下
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
176:アサハル 2003/02/14(金) 15:27 >教授様 ほ、ほ、法正たーーーーん!!(*´□`*) ああもう可愛いよう…どーしてくれようか。 簡雍たんは実は美少女だから、そりゃドキドキするわ。 そうかあ卒業か…そういえばそんなシーズンですな、今。 関係ないですが帰宅部の他のメンツ、法正以外はカメラ向けたら 喜び勇んでピースしそうな気がします(w >彩鳳様 天井に頭ぶつけると痛いですよね…(経験者) しかし曹操、可愛いやら格好良いやら。ギャグのような起き方を したと思ったら次の瞬間には天下人の顔に…ドリフと乱世の覇王が 同居できるのは彼女ぐらいのモンじゃないでしょーか。(劉備は吉本) そして夏侯惇。時々存在そのものがボケになる曹操に炸裂する 惇姉の冷静なツッコミ。最強コンビですね! 第1部ということはまだ続編が!た、楽しみです!!
177:★ぐっこ 2003/02/15(土) 00:23 >教授様 相変わらずグッジョブ=b! 法正&簡雍、学三公認のカプールぶりですが、不敵な彼女らも卒業を前に 真摯な寂しさと感傷につつまれるようで…。 法正たんは他人の心をいち早く察する技術に長けてますが、自分の気持ち には鈍感なタイプと見た(;´Д`)ハァハァ… >彩鳳様 引き続いてグッジョブ! 曹操たんは、そりゃもの凄い存在! 存在なんですけどスポットを あてると可愛い女の子に過ぎないと言う…。まさに学園もの大道の 生徒会長ですな〜! 夏侯惇にしろ曹操にしろ、たとえば法正や簡雍あたり ではまともに会話することも出来ないほどの大物なんですが、こうやって 日常描くと、なんていうか幸せ〜♥ ワタクシも第二部以降おおいに期待するであります!
178:惟新 2003/02/15(土) 00:53 >教授様 うわ〜萌えたっ! ちょっとしたことですが、それをうまく描かれるのは素晴らしい! もしよろしければシリーズ化なさっては? 「萌え請負人簡雍」シリーズとかで…(ネーミングセンス無っ! >彩鳳様 おお! これは…! 第二部以降がいかなる話になるのか激しく気になりますよ(^_^;) また一つ楽しみが増えました〜! それにしても巧みな描写をなされますね〜 大期待…! あ、イラストの件はご自分のペースでどうぞ〜 もちろん燃え上がるほど待ち焦がれていますが(^_^;) こちらも大期待…!
179:教授 2003/02/15(土) 02:58 >維新様 萌え請負人簡雍…。 個人的に彼女は手足のように扱える優秀な設定の持ち主なので、シリーズ化は必然かな?(爆) 何が起こっても酒とカメラは手放さない簡雍タンを中心にシリーズ続編を頑張りますね。 >アサハル様 元はアサハル様から頂戴いたしました、ウチのトップ絵なんですよ。 あの絵を見てぱっと閃きましてw 文章で法正率が高くなってきてる…挿絵キボンヌ…(銃声)
180:雪月華 2003/02/15(土) 12:24 黄巾の落日 〜張角の夢〜 殺風景な部屋だった。部屋の西側に窓が一つ。その下にシングルベッドが置かれている。他にあるものといえば、勉強用の書き物机。机の上にはシンプルな作りの電気スタンドが孤独に耐えてたたずんでいる。机の隣には背丈ほどの本棚。西洋の古典音楽関係の書籍が目立つ。それと最低限の教科書と参考書。逆側の壁には服用のスタンドが一つ。蒼天学園の冬服がかけられており、小物入れには黄色いスカーフが一枚、きちんと折りたたまれている。そのほかには何も無い。客用テーブルも、テレビも、鏡すらも無かった。いや、鏡はクローゼットの扉の裏にある。しかしそれも顔を映すのが精一杯の小さなものであった。カーテンも無い。驚くべきことに天井の照明も無かった。 蒼天学園学生寮の一人部屋。今をときめく学園一のアイドル。張角の部屋である。5月のオペラ愛好会発足後、その天女声(霊波混入)とミステリアスな容姿で着実にファンを増やし、現在、学園でその名を知らぬものはいなくなった。全校生徒の過半数がファンのであると目され、そのうちの半数が親衛隊(古っ)と化している。届けられるファンレターは山を成し、プレゼントの量もまたしかり。張角はその全てを「わずらわしい」という理由で、妹達に処分させている。どうせ「崇高な理念」とやらの軍資金にされているのだろう。張角はそんなものに興味は無かった。部屋が殺風景なのは貧乏のせいではなく、いじめのせいでもない。彼女のスタンスなのである。 短い悲鳴と共に、眠っていた張角が跳ね起きた。目には涙を浮かべ、呼吸が弾んでいる。 「…ごめん、ママ。でも、私…」 それ以上は言葉が出てこなかった。 見たことのある夢。まだ幼い頃の自分になった夢。私が10歳の頃、交通事故で死んだママの夢。周囲の風景ははっきりしない。でもママの顔だけがはっきりしてて、ママが私にほお擦りして、優しくささやいた。 「いい?あなたの声には人を元気にさせる力があるの。」 「ぱぱもままの『がんばって』ってこえをきくとげんきになるよ?」 「それとはちょっと違うわ。それはそんな気がしているだけ。元気になるきっかけにすぎないのよ。」 「?」 「あなたの声は直接心に響く。それによって心が沸き立つの」 「ふーん。わたしってすごいんだ?」 「いい?あなたが大きくなって、何かを諦めた人や、悲しそうにしている人にあったら、優しく慰めて。『がんばって』と言ってあげればその人はすぐに元気に立ち直るわ。」 「ほんと?」 「ママが嘘ついたことある?でもこれだけは気をつけてね。」 ママの目が真剣になった。 「その声をけんかや人を傷つけることに使っちゃ駄目。他人にそれをやらせるのも駄目よ。いい?」 「うん!」 その夢を見たのが1月のはじめ。まだ2年生で合唱部に在籍していたとき。その時から声に不思議な力が宿るようになった。そして6月の終わりの今、見た夢も似たような風景だった。だが…。 ママの目はすごく悲しそうだった。責めているという感じではない。怒っているわけでもなく、押さえつけるように厳しいというわけでもない。ただひたすら悲しそうだった。その目を見て、私は心にえぐられるような痛みを感じた。 目を背けることができなかった。体を動かそうと思っても何者かにがっちりと握られているように動かせなかった。長い間見つめあい、やがてママが口を開いた。 「かわいそうな子。」 ママの目がいっそう悲しげになった。それを見て心の痛みはさらに大きくなった 「あなたはママとの約束をやぶったわ。無意味に人の心を煽り立てて。今はあなたの学校は傷つけあい、罵り合い、騙しあい、裏切りあう人たちであふれてるのよ。」 ようやく口が動いた。だが、出てきたのはあまりに弱々しい声だった。 「でも…あれは妹達が勝手に…」 「張宝と張梁はやってはいけないことをやったわ。でもあなたはそれを止めることをしなかった。いえ、できたはずなのに、みんなの前で歌うことができなくなることが怖くて、止めなかった。どちらがより悪いのか今のあなたにわからないはずはないでしょ。」 何も言い返せなかった。うつむくこともできず、悲しげなママの目を見つめ、ただ心の痛みが大きくなっていくのに耐えるしかなかった。不思議なことに涙も出てこない。涙の分も心の痛みに加わっているようだった。 「あなたは近いうちに、死ぬより苦しく、辛い目に会うわ。ママが死ぬときに味わった苦痛の何倍もの痛みと苦しみを。でも逃げるなとは言わない。負けるなともいわない。約束をしても無駄になるならしないほうがいいもの。」 違う!と叫びたかった。でも声が出てこなかった。心の痛みは今の言葉で耐え切れないほどに大きくなった。胸を抑えようとしても腕が動かない。膝をつきたくても、足が動かない。 ママとの誓いを守らなかった。その代償として私はママに見捨てられた。その思いが心を冷たく犯し始めた。 「さようなら。生きる道があればそれにのって生きなさい。見つからなければ、ママのところへ来るのもいいわ。でもそれが何を意味するのか、ちゃんと考えてからよ。」 ママが身を翻して歩き去ってゆく。その姿が次第にはっきりしなくなり、やがて、消えた。 不意に恐怖が襲ってきた。ママの言っていた死をこえる苦しみとはなんだろう?学園を騒乱に巻き込んだ事件の首謀者としての処罰より苦しいのだろうか?いや、私にとって一番大切なものが失われることを、ママは予言したのではないだろうか? はっと気がついた。止めようも無い震えが襲ってきた。私にとって一番大切なこと。それは歌うこと。心の中の声を音楽に乗せ、歌として表現すること。歌うことができなくなる。しかもみんなの前ではおろか自分ひとりのときですら歌えなくなる! 絶望が全身を覆った。誰かにすがりたかった。しかし今の自分には「同志」はいても「友人」はいなかった。心を開いて話せる「人」はいなかった。心を開いて話せる友。それは自分の歌を黙って聞いてくれる空であり、大地であり、風だった。それが喪われようとしている。 しかしまだ光は見えた。現実という光だった。張角はパジャマのすそで涙をぬぐってベッドから降りるとクローゼットを開け、この部屋の唯一の鏡に向かった。 張角は鏡を見るのが好きではなかった。見れば自分の金銀妖瞳がいやでも見える。黒い右目、黄色の左目。両親は共に黒い目だった。 親衛隊の連中が(;´Д`)ハァハァだとか萌え〜だとか勝手にチャームポイントにしているが、張角は自分の金銀妖瞳が嫌いだった。この目のせいで友人ができなかったといってもいい。誰もが一歩引くのである。それを踏み越えようとする人にはついに出会えなかった。いや、一人いた。名を確か関羽といった。ずば抜けて背が高く、きれいな長い黒髪の佳人だった。今まで出会った人で、彼女だけが自分の金銀妖瞳を直視しても引かなかった。今は生徒会に協力して黄巾党を飛ばして回っているらしい。程遠志を飛ばしたのも彼女という報告だった。このような状況でなければいい友人になれただろうか?いや、金銀妖瞳を理由にして人を避けてきたのは自分ではなかったのか?避けられたのではなく、避けてきたのではないのか?本当は人が怖かったのだろうか? 『夢は夢に過ぎない。気にするほうがどうかしている。』 鏡の中の黒い左目が嘲る。鏡の中なので実際とは反対の色だ。 『その「力」は1月に見た夢で見についたものだ。今の夢だけが嘘であるという証があるのか?』 黄色の右目がつぶやく。 「やめて…」 そうつぶやいてクローゼットを閉め、ベッドに戻った。張宝の言葉が思い出された。 (明日は大事な日。黄巾党の逆転をかけての最後の啓発。張曼世が飛ばされつつも、蒼天会長室に極秘でTVケーブルをつないだ。側近の一人を買収してある。タイミングを合わせてチャンネルを変えれば、劉宏は必ず姉貴の虜になる。そうなれば後は思いのままだ。) どう考えても悪あがきにしか思えなかった。劉宏はkaiの熱狂的ファンである。そういう人種に自分の声が効果の無いことが、数度の舞台ではっきりしていた。 眠りに落ちた。もう夢は見れなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− どうも。人物設定で引っ込みがつかなくなったので張角タンSSage。 「張角、南華老仙の叱責を受け、太平要術三巻を失う」を学三風にアレンジしてみました。下書き無しで一気に書くとやはり文法に粗が。 この後、最後の舞台で声帯損傷して華陀先生の下へ搬送。絶人のメスで何とか3年後にはしゃべれるようになるものの、病室に乗り込んできた皇甫嵩一統に階級章を剥奪されてしまうんです。
181:★ぐっこ 2003/02/16(日) 12:24 おっとお、雪月花さま、早速の参戦感謝です! うーん…張角を苛ますのは、幼い日の母の影か〜 彼女にとってトラウマにもなってるわけなんですね… 先天性なのか、後で選ばれたのか、とにかく人の心を無条件に奪ってしまう いわゆる「天使の声」の持ち主であったために、彼女の思惑を外れて どんどん事態が悪化してゆくと… これは…萌だ… また新しいシチュが浮かんじゃったよ…最後もまた・゚・(ノД`)・゚・ あと、どうでもいいけど張魯たんとは遠い親戚ということで。 キャラ似てますし(神秘系無口っ娘)。
182:ジーク 2003/02/16(日) 15:18 おお…! 雪月花さまはじめまして。 張角キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! うーん…黄巾、良いですねぇ…。 歳後…かわいそうに(T_T)
183:アサハル 2003/02/16(日) 21:21 うああああ・゚・(ノД`)・゚・ 「もし自分が絵が描けなくなったら・・・」とか考えちゃいましたよ! 怖いよ痛いよ・・・ 続くような形でちょっと小ネタ思いついたんで、ひょっとしたら漫画化 するかもです。(描きかけ溜まってまんがな) どうでもいいですが速攻でこんなんが思い浮かんだ私は一体 どーすればいいでしょうか。 http://fw-rise.sub.jp/tplts/cho-kouho.jpg (死神と翼をもがれた天使のつもりが護衛と姫に・・・)
184:惟新 2003/02/16(日) 22:15 南華老仙の話を見事に学三アレンジ! 素晴らしいですよ〜 重〜い話、それも内面への指向性をもつ話は個人的に大好きでして、楽しく読ませていただきました。 雪月花様の次回作が楽しみ…張遼タン… >アサハル様 張角を抱く死神皇甫嵩キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!(で合ってますよね?(^_^;) うわ〜もうめちゃくちゃカッコイイ一枚じゃないですか〜!
185:岡本 2003/02/16(日) 22:16 雪月華様に触発されたSSです。西暦と学園暦の間の時間関係が 怪しくなりますし、版権とかの問題もあるかもしれませんのでこちらに。 ■広宗のG・P・M(1)■ ここは豫州校区は鉅鹿棟。その一室で20名ほどの生徒たちが卓に着いて なにやら話をしている。現在、広宗に展開している張角の妹・地公主将の 張梁が率いる軍団との戦いに備えた生徒会軍の作戦会議中である。波才を 破った皇甫嵩をもってしてもこの軍団を討伐することは難事であった。 数が多いこともあったが、最大の難点は張角の「天使の声」にあった。 張角が肉声で歌えなくなった今でも、オーディオで流される“天使の声” の威力は健在で、 蒼き 美空に 影落ちて 我ら いまこそ 黄を纏え 時は 来たれり 甲子に 平和 いや増す 学園に 揃いのT-シャツ、黄色のバンダナ装備の黄巾軍がこの張角の歌う“黄巾の マーチ”をBGMに意気をあげ、彼女らも歌いながら遮二無二進軍してくるの である。恐怖以外の何物でもない。 「ウチ、思うんですけど、歌には歌で対抗する、というのはどないでしょう。」 黄巾軍討伐に義勇の徒として参加した劉備新聞部という総員4名の超弱小 サークルの長が発言した。生徒会の役職はおろかまだ、10円玉階級章す ら得ていないが、黄巾軍の大方(大隊長級)の一人・程遠志をその副官の 茂ともども飛ばし、潁川地区長社棟付近で暴れていた波才の撃破にも功が あったということで席を与えられていたのである。 「…それは考えはしたんだけどね…。」 その場にいた生徒会軍の指揮官たちが全員、苦笑する。 正規軍だけでも生徒会軍全体の3倍はある黄巾軍はカリスマ歌手・張角の 歌声をその行動力の基幹としている。生徒会軍にもその影響は強く、ひど いときには耳栓をつけて戦ったこともあるくらいだ。これを断ち切れば黄 巾軍は瓦解する。が、相手は“天使の声”の持ち主だ。これを超える歌い 手は存在しない。だから、これまで生徒会軍は張角の歌声が届かないとこ ろでの戦いはよく挑み、勝利をしてはいた。が、数が利せてなおかつ大型 オーディオの投入が可能な大会戦は不利と見て挑まなかったのだ。 何とか“天使の声”を封じ、張梁との大会戦に挑む。これが懸案事項であった。 歌には歌で対抗するというのは封じる方法のひとつではある。 決まれば一発で戦いの趨勢が決まるが、外れれば目も当てられない。 まさにハイリスク・ハイリターン。誰もが考えはするが、やろうとし なかった所以である。 「一人でやろうとするから駄目なんで、皆でやったら何とかなるんとちゃいますぅ?」 “そう単純にいかないと思うけどねぇ…。” 提案こそしなかったが、曹操も真っ先に考えた案であった。だが、難問がある。選曲だ。 誰もが歌いやすく、ノリがよく、知名度が高いというのが軍歌の必須条件だ。 全員が一種の没我状態にならないと意味が無い。それに勢いにのっている相手を揺さぶる ためには、相手に聴かせる必要がある。それなりの声の持ち主がリーディングで必要だ。 つまり、最初の問題に立ち戻ってしまう。 なまじ本人にも詩や音楽の才能があるため、相手の強さが身にしみて理解できるのだ。 「…あのぉ、ウチらに任してもらえんやろか…。」 言いだしっぺということを超えてこの生徒は食い下がってくる。勝算があるのか? 「何か、考えがあるのでしょう。彼女らに先行させてやらせてみてはどうです?」 曹操の助言もあった。4名を先に出して、とりあえず効果のほどを見ようというのだ。 生徒会軍総指揮官・皇甫嵩は作戦の是否を思案してみる。 成功すれば儲けもの。失敗しても全軍と別に先行させた4名が飛ばされるだけ。 「よし、分かった。明日の会戦に先立って試行してもらおう。」 「関さん、翼徳、憲和。やったで、明日、試してみぃってことになった。」 劉備の帰りをまっていた3名に会議の決定を嬉々として報告する。案が通るか 不安で待ちくたびれていたこともあり、よっしゃぁ、やりぃと張飛と簡雍は歓 声を上げる。作戦案を出した関羽は表には出さなかったが、流石に気を揉んで いたのだろう、落ち着いた態度は崩さないが安堵の表情が浮かぶ。 「ところで、関さんに出だし頼みたいんやけど…。」 「えー!!姉貴ぃ、オレじゃ駄目なのかぁ?」 やる気満々の張飛が口を出す。 「翼徳、カラオケやろうというんとちゃうんやで。それとも何か、 選曲これやけど、あんたやったら最初っからノリノリで外さんと いけるんか?!」 「ウゲッ、これでやるんか?うらむぞ、憲和。」 「違う、選んだのは玄徳よ!!」 「確かにこの案を出したは私ですが…。本気ですか、姉者。」 関羽と張飛は選曲として、数曲をあげていた。そこから劉備と簡 雍で選んだのだが…。いや、関羽自身が歌には歌で対抗すると考 えついた時点で最初に頭にうかんだ候補ではあった。 誰もが歌いやすく、ノリがよく、知名度も高いという軍歌に必要 な条件は満たしている。だが、余りも素で歌うにはこっ恥ずかし い歌なのだ。 “…そういう時だけ私に頼みますか…。” 劉備に策を述べた時点でこうなる覚悟はしていた。ただ、やるには条件がある。 「ひとつ伺いますが、明日はどこで迎え撃ちます?」 もしこの策が当たればやり方次第では殲滅戦にできる可能性がある。 しかし、黄巾軍の中で本当に学園騒乱の責任を取らねばならない人物 は限られている。おそらく劉備は殲滅戦はとらないだろうが、関羽と してはこの義姉の真意を確認しておきたかった。 「ウチは正面から行くつもりや。失敗しても後ろにおる皇甫嵩先輩に 迷惑はかからへん。それに、深く考えんと勢いで黄巾に参加した連中 はできる限り逃がしてやりたいしなぁ。」 罠を張らず正面から挑むなら黄巾軍の真後ろは空っぽだ。総崩れにな った際に逃げ切れる数は多い。 “この人に任せて間違いはなかったな…。” 「分かりました、その役承ります。」 「後言っとくけど、2人とも明日この格好して指示通りやってな。」 「かーっ、マジ?!赤っ恥を曝せってか?」 「…毒を喰らわば皿までですか…。」 劉備に指示書を見せられて、天を仰ぐ張飛に額を押さえる関羽。 「さすがにあれはやりすぎなんじゃない?」 肩を落として出て行く二人を心配そうに見ていた簡雍がたしなめ るが、劉備は気にした様子はない。 「憲和、心配せんでもええって。大丈夫、あの2人いざとなった らノリノリでやるから。あ、そうそう、あんたにも大事な役ある からそのつもりでなぁ。」 「…あのね…。」
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