★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
12:ジーク2002/02/09(土) 17:43 [greek_h@hotmail.com]
「い、いえ……ちゃんと食べてますよ。」
いきなり曹操と曹丕に話題を変えられ、気勢をそがれた李典。
慌てて料理を取ろうとするが、知らぬ間に周りに料理が無くなっている。
「あれ、李典ちゃんのとこ、料理が無いじゃない。あ、文遠。
あの赤いすーぷ李典ちゃんにとったげて。」
ギクッ。李典の視線が一点にくぎ付けになった。『赤い』スープ……。
何故か一皿だけ置いてある『益州棟名物激辛すぅぷ』のことだ。
噂では張遼と仲の良い関羽が特別に調理法を教えたのだとかどうとか。
誰も食べなかったのは……何故かこっそり『李典曼成用』とかかれていた為だ。
まあ、書いてなくとも多分誰も食べなかっただろうが。
「はい、どうぞ。このすぅぷはとっても美味しいですよ。
リテンさん、どうぞ遠慮せず全部食べてくださいね〜。ふふっ。」
張遼が曹操の一言に追い討ちをかけるが如く笑みを浮かべて李典にそのスープを渡す。
「え、……えっと……あの…それは……」
必死で断りの言葉を探す李典だが、張遼ならばともかく曹操にきつい事は言えるわけがなく、
思うように言葉が出てこない。
「どうしたの? あ、わかった。食べさせてほしーんでしょ。
それじゃ〜私が食べさせてあげるね。はい、ア〜ン。」
カチャ。
曹操は悪魔的な笑みを浮かべてスープの皿を手に取った。
やばい、逃げないと―。
ガシッ。
蒼ざめた李典は席を立って後ずさる……ろうとしたが、後ろには何故か張遼が……。
「あ、わっ、はなせっ。……い、いやぁ〜。」
ゴクッ……一秒……二秒………ぼぅっ!
口から火焔を吐く李典。必死になって水差しとコップを探す。が、何故か水差しは姿を消していた。
張遼―。薄れゆく意識の中、李典は張遼の笑みを見た…ような気がした。
曹操は李典の末路(?)をみて腹を抱えて笑っている。
その笑いは収まる様子を見せない。そして……。

べちゃ。

食堂の床にノックダウンしている李典。対李典戦に勝利を収め、満足げな表情の張遼。
例の腹痛が再発した楽進。麻婆豆腐を顔一面にくっ付けた曹操。あきれる夏侯惇。
彼らを尻目に宴会はなおも続く……。

……

-了-
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