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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
892:弐師 2006/03/11(土) 17:57 あ〜あ、暇だなぁ。 私は、いつも厳さんで遊んでる屋上に寝転がって、空を見ている。 仕事が、無い! 私たちのルールは「自分の仕事は自分で、己が領分を越えるな」なので、自分の仕事が終わるとかなり暇だ。 仕事中の厳さんでもからかって遊ぼうかな? あ、単さんだ、どうしたんだろ。 あの人は厳さんと違って乗りが悪いからなぁ、冷静すぎてつまんない。 弱点の田さんも弄りにくい人だし・・・ そんなことを勝手に考えていると、彼女は私を見つけて話しかける 「おや、越君じゃないか、伯珪さまが呼んでいたぞ。」 「え、本当ですか?ありがとうございます。」 よかった、このままだと暇で暇で死ぬところだった。 跳ね起きて、一直線に階段に向かう。 「じゃあ、失礼します!」 「あ、ああ。」 まったく、相変わらず元気な娘だな。 だが・・・何か彼女には引っかかるところがある、何が、とは言えないが、彼女は自分自身を隠している気がする。 その時、一陣の風が、吹き抜けた。 まるで、彼女のことを、私の頭から追い払おうとするかのように―――――――― 「お姉ちゃん、入るよ?」 「ああ、越。よく来てくれたね。」 そう言って、お姉ちゃんはいつものように私に微笑む。 本当に、この人は私の誇りだ。 「それで、用というのはだな・・・」 言いにくそうに、お姉ちゃんは私にそれを告げた。 袁術先輩への、使い。同盟の強化のために白馬義従の人たちを十人くらいつれて、彼女の元へ行くということだった。 はあ、あの人のところに行くのか。 お姉ちゃんは、私が彼女に好意を抱いてないのを知っているはずだけど。 「そう嫌そうな顔をするな。仕様がないことだ。劉虞さんも自分の妹を送ったんだ。 本来なら範に行ってもらうところだが、生憎範には張燕さんの所に行ってもらっているから。」 「うん、わかってる、せいぜいあのお嬢様のご機嫌を損ねないように気をつけるよ。」 「ああ、済まないな。頼んだよ。」 「ふふ、任せといてよ!」 そう言い放って、私は棟長室を飛び出した。 よし!やりますか! 疲れた。 全く、確かに以前よりはずっとましだが、デスクワークはつまらない。 やはり人間嫌なことをしたら疲れるわけで・・・ 「あ!厳さん!もう仕事終わったの!?凄いね!早いね!」 疲れてるときにはあまり会いたくない奴が来た・・・ なんでこんなに元気なんだこいつは・・・ 「えっと、まあ、何て言うか、とりあえず越、落ち着け。」 「だって、これからお使いだよ、テンション上げないと!」 「え?」 それは初耳だ、いったい誰の所に?そう言えば、詔勅が出たとか言って劉虞先輩が袁術先輩の元に兵を送ったらしいが・・・ならば袁術先輩か? 「そうだよ、その通り。袁術先輩のとこ。」 「そうだったんだ・・・って私は何も言ってない!」 「ふふ、顔を見れば分かるよ。」 こいつは・・・本当に疲れる。 でも、逆に言えばこいつぐらいしか私を疲れさせられるような奴は居ないし、それはそれでいいのかも。 って何を考えてるんだ、私は。 「じゃあ、いってきま〜す!お土産はいらないよね?」 そう言って、あいつは笑い、私に背を向ける。 あたりまえでしょう、と言い返そうとしたが、その言葉は胸に詰まって出てこなかった。 何故か、あいつが帰ってこないような気がしたから―――――――― 私が何も言えないでいると、あいつは不思議そうな顔をして振り向いた。 「ん?どしたの?」 「いや、その・・・ちゃんと、帰ってきてね。」 「おやおやぁ?ラブコールですか?わかりました!厳綱姫!必ずこの公孫越、貴女の元に!」 「違っ・・・別にそんなつもりじゃ・・・!」 「ははは、わかってるよ、安心して。私は、ちゃんと戻ってくるから。」 静かに笑いながら、あいつはそう言った。 だけどその笑顔が、さっきの背中以上に儚く見えて、私は、目を背けた。 「どうしたの?赤くなっちゃってさ。」 「うるさい!元はといえば貴女が・・・!もう、知らない!とっとと行けばいいでしょう!」 「ふふ、はいはい、言われなくても行きますよ〜。」 そう言って、いつもの意地の悪い笑顔で走っていった。 大丈夫だ、きっと私の杞憂で終わる。 あんな憎たらしい奴が、そう簡単に飛ばされるはずはない。 きっと・・・そうだ。
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