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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
120:教授2003/01/17(金) 22:54
■■宴会 −その後−■■
日曜日の朝。
けたたましく目覚し時計が部屋に鳴り響く。
「う…うん…」
二段ベッドの上側で寝ていた少女は音の発生している方に手を伸ばす。
何度か空やあらぬ所を掴みながらも、ようやく目的の物を掴む。
「…七時前…」
寝ぼけ眼の法正は横になったまま顔をしかめて呆けていた。
「折角の日曜日なのに…何で目覚ましをセットしちゃったんだろ…」
ゆっくりと上体を起こす。
頭を鈍器で殴られたような、シェイクされたような重い痛みが走った。
「いたた…」
額を手で押さえる。
…と、視界の先に見知った人物がいた。
その人物は玄関のドア辺りで、不思議な寝相でいびきをかいていた。
「…張飛さん?」
何故、ここに張飛がいるのだろう…。
法正は必死に記憶を整理しようと試みるが、ある時間からぽっかりと記憶に欠落が生じていた。
そればかりか、考えれば考えるほど頭痛がひどくなる。
「だめ…思い出せない…」
気分が悪くなりそうなので、思い出す事をやめる法正。
大きく深呼吸をして気持ちを落ちつける。
幾分か冷静さを取り戻すと、二段ベッドから降りた。
「あれ…? 私…こんな服着て寝てたの…?」
自分の着ている服に戸惑いを隠せない様子。
下着を除いて、ぶかぶかのYシャツ(男物)のみ。
世の男性諸君には、このスタイルの良さが理解できると思われる。
「なんで…?」
頭の中をハテナマークが支配している。
最早、冷静な思考は限りなく不可能になってきていた。
「と、とにかく…カーテン開けて…」
照明を点けていない薄暗い部屋に採光する為、カーテンを開く。
眩い日の光が法正の目に飛び込んでくる。
今日も快晴のようだ。
取りあえず、着替える為に振り返る。
「う…こ、これは…」
その光景に思わずたじろぐ法正。
二段ベッドの下の部分、ここに簡擁、劉備。
キッチンには魏延、馬超、馬岱。
クローゼットを開ければ、中から趙雲と劉禅が出てきた。
いびきをかいて爆睡してる者から憔悴しきって青白い顔の者まで幅広く法正の部屋を埋め尽くしていたのだ。
おまけにそこら中に酒の瓶やカン。お菓子の袋、食事の無残な残りカスが散乱している。
さながら戦場の死体置き場のような凄惨さだった。
「いつから…いつから私の部屋がサバトになったのよーっ!」
収集の付きそうもない自分の部屋を前に叫ぶしかない法正であった…。
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