、何が、とは言えないが、彼女は自分自身を隠している気がする。 その時、一陣の風が、吹き抜けた。 まるで、彼女のことを、私の頭から追い払おうとするかのように―――――――― 「お姉ちゃん、入るよ?」 「ああ、越。よく来てくれたね。」 そう言って、お姉ちゃんはいつものように私に微笑む。 本当に、この人は私の誇りだ。 「それで、用というのはだな・・・」 言いにくそうに、お姉ちゃんは私にそれを告げた。 袁術先輩への、使い。同盟の強化のために白馬義従の人たちを十人くらいつれて、彼女の元へ行くということだった。 はあ、あの人のところに行くのか。 お姉ちゃんは、私が彼女に好意を抱いてないのを知っているはずだけど。 「そう嫌そうな顔をするな。仕様がないことだ。劉虞さんも自分の妹を送ったんだ。 本来なら範に行ってもらうところだが、生憎範には張燕さんの所に行ってもらっているから。」 「うん、わかってる、せいぜいあのお嬢様のご機嫌を損ねないように気をつけるよ。」 「ああ、済まないな。頼んだよ。」 「ふふ、任せといてよ!」 そう言い放って、私は棟長室を飛び出した。 よし!やりますか! 疲れた。 全く、確かに以前よりはずっとましだが、デスクワークはつまらない。 やはり人間嫌なことをしたら疲れるわけで・・・ 「あ!厳さん!もう仕事終わったの!?凄いね!早いね!」 疲れてるときにはあまり会いたくない奴が来た・・・ なんでこんなに元気なんだこいつは・・・ 「えっと、まあ、何て言うか、とりあえず越、落ち着け。」 「だって、これからお使いだよ、テンション上げないと!」 「え?」 それは初耳だ、いったい誰の所に?そう言えば、詔勅が出たとか言って劉虞先輩が袁術先輩の元に兵を送ったらしいが・・・ならば袁術先輩か? 「そうだよ、その通り。袁術先輩のとこ。」 「そうだったんだ・・・って私は何も言ってない!」 「ふふ、顔を見れば分かるよ。」 こいつは・・・本当に疲れる。 でも、逆に言えばこいつぐらいしか私を疲れさせられるような奴は居ないし、それはそれでいいのかも。 って何を考えてるんだ、私は。 「じゃあ、いってきま〜す!お土産はいらないよね?」 そう言って、あいつは笑い、私に背を向ける。 あたりまえでしょう、と言い返そうとしたが、その言葉は胸に詰まって出てこなかった。 何故か、あいつが帰ってこないような気がしたから―――――――― 私が何も言えないでいると、あいつは不思議そうな顔をして振り向いた。 「ん?どしたの?」 「いや、その・・・ちゃんと、帰ってきてね。」 「おやおやぁ?ラブコールですか?わかりました!厳綱姫!必ずこの公孫越、貴女の元に!」 「違っ・・・別にそんなつもりじゃ・・・!」 「ははは、わかってるよ、安心して。私は、ちゃんと戻ってくるから。」 静かに笑いながら、あいつはそう言った。 だけどその笑顔が、さっきの背中以上に儚く見えて、私は、目を背けた。 「どうしたの?赤くなっちゃってさ。」 「うるさい!元はといえば貴女が・・・!もう、知らない!とっとと行けばいいでしょう!」 「ふふ、はいはい、言われなくても行きますよ〜。」 そう言って、いつもの意地の悪い笑顔で走っていった。 大丈夫だ、きっと私の杞憂で終わる。 あんな憎たらしい奴が、そう簡単に飛ばされるはずはない。 きっと・・・そうだ。
893:弐師 2006/03/11(土) 17:59 > 北畠蒼陽様 とりあえず、越を気に入ってもらえたようで。 董卓大ブレイクですか、それはそれで楽しそうですね。 そして袁紹はあんまり人気が無いんですかそうですか・・・ とりあえずルールとか全然分からずにイラストだけで判断してますw 魏続が妙に格好いいのがツボですw >海月 亮様 ふむふむ、勉強になります。 丁奉さんは好きなんですが、陸凱さんなんかは海月様の紹介で初めて知りました。 呉は2代目世代はあまり分からないです・・・ では、期待しています!
894:雑号将軍 2006/03/12(日) 15:10 えーと、その…はじめましてじゃないけど、はじめまして。雑号将軍です。 皆さんの作品、読ませて頂きました! > 北畠蒼陽様 なんか、毋丘倹格好良くないですか!?これはもう、三國志\の毋丘倹の武力と統率を90に編集するしかないですね! お見事でした。 >冷霊様 お見事です!白水関をここまで再現されるとは!そんな偉そうなこといいながらも、僕は演義でしか白水関のあたりは知らないんですけどね。 これからの展開に期待しておりまする。 >弐師様 それがしめも越殿はお気に入りとなりました。いや横山三国志でも「兜(ていうかツノ)がいいなあ」と一人で思っていたのですが、今度はこのなんとういうのか小悪魔な感じがよいですなあ。 それがしめも何か書こうと思うのですが、難しいものです…。大学受験と言う名の戦に巻き込まれ始めたので…。
895:冷霊 2006/03/22(水) 14:26 葭萌の夜〜白水陥落・弐〜 夕日がもうじき沈む。 「もうすぐやな……」 劉備は一人、夕日を見つめながら呟いた。 「悪いけどウチはここで止まるわけにはいかへん……」 ぐっと拳を固める。 それは皆の誹りを受けるかもしれない恐れとそれに対する覚悟の表れであろうか。 士元とも十分に話し合って決めたことだ。 だが、ここまで着実にやってきたが為に踏み切れない。 「孔明なら……いや、気にしてもしゃあないな」 ふと漏らす一言。士元が頼りになるのもわかっている。 だが、それ以上に孔明という存在は彼女の中で大きくなっていた。 「姉貴、どうした?」 不意に後ろから影が差す。 「ん?いや、次は誰のネタで行こうか思うてな」 劉備は振り返り、劉封にニッと笑ってみせる。 「次のネタねぇ……」 劉封は少しだけ腕組みをし、考え込む。 「そうだ。法正さんや孟達さんとかどう?」 「孟達はもうちょいしてからの方がええやろ。法正は……一考の余地はありそうやな」 何やら笑みを浮かべつつ手帳に書き込む劉備。 「お。ここにいたんだねぇ」 後ろから声がかけられる。 「ホウ統はんか。どないしたんや?」 劉備が振り向く。そこにいるのはホウ統だった。 今回の張魯征伐……いや、蜀攻略の軍師である。 「劉備さんにお客さんさね。なんでも孟達さんが話したいことがあるんだとさ」 「孟達が?今頃何の話やろ?」 手帳を仕舞うと劉備はホウ統に目を向けた。 「ま、一応聞いといてやりなよ。いい報せだといいねぇ」 ホウ統はくいと管理棟の方に視線をやる。 「管理棟やな?わかった、すぐ行く」 劉備は歩き出そうとして、もう一度だけ夕日の方を振り返った。 「姉貴?」 劉封が止まった姉を怪訝そうに見やる。 すると突然、劉備がパァンと己の頬を叩いた。 劉封が驚きの表情を見せる。 「ウチはウチのやりたいことをやる……それだけや」 ぼそりと呟き、劉備は葭萌門へと向かう。 「そう、うまく行けばいいんだけどねぇ……ホント」 劉備とその後ろを付いて行く劉封の姿を見送りつつ、ホウ統は呟いた。
896:冷霊 2006/03/22(水) 14:31 葭萌の夜〜白水陥落・参〜 「孟達、首尾はどないやったん?」 「問題無しね。三人とも慌てて準備してたわよ」 「そうか?そんなら大丈夫やな」 葭萌門管理棟。 部屋には劉備と孟達の二人きり、劉封は只今お茶を注ぎに行っている。 「で、話したいことってなんや?なんぞ、向こうさんの情報でもあるんか?」 孟達が僅かにかぶりを振った。どうやら情報を持ってきたわけではないらしい。 僅かに息を吸う。そして孟達ははっきりとした声で言い放った。 「蜀を取った後、貴方はどうするつもり?」 部屋の空気が止まる。 一瞬だけ孟達の視線を正面から受け止め、劉備は口を開いた。 「蒼天会に対抗出来るだけの勢力を作るだけや。蒼天会や長湖部の連中とは肌が合わんしな」 真面目な口調。滅多に見せない表情に、孟達は僅かに息を呑んだ。 「そやけど……」 不意に口調ががらりと変わった。 「ウチの周りにおる奴等と楽しい学園生活を送る。これが一番の目標や」 劉備がニッと笑ってみせた。 「その為やったらウチは何でもしたる。それがウチらの夢やからな」 本心からの台詞なのだろう。孟達にもそれが伝わっていた。 鬼にも仏にもなれる人物……それが劉備なのだと。 「なんや?劉璋はんの心配しとるんか?」 一瞬の間。 「ま、まあね。していないと言ったら嘘になるわ」 孟達は視線をそらし、窓の外に目をやる。外は次第に暗くなりつつある。 「そやなぁ……劉璋はんには雲長と一緒に荊州棟でも頼もうか。あっちなら治安もええし、劉璋はんには合うてると思うで」 劉備は立ち上がり、窓から外を眺めた。孟達の反応はない。 「なんや?安心してぇな。もちろん、東州のこともまとめて面倒見るつもりやで」 その言葉を聞いた途端、孟達の顔から表情が消えた。 ギィンッ!! 次の刹那、劉備のハリセンは孟達の短杖を受け止めていた。 「劉備……やはり君とは分かり合えない」 「そら残念やったな。東州の纏め役をオトせたら楽やったんやけどなぁ」 素早く両者は距離を取る。 「多分楊懐はんの方やろ?アンタならウチのこと、わかる思うてたんやけどなぁ」 残念そうに呟く劉備。孟達がマスクを掴み、剥ぎ取る。その下から現れたのは楊懐の顔。 「分かっているつもりだ……だからこそ渡せない」 楊懐は短杖を構え直す。 「そんならどうして劉璋はんにこだわるんや!今のやり方やったら益州は……」 「わかっている」 きっぱりと、しかし強い口調で言い切った。 「今のままでは蒼天会どころか張魯にも勝てないだろう。タマは益州校区を統べる器ではない」 「うわ、きっついなぁ……」 劉備が軽く苦笑いを浮かべる。 「だが……」 楊懐が再び口を開く。 「行き場の無い私達に場所をくれたのが君郎さんだった。趙イさんが私達が問題起こしたから追い出そうとしたとき、タマは言ってくれた。私達はここにいてもいいのだ、と」 両者の間に流れる緊張した空気は変わらない。 「タマと……季玉といる益州校区が私達の居場所なんだ。私の中にある益州校区に君はいない」 静かながらも強い口調。 「例え、ウチらが益州校区を劉璋はんに任せる言うてもか?」 劉備が一瞬、窓の外へと注意を向ける。 「タマと君、どちらが優れているかは自明の理だろう?頭は二つも要らない」 「それは関しては同感やな」 楊懐と劉備、互いに笑みを浮かべる。 だが、両者の瞳は真剣そのものである。 「姉貴、お茶淹れてきたけどー……」 「ホウ統さんが伝言があるってー……」 劉封と関平がやってきたのはそんなときであった。
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