下
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
913:海月 亮 2006/04/13(木) 20:53 と言うわけで決戦直前まで。 こっからの展開もかなり出来上がってるので、あとは活字に直すのみですが・・・。 とりあえず今日は風邪のため体力切れましたonz
914:北畠蒼陽 2006/04/14(金) 14:01 「ん〜……」 その少女は廊下の窓を大きく開け、まだ残暑の色濃い初秋の風を一身に受けながら心地よさそうに微笑んだ。 普段からあまり見開くことのない糸目もさらに細くなり、季節をその総身で受け止めているかのように見える。 「ここにいたんだ」 「ん?」 少女は自分に投げかけられたのであろう言葉を聞き、目線を向ける。 世界が回る直前の日 「今、いい? 子コウ」 「あ〜、かまわないけど……あんたから声かけてくるって珍しくない? 伯言」 子コウ……全ソウ。山越との抗争や生徒会との数々の戦いに参加し長湖部内でその地位を築き上げた名将。 伯言……陸遜。軍神関羽、英雄劉備を破った長湖部の大軍師。長湖部の実戦総責任者であり誰も取って代わることの出来ない才能を持った少女。 「単刀直入に言うわね。妹さん……全寄さんだっけ? あの子は孫覇さんに接近しすぎてる。そもそも後継者の順序ってのははっきりさせとかなきゃいけないもんだし……あの子の行動は危険すぎる。貴女から言い聞かせてほしい」 「言い聞かせて、っていっても……」 全ソウは困ったように頭を掻く。 「孫覇さんの側の中心人物の一人が全寄さんなの。こんなくだらない後継者争いなんかで長湖部をどうにかしたくない。子コウ、お願い。貴女に現代の金日テイになってほしい」 「伯言の言うことは……」 全ソウは陸遜の言葉に頷こうとして……動きを止めた。 「きん……じつてい?」 金日テイ……かつての蒼天生徒会の名秘書。匈奴高校生と会長を兄に持っていたが霍去病に捕らえられ、そのまま生徒会役員として名前を連ねることになる。 もともとの蒼天学園出身ではないということをよくわきまえ、自ら蒼天学園生徒から一歩離れた位置に身を置いていた。 そう…… ……自分の妹が生徒会長に気に入られたときに妹の蒼天章を剥奪するほどに。 「伯言……」 全ソウの声が震える。あまりの怒りに陸遜は眉をひそめた。 「あんたは……私の妹を自分でトばせ、とそういうんだな」 「あ」 陸遜は失言……いや、自分が言い過ぎたことにようやく気がついた。 全ソウに対してそこまで言うべきではなかったのだ。 「い、いえ、違う……ただそういう覚悟だけは……」 ガシャーン! 陸遜の言葉は破壊音で報われる。 全ソウが拳で窓ガラスを殴りつけた音だった。 「……もういい。妹にはあんたの言葉を伝えるがどうなるかは責任はもてない」 ゆっくりと拳を下ろす全ソウ。ガラスを殴りつけたときに切ったのだろう握り締めた拳から血がふた筋流れ落ちる。 「でも私があんたに感じてたかもしれない友情は今ここで死んだ……もう仕事以外で声をかけてこないでほしい」 「子コウ……!」 ゆっくりと歩き去ろうとする全ソウのその背中に陸遜はなんとかフォローを入れようとする。 誰にトんでほしいわけでもない……さっきの金日テイだってただの例えで……全寄だって未来の長湖部を背負う人間の一人には違いないのだから……! そして全ソウほどの人間の影響力と実力があれば、自分と一緒にこんなくだらない後継者争いなどすぐに終わらせることが出来ると、心の底からそう思うのだから! 陸遜の叫びにも似た声に全ソウが歩みを止める。 「子コウ!」 やっと冷静になってくれた! 陸遜は涙が出そうなほどの喜びと…… 「……私はあんたを殴りたくて仕方ないんだ。とっとと失せてくれ」 汚物でも見るかのような表情と声音。 ……深い絶望を同時に味わった。 そして陸遜にはもう…… 歩き去ろうとする全ソウの背中を見ながらつぶやくことしか出来なかった。 ……コンナハズジャナカッタノニ。
915:北畠蒼陽 2006/04/14(金) 14:01 海月様支援SS投下〜? ほら、いずれ二宮も書くとか言ってらっしゃいましたし?(笑 北畠さんはこのままダークサイドをひた走ろうと思いますので、えぇ。 ちなみに全ソウってのは北畠にとって結構思い入れのある人物で、まぁ、ポジション的に『後世、あまり目立たない立ち位置』の人……魏でいえば梁習とか、呉でいえば呂岱とか、蜀でいえば……誰だろう? まぁ、そういうポジションってもともと好きなんですが全ソウは結構ドンピシャなところがあって…… かつ昔やった三国志武将占いで全ソウタイプです、とか出たことも! ま、そういうちょっとした思い入れをこめて流れを読まないSS投下なのですよ〜。 >海月 亮様 そして相変わらず流れを読んでいらっしゃる(笑 続き楽しみにしますので風邪とか治してくださいねー?
916:雑号将軍 2006/04/14(金) 20:14 >海月様 将棋で陸遜を引き込む辺りがぐっと惹かれました。お見事でございまする。前期丁奉を久しぶりに見た気がします。 >北畠蒼陽様 おお、ダークだ!ダークが来た!全将軍…ついに彼女が主役級に躍り出てきましたか…。陸遜、朱然に影を潜めている感があった気がします。 それ故にこの全ソウが新鮮に感じられました。
917:海月 亮 2006/04/15(土) 17:34 そこで某所の三国志占いをやったら 一回目に逢紀、二回目に楊修と出た正体不明人格の私が来ましたよwww >北畠蒼陽様 これだ! これと絵板過去ログの歩隲&陸遜のワンシーンを組み合わせれば二宮序盤のイメージも固まりそうです^^ 荊州戦終ったら二宮SSにとっかかるとしますかねぇ・・・。
918:★教授 2006/04/16(日) 22:40 ■■アメフリ■■ 「ふーむ、私の予想通り雨になったか。天気予報というものは私くらい確実でないといかんな」 諸葛亮は白羽扇を口元に校舎玄関前に立っていた。しとしとと雨の降り注ぐ天を仰ぎ涼しげな表情をしている。 トレードマークの白衣を脱ぎ、髪を結わずに流したその姿は正に凛とした美少女。誰もが思わず息を呑んでしまうほどの美貌を降りしきる雨が更に引き立てる。これこそ絵になると言ったものだろう。 「ふふふ、だが私が傘を忘れるといったベタな展開にはならん。むしろ、あってはならん事態だ…萌えられる要素ではない」 喋らなければ…だったが。 「ひゃあー…マジかよー。予報になかったぞー」 「予報はあくまでも予報…ってか。全力疾走すれば被害は少なくて済むかな」 「仕方ないですね。面倒ですけど走りましょうか」 諸葛亮の脇を張飛、馬超、王平ら元気な娘さん達が走り抜けていく。鞄を傘代わりに焼け石に水な抵抗をしながら駆けていく後姿に諸葛亮は心の中で『あれもまた萌えというヤツだな』と頷いていた。 続いて諸葛亮の横を通り過ぎるは、お馴染みの二人組だった。 「孝直〜…もう少し傘こっちに傾けてよー…」 「もうっ! これ折り畳みなんだからそんなに大きくないのっ! 私だって濡れてるんだから!」 ぐいぐいと小さな折り畳み傘の遮蔽範囲に身を潜り込ませようとする簡雍とそれを微妙に防ぐ法正だ。どうやら傘を忘れた簡雍が法正の折り畳み傘に入れてもらっている御様子。結局真ん中に傘を持ってくるという事で落ち着いたのだろう、二人とも肩を濡らしながら歩いていった。 「あの二人はいつも私の心をくすぐる…。次なる策を実行に移したくなるではないか」 ごそごそと自分の鞄に手を突っ込みながら帰宅部公認カップルを見送る諸葛亮。だが、今朝そこに入れたはずのものが見つけられない。段々と涼しい顔が引き攣り始める。 「………何故だ。間違いなく今朝入れたはずだ…折り畳み傘…」 鞄を覗き込み、その小さいながらも雨天時に効果を抜群に発揮してくれるアイテムを目で探す。しかし、その姿を視認する事が出来ない。彼女の頭の中で仮説が二つ浮かぶ。 仮説1:入れたつもりだった 「いや、仮説にしても有り得ん話だ。用意周到だった、昼も確認した…」 却下。 仮説2:賊に盗まれた 「一番可能性が高い。放課後間際の突然の雨、少し席を離れた私。この隙くらいしか思いつかんが…それしかないな…」 採用らしい。 「ともあれ…仮説2だったとすると…。全く、何処の命知らずだ…定例会議にかけんとな」 悪態を吐きながら傘の入ってない鞄を頭の上に掲げる。こうなれば仕方ない、といった表情だ。 「どう考えても傘を持ってきている連中が校舎内にまだいるとは思えん…諸葛亮孔明、一生の不覚。ラボに篭るには準備不足…」 普段から専用ラボに篭る事もしばしばだったが、食料及び着替えが必須の泊り込み。今日は篭るつもりは無かったので用意していなかったのだ。 「運動は苦手な方だ…が、進退窮まった。やるしかない…」 意を決すると鞄を傘代わりに勢いを増した雨の中に飛び込んでいった………──── 「全く酷い目にあった…」 寮の玄関で髪をかきあげ、溜息を吐く諸葛亮。鞄が傘の代用になるにはあまりにも小さすぎたのか、全身は濡れ鼠になり制服がべっとりと体に張り付いてしまっている。上着に至っては下着が透けてしまっていた。 「まずは体を温めんとな。風邪を引いては元も子もない」 寮の管理者が気を利かせたのだろう、玄関先に置いてあったタオルを一枚手に自室へと向かう。と、そのドアノブに見慣れた黒いものがぶら下がっていた。持っていたタオルと鞄がどさどさっと床に落ち、わなわなと怒りに震えだす。 「これは…私の傘! し、しかも使用済みではないか!」 そう、それは自分の所有物。市販物に頼らない彼女が買った数少ない生活用品、それだけに妙な愛着心のあった折り畳み傘だったのだ。 「おのれ、憎き下手人! 久々に私も怒り心頭だぞっ!」 怒りに打ち震えながらタオル、鞄、そして傘を回収して部屋に入り…そして乱暴にドアを閉めた。たまたま近くにいた馬岱がびっくりして階段を踏み外したのはまた別の話。 話はこれでお終いなのだが…さて、諸葛亮の傘を盗んだ張本人は誰だったのだろう? 最後にヒントを。 予報になかった雨、傘を持ってきてない人多数につき濡れるは必然。でも、ずぶ濡れにならなかったのは? 大体の予想は付いたでしょう。機会があれば、続きのお話をするとしましょう。 了
919:★教授 2006/04/16(日) 22:53 お久しぶりです。駄文の帝王、教授です。 存在が希薄になって久しいですが…一応生きているという事で。再び駄作を世に…。 時間もなくて何だか短くて尻すぼみな内容ですみません。 一ヶ月くらい使ってゆっくりと筆を取りたいなぁ…。 諸葛亮を主人公にしてみました。意外とこの人を主役にした作品が少なかったもので、出来心的な感じのノリで書きはじめました。 完璧超人を地に我が道を進む彼女にもこんな一面が…と想像を膨らませました、が。結果は散々なもので。 このままでは私も不完全燃焼、何とか見れるものにリメイクしてあげたいなぁ…
920:海月 亮 2006/04/17(月) 20:32 >教授様 つかおいらの解釈通りなら、孔明さんは自分の傘が目の前を通っていったのに気づかなかったと言うことになりますが^^A 横光三国志で孔明が天井裏に取り残されてしまったシーンを思い出してなんか和んだww 何はともあれご無沙汰しておりやした^^A
921:★教授 2006/04/17(月) 21:50 >海月様 彼女は目の前の萌えに気を取られていたのです(^^;) いつでも完全無欠ではないという事を表現したかっただけで…。 ともあれ、お久しぶりでありました
922:弐師 2006/05/13(土) 20:52 周りは美しい森に森に覆われていた。 その中に敷かれたとても広い遊歩道の中に私達は布陣している。 遊歩道は幅だけでも100mはあるだろうか。煉瓦敷きになっていて、平常時ならば、とても静かでいい場所だろう。こんなところで戦うというのも気が引けるが、仕様がないことだ。 ・・・やはり、多くの人間が整然と隊列を組み、向かい合うのは何度体験しても興奮するものだ。 敵の周昂は、私たちの軍の二倍ほどの兵力。兵力の差だけで言えばかなり絶望的と言っても良いだろう。 しかし、つけ込む隙はある。 まず、将の器。 周昂の名前は今日初めて聞いた、しかし、孫堅さん程の将はなかなか居ないだろう。 第一、今まで名前すら聞いたことさえない将だ、まあ、その程度と言うことなのだろう。 そして、兵の質。 今、袁紹の精兵はお姉ちゃんとの戦線に居る。ここにいる兵はそれほど練度が高くはない、それは今こうして向き合っていれば分かる。以前、お姉ちゃんの元で対峙したときと、明らかに「気」が違う。 それに対して、孫堅さんの軍は精鋭中の精鋭。二倍の兵相手でもかなり持ちこたえられる筈。 まずは耐えに耐えて、敵の崩れを誘う。 そして、私の率いる白馬義従。彼女らを率いて、私が本陣に突っ込む。 それが成功すれば、勝てる。 ミスれば、それで終わり。 白馬義従の娘達の顔を見回す。誰一人とておびえている娘は居ない。 ふふ、上等じゃない。流石は精鋭中の精鋭だ。 やってやるよ。私だって公孫一族なんだから、名を汚すわけにはいかない。 「よし!進軍だ!」 孫堅さんの号令の元、歩兵のみんなが敵軍へ攻撃を仕掛ける、一段目は程普さんが指揮を執っている。一旦は押し込み、その後少しずつ誘い込む作戦だ。 まずは互いの軍の一段目がぶつかる、兵力差を物ともせず、こちらが押し込んでいっている。 段々と敵の一段目が崩れ始める、程普さんは兵達の先頭で竹刀を振り回している。 ん?・・・おかしい、だんだん敵兵が二つに別れている、誘い込み挟み込む気か。 程普さんは気づいていているのかいないのか、そのままどんどん前進している。いや、させられているのか。 敵陣に飲み込まれ、挟み撃ちに合う寸前のところで、いきなり孫堅さん自ら率いるバイク部隊が突っ込んでいく。それと入れ替わりに、程普さんが後退していく。なるほど、流石は孫堅さんの配下、よく訓練してある。 孫堅さんは挟み撃ちにしようとした兵達を追い散らし、同様に引き上げてくる。 敵は算を乱し、結局全軍で押しつぶそうと前進してくる。 必然的に、陣は乱れる。 そして、決定的な隙が出てくる。 本陣と前衛との隙間。そこに全速力で、突入。 「今だ!本陣の周昂の所に突っ込むよっ!」 大地が震える。どんどんスピードを上げ、本陣に近づいていく。 乱戦に、突入する。 周りの娘達には目もくれずに、ただ一直線に周昂の元へ向かう。 「邪魔をするなら、容赦しないよっ!」 どんどんと本陣の中を進んでいく。 それほどまでの圧力はない、やはり、大したことのない敵か。 時々遮ろうと前に出てくる娘もいたが、それもどこか及び腰ですぐに蹴散らした。 私達に合わせ、防戦に徹していた孫堅さん達の本隊も攻勢に転じている。 前からの圧力に加え、陣の内部も引っかき回されているのだ、潰走するのも時間の問題だろう。 流れは、確実にこちらに来ている、あと一押しだ。 風が私の頬を打つ、まさに天を駆けるかの如く周昂に近づいていく。 周昂まで、あと ――――――――50m ――――――――25m ――――――――10m ――――――――――0!!! 遂に、周昂をとらえた。旗本達も蹴散らし、彼女に向かう。 「覚悟!!」 間近で見た、周昂の顔、それを見た瞬間、背筋に冷たい物が走る. 私は勝利を確信した、きっとそれは正しい。 それなのに―――――――― 何だというのだ、今から飛ばされようとしているのに何故っ!! 「何故貴女は、笑ってるのよっ?!」 「分からないの?所詮はあの公孫サンの妹ね・・・ふふ・・・」 「何がおかしいと言っているの!」 「ふふ、じゃあ、教えてあげる。私は、周昂さんじゃないわ・・・あなた、周昂さんの顔知らなかったでしょう?もしかして、名前すら知らなかったんじゃないかしら。 ただ、本陣にいて、旗本に守られているから、私のことを周昂さんだと思った・・・ ふふ、そう、本当の周昂さんは、本陣には最初からいなかった・・・」 そう彼女が言い終えたとき、左右の森の中から鬨の声が響いてきた。 まさか・・・伏兵・・・ 森の中から出てきた軍の先頭には、目つきの鋭い、薄笑いを浮かべた女が立っていた。 あいつが、本物の、周昂・・・!! 「孫堅さぁん!!!逃げてぇっ!!!!!」 ――――――――だけど、その絶叫も、 前後左右の鬨の声にかき消されて――――――――
上
前
次
1-
新
書
写
板
AA
設
索
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★ http://gukko.net/i0ch/test/read.cgi/gaksan2/1013010064/l50