★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
873:弐師2006/02/19(日) 20:01
目覚めたのは、夕方。
清潔な部屋、真っ白なシーツ、此処は北平棟の保健室か。
そっか、あの後、此処に・・・
それまでの経緯を思い出そうと寝返りを打つと、そこにいたのは・・・
「単経さ・・・」
一瞬大声を出しかけたが、すぐに彼女が眠っていることに気がついて、口をつぐんだ。
期せずして凝視することになってしまった、単経さんの寝顔。
思わず、息をのんでしまう。
そこには、いつものクールさより、どこか年相応の可愛らしさを感じた。
「む・・・田揩、目が覚めたのか。」
「え、わ!その!」
今度こそ本当に大声を出してしまった。
恥ずかしい・・・
「よかった・・・本当に、良かった・・・」
しかし、次の瞬間には、彼女は涙を流し始めた。
またもや初めて見ることになった、単経さんの涙。
どうしよう、と思っていると、いきなり彼女から抱きしめられる。
「本当に・・・心配した・・・」
「・・・単経さん・・・」
初めて見る、彼女の無防備で、弱い部分。
そんな彼女の頭に、そっと手を置く。
「大丈夫ですよ、私はここに、ちゃんと居ますよ・・・」
「うん・・・」
「ほら、笑ってください!笑ってる単経さんの方が、綺麗ですよ?」
そう私が言うと、単経さんは、照れたように微笑んだ。
純白のカーテンの隙間から差し込む夕日が、彼女の微笑みを照らす。
それは、今まで見たどんな物より、綺麗だった。
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