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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
794:北畠蒼陽 2005/08/13(土) 19:10 [nworo@hotmail.com] ふ、と笑みを浮かべる自分に満寵は気づいた。 「いいね。いいよ、お前ら……若いうちは多少の無謀は許される」 久しぶりの…… 「それを躾けるのは……年長者の『権利』だ」 ……本気だ! 中天に月が昇っていた。 「……文舒……生き返った?」 「んあー」 校庭に2人の影が大の字で転がっていた。 ケガをしていない場所のほうが少なく、立つ気力すら残っていない。 2人はずっと…… ……悪夢のような2分を経て、気絶していた。 「……あれが……曹操先輩と一緒に戦った世代、なのね」 「リビングレジェンド、ってやつね……いや、あれは無理だわ」 夜闇の中に苦笑の雰囲気。 「どうする?」 「……どうする、って?」 聞き返す王基に王昶は聞かなくてもわかるくせに、と唇を尖らせる。 「私は……あの満寵『先輩』からその経験も知識も実力も……すべて吸い取ってやる。それまで中央には帰らない」 「……そうね。私も悔しいもの」 満身創痍。だが心はなぜか晴れ晴れとしていた。 「んじゃがんばろっかね」 「……そうね」 月が2人を照らす。 …… …… …… 「って、のはまぁ、昔の話だがねぇ」 「うっわ。お姉ちゃん、無謀さんだったんだ」 王家の食卓。なぜか王基もいる。 まぁ、なぜか、というか王昶の執務室での昼食なのだが。 ちなみに今日は弁当である。 手作りではない。コンビニ弁当。 女子高生3人がコンビニ弁当、というのはビジュアル的にいかがなものか。 「……あれが……まぁ、ターニングポイントだったことは確かね。今でも満寵先輩は怖いわ、私」 「あの人にゃあ逆らえない」 しみじみと呟く2人に王渾の口元が引きつる。 王渾にとってはこの2人こそがリビングレジェンドである。それが怖いという満寵先輩というのはどんなのだ、と。 ……ひょい。 「って……伯輿ーッ! 私のだしまきタマゴ、略奪してんじゃねーッ!」 「……ほほう、タマゴに名前が書いてあったのかな?」 平然とタマゴを食べる王基。 「てめぇ、表ぇ出ろーッ!」 王家の食卓は今日もにぎやかだった。 「騒がしいね、まったく……オシオキ、かな」 ある卒業生が大学の休暇を利用して懐かしい校舎に足を踏み入れていた。 「まぁ、それも『権利』だね」 にやにやと笑いながら彼女は懐かしい執務室のドアに手をかけ……
795:北畠蒼陽 2005/08/13(土) 19:11 [nworo@hotmail.com] 王昶&王基のボコされ話、書かないって言ったのに…… はいほう、嘘つき北畠です。狼少年でも可。 「オオカミがきてたぞー!(過去形)」 はい、勢いだけであとがき書いてます! しかしこの文章のまとまってなさはなんだ!? 小学校の作文でも余裕でこれ以上の文章書かれてそうでかなりしょんぼりです。スランプかなぁ…… なんか書くだけ書いたけどそれだけ……って感じですね。ほんと申し訳ない。 もっと文章上手くなりたーい。 あと20億円くらいほしーい(関係ない)
796:雑号将軍 2005/08/13(土) 22:29 あわわ!北畠蒼陽様、これで今週四本目ですよね?すごいです…。どうやったらここまでたくさんのネタが思い浮かぶのでしょうか?ほんともう一日かけてお聞きしたいくらいです。 これがこの前言われた、王昶の学園史デビューの話ですな! スランプいや、大丈夫ですよ!(僕の保証があてにはなるかは不明ですが…。) 僕は満寵が格好良く感じました。曹操時代のメンバーは根っからの戦争屋ですからね。強いですよね。
797:海月 亮 2005/08/17(水) 00:39 そして国家予算くらいの金が欲しいけど、使い道の思い浮かばない海月が来ましたよ(え? 満寵…いや、王昶もだけど…このあたりの連中の描写は流石の一言に尽きます。 つかどーしてそんな格好良く書けるのやら。私めもあやかりたいものです^^A そしてキャラの年齢設定とかわりとどうでもいいことが気になる海月…
798:北畠蒼陽 2005/08/17(水) 18:43 [nworo@hotmail.com] はいほう! 格好よくかけないよ! かけないよ! 書きたいよ! いや、ほんと精進が必要です^^; >年齢設定 女の子に年齢を聞いちゃいけません! うそです、ごめんなさい! 満寵/曹丕・陳羣・鍾ヨウ・趙雲と同世代 王凌/曹叡・曹真・司馬懿・孫権・陸遜と同世代 王昶/劉禅・姜維・昜・司馬師・司馬昭と同世代 王渾/司馬炎・孫晧と同世代 ……ってつもりで書いてます。 海月様キャラで言えば王昶&王基世代は丁奉たちの1個上ってつもりで書いてます。 王渾は丁奉たちの1個下ですね。 満寵>王昶>羊コというのが私の中では対長湖部戦線黄金リレーですだよ。 王凌は……ん〜、どうなんだか、あのひとは……
799:北畠蒼陽 2005/08/20(土) 16:01 [nworo@hotmail.com] 冷気が立ち込めている。 上弦の月が天に輝き、その光はやけに眩しい。 冬の長湖湖畔。 水面は月の光を照り返し、幻想的ですらあった。 そこに1人の少女が立っている。 この寒空の中、稽古着と稽古袴。 八尺槍……長さ3.6mもの稽古槍を手に幾度も幾度もゆっくりと構えを取る。 激しい動きなどなにもなく、ただ静寂に包まれた基本の動作。 その張り詰めた空気が……わずかに揺らいだ。 「伯輿、待ったか?」 言葉とともに缶コーヒーが投げつけられる。 「……ううん、そう待ってもいないわ」 伯輿……王基は構えをとき、投げられた缶コーヒーを受け取った。 缶の熱気が冷えた指にしみわたる。 「さみぃなぁ、しっかし」 あとから来た少女……令孤愚が肩をすくめる。 湖畔に2人の少女が対峙する。 冷気の天秤 「……悪かったわね、こんなときに呼び出して」 王基はゆっくりと缶コーヒーのプルトップを開け、口に含み、あまりの甘さに顔をしかめた。 「いやいや、王基主将の相談とあればいつでも駆けつけるさ」 ひょい、と肩をすくめる令孤愚。 そのおどけた仕草に王基は苦笑を浮かべる。 「で、実際のとこ、相談ってなんなの? まぁ、私だけを呼んだってことで文舒には内緒のことなんだろ?」 「……そう。そうね……文舒のことだから気づいちゃうかもしれないけど……基本的には内緒にしておきたいわね」 わかりにくい王基の言葉に苦笑を浮かべる令孤愚。 「まぁ、気づかれても仕方ないけどあまり気づかれたくない、ってことか……ってことは基本はオフレコ、だろ?」 頷く王基。 「オッケーオッケー。ま、なんで私なのかはわからんがな」 王基に背を向け、長湖に向かって石を投げる。 「私が王基と会うことは彦雲姉にすら言ってないわ。ほんっとにオフレコの相談乗っちゃうぞ」 彦雲姉……王凌の名前を出して確約する令孤愚。 風のない長湖に石が飛び込んだ波紋が広がっていく。 王基も令孤愚もただ黙ってその光景を見ていた。 「いいにくそうだなぁ」 「……まぁ、ね。でも言わなきゃいけないことでもあるからね」 ため息をつき王基は令孤愚の背中に語りかける。 「……まず公治。基本的に私はあなたのことを高く買ってる」 「おやおや、そりゃありがたいねぇ」 石が投げ込まれる。波紋。 「……王凌さんのブレーンとして、その能力は過はあっても不足はまったくない。私がもし委員長であればあなたを側近として指名したいくらい」 「えっと……そんな手放しで褒められると恥ずかしいぞ」 照れたように頭をかく令孤愚。 そして王基は決定的な言葉を投げつけた。 「……曹彪さんはなんて言ってる?」
800:北畠蒼陽 2005/08/20(土) 16:01 [nworo@hotmail.com] びくり、と令孤愚の背が震える。 「なんのことかな?」 「……無理に答えなくていいわ。質問の形式をとってはいるけど実際はただの確認だから」 王基の言葉に黙り込む令孤愚。 「……文舒も気づいてるけどね。あの子はクーデター……というか乱というものを許せない性質だからね。あの子、あれで意外と生真面目なとこあるから……だから今回、王凌さんとクーデター阻止の板ばさみで結構、つらい思いしてる」 ……誰にも言わないけどね、そんなことは、と付け加える。 「……私は公治ほどには王凌さんを買ってない……あなたさえいなければ……」 令孤愚の背が王基の隙をうかがっているのがありありとわかる。 王基もすでに稽古槍を両の手に持ち、戦闘体勢に入っていた。 「……あなたさえいなければ……クーデターは失敗する」 「文舒のために戦うって? かっこいいねぇ」 「……えぇ、私は文舒の剣だもの」 誇り高く答える王基。そして…… 「あっそう」 言葉とともに令孤愚が動く。 渾身の抜き手が王基の眉間を正確に狙う。 会話の最中に戦闘に移行…… 無手として槍という武器を対峙するために相手のタイミングを完全にはずした攻撃。 それは間違いなく令孤愚のこれまでの人生で最高の一撃だった。 王基は目をつぶり…… 令孤愚が湖畔に倒れていた。 その一撃は王基に届くことなく…… その手は天に届くことなく…… 槍の間合いに素手で飛び込むなどという無謀。 そうせざるを得ないよう仕組んでいたのは自分だ。 「……」 令孤愚の胸からはずした蒼天章を手のひらの上で弄ぶ。 そしてなにも言わずに倒れた令孤愚に一礼し、王基は歩き出した。 …… …… …… 新野棟の一角の兵団長執務室。 放課後の倦怠感の中、王基と王昶はぼーっとしていた。 王基はクロスワードパズルの雑誌を手にソファに寝転び、王昶もファッション誌などを手にポテトチップなどを食べている。 「……文舒……薩摩鶏、名古屋コーチンと並ぶ日本三大美味鶏ってなに? 5文字で2文字目が『ナ』」 ポテトチップをとる手を止め、一瞬、記憶を探るかのように視線をさまよわせる。 「あ、『ヒナイドリ』だね」 「……さんきゅ」 そしてまた沈黙。 「そうそう。公治が病気療養のために蒼天章の返上をしたんだってね」 「……へぇ」 ……さすがに情報が早い。 内心の想いを顔に出すことなく王基は軽く返事をする。 王昶が立ち上がったのが視界の隅に見えた。 そして近づく気配。 王昶は王基の横で立ち止まり、その肩に手を置く。 「ごめん……いやな仕事押し付けた」 「……気にしなくていい。文舒と私は一蓮托生だもの」 ……さすがに気づかれたか。 苦笑しながら……王基はそれでも満足感を感じていた。
801:北畠蒼陽 2005/08/20(土) 16:02 [nworo@hotmail.com] 祭りは今日までッ! まだのひとはお早めにねっ! さて、評価が微妙な令孤愚です。 最初、私はムノーモノのつもりで令孤愚を書いてたわけですが正史を読み返してみると……なんつか、いいよ、このひと。 田豫が蛮族討伐で功績を挙げたときに、ちょっと規律違反があったんで令孤愚が取り締まったら帝に『バーカ!』ってすげぇ怒られたよ。 とか書いてあるんですけど……まぁ、状況がわからんから断言はできませんけど一読してみると帝(曹丕)怒った理由って『功績のある人間をそんな些細なことで陥れるな』ってこと? ……いやいや、それを取り締まるから有能な官僚っていえるんでしょ。わかってくれよ、曹丕サン。 まぁ、性格とか結構恨みを忘れないようなとこはあったみたいだけどそれは決して無能の証ではないわけで。 もっとも『清潔でつつましく質素でゴホウビなんかはみんな部下連中にあげてたんだってさ。蛮族の贈り物なんかも全部帳簿につけて上に納めて、家には入れなかったから家族みんな超貧乏だったんだって』とか書かれる田豫にどういう違反があったのか、なんて上層部が取り合わないのもそれはそれでわかる気はしますがねー。そんでも一方的に令孤愚がワルモノってのはどうよ? と。 そんなわけで今回は王基主人公ですが、それも令孤愚のアシストがあってこそですよー。
802:雑号将軍 2005/08/20(土) 23:16 北畠蒼陽様、お疲れ様ですっ!僕は最近いつも疲れてますけど…。ではでは感想を…まずまず最初に感じたのは「令孤愚ってだれ?前にも出てきたような…」という非常に申し訳ないものでした…。今回は王基が汚れ役を演じていたことろがすごいかっこよかったですっ!あと3m強ある槍を練習では使われるんだなあと、感心していました。 >令孤愚とか田豫とか 僕は令孤愚をよく知らないのでとくに言えたことはないのですが、北畠蒼陽様がおっしゃる通り、「性格とか結構恨みを忘れない≠無能の証」だと思います。その代表として法正がいますし…。 田豫の慎ましさには敬意を表しますが、家族みんなが貧乏になるまでする必要はあるんですかね
803:北畠蒼陽 2005/08/21(日) 00:12 [nworo@hotmail.com] >令孤愚さん 令孤愚は王昶のお姉さまの従妹です。わかりにくい関係ですな(苦笑 エン州校区総代に赴任し、当時車騎主将だった王凌とともにエン豫青徐あたりを牛耳る一大勢力にー。 んで叛乱を起こそう、ってことになって曹彪のとこに使者を送った……直後くらいのシーンですね、これは。 毋丘倹ほどではないけど味のあるひとだと思いますよー。 >法正さん ……ほど実力はないけどね(笑
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