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955:北畠蒼陽 2006/09/20(水) 05:07 学園史を彩った猛獣、呂布がトんだというニュースは瞬く間に学園中を駆け巡った。 その存在の巨大さは誰もが知り、そして誰もが少なからず影響を受けた。 そえはもちろん彼女に近しかった者たちにも…… 猛獣の系譜 山中を3人の少女がこわごわと歩を勧めている。 「ね、ねぇ……ここはやばいって」 「う、うん……ねぇ、帰らない?」 後ろを歩く2人が前を進む1人に向かって声をかける。 後ろを行くのは宋憲、侯成。 前を行くのは魏続。 呂布を裏切った、という悪名の果てに彼女たちはこんな場所にいた。 こんな場所…… 青州校区、泰山…… 学内において神聖とされる山中に呂布亡き後、立てこもり頑強に抵抗する少女がいた。 少女は呂布の乱の際に呂布に味方し曹操に幾度となく痛い思いをさせ、乱終結後、曹操はその少女に賞金までかけ自分の前につれてくるよう命令した。 その少女を臧覇という。 「わ、私だって怖いんだからそんなこといわないでよ……」 泰山は臧覇のホームグラウンドであり、彼女は一時期この山を拠点とし暴れまわっていた。 自分たちがこの山中に侵入していることなどすでに察知されているだろうし、だとすればいつ何時どの瞬間に襲い掛かられても自分たちはなんの対処もできないだろう。 それでも…… 「でも……臧覇さんに会わなきゃいけないんだから……がんばろ?」 「う、うん」 気丈な魏続の言葉に頷く宋憲と侯成。 呂布軍団の中核にあって、その力が最大限に発揮させた少女たちにとっても、この臧覇のテリトリー……結界と言い換えてもいい……の中で出し切る自信はない。 「そうかい。臧覇さんに会いたいのか」 どこからともなく声……3人に緊張が走る。 聞かれていたッ!? そう認識する間もなく3人の周りを集団が取り囲んでいた。 集団の先頭にいるのは……見たことがある。臧覇の腹心である孫観や呉敦である。 「……すでに囲まれていた……?」 「そうとも、すでに囲んでいた。あんたたちは捕虜、ってわけだ……臧覇さんには合わせてやる。あの人が気に入ればキズモノにならずにすむだろーよ」 呉敦の言葉に呂布軍団時代とはまったく違う不気味な集団に3人は冷や汗を流した。
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