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992:韓芳 2006/11/26(日) 02:06 咲かぬ花 外伝 隠された1枚 ―裏― 翌日―― 「う・・・ん? もう朝かぁ〜・・・」 魏続は眠い目をこすりながら窓を見た。 「うわ〜、真っ白・・・ 道理でさむ〜いと思ったら・・・」 窓の外は一面の雪景色。 と言っても、積雪量としては1cmにも満たないほどであるが。 「それにしても、昨日は寒かったもんな〜・・・ 昨日・・・か。」 ふと思い出した。あれから重臣は下丕棟に泊まることになった。 おそらく陳宮と高順の配慮で、呂布に謝罪の機会を与えるためだろう。 候成と謝罪に行ったときの呂布は、どこか上の空だったのを覚えている。 「あの時、一体何を考えていたんだろう・・・」 しかし、すぐ我に返る。隣の布団では高順が眠っている。滅多なことはここではしゃべれない。 「しかし、妙に寒すぎるような・・・? いくらなんでもここまで寒くなるかなぁ? 部屋もなんだか明るいような―――」 「ふぁ・・・ もう朝か・・・ 魏続、おはよう・・・ ?」 「ちょ・・・ 見て・・・」 「どうした・・・の・・・」 思わず高順も唖然としてしまった。 2人が泊まった部屋の床が凍っていたのである。 「え・・・ なんで・・・って・・・」 「「えぇーーーっ!!」」 早朝の学校に2人の声はよく響いた。 ―――3階の水道の蛇口が全開になっており、そこから水が流れ出したものと思われます。被害範囲は3階の現場地点周辺と東階段、それと2階の教室や床のほとんどすべてです。一部は1階にまで到達している模様です。」 棟長室には次々と現状を報告しにくる伝令が入ってきたが、どれも被害は甚大だった。 この事態が発覚して1時間ほどたったが、床とともに各部屋のドアもほとんど凍ってしまい、復旧作業ははかどっていなかった。 「呂布様、至急復旧作業をしましょう。これでは下丕棟を守りきれません。事態が落ち着いた後、犯人を捜しましょう。よろしいですね?」 陳宮の案はすぐに採決された。が、どこか呂布の様子がおかしい。 「うん、任せる・・・ みんな、よろしく頼むわ・・・」 「はっ!」 その場にいた誰もが「もしや・・・」と思ったが、口には出さなかった。 だが、その中に僅かに顔色を変えたのが数人いたのを陳宮は黙って見ていた。 結局この騒ぎは丸1日かけて収まった。犯人はと言うと、証拠は何一つ残っておらず、目撃者もいないため、曹操陣営による工作と言うことになった。 対策としては、警備が強化されただけに留まった。 下丕棟の誰もが、『陳宮に泣きつき呂布が罰を逃れた』、と囁きあったのは言うまでもない。 そして、この事件を後世の人に語らせない様に、さまざまな工作がなされたという。 その夜―― 「・・・ねえ? 高順、私がいなくなったらどうする?」 「急にどうしたの魏続? ふぁ〜・・・」 撤去作業を終え、2人は自分の部屋へ戻っていた。 1日中氷の撤去作業を行っていたせいか、高順は眠そうだった。 「もしもの話だよ〜。 向こうには呂布様と並ぶ剛勇と陳宮様を上回る智謀を持った人がいっぱいいるから、将来どうなるかわからないな〜、と。」 「珍しく暗いわね。 疲れたの? もう寝ようか。」 高順はふっと笑顔を見せ、布団にもぐりこんだ。 「そうだね・・・ うん、おやすみ!」 魏続も布団へもぐりこんだ。 「高順・・・」 「うん・・・? どうしたの?」 「ごめんね・・・ zzz」 「ごめ・・・って、えっ?」 高順はしばらくの間呆然としていた。
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