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★しょーとれんじすと~り~スレッド★
89:一国志3 2002/12/23(月) 00:57 >>(気が向いたら、ショートストーリースレッドにでも書きこんでみるかもしれません。) というわけで、長坂坡のくだりを書いてみました。 生徒会が袁紹一派の残党勢力をしらみつぶしにしていた頃、劉備率いる帰宅部連合は、 劉表の好意でプレハブ新野棟を借りて、何とか部室を確保していた。 だが、新年度になって劉表が卒業し、新たに荊州校区の総代となった劉[王宗]は、 生徒会に従属する道を選んでしまった。劉[王宗]・蔡瑁らは生徒会に対して恭順の 意を示すため、荊州校区からの帰宅部の追い出しを謀っているところであった。 劉備「えらいこっちゃやで。今のうちらではこの部室守りきれへんし。」 諸葛亮「いっそのこと、荊州校区の本部を急襲してみてはいかがでしょうか? 相手が蔡瑁程度なら、私たちの側に充分に勝算があります。」 劉備「そんなのあかんで! いくら蔡瑁が嫌な奴いうても、劉表さんの恩を裏切ることはできへん。 うちら帰宅部のモットーは、義理と人情の浪花節や。」 諸葛亮「次善の策としては、江夏棟に避難することでしょう。 江夏の劉[王奇]さんなら、私たちを快く迎え入れてくれるはずです。」 帰宅部連合の部員たちは、荷物をまとめて江夏棟に避難する準備をする。 一般部員「劉備部長!私たちも一緒に江夏までついていきます。」 諸葛亮「事態は急を要します。幹部だけが先に避難すべきと存じますが。」 劉備「部員をひとりでも見捨てることは、うちにはできへん。 帰宅部連合はいつでも一緒や。みんな、行くで~!」 急に帰宅部連合の全員が一斉に避難を始めたので、江夏棟までの連絡通路は 渋滞してしまう。生徒会がそんな状況を見逃すはずもなく、少なからぬ数の 帰宅部部員が生徒会に捕まってしまうのであった。 荊州校区の本部と江夏棟の中間あたりに用水路があり、長坂橋という小さな 橋がかかっていた。大部分の部員たちが橋を渡り終えたのを確認したところで、 張飛と趙雲がしんがりとして生徒会の進撃を食い止めようとする。 張飛「これで主なメンバーは無事に避難できたようだな。」 趙雲「……劉禅ちゃんが!」 張飛「劉姉貴の妹じゃねえか。 あいつトロいし、どこかで道草でも食ってるのかもしれんな。」 趙雲「……行ってくる。劉禅ちゃんを助けに……。」 張飛「…って、待てよ、趙雲!ま、いいか。 生徒会の雑魚どもの相手なら、オイラひとりで十分だし。」 わき道を進んでいると、見覚えのある一匹の猫と出くわす。 趙雲「(あれは……劉備部長のところの……びぃちゃん?)」 猫は趙雲の姿を目にすると、草むらのほうへ駆け出す。 趙雲「(ついてこいってことか…?)」 猫を追いかけると、そこには怪我をして倒れていた劉禅の姿があった。 趙雲「どうした…?」 劉禅「わ~い!趙雲さんが来てくれたよ~。 阿斗ちゃんはねぇ、道に迷って、それで転んで怪我しちゃったの。」 趙雲「もう大丈夫だ。……私に任せろ。」 趙雲は怪我をした劉禅を背負う。 劉禅「趙雲さんってどうしてそんなに背が高いんですか?」 趙雲「…小さいほうがかわいくていいよ……。」 劉禅「ふ~ん、そうなのかなぁ? それとさぁ、びぃちゃんも一緒につれてってくれるよね?」 趙雲「う、うん……。(ドキドキドキ……)」 趙雲は猫を抱きかかえようとするが、逃げられてしまう。 趙雲「………なぜ?」 劉禅「あ~っ、びぃちゃん、逃げちゃったよ~。」 趙雲「追いかけなくては!」 謎の声「追ってはいけない。ネコの気持ちを察してあげるのだ。」 趙雲「(……誰!?)」 謎の声「あのネコは、自らの身を挺して阿斗の居場所を伝えに来たのだ。」 趙雲「(ええっ……!?でも、びぃちゃんが生徒会に捕まってしまう。)」 謎の声「君はネコの好意を無にするのか?まずは無事に阿斗を送り届けるのだ。」 劉禅「趙雲さん、どうしたの?ボーっとしちゃって。」 趙雲「いや……何でもない。劉禅ちゃん、しっかりつかまっていろよ。」 迫り来る生徒会の大軍を目前にしながら、趙雲と劉禅の逃避行が始まるのであった。 (つづく)
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