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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
386:那御2003/12/20(土) 01:50AAS
「で、これどうする?」
落ちたニンジンを拾い上げ、呂蒙が訪ねる。
「う〜ん・・・、そうだ!」
魯粛が頭の上に豆電球を点灯させた。
「興覇、モーちゃん、耳貸して!」
(ヒソヒソヒソヒソ・・・)
「ははははは!そりゃあ面白い!」
呂蒙が爆笑して言う。
「で、どこの班にやる?」
甘寧が尋ねる。
(どこの班?一体どういうこと?)
「1班とか?」
「やっぱり?」
(公瑾さんの班・・・何をする気なの?)
すると、甘寧は、落としたニンジンのほうを切り始めた。
ある程度の大きさになったところで、なぜか周囲を見回し始めた。
「さ〜て、細工は流々・・・」
魯粛が、そのニンジンの一欠けらを手に取ると、
「仕上げを御覧じろ〜。」
周瑜班のメンバーの動きを見据えて・・・
ぽいっ。
ぽちゃん。
「!!!」
陸遜が言葉にならない悲鳴をあげた。
「な、なな、何してるんですか!事もあろうに公瑾さんの班の鍋に投げ込むなんて!」
「いやさぁ、あいつ料理上手いから、ちょっとくらい落ちたニンジン入っててもフォローできるって。」
「いや・・・」
「しかも皮付きときた。」
呂蒙が無意味な補足をする。
「あぁ・・・」
陸遜は、昏倒しそうになるところを堪え、
(見なかったことに・・・見なかったことに・・・。気づいてない・・・気づいてない・・・)
一人、言い聞かせ続けるのだった。
(秋刀魚・・・秋刀魚だけは私がさばかないと・・・。
あの人たちにさばかせたら、食べられるものも食べられなくなる・・・)
陸遜は、秋刀魚をさばきに取り掛かった。
幸い、甘寧らは野菜を投げ切りすることに夢中である。
「お〜、割とよさげじゃん。」
ダシ汁の中に野菜を入れて、数分。
湯気がもうもうと上がり、ひとまず食べ物らしくなってきたようだ。
「教科書には、そろそろ味噌とか七味を入れるって書いてあるが。」
「じゃあ、味噌だな。一人分いくらだ?」
「めんどい!いいや適当で。」
そういうと甘寧は、味噌を手掴みで鍋に次々と放り込み始めた。
(うわぁ・・・絶対多い・・・)
一人、調理台で秋刀魚をさばく陸遜の目にも、その光景は映った。
「したら、七味入れるよ。」
魯粛が七味唐辛子の蓋を開け、鍋のうえで振ると・・・
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