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577:北畠蒼陽 2005/02/19(土) 22:50 [nworo@hotmail.com] ……と、簡単に秘書室入りを決めたわけではなかった。 内心、十分に考えてから決めたことのはずなのだが…… 秘書室初日の感想は『早まったかな〜?』だった。 秘書室長、江京や実力者の李閏を中心にいつも集団行動。 ちらちらとこっちを見てはくすくす笑い。 非常に殴ってやりたくなる。 もっとも曹騰にとっても居心地が悪いことこの上ないが、江京たちにとっても連合生徒会会長の推薦というのは目の仇にされるものらしく曹騰は初日から孤立状態であった。 しかしそんな状況であれ仕事はあるらしく(もっとも秘書室長らは仕事などしていないが)曹騰もデスクにつき資料のまとめをしていく。 劉保と一緒に勉強したことが役に立っているようで、それだけが今のところほぼ唯一の秘書室での収穫だった。 ぺしっ。 なにかが頬に当たる。 ……というか痛い。 ころころと書類の上を転がるそれはシャーペンの折れた芯だった。 指でつまんで折れた芯を眺める。 シャーペンの芯というのは曹騰の知っている限り、折れることはあっても顔に跳んでくることはめったになかったはずだ。 つまり…… ……いやがらせ? 不機嫌な顔で芯が飛んできた方向を睨みつけてやる。 いやがらせではなかったらしくメガネをかけた同僚が声は出さずに、それでも口の動きと雰囲気で謝っている。 まぁ、どんな場所でも追従するやつらばかりじゃないってことか…… 曹騰はそんなことをぼんやりと考えつつ、まだ必死で謝っている少女に『いいよ』と手の動きをしてみせる。 少女は頭を下げることこそやめたがそれでも手のひらを合わせたままウィンクしてくる。 そのポーズがやけにかわいくて…… 曹騰は内心の思いに修正を加えた。 唯二の秘書室での収穫だな。
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