下
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
708:海月 亮 2005/07/03(日) 21:13 >麻雀ネタ 確かに、文章で表現するのはかなり難しいですね。私は書いた当人だから、どんなシーンになってるか解らなかったら問題ありますけど(^^A で、本題ですが間違い数点。 >>703 第一段落 ×子幹→○子賤(実は最初、丁固じゃなくて鐘離牧がいたのです(^^A >>704 第二段落 一箇所だけ陸胤になっている箇所がありますが、丁固の誤りです。 以上。よく見てから投稿しない海月のせっかち加減に乾杯_| ̄|○
709:★教授 2005/07/03(日) 22:47 ◆◆ 大切なおくりもの ◆◆ 「公祐…何してんの?」 簡雍の第一声はこの言葉だった。 色彩感に溢れる毛糸玉達が小会議室のあちこちに所狭しと我が物顔に転がり、思わず足の踏み場に困る簡雍。更にそれを修飾するかのように型の崩れた雑巾みたいな物体が折り重なって倒れている。公祐こと、孫乾はその中心に正座して入り口に背を向けていた。 何かに集中しているのか簡雍の問い掛けに気付いた風もなく、黙々と上半身を揺らしている。 (あののんびり娘がこんなに集中出来る事があるなんて……) 簡雍はある種の異様な空間に思わず固唾を飲んでしまう。悪戯をしたいとは不思議と思わず、ただその後姿を見ているしかなかった―― ――3時間後 「出来た…」 「ほぇ?」 今まで黙々と作業を続けていた孫乾が小さく呟くと、障害物を横に避けて寝そべりながら海苔煎餅を齧っていた簡雍も変な声を出してしまった。 と、慌てた様子で孫乾が振り返り青いような赤いような驚愕の表情を簡雍に見せる。きょとんとそれを見ていた簡雍は『やぁ』と片手を挙げてそれに応えた。 それには不可思議な表情をしていた孫乾の顔がはっきりと赤くなった。そして目尻に涙が溜まっていくのが簡雍にも視認出来た。 「い、いたのなら声くらいかけてくださいー!」 「声掛けても返事しなかったじゃん………ってか、泣くなよ」 「だ、だってだって…恥ずかしいですぅ…」 「あーっ! 泣かないの! 私が悪かった!」 ぽろぽろと涙を零して泣き出した孫乾に白旗を挙げて降参する簡雍。宥めるのにこれまた時間が掛かって今度は簡雍も泣きたくなってしまった。 ――1時間後 「で、何してたわけ? 周りが見えなくなる程の事だから余程って感じがするけど」 簡雍は両手を出して毛糸を巻きつかせながら孫乾に尋ねる。 「えーと…マフラー作ってました…」 「まふらぁ? アンタ、まさか…おと…」 「違います違います違います!」 物凄い勢いで否定されて、一歩退く簡雍。孫乾は一息置くと先ほどまで格闘していたマフラーを広げる。 「私から…頑張ってるあの人に心を篭めたおくりものなんです。私にはこれくらいしかできませんから…」 所々がほつれたり形が崩れたりしている手製のマフラー、お世辞にも上手とは云えない出来栄えだ。しかし、空気を読めない簡雍ではない。 「いいじゃん、それ。高価なマフラーを贈るよりも下手でも手で編んだ方が美しいってね。贈られるヤツは三国一の幸せ者よ」 にかっと白い歯を見せて笑う簡雍に照れ笑いを浮かべる孫乾。 外はもうじき桜が満開になる季節、時期外れの贈り物は誰に贈られるのか。簡雍はそれには一切触れなかった。ただ、分かっている事が一つだけある。それは―― 「頑張り屋さんからの贈り物は同じく頑張ってる人に贈られるんだろうね」 そして、孫乾もまた贈る人にこんなメッセージも添えていた―― 「復帰おめでとう! これからも頑張ってくださいね、風邪なんかに負けちゃダメだよ」 ――30分後 「おーい…何とかしてよ…」 「あれ…こんなはずじゃ…」 毛糸でぐるぐる巻きにされて揉みくちゃにされた簡雍とそれを助けようとして一緒に絡まってる孫乾が小会議室に転がっていた。 この後、偶然通りかかった李恢に助けられ事無きを得たようです。
710:北畠蒼陽 2005/07/04(月) 01:57 [nworo@hotmail.com] >教授様 あ〜、ぐっこ様へ向けてのメッセージってのはこうやって発信するんかー!(目からうろこが5、6枚 大変勉強になりました(笑 >雑号将軍様 カキコに気がつかなくて申し訳ないです^^; 高句麗討伐については正史を読む限りは100%毋丘倹の功績ですねー。 ただ句麗王、位宮が率いた兵力が20000ってのは一国としては明らかに少ないのも事実。 これがなにを意味するのか、ってのは私も不勉強でわかってないんですけどね^^; でも20000の兵を10000で打ち破る、ってのはほんとありえない功績ですよ。
711:雑号将軍 2005/07/04(月) 22:11 ■卒業演奏 Part1■ 卒業式・・・ただの通過儀礼だと考える人も、どうでもいいと考える人もいます。でも私はそうは思えないのです。私にはどうしてもやりたいことがあったから・・・・・・。 そんな卒業式の一ヶ月前。私は洛陽棟の体育館に行きました。中央には大きく重厚なグランドピアノ。そして体育館を埋め尽くさんとする学園の生徒たち。そんななか、私はなにをするのか?それは・・・・・・。 「エントリーナンバー一四、劉協さん。演奏を始めて下さい」 体育館にアナウンスが響き渡る。 そう私の名前は劉協。一年くらい前までは「献サマ」と呼ばれていました。これでも蒼天会会長をしていたんですよ。でも、その位は別の方に差しあ げることにしました。 それから私はある目標のためだけに頑張ってきました。その目標を叶えるために今ここに立っています。 私は来て下さった生徒の方々に一礼し、椅子に座ります。そして、両手をグランドピアノにのせ、動かしました。 そう今日は卒業式のピアノ伴奏者選考会なのです。私はどうしても自分の卒業式で合唱のピアノ伴奏をしたかったのです。理由は簡単です。ただ、いつまでも、ピアノが弾いていたかったから・・・・・・。 劉協の奏でる音色は本当に美しかった。しかし、どこか悲しげであった。「哀愁に満ちた旋律」とでもいえばいいのだろうか。そんな劉協の旋律は それを聴いていた生徒たちの心を震わせていた。 そうして、劉協の演奏は終焉を迎えた。もう勝負は誰の目から見ても明らかだった。割れんばかりに響き渡る拍手が劉協の実力を照明していた・・・・・・。 「ふうー」 自分のやれる限りのことはやった。素直にそう思えます。心地よい達成感。それともこれは私の自己満足に過ぎないのでしょうか。・・・・・・やめましょう。 それを決めるのは私ではないのですから。 私は最初と同じように、来て下さった生徒の皆様方に深々と感謝の意を込めて頭を下げました。 そうすると、皆さんはもう一度大きな拍手を私に送ってくれました。本当にうれしくて、少しだけですが、私の目から涙がこぼれました。 その日の放課後。私は結果を聞くために控え室で待っていました。不思議と負ける気はしませんでした。 なぜなのかはわかりません。でも、そんな気がしたのです。 「劉協さん。おめでとう。あなたが卒業式のピアノ伴奏者に選ばれたわ。しっかり頑張ってちょうだい」 「は、はいっ!」 私は満面の笑顔でそれに答えた。自分で言うのもなんだが、ここまで笑ったのはいつ以来だろう。もしかしたら、生まれて初めてかもしれないと思えるほどでした。 それと同時になにか足りない。そう一つ欠けたパズルのような、何とも言えない空虚感に囚われていました。 しかし、その気持ちはすぐに解決することになります。 「あの子がいれば、周瑜さんがいたら、どうなっていたかわからなかったわね・・・・・・」 先生が、私から目をそらして、呟くように言いました。 私には「周瑜さん」がどなたかは知りませんでした。でも、知っているような気がしたのです。だから私は訊いてみることにしました。 先生は悲しそうに答えます。 「えーと、あなたとの一年先輩だったんだけど、事故があってね。今年、卒業できることになったの。黒髪で・・・腰くらいまであったかしら。ビックリするくらいピアノが上手かったのよ。でも、卒業する単位を取るだけで精一杯だったの。だからピアノを弾いてる時間がなかったのね・・・・・・」 私のある記憶にいる少女とその「周瑜さん」が一致しました。 いつだったでしょうか。あるとき、一人のミカン売りの少女がやってきました。彼女は私の部屋にあったピアノを弾きたいと言いました。 私は断る理由もないので、許可しました。そうして、私は横にあった椅子に腰掛けて、席を譲りました。 彼女は席に座るなり、ピアノの鍵盤に指をのせ、弾き始めました。その音色はもう言葉では言い表せないほどにすばらしく、人の心を震わせる力がありました。 彼女の演奏は、私の到底及ぶところではありませんでした。 それ以来、私はその少女を目標にピアノを頑張ってきましたの。無意識のうちにその少女・・・周瑜さんに勝ちたいと思っていたのかも知れません。 この場所で・・・・・・。 それが叶わなかったこと、それが私の身体の中に空洞を創り出していたのでしょう。 「・・・・・・協さん?劉協さん?」 考え込んでいて、意識が別の方にいってしまっていたようです。気がつくと先生が心配そうな顔でこっちを見ておられました。 「す、すみません。それでは、私、練習してきます。周瑜さんの分まで頑張らないといけませんから」 その気持ちにウソはありませんでした。せめて、私がどれだけ成長したのか、見せつけてやりたいのです。私だってここまで出来るんだって。 私って、もしかすると負けず嫌いかも知れませんね。 それから一ヶ月の間私は、練習に練習を重ねました。 周瑜さんが訊いて満足してもらえるような、一緒に卒業するみんなが納得してもらえるような、なにより、自分が納得できる演奏にするために・・・・・・。
712:雑号将軍 2005/07/04(月) 22:20 ■卒業演奏 Part2■ ついに卒業式がやってきました。 私は朝の光をいっぱい受けながら、大きく深呼吸をします。 「三年間、ありがとう。最後だけど、今日もよろしくね」 そう語りかけて、制服に袖を通しました。最後だと思うとなんだか悲しい気持ちになります。 それでも、私は新しい世界が待っています。そこへ進むためには私は前に進まなければなりません。だから私は自室を後にすることにしました。 洛陽棟第一体育館。もうたくさんの生徒でごった返していました。そこには私が知っている方々の姿がちらほら。 そんなことを考えながら、私は自分の教室に向かおうとしました。そのとき、ほんの一瞬でしたが、懐かしい人の姿が見えました。 「あ、あれは孟徳さん!?」 私が振り返ったとき、もうその姿はありませんでした。 曹操 孟徳・・・・・・私がこの学園で最も信頼していた先輩。中には彼女のことを悪く言う人もいたけれど、私は思います。あの人以上に学園の統一を望んでいる人はいない・・・と。 教室では担任の董仲舒先生が号泣していました。まだ卒業式も始まっていないのに。 そんな先生は私たちに卒業式の諸注意をすませると、体育館へと移動することを、促しました。 廊下に並んだ私たちは下級生から胸に付ける花を受け取り、体育館へと歩いていきました。 「卒業生入場」 司会の先生合図で私たちは会場へと向かいます。ここまでくると、やっぱり緊張するものです。私は何度も深呼吸をして、自分を落ち着かせようとしましたが、むしろ逆効果でした。 席に着いてから私は気が気じゃありませんでした。 失敗しちゃいけない・・・・・・。そんなプレッシャーが私の身体の中を満たしているみたいな気がします。 でも、私は負けるわけにはいきません。選考会で私と一緒に競い合った人たち、私に投票して下さった皆さんの想いを受けて、私はこの場に立つことができているのですから・・・・・・。 「卒業生全員合唱」 ついにこのときがきた。私はすっと席から立ち上がり、グランドピアノのある方へと向かいます。 こつこつと、革靴の乾いた音が体育館に響きます。それほどまでに体育館は静まりかえっていたのです。 席に着き、私は気持ちを指先に集めます。これは私がピアノを弾くときに必ずします。こうした方がピアノに気持ちが乗りやすいような気がして。 指揮者が私の方を向き、指揮棒を振り始めました。それに合わせて私も鍵盤に指を滑らせるようにして、ピアノを弾き始めました。 ♪僕らの前にはドアがある いろんなドアがいつもある ♪ドアを大きく開け放そう 広い世界へ出て行こう これは「広い世界」という名前の歌です。小等部の卒業式で歌った歌で、もう一度、歌ってみたくて、皆さんにお願いしてこの歌にしていただきました。 私はそこまでしてくださった皆さんに応えるために、必死に、全力で、自分の最高の演奏を目指しました。 周りではみんなが泣き声になりながらも歌っています。泣いていたのはみんなだけではありませんでした。私も、三年間を振り返ると、自然と涙が溢れて、止まってくれません。 それでも、私は持てうる力のすべて、なにより想いをピアノに載せて、ピアノを弾き続けました。 ♪雨に打たれ 風に吹かれ ♪手と手をつなぎ 心をつなぎ ♪歌おう 歌おう 歌いながら もう、この曲も終わりに近づいてきました。この歌が終わってしまうと、もうみんなは別々の道へと旅立ってしまう。 そう思うと、一度は止まりかけた涙が、もう一度、堰を切ったようにまた溢れてきました。もうこの想いは止められませんでした。 私はせめてこの想いをこの会場にいる皆さんに伝えるために、より一層、気持ちを前面に押し出し、ピアノと心を一つに、そして、最高の音色を響かせようと努力しました。 歌は終わりました。 すると、会場にいた皆さんが本当に、本当に、会場が揺れるんじゃないかというほどの拍手を私たちに向けて送って下さいました。 下級生、招待席に座っていた誰もが、涙を流してくれていました。 これが、多少なりとも自分の演奏のおかげだと思うと、今度はうれし泣きをしてしまいました。今日は泣いてばっかりです。 みんなに会場に来ているみんなと想いを共有することができるから、ピアノはやめられないのだなあと私は改めて思いました。 そして、私はそんな自分の気持ちがピアノで伝えられる。そんなピアニストになりたいです!それが私の夢・・・・・・。 卒業式は終わった。荷物をまとめ、懐かしい中等部時代の友だちと昔話を弾ませた後、私は体育館に舞い戻ってきていた。 体育館の舞台に上がった私は、その横に置かれている、漆黒でとても大きな友だちに触れました。 「二年間、ありがとう。あなたと一緒にいられて楽しかったです」 窓の隙間から差し込んでくる光は私の友だち・・・グランドピアノを鮮やかに輝かせます。その姿が笑いかけてくれているように見えました。 「最後にもう一曲だけ、一緒に・・・・・・ね」 私はそう言ってゆっくりとその頭を撫でてあげた後、椅子に腰を下ろし、このピアノとの最後の演奏をしようと鍵盤に手を添えたとき・・・・・・。 「伯和ちゃん!最後の演奏にあたしを呼んでくれないってのはどういうことなのっ!」 「ほんま、ほんま。伯和はん、つれないやないですか〜」 二人の少女の声が私の耳に響き渡ったのです。 この声の主を私は知っていました。私を「伯和」と呼んでくれる人なんて、あの二人しかいませんから・・・・・・。 「孟徳さん!玄徳さん!」 私はその名前を大きな声で呼びました。 「伯和ちゃん卒業おめでとっ!あたし感動して泣いちゃったんだから!」 そう言って、孟徳さん・・・曹操は私の方にパタパタと走って来ます。 その後ろを追うようにして、玄徳さん・・・劉備が私の方へと来てくれました。 「邪魔かも知れませんけど、伯和はんの高校生活最後の演奏、うちらも参加させてもらいますわ。うちもギターくらいは弾けますし!」 玄徳さんはそう言って、不敵な笑みを浮かべていました。この笑顔にはなにか人を惹きつける力があるような気がします。 「いいんですか?じゃ、じゃあお願いしてもいいですか?」 私はうれしさ半分、恥ずかしさ半分でそう言うと、二人は笑い、そして頷いてくれました。
713:雑号将軍 2005/07/04(月) 22:27 ■卒業演奏 Part3■ しかし、不意の客人はこの二人だけではなかったのです。私が、二人と談笑しているまさにそのとき。 私がもっとも会いたかった人が来てくれました。 本当に綺麗にまっすぐと腰まで伸びる黒髪。痩せてしまっていたけれど私は一目見て彼女が周瑜さんだとわかりました。 「ちょっと伯符、自分で歩けるからっ!」 「なに言ってるんだ。さっきも倒れそうになったくせにっ!」 周瑜さんは伯符という少女に抱きかかえられて、私の方まで来ると降ろしてもらい、恭しくひざまずくと、その美しい声で私に声をかけました。 やっぱり病気のせいか、どことなく顔が強ばっているような気がします。 「今日はお疲れ様でした。実は私、献サマにお詫びしなければならないことがございます」 「や、やめて下さい。私はもう「献サマ」じゃないんですから。劉協というただのピアノが好きな女の子です」 私の言葉に周瑜さんは最初、驚かれていましたが、微笑すると、近くにあった椅子に腰を下ろしました。 私は周瑜さんが落ち着かれたのを見て、話を進めました。 「ミカン売りの少女は自分だった・・・ですよね。音楽の先生が教えて下さいました。周瑜さんのピアノは本当にお上手で、私なんかは到底及びませんでした。今日はどうでした?ちょっとは周瑜さんに追いつけましたか?」 私は訊いてみることにしました。訊くのが怖くないと言えばウソになります。でも、私は、どうしても訊いておきたかったのです。 私が前へ進むために・・・・・・。 周瑜さんはしばらく黙り込んでいました。 やっぱりまだまだだったのでしょうか。私がそんな悲観的になり顔を打つ目受けて考え込んでいると、ついに周瑜さんがその口を開いて私の質問に答えてくれました。 「・・・・・・私の負けです。もう献・・・劉協さんのピアニストの実力は私の全盛期のものを遙かにしのぐほどに成長しています。だから、もっと自分に自信を持って下さい。貴女には私なんかとは比べものにならないほどの素養を持っておられるのですから・・・・・・。今日の演奏が何よりの証拠です」 私はうれしかった。本当にうれしかった。自分が目標、いや、憧れとしていた人から誉めてもらえるなって思ってもいませんでした。 私はちょっぴり泣いてしまいました。私はそれを隠すように手で拭うと一つ提案しました。 「今から、孟徳さんと玄徳さんと一緒に演奏しようと思うんですけど、周瑜さんとそちらの方もどうですか?」 「あっ、紹介が遅れました。私の幼なじみで親友の孫策という者です。今日も彼女のおかげで卒業式に来ることができました」 周瑜さんは慌てて横にいた少女・・・孫策を私に紹介します。 「私、孫策って言うんだ。よろしく。で、公瑾。どうするんだ?」 孫策さんは私にからっとした笑顔で答えてくれました。 「でも、そろそろ帰らないと・・・・・・」 「公瑾〜。そんなにしたそうな顔で『帰らないと』とか言われてもなあ。やってたらどうだ?自分の後悔がないようにさ」 孫策さんの言葉に周瑜さんはうれしそうに頷いていました。二人は通じ合っているみたいです。私もそんな友だちがほしいです。 「やれやれ。蒼天学園の元トップどもが、がん首揃えて演奏することになるなるとわねっ!」 「まったくや。関さんや益徳にも見せたかったわぁ」 「普通は見られないスペシャルステージってとこだ」 孟徳さん、玄徳さん、孫策さんの三人が代わる代わるそう言いながら、笑っています。私もそれにつられて声を上げて笑ってしまいました。 しばらく、みなさんと蒼天学園での出来事のお話をしていました。楽しかったこと、つらかったことなど、いろいろなことを聞きました。 やっぱり箱に開けられたちっぽけな窓から見える世界だけでは、すべてを見ることはできなかったんですね。 「じゃあそろそろ、やろっか」 話しが一段落したところで孟徳さんが切り出しました。それに皆さんも素直に答えます。 玄徳さんはギター、孫策さんがドラム、孟徳さんは指揮者を務めることになりました。 「ピアノは劉協さん、弾いてもらえますか?」 私は思わず息をのみました。周瑜さんが私に、ピアノを弾いて欲しいと言って下さったのですから・・・・・・。 「よ、よろこんでっ!じ、じゃあ、周瑜さんはシンガーをお願いできますか?」 私の混乱する言語中枢は必死に言葉をたぐり寄せ、周瑜さんの問いかけに答えることができました。 「わかりました・・・・・・。それで、歌う歌は?」 「これしかないじゃないっ!この歌がなかったらあたし今頃こんな生活してなかっただろうし」 周瑜さんが物腰鷹揚にそう尋ねると、横で鞄の中を探っていた孟徳さんは四人分の楽譜を取りだして手渡します。 どうやら孟徳さんはここに来る前からこうなることを予測していたみたいです。 「こ、これは・・・・・・」 その楽譜は古びて、セピア色になっていていました。端の方はもうぼろぼろです。それでも私はこの曲を弾いていたときのことを昨日のことのように、本当に鮮明に覚えています。 「じゃ、いくよっ!」 そう言うと、孟徳さんは腕をゆっくりとなだらかに振り始めました。私もゆっくりと鍵盤の上を滑らせます。 それに続いて、玄徳さんのギター、孫策さんのドラムが音を奏でます。そして・・・・・・周瑜さんの美声が波が海岸に広がっていくかのように、体育館全体を流れていきました。 この日は私は生まれてから一番楽しい日だと思います。 ひとりごと・・・・・・ 「卒業演奏」これでお終いです。なんとか短くしようと頑張ったのですが、無理でした・・・・・・。 誰か書きたいなあって掲示板をさまよっていると、雪月華様の「学園正史 劉氏蒼天会紀 孝献蒼天会長紀」を見つけまして・・・・・・。さらにある一部分にひどく萌えてしまって、こんなことに。申し訳ありません。雪月華様。一度ならず二度までも面汚しをしてしまいまして・・・・・・。 後、どうでもいいことなんですが、あの「広い世界」は自分が小学校の卒業式で歌った歌で、僕が音楽の授業で歌ってきた歌の中で一番好きな歌です。 でも歌詞がちゃんと覚えて無くて・・・・・・。 もう感想は躊躇無く批判して頂けるとありがたいです。 読んで頂き本当にありがとうございました。
714:雑号将軍 2005/07/04(月) 22:34 玉川様、教授様、アサハル様、はじめまして!梅雨入りで蒸し暑いこの季節になぜか卒業ネタを書いた雑号将軍です。 常連の皆様が次々と復活されて・・・・・・。ほんとに楽しみですっ!なんの役にも立たないですが、よろしくお願いします。 も、申し訳ないのですが、皆様の作品は修学旅行から帰ってきてから、ゆっくりと読みたいと思います。 自分勝手で申し訳ありません。
715:北畠蒼陽 2005/07/04(月) 23:39 [nworo@hotmail.com] >雑号将軍様 献サマの卒業式ですか。いいですねぇ、しみじみ。 時期モノなだけに今の季節ってのが残念デス^^; >修学旅行 あっ!? あっ!? なんか降りてきた! 降りてきましたよ!(DM
716:雑号将軍 2005/07/09(土) 12:13 >海月様 なんかもう、かなりのマイナ・・・・・・失礼、後期の武将が多かったですな。とくに陸姉妹と半分寝てる丁奉!いいですなあ。 >教授様 あらためてご挨拶を。はじめまして。教授様がいない間に学三に巣くっていた雑号将軍というヤローです。 さすがは教授様!孫乾って主役になったの初めてじゃないですか?もうまさに「ぽややんネゴシエーター」ですな!
717:北畠蒼陽 2005/07/10(日) 00:14 [nworo@hotmail.com] 「旅行の夜といえば枕投げ、でしょお?」 毋丘倹がどアップで言い切った。 顔があまりにも近かったのでみんな離れながら頷いた。 枕の杜に見る夢 ※誰が戦死したかメモをとりながら読むとわかりやすいかもしれません。 中華学園都市も当然、学園であるからには学校行事というものが存在する。 ただやはりいまだに生徒会も学園統一を成し遂げていない以上、各校区1つ1つがばらばらに旅行をするというのは……学園都市においてすべての課外活動が単位となる、と定義づけられている以上……敵対勢力につけこまれるもとになりかねない。 かといってすべての校区がまとまって旅行に行く、というのもコストがかかりすぎる。 折衷案として提出されたのが現行の『何方面かに校区を分割し、まとまって旅行に』というものだった。 今、ここに対長湖部において名を馳せた少女たちが集っていた! 全員浴衣で! 「……でね? そのとき後ろを振り返ると人形が血まみれで廊下にぽつーん、と落ちていたの」 「あ、あぁうぅぅぅぅ」 王昶はマイペースに昜を怪談で泣かしていた。 昜半泣き。怖いのなら聞かなければいいのに。 「はい、そこ。いいから話を聞け」 毋丘倹がツッコむ。 「……ん〜、でも……テレビが……」 旅館備え付けのテレビに100円を入れようとしながら王基が呟く。 「あとにしろ。あーとーにー」 毋丘倹がツッコむ。 「ねぇ? それより温泉入りにいかない?」 うきうきしながら諸葛誕が言った。ちなみに10分前まで温泉に入っていた。まだ入るのか。 「さっきも入ってただろ、お前!」 毋丘倹がツッコむ。 忙しいやつだ、毋丘倹。 「それってさ、『ホンキ』でやっちゃっていい、ってことだよね?」 令孤愚の言葉に毋丘倹は笑いながら頷いた。 「戦術の粋を集めた枕投げ。おもしろそうじゃない?」 ルール。 枕が当たったものは戦死扱いとする。 2チームに別れ相手チームを全滅させたほうの勝ち。 枕さえ使えばあとは自由。 フィールドは旅館の敷地すべて。 単純明快なルールである。 「んじゃグーとパーでチームわけー」 「10人かぁ……5人ずつに別れる、って結構珍しいんじゃない?」 「……別に同戦力で開始しなくてもいいじゃない」 「うわ、なんかすごい意見が出た。じゃあ1対9もありってこと?」 「いじめじゃない、それ」 「ちょ……もしかして今、チョキ出したら……死?」 「死だねぇ、それは」 「第3勢力誕生かよ!」 「あんまり勢力が拮抗しそうにないよね、それ」 「じゃあいくよー」 『グーとパー!』 ちょうど5人ずつにわけられた。
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