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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
135:郭攸長若 2003/01/19(日) 22:56 [azumaio@hotmail.com] ■また一つの勇気■ 「以上で報告を終わります・・・」 「は〜い、下がっていいわよ〜♪ じゃあ次の人〜?」 董卓によって、新たに雍州校区に設置された生徒会室。 彼女はこの場所で、学園に関するあらゆる事柄を報告させるようにしていた。 報告を行うのは、生徒会役員だけに限ったことではない。 本来は董卓の傘下ではない蒼天承認委員会や全校評議会も、何かあれば真っ先に董卓へ報告することになっていた。 この時、それほどまでに董卓の権力は強大化していたのである。 「失礼します」 生徒会室の扉がノックされ、また次の報告を行う女生徒が入ってきた。 「あっら〜、義真ちゃんじゃな〜い!?」 子悪魔・・・いや、ある種悪魔のような、人を見下した笑みを浮かべて、董卓は女生徒を字で呼んだ。 彼女の名は皇甫嵩義真、黄巾事件の殊勲者であり、董卓とは幼い頃からのライバル関係にある。 そんな彼女でさえも、董卓の権力がここまで強大化した現在では、その傘下に加わらざるをえなかった。 いや、最早学園の組織内で、董卓の権力の届かぬ所など存在しないのだが・・・。 「久しぶりだな、『会長』?」 学園の誰もが恐れる存在である董卓を前にしてなお、皇甫嵩の表情には余裕さえ感じられた。 そして董卓にはそれが、大変不愉快なことだったらしい。 「ふふっ、義真ちゃんはこの卓ちゃんが怖くないのかしら? お星様は卓ちゃんの望みなら、何だって叶えてくれちゃうのよ♪」 そう言う董卓の顔から笑みは消えていた。 代わりに、えもいわれぬ不気味な威圧感が皇甫嵩に向けられている。 そんな董卓の感情の変化を感じながら、皇甫嵩は答えた。 「会長は全校生徒の信頼を受け、生徒会を一手に支えておられるのです。そんな会長の何を怖がる事がありましょう」 凛とした表情を一切崩すことなく、へりくだった態度を見せる皇甫嵩。 これにはさすがの董卓も驚かずにはいられなかった。 そんな董卓をよそに、皇甫嵩は続けた。 「ただもし・・・会長が校則を乱用して権力を振り回すような事があれば、全校生徒は皆怯えることになるでしょう。そうなったら、怯えるのは私一人に限ったことではありません」 皇甫嵩は董卓のもとに歩み寄ると、机の上に報告書を置いた。 「報告書、確かにお渡ししました」 そう告げて皇甫嵩は会長室を去ろうとした。 そして彼女がドアに手を掛けた瞬間、呆然と沈黙していた董卓が口を開いた。 「待って、義真ちゃん!!!」 董卓は焦った様子で皇甫嵩のもとに近づき、彼女の手を取って言った。 「今日は〜・・・卓ちゃん、義真ちゃんに負けちゃったみたい♪」 そう言う董卓の顔には心からの笑みが、そして皇甫嵩の顔にも笑みが浮かんでいた。 だがこの時の皇甫嵩の心中、それを知る者は彼女自身しかいなかった・・・。
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