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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
184:惟新 2003/02/16(日) 22:15 南華老仙の話を見事に学三アレンジ! 素晴らしいですよ〜 重〜い話、それも内面への指向性をもつ話は個人的に大好きでして、楽しく読ませていただきました。 雪月花様の次回作が楽しみ…張遼タン… >アサハル様 張角を抱く死神皇甫嵩キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!(で合ってますよね?(^_^;) うわ〜もうめちゃくちゃカッコイイ一枚じゃないですか〜!
185:岡本 2003/02/16(日) 22:16 雪月華様に触発されたSSです。西暦と学園暦の間の時間関係が 怪しくなりますし、版権とかの問題もあるかもしれませんのでこちらに。 ■広宗のG・P・M(1)■ ここは豫州校区は鉅鹿棟。その一室で20名ほどの生徒たちが卓に着いて なにやら話をしている。現在、広宗に展開している張角の妹・地公主将の 張梁が率いる軍団との戦いに備えた生徒会軍の作戦会議中である。波才を 破った皇甫嵩をもってしてもこの軍団を討伐することは難事であった。 数が多いこともあったが、最大の難点は張角の「天使の声」にあった。 張角が肉声で歌えなくなった今でも、オーディオで流される“天使の声” の威力は健在で、 蒼き 美空に 影落ちて 我ら いまこそ 黄を纏え 時は 来たれり 甲子に 平和 いや増す 学園に 揃いのT-シャツ、黄色のバンダナ装備の黄巾軍がこの張角の歌う“黄巾の マーチ”をBGMに意気をあげ、彼女らも歌いながら遮二無二進軍してくるの である。恐怖以外の何物でもない。 「ウチ、思うんですけど、歌には歌で対抗する、というのはどないでしょう。」 黄巾軍討伐に義勇の徒として参加した劉備新聞部という総員4名の超弱小 サークルの長が発言した。生徒会の役職はおろかまだ、10円玉階級章す ら得ていないが、黄巾軍の大方(大隊長級)の一人・程遠志をその副官の 茂ともども飛ばし、潁川地区長社棟付近で暴れていた波才の撃破にも功が あったということで席を与えられていたのである。 「…それは考えはしたんだけどね…。」 その場にいた生徒会軍の指揮官たちが全員、苦笑する。 正規軍だけでも生徒会軍全体の3倍はある黄巾軍はカリスマ歌手・張角の 歌声をその行動力の基幹としている。生徒会軍にもその影響は強く、ひど いときには耳栓をつけて戦ったこともあるくらいだ。これを断ち切れば黄 巾軍は瓦解する。が、相手は“天使の声”の持ち主だ。これを超える歌い 手は存在しない。だから、これまで生徒会軍は張角の歌声が届かないとこ ろでの戦いはよく挑み、勝利をしてはいた。が、数が利せてなおかつ大型 オーディオの投入が可能な大会戦は不利と見て挑まなかったのだ。 何とか“天使の声”を封じ、張梁との大会戦に挑む。これが懸案事項であった。 歌には歌で対抗するというのは封じる方法のひとつではある。 決まれば一発で戦いの趨勢が決まるが、外れれば目も当てられない。 まさにハイリスク・ハイリターン。誰もが考えはするが、やろうとし なかった所以である。 「一人でやろうとするから駄目なんで、皆でやったら何とかなるんとちゃいますぅ?」 “そう単純にいかないと思うけどねぇ…。” 提案こそしなかったが、曹操も真っ先に考えた案であった。だが、難問がある。選曲だ。 誰もが歌いやすく、ノリがよく、知名度が高いというのが軍歌の必須条件だ。 全員が一種の没我状態にならないと意味が無い。それに勢いにのっている相手を揺さぶる ためには、相手に聴かせる必要がある。それなりの声の持ち主がリーディングで必要だ。 つまり、最初の問題に立ち戻ってしまう。 なまじ本人にも詩や音楽の才能があるため、相手の強さが身にしみて理解できるのだ。 「…あのぉ、ウチらに任してもらえんやろか…。」 言いだしっぺということを超えてこの生徒は食い下がってくる。勝算があるのか? 「何か、考えがあるのでしょう。彼女らに先行させてやらせてみてはどうです?」 曹操の助言もあった。4名を先に出して、とりあえず効果のほどを見ようというのだ。 生徒会軍総指揮官・皇甫嵩は作戦の是否を思案してみる。 成功すれば儲けもの。失敗しても全軍と別に先行させた4名が飛ばされるだけ。 「よし、分かった。明日の会戦に先立って試行してもらおう。」 「関さん、翼徳、憲和。やったで、明日、試してみぃってことになった。」 劉備の帰りをまっていた3名に会議の決定を嬉々として報告する。案が通るか 不安で待ちくたびれていたこともあり、よっしゃぁ、やりぃと張飛と簡雍は歓 声を上げる。作戦案を出した関羽は表には出さなかったが、流石に気を揉んで いたのだろう、落ち着いた態度は崩さないが安堵の表情が浮かぶ。 「ところで、関さんに出だし頼みたいんやけど…。」 「えー!!姉貴ぃ、オレじゃ駄目なのかぁ?」 やる気満々の張飛が口を出す。 「翼徳、カラオケやろうというんとちゃうんやで。それとも何か、 選曲これやけど、あんたやったら最初っからノリノリで外さんと いけるんか?!」 「ウゲッ、これでやるんか?うらむぞ、憲和。」 「違う、選んだのは玄徳よ!!」 「確かにこの案を出したは私ですが…。本気ですか、姉者。」 関羽と張飛は選曲として、数曲をあげていた。そこから劉備と簡 雍で選んだのだが…。いや、関羽自身が歌には歌で対抗すると考 えついた時点で最初に頭にうかんだ候補ではあった。 誰もが歌いやすく、ノリがよく、知名度も高いという軍歌に必要 な条件は満たしている。だが、余りも素で歌うにはこっ恥ずかし い歌なのだ。 “…そういう時だけ私に頼みますか…。” 劉備に策を述べた時点でこうなる覚悟はしていた。ただ、やるには条件がある。 「ひとつ伺いますが、明日はどこで迎え撃ちます?」 もしこの策が当たればやり方次第では殲滅戦にできる可能性がある。 しかし、黄巾軍の中で本当に学園騒乱の責任を取らねばならない人物 は限られている。おそらく劉備は殲滅戦はとらないだろうが、関羽と してはこの義姉の真意を確認しておきたかった。 「ウチは正面から行くつもりや。失敗しても後ろにおる皇甫嵩先輩に 迷惑はかからへん。それに、深く考えんと勢いで黄巾に参加した連中 はできる限り逃がしてやりたいしなぁ。」 罠を張らず正面から挑むなら黄巾軍の真後ろは空っぽだ。総崩れにな った際に逃げ切れる数は多い。 “この人に任せて間違いはなかったな…。” 「分かりました、その役承ります。」 「後言っとくけど、2人とも明日この格好して指示通りやってな。」 「かーっ、マジ?!赤っ恥を曝せってか?」 「…毒を喰らわば皿までですか…。」 劉備に指示書を見せられて、天を仰ぐ張飛に額を押さえる関羽。 「さすがにあれはやりすぎなんじゃない?」 肩を落として出て行く二人を心配そうに見ていた簡雍がたしなめ るが、劉備は気にした様子はない。 「憲和、心配せんでもええって。大丈夫、あの2人いざとなった らノリノリでやるから。あ、そうそう、あんたにも大事な役ある からそのつもりでなぁ。」 「…あのね…。」
186:岡本 2003/02/16(日) 22:24 ■広宗のG・P・M(2)■ 翌朝、広宗の野に、大型スピーカーを通して「天使の声」の張角が歌う黄巾のマーチが流れる。 張梁旗下の黄巾軍団も歌いながら、鉅鹿棟に布陣する生徒会軍向けて進軍を開始する。 先鋒隊が生徒会軍の陣営直前に迫ったとき、彼女らの前に4名の生徒たちが立ちふさがった。 「地公主将様、いかがします?」 「構わん、押しつぶして通れ!!今日こそ、皇甫嵩を飛ばすぞ!!」 おおっと気勢をあげ、再び黄巾のマーチとともに張梁軍は進軍を開始した。 そのときである。 4名の中から、長身を武道着に包み腰に黒鞘の居合刀を帯びた女生徒が黄巾軍の前 に歩み出てきた。腰に余る豊かな黒髪とどことなく憂いを帯びた美貌を持つ佳人と いっていい面持ちの人物だが、武道着の上からでも途轍もない心身の強靭さを秘め ているのが見て取れる。 「今や、関さん!!」 何事、と見ていた両軍の目に、女生徒の腰間から放たれた銀の光芒が進軍を続ける 黄巾軍の行く手を断ち切るように一閃されるのが映った。黄巾軍の先頭が度肝を抜 かれて歩みを止める。剣の型を演じ続けるその女生徒の口から湧き出る深みのある テノールが全ての喧騒を貫いて戦場に響き渡った。 その心は闇を払う銀の剣 朗々と響き渡る歌声に合わせて、大身の居合刀が銀の光芒を放って翻る。 刀身2尺7寸(82 cm)の美しい刃紋で知られる関の孫六兼定を模した模造刀 で、関羽が“冷艶鋸”と名づけて形稽古に用いているものだ。 絶望と悲しみの海から生まれでて 四方の敵を何れも一太刀で制する型を示した後、静かに引いた刀を 体の脇に捧げ持つように立てる“陰の構え”で止め、眼前の黄巾軍 を見据える。威圧感十二分である。 “関さん、絶ぇぇっ対、昨日演武の練習しとったな。” 苦笑する劉備に黄巾軍からのざわめきが届く。 「あれは関羽だ!」 「程遠志を飛ばした奴か!」 “黄巾のマーチ”はまだ続いているが、黄巾軍に動揺が走るのが感じ取られた。 関羽の隣に歩み出ていた少林拳の演武着を纏った女生徒が1.8 mはあろうかとい う棍棒を構える。背は意外に低く童顔だが、全身がバネでできているかのような 逞しさをもっており、長身重厚な関羽にも見劣りしない。関羽のパートが終わる や間髪をいれず、演武の型と共にソプラノの声が紡がれる。高いが力強さを感じ させる声は、勇壮な演武にマッチしていた。 戦友達の作った血の池で 涙で編んだ鎖を引き 棍棒を瞬時に三節棍に変形させ、目にも留まらぬ勢いで連節棍の演武 を続ける。三節が攻めかかる大蛇の如き動きを見せ、歌に更なる威を 添える。 悲しみで鍛えられた軍刀を振るう 「こんどは摶ホをやった張飛だ!!」 更なる豪勇の登場に、黄巾軍の動揺が増加する。黄巾軍の進軍は完全に止まった。 「Gun-parade march (突撃行軍歌)で来たか!!」 思わず、曹操がうなる。最近の口コミで話題になっているゲームの歌だ。蒼天学園 でもかなり生徒が知っている。内容上、これ以上うってつけの歌は無い。しかも、 リーディングに起用した人物の声が武道で鍛えたのか深みのある声が非常によく通る。 肉声は電気変換された声に印象においてはるかに勝る。 “これが劉備の勝算だったのか…。” 関・張の間に赤パーカーを羽織り両手に張り扇をぶら下げた劉備が歩み出る。 滑稽な格好だが、眼鏡の奥から黄巾軍を見る真摯な眼差しには2人に劣らぬ 心の強さが感じられる。 どこか長閑ではあるが、けして諦めない強い意志を帯びたアルトが流れる。 どこかの誰かの未来のために 地に希望を 天に夢を取り戻そう 両手を大きく広げるや、天地の希望と共に目の前の黄巾軍を胸に抱きしめる ように交差させる。歌詞自体は確かに甘い、夢を描いたような望みを言って いる。だが、それを実現するかも知れないという可能性を感じさせる歌声である。 最後は3人の声が、テノール・ソプラノ・アルトが重なる。 我らは そう 戦うために生まれてきた 関羽が“冷艶鋸”を沖天の勢いで振り上げるや瞬時に大地を 両断するかの如くに振り下ろして破邪顕正の威を示し、張飛が 全ての敵を薙ぎ倒さんとする三節棍の型を決めて見得を切る。 2人とは対照的に、胸の前で交差させた張り扇を両手で広々と 大文字に掲げた劉備は、降した敵を慰撫する様を示した。 この瞬間、3人の歌声は張角の「天使の声」を凌駕した。 高らかに“黄巾のマーチ”を歌っていた黄巾軍の歌声がついに途絶える。 この好機に3人の後ろについた簡雍が、生徒会軍の方を向いて“せ〜のぉ!” とばかりに両手を振り上げてメゾ・ソプラノで続ける。 それは子供の頃に聞いた話 誰もが笑う御伽噺 威圧されじりじりと後ずさりし始める黄巾軍へ劉備達4人は歩を進める。 再び関羽が、 でも 私は笑わない 私は信じられる 貴女の横顔を見ているから 張飛が、 遥かなる未来への階段を駆け上がる 貴女の瞳を知っている そして簡雍が歌う。 今なら私は信じられる 貴女の作る未来が見える 3人が劉備の元に集まり、劉備の差し出す両手をとる。関羽・張飛・簡雍の合唱となった。 貴女の差し出す手を取って 私も一緒に駆け上がろう 高まった機運に呼応するように生徒会陣営からも歌う声が聞こえてくる。 その声を耳にした劉備が莞爾とばかりに微笑む。劉備たちの進軍に合わ せて動き始める隊も増えてきた。関羽・張飛・簡雍と視線を合わせて頷き、 4人の合唱が野に響く。 幾千万の私と貴女で あの運命に打ち勝とう どこかの誰かの未来のために マーチを歌おう 劉備たちの進軍に加わり斉唱に加わる者達は生徒会全軍に拡がる熱狂とともに 加速度的に増していった。最後は生徒会軍総員の進軍・大合唱になった。 そうよ未来はいつだって このマーチと共にある ガンパレード・マーチ ガンパレード・マーチ… 地を震わせる生徒会軍総員の合唱に威圧され、黄巾軍は完全に崩れた。 進軍してくる生徒会軍におびえて、張梁や黄巾部隊長の制止を振り切って 逃亡を開始する者も出始めた。 「これほど見事にあたるとはね…。」 生徒会軍総指揮官の皇甫嵩が、竹刀を高々と抜き放つ。もはや台詞はこれしかない。 「All!Handed gun-parade!All!Handed gun-parade! 全軍突撃! たとえ我らが全滅しようとも、最後の最後に我らの遺志 を継ぐ者が1人生き残れば我々の勝利だ!! 全軍突撃! どこかの誰かの未来のために!!」 突撃行軍歌を歌いつつ猛進する生徒会軍の前に、もはや抗する力を失った黄巾軍は 張梁の制止の声も空しく雪崩をうって潰走した。生徒会軍全軍の追撃は夕方まで 続き、地公主将・張梁を飛ばす大勝となった。ここに、黄巾の猛威に対する一大反 抗作戦は大成功のうちに集終結し、蒼天学園全体に“聖徳の名将”、“生徒会の剣” 皇甫嵩の勇名は知れ渡った。 だが、会戦に先立つ4名の業績は生徒会の正式書類には残されていない。
187:雪月華 2003/02/16(日) 23:02 >★ぐっこ様 どうも失礼してます〜。 張魯は張角とちがって親友はじめからいますよね(妹設定だったかな?)。 張衛と入れ替わりに許チョが親友になってくれるし。張角はひたすらミステリアスで孤独で悲愴でしたが、張魯の場合、神秘+天然というイメージがっ。史実でもわりといい扱いですし。 アスレチックで一番高い場所(地上30米くらい)で天文見てたら寝てしまって、気がついたら落ちそうになってて(縁に掴まってる)、張衛はじめスタッフ達ががおおわらわで助けようとしてる。 よりによって激難コースの一番上。どうやって登ったのかは不明だが、助けようにも道具が足りないので、急遽三角形態人間ピラミッド救出大作戦発動!しかーし!組みあがってわかる残酷な事実。…あと一人足りない(爆)。 するとそこに自主トレついでに遊びにきた馬超が!張衛の救援要請を快諾した馬超はピラミッドに加わらずひょいひょいとアスレチックを踏破し、あっという間にコースレコードを叩き出し、張魯のもとに到達。 あっさり救出し、張魯をお姫様抱っこしてアスレチックを颯爽と降りてくる馬超。 てっきりピラミッドに加わってくれるものだと思っていた張衛(よりによって中央の一番下にいる)。 頬を赤らめて丁寧に馬超にお礼を言う張魯。軽く片手をあげてジョギングで去ってゆく馬超。 笑顔で手を振って見送る張魯。その背後で力尽き、崩れ落ちるピラミッド… 五斗米道登場(紹介)シーン案…。宗教的団結や勤労奉仕(労働刑)がうまく表現されているのでは…。暴走しました。ゴメンナサイ。 馬超が登場したのは、北方三国志で最初、張衛と馬超の仲がわりとよかったからです。 >ジーク様 どもどもはじめまして〜。コンゴトモヨロシク(女神転生風)。 あれでも救いを持たせたほうなんです(うわ傲慢<私)、初期版ではそのまま死んじゃったんです。 流石にまずいかなと思って声帯損傷に留めたんです(やっぱり傲慢<私)次の話はライトですからご安心を。 >アサハル様 続きを漫画化!激期待です! 姫君の左目が黄色…張角!?すると護衛は…このような人がいれば張角もあんな目に遭わずに済んだかも…(遭わせたのお前やて<私) ちょっと暗めの話になってしまいました。母親の性格がドライすぎるし(汗)スマソ。 現在執筆中のSSは孟徳様が登場するので結構スチャラカです(主役はあくまで張遼)。呂布と張遼の出会いが描かれてます。今、前半が出来上がって推敲中です。 今、密かに張遼視点の合肥の戦いの話が萌えあがってきてます。資料固めの真っ最中。タイトルは「狼、再び(仮)」。
188:雪月華 2003/02/16(日) 23:24 連続レス大変失礼します。 >維新様 死神=皇甫嵩だったのかーッ!不覚!不覚にございまする!…アサハル様!申し訳ございませぬ(血涙)!。 >187 姫君と護衛じゃなかったんですね… >岡本様 おおっ!戦シーンだ!しかし…私ガンパレ、名前しか知らないので後半の楽しみが半減。 …買ってきます!あ、しまった!今日初代ファミコンのソフト10本(1万2千円相当)買ったので金が無い!<馬鹿
189:岡本 2003/02/16(日) 23:47 >教授様 いらん知恵がついて薄汚れた大人になってしまった私には まぶしいばかりに初々しい法正ですね。そういう彼女には 少々強引でも心の扉を開いてくれる簡雍のような友人が 大切なのでしょう。 >彩鳳様 少女の無邪気さと覇王の冷徹さが同居する曹操。それを見守る 姐御・夏侯惇。さて、その日常は?てな雰囲気が溢れていて いいですね。こういう作品も挑戦したいものです。 >雪月華様 ”天使の歌声”張角のエピソードですが。彼女もまた、才に振り回された人物の 一人なのでしょうか。詳細な舞台背景に引き込まれます。 私のSSは、”買ってない人はそれなりに、買った人はより楽しく”程度 に見ていただければよろしいので...。 >アサハル様 いつも綺麗な絵を楽しんで拝見させていただいております。 ところで質問ですが、”テノール”は非常によく通る、男にしては高めで 女性にしては低めの声と理解していいのでしょうか? 文献に”中世・近代の戦闘で、テノールの声を持つ指揮官はその声が喧騒 を貫いてよく聞き取れたので、部隊指揮でかなり得をした”という内容があり、 関羽の声はこれだろうと思いましたので。
190:アサハル 2003/02/17(月) 01:04 ああ誤解が起きている・・・すみません皆様・・・ 画力と記述が足りなかったばっかりに・・・ 一応、「狩られる張角と死神皇甫嵩」のつもりだったんですが 描き終わってみたら姫と護衛になっていたという・・・(吐血) >岡本様 う、歌いてぇ!!元ネタ知らないですが歌いたくなりますー!! 正に歌力発伝!! ええと、テノールなんですけども、歌に限って言えば、相当地声が 低くて低音域の発声が上手い女性がテノールを歌うということは 稀ですがあります。ただ、同じ音域でも女性では低く、男性では高いので 響き方となるとちょっと差がでてくるかと。 関羽の場合は女性なんで、男声テノールみたいにカツンと響くと いうよりは全方向へ包み込むように広がる感じの響きじゃないかなあ と思います。 どっちみち「よく通る」とひとくくりにできるんですけども(w
191:雪月華 2003/02/17(月) 01:43 烏丸征伐反省会 その1 〜北の果ての晩餐会〜 作・雪月華 「紅茶とケーキは行き渡った?じゃあ、烏丸・袁姉妹連合(※以下、袁烏連合)征伐反省会はじめまーす!」 曹操のよく通る声が響く。場所は幽州校区の北のはずれ。長城の外だが蒼天学園の敷地内というあいまいな地所に建つ、柳城棟の食堂付属のティーラウンジ『Willow』である。自治会によって運営されており、給仕やマネージャー、調理人まで生徒が持ち回りの当番制でこなしている。喫茶店だが、軽食も取ることができ、オススメは手作りレアチーズケーキに紅茶がついてセット価格300円。手作りなのでクセがあり、かなり好みが分かれるが、大勢の評判は良く、他の校区からも長城を越えてちょくちょく人が訪れるほどである。 本来、この柳城棟は袁烏連合の本拠として使われていたが、袁姉妹はそれなりに風紀に気を遣っていたらしく、いくつかのバリケード以外には荒らされた形跡も無く、烏丸高校の生徒達は校外に野宿(!)させていた。故に、袁烏連合四散後も、大きな混乱も無く生徒会に接収され、半日経つ頃にはすっかり平穏になっていた。このことには、郭嘉の尽力が大きい。自治会の再編、生徒への通知などの後方勤務を恐るべき速度でこなしたのである。 テーブルをはさむように3人がけのソファがあり、一方には曹操が中央に窓側に張遼、廊下側に許チョが。もう一方には中央に郭嘉、窓側于禁、廊下側に徐晃が座る。傍を通った給仕の一般生徒が驚きのあまりトレイを落としそうになった。全員制服姿だが、燦然と輝く一万円札紙幣章をごく自然に身に付けている一人は全校区に名だたる生徒会会長、覇王曹操孟徳その人であり、他の5人も千円札紙幣章所持者である。驚くのも無理は無かった。 曹操はこのような反省会をよく開いた。行動を振り返り、問題点を探り出し、解決のための行動を決める。主目的はそれであるが、経費で好きなだけ飲み食いするという裏の目的もあった。とにかく、「会」がつけば経費で落とせ!が合言葉である。その経費は郭嘉が部費を農林水産省管轄のある『事業』に『投資』して『割戻』を稼いできているという話だ。正規の部費管理責任者の荀イクも「学園は今まさに乱世。平定のためなら部費くらいなんとしてでも捻出しなければ」ということで苦笑しつつ、容認している。ケーキセットで慎ましやかに始まった反省会は、曹操のプリンパフェ追加を皮切りに、一転、晩餐会の様相を呈してきた。それでも議論は中断せず、よりいっそう白熱するのが曹操軍団である。 曹操は甘いものを中心にオーダーし、許チョはボウル一杯の杏仁豆腐をオーダー、攻略の真っ最中である。張遼はサラダをつつき、于禁はなぜかレモネードを立て続けに4杯喫している。郭嘉は食欲が無いのか、まだケーキをフォークでつつきまわしている。徐晃はよほどここのケーキが気に入ったのか、ボキャブラリーが無いのか、同じ物を注文し続けている。 「そういや会長。袁姉妹の始末つけといたぜ。さっき公孫康に会長の署名で『烏丸の残党がそっちのほうに逃げたからあとヨロシク〜☆』ってメール送っといた。6時ごろにはあの日和見もカタつけるだろうな。」 「奉孝、お見事!今回の遠征の計画といい、戦の指揮っぷりといい。深慮遠謀、神算鬼謀というべきだよねっ!」 曹操が大仰に褒め称える。しかしその明るさにはどこか翳りがあった。近頃、郭嘉の様子がおかしい。何も無いところでけつまづいたり、ペンや箸を突然取り落とすということが頻繁にある。食欲も落ちてきているようだ。何故か陳羣が「ちょっと郭嘉。あなた最近おかしいわよ。華陀先生に診てもらったら?」と真剣に忠告している姿をよく見かける。もともと医者嫌いの郭嘉はめんどくさそうにうなずくだけで、保健室に行こうとしない。無理強いすれば反発される。もしかすると郭嘉は自分の病名を知っているのではないだろうか。それが余りにもひどい病気なので隠しているのではないだろうか。それならば医者に見せる振りでもすればこちらも余計な疑問をはさまずに済むのに。と曹操は思っている。 議論が一区切りつくともう5時近くなっていた。ラウンジに入ったのが3時であるからたっぷり2時間は経っていることになる。うずたかく積まれた皿が片付けられ、淹れなおした紅茶を囲んでの談笑となった。そして話題は柳城で先陣を切り、敵将トウ頓を打ち倒した張遼のことに及んだ。かつて学園最強と呼ばれた呂布軍団MTB部隊の右中隊長(左は高順)を務め、その剽悍な戦い振りから「餓狼」とまで呼ばれ、呂布の次に怖れられた猛将。曹操に降伏後は剣道部に所属し、「餓狼」であることを捨て、知将としての一面を発揮し始めた良将。その風貌は…純朴な牧場の少女。その一言で表現できてしまう。 「そういえば文遠の流派って何だっけ?」と曹操。 「北辰一刀流です。一応は。父が道場を開いていて、でも道場稽古をしたのは5歳くらいまでです。基本的な型とか、防具のつけ方とか。あとは全部自己流で磨いてきました。」 「へぇー。でもなんで5歳でやめたんだ?」と郭嘉。 「父より強くなりたい。と父に言ったら、師の下で修行に励んでも師の半分に達するのがやっとだ。ということで、以後道場に出ることはほとんど無かったですね。」 「我流か。道理で動きが読みづらいわけだな。それに実戦的な動きが多い。」と于禁。 曹操が何気なく、だが小悪魔の笑みを浮かべてつぶやいた。 「呂布んトコにいたときは毎日が実戦だったしねぇ。」 「や、やめてください会長!。その頃の話は…」 とたんに真っ赤になってうつむく張遼。曹操が更に追い討ちをかける。 「髪型なんかすごいパンキッシュ…」 「ホントに怒りますよっ!」 立ち上がって曹操のほうを向き、ムキになって曹操の言葉をさえぎる張遼。 「またまたぁ。いまじゃすっかり落ち着いちゃって。こんなコトしても怒んないじゃん。」 「きゃあっ!か、会長やめ…あ痛っ!」 曹操の両腕が迅雷の速さで動き、張遼の両わき腹をくすぐる。張遼は身をよじって座り込んだ拍子に肘をテーブルにぶつけてしまい、皿とカップがテーブルの上で短いダンスを踊った。幸い、どのカップも空だったのでウェイトレスを呼ばずにすんだ。 かすかな連続したシャッター音を于禁の耳が捉えていた。ふと窓の外に目をやるとデジカメらしきものを懐にしまっていた女生徒と目が合った。整髪量など使ったこともなさそうなぼさぼさの髪。こめかみあたりに無造作に挿した安物の髪留め。眠そうだが油断できない目。于禁は脳内の人名録の頁をたどった。該当人物が絞られてゆく。確か劉備の幕僚の、簡雍。何故こんなところに…そこまで考えたとき、すでに簡雍は近くに止めてあった自転車に飛び乗り、まっすぐに長城のほうへ走り去っていた。于禁はそれを呆然と見送るしかなかった。 …まだ先の話だが、劉備新聞社会面にセクハラ問題の記事があげられ、「逆らえない部下に性的接触を強要する上司」との見出しでこの写真が使われることになる。抜け目無く目の部分に消しが入っており、この日の簡雍のアリバイ工作も完璧だったため、この写真が大事に発展することは無かった。 「まあ、髪形の話は置いとくとして…」 「おねがいですから忘れてください…。」 「そういえば私達が知ってる文遠と呂布って、風紀委員長だった丁原先輩の部下だった頃からなんだけど、初対面ってどんな感じだったの?」と徐晃。 「もともと呂布様と私は匈奴中学の同級生だったんです。クラスが違ったので2年次まで知り合う機会はありませんでしたが。」 張遼は呂布の名を使うときは必ず「様」をつける。いかに尊敬していたかが伺えた。 「聞きたいなー♪そのときの話。」 「ふふっ、なんだか昔話をしたくなってきました。」 「昔って、髪型が…むぐっ!?」 言いかけた曹操の口を絶妙のタイミングで許チョがふさぐ。曹操はしばらくぢたばたしていたがやがておとなしくなった。話の腰を折られずに済んだ張遼が懐かしそうに話し始める。 匈奴中学。運動部高校と評される匈奴高校の付属中学のようなものであり、校風も似ている。平均偏差値は高くないが、スポーツの名門校として相当名が売れていた。男子と女子の割合が9対1という、半男子校であり、当然女子専門の部活は無い。当然男子部にマネージャーとして女子が混じることになるが、伝統なのか、女子に精強な者が多く、公式試合などでは高い実力を持つ女子を男装させて出場させることは珍しくない。全国大会への切符をつかみながらも、直前で明るみに出て、出場停止処分となる泣くに泣けないケースも年に何回か起きている。 張遼は剣道部に所属し、呂布は当然というべきか帰宅部であった。部長が於夫羅。2年のトップは実力でいえば圧倒的に張遼だが、副部長は部長の弟の呼厨泉が務めている。1年生に劉豹がいた。だが、張遼とまともに打ち合えるものは剣道部の中にはおらず、鮮卑中学、烏丸中学への遠征試合でもこれといった相手はいなかった。そして張遼が2年生の冬。事件は起こった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−− お待たせしました。三国志で私が最も愛する勇士。張文遠主役のストーリーです。 まず岡本様にお詫びを。張遼の流派を岡本様原案の北辰一刀流から、「北辰一刀流をベースにした我流」に変えさせてもらってます(_ _ペコリ その理由はその2を読んでいただければお分かりになるかと。 全部で4部構成くらいになると思います。
192:雪月華 2003/02/17(月) 02:12 烏丸征伐反省会 その2 〜呂布と張遼 −対峙−〜 放課後の剣道場。稽古前の瞑想の時間のときである。静謐な剣道場内に、突然、無造作に扉を開ける音が響いた。呼厨泉の指示で、部員の一人が様子を見に行った。なにやら押し問答が繰り返され、いきなりその部員が剣道場内に吹き飛ばされてきた。後ろのほうに座っていた何人かが巻き込まれて転倒する。 無造作に大男、いや大女が土足で入ってきた。ずば抜けて高い身長。黒人ソウルシンガーのようなチリチリのドレッドヘア。骨太だが無駄な筋肉が一切無い精悍な肉体。全てを見下すような目。 「呂布か!?何しに来た!」呼厨泉が色めきたつ。 「…道場破り。」 「何だと!?」 「…ヒマなの。カラダ動かしたいからつきあって。」 「ふざけるな!」 「激昂するな呼厨泉。いいだろう。学園一の戦士だとかもてはやされているが、力だけでは剣に勝てぬことを教えてやる。全員整列!。」 見る間に部員が2列に分かれ、道場の端に並んで座る。並び方は実力順であり、張遼は儀礼上、呼厨泉の1つ下座に座した。 「防具を貸してやる。早く身に付けろ。」 「…いらない。竹刀だけ貸して。」 「ふざけるな!」 「まぁいい。多少痛い目にあえば少しはこたえるだろう。竹刀を貸してやれ。」 部員が恐る恐る呂布に竹刀が手渡す。無造作に片手で振った。ドボッ、と空気を叩く音がした。 できる…!と張遼は思った。同時にいままで感じたことのない昂揚感を覚えた。肌が粟立つ。 一人目は2年生の中堅クラスの男。名前は思い出せない。部員Aとしておく。向かい合って、相手が構えても呂布は竹刀を右手に下げたままである。 「呂布!なめているのか?構えたらどうだ?」 「…これが私の構え。なめてるのは確かだけど。」 面で隠されているのでよく見えないが、部員Aは怒りで耳まで真っ赤にし、大きく踏み込むと面打ちに行った。しかし踏み込みが足りず、竹刀が床板を打つ。すかさず呂布が剣尖を踏んだ。抜けない。はっと面をあげたところに凄まじい横面が叩き込まれた。竹刀から手が離れて吹き飛び、転がる。そのままぴくりともしない。脳震盪を起こしたのだ。通常、竹刀で面なり篭手なり打ったら反動で跳ね上げることになっている。だが呂布はどんな打ちかたであろうと打ち抜いている。気絶するのも当然だった。 呂布は踏んでいた竹刀を蹴飛ばすと「…次」と言った。 二人目は胴を薙ぎに言ったところ、急激に間合を詰められ、左手で面を押された。体勢が崩れるところに唐竹割りをうけ、頭から床板に突っ込む。 三人目には無造作に間合を詰めていき、正眼(へそから竹刀を突き出すように構え、剣尖は相手の眉間に向ける。基本中の基本。)に構えたままの相手の胴を無造作に薙いだ。やはり壁際まで転がっていき、動かなくなる。 そのときになって張遼は防具を外し始めた。どうしようもない昂揚感が体の奥から湧き上がってくる。武者震いが心地いい。 「何をしている張遼?。」と於夫羅。 4人目の劉豹が、面打ちに行ったが平行移動でかわされ、カウンターで胴を薙がれた。張遼の目の前まで転がってきて、そのまま気絶する。恐ろしいことに胴に竹刀の跡がくっきり残っている。於夫羅が1年生最強と見込み、席次も張遼の5つ下だった劉豹があっさり破られ、部員にはっきりと動揺が浮かんだ。 「次は私が出ます。防具を外したのは動きやすくなるからです。」 さらリ、と言ってのける。 「正気か!さっきの打ち込みを見ただろう?防具があったから失神で済んでいるのだ。」 「打たれる。とは限りません。というより打ってやります。」 面は被っていなかったので、胴と垂、篭手を外し、純白の稽古着と藍色の袴だけになると、竹刀を携え、気絶した劉豹をまたぎ、列を出て呂布と正対した。手拭だけは汗よけのため、頭に巻いている。 「…度胸のある奴は嫌いじゃない。それにこの中では一番ましみたい。…防具はつけて。…でないと死ぬ。」 「死の覚悟はできているつもりです。手加減は…御無用!」 「…過剰な度胸、虚勢。それは傲慢に通じる。でも…あなたにはそれとは無縁の何か澄み切ったものを感じる。…防具をつけて。…死なせたくない。」 信じられないことに呂布の声に温かみがこもったように張遼には思えた。だが張遼はそれに答えず、じわりと気を発した。ある程度以上の剣格(剣のスキルレベル)が無ければこの気を感じ取ることすらできない。それは絶対領域であり、その中に踏み込めば乾坤一擲。一瞬でどちらかが逝き、どちらかが生きる。 (無駄か。今まで生きてきて、死なせたくないと思ったのは初めて。こんなに心地いい気を発する人に出会えるのはあと10年は無いかも…) 呂布は軽くため息をついた。次の瞬間、剣道場が内部から崩壊するのではないかと思われるほどの殺気が呂布から発せられた。 「…腕?足?そのあたりならまだ生きられる。…それとも…頭?首?…一思いに心臓?」 声と共に竹刀がその部位を指し示す。すでに呂布の声から温かみは蒸発していた。 「あの時は本気で「死ぬ」と思いました。「負ける」ではなく「死ぬ」と思ったんです。」 シン、と一座が静まり返っている。曹操が相槌を打った。 「呂布って、剣も強かったんだ。普段のバトルでは武器持ってなかったけど。」 「剣に限らず、弓術、薙刀術、槍術、棒術、ムエタイ、カポエラ、テコンドー…呂布様はとにかく地球上の格闘技はすべて極めていらっしゃったみたいです。」 「忍術も?」 「はぁっ!?あの呂布が忍術!?羽目板外して天井裏登ったり城壁と同じ模様の布被って追手撒いたりするのか?」 曹操が余計な茶々を入れ、すかさず郭嘉がまぜっかえした。天井裏に忍び込もうとする呂布、城壁模様の布の裏で追っ手が通り過ぎるのを期待する呂布。その姿を思い浮かべ、まず曹操が華やかな笑い声を上げる。許チョと徐晃が同時に笑い出し、郭嘉がそれに応じた。于禁はあきれて首を振ったが、口元が笑いの形に歪んでいた。張遼も、はじめは口を抑えて笑いをこらえていたが、やがて腹を抱えて笑い出した。いかに尊敬していたとはいえ、笑えるものは笑えるのだ。 「ま、まぁありえたかもしれません。でも最後に頼れるのは自分の拳だけだとおっしゃって、けっきょく得物は使われませんでした。呂布様が使った得物はたいてい一度の戦で使い物にならなくなるんです。」 何とか笑いを収めた張遼は話を続けた。同じく笑いを収めた干禁と徐晃が熱心に聞き入っていた。曹操と郭嘉は笑い疲れたらしく、ぐったりとしている。許チョは6人分の水を持ってくるため、席を立った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 第1部、絶妙のタイミングで省略されてるなぁ… 速攻で第2部です。じらすようですがここで少し期間置きます。2,3日以内でしょうが。理由として、まだ3部の推敲が完全に終わっていない。4部が終わり方だけ決まっているもので、その他は案に過ぎない。などです。(_ _ペコリ >岡本様 すみません。流派改変理由まだわかりませんね(._.; 次の回、ホント驚天動地です。2人ともほんとに中学生かと思えるような殺陣が繰り広げられます。
193:教授 2003/02/17(月) 23:16 ■■ 簡擁と張飛 〜こんな日常もたまにはね〜 ■■ 「おーい、益徳〜」 「ん…?」 ダンボールの箱を二つ抱えた張飛。 後ろから聞き慣れた陽気な声が耳に入る。 「憲和?」 姿を確認しようと箱を抱えたまま振り向く。 と、同時に眩しい光が目に飛び込んできた。 「うわっ!?」 突然の出来事に危うく持っていた箱を取り落としそうになる。 「へへー…びっくりした?」 簡擁はカメラを片手に笑顔。 少しも悪びれた様子を見せない。 「っつあぁ…危ねぇだろ! これ落としたら弁償モンなんだからな!」 頬を膨らませて抗議する張飛。 普段なら拳や蹴りの一つや二つは飛ぶ所だが、今回ばかりはそうもいかない。 何せ抱えている箱の中には実験で使うビーカーやメスシリンダーといった割れ物が入っているからだ。 以前、ふざけててビーカーやらフラスコを割ってしまった事がある張飛。 その時に請求された弁償額に愕然とした苦い思い出があるのだ。 それが故、激しく立ちまわれば九分九厘中身を壊してしまうだろう。 箱を床に置いてから攻撃してもいいのだが、無事に済ませられるか不安なのだ。 「ごめんごめん。…で、益徳に頼みがあるの」 しかし、それを軽く謝って流す簡擁。 無敵街道を一直線のようだ。 「頼みぃ? 今じゃないとダメなのか?」 ぶすっと膨れたままの張飛が嫌そうに答える。 「うん、時間ないしね。それに益徳は立ってるだけでいいよ」 「何だそりゃ? 立ったままで何が出来るんだよ…」 笑顔の簡擁に怪訝顔の張飛。 その笑顔のまま簡擁が要求を口にした。 「可愛いポーズ取って」 「…はぁ!?」 簡擁の言葉が一瞬理解できなかった張飛。 だが、落ちついて冷静に考える。 「可愛いポーズって…それで写真撮るつもりかよ! 無理! そいつは出来ない注文!」 全身で拒否する張飛。 簡擁は小首を傾げて小さく唸る。 「…益徳は今両手が塞がってるんだよね?」 「ああ。そうだけど…見れば分かるだろ?」 張飛の答えにニヤリと邪笑する簡擁。 それを見た張飛の背中に一瞬冷たいものが走った。 これは危険だと認識して箱を床に下ろして警戒しようとした時だった。 「それじゃ…こうだ!」 「へ…? わあっ!」 簡擁はお約束の神懸り的な動きで張飛に接近、あろう事か彼女のスカートをめくり上げたのだ。 咄嗟にスカートを押さえてしまう張飛。 この辺り、女性らしさの欠片が垣間見える。 「それ、いただき!」 スカートを押さえる張飛に向けて、簡擁のカメラが火を吹いた。 そして、『またね♪』と言い残して疾風の様に走り去る簡擁。 「け、けけけ…憲和〜! そのカメラこっちに渡せや〜!」 耳まで真っ赤にし、まるでさくらんぼの様な張飛が嵐のような勢いで簡擁を追い始めた。 その場に箱を残したまま…。 後日、置き去りにした箱の件でひどく絞られた張飛。 しかも簡擁を捕まえられなかったので踏んだり蹴ったり。 「その気持ち、よーく分かります…」 法正に同情されて暫くの間張飛は写真嫌いになったそうです。
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