下
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
129:アサハル 2003/01/18(土) 20:41 つまり諸悪の根元は全て簡雍と張飛にあり、と・・・ もしや帰宅部最強(最凶)は関羽でも張飛でもなく、 ある意味実は簡雍なんじゃなかろうかと思う今日この頃。 何故か抱き合って寝てる馬ズに萌え〜・・・(*´Д`)
130:アサハル 2003/01/18(土) 20:50 連投スマソです。 >惟新様 やっぱ隠れてないですね(・∀・; でもああしたのは一応良心ということで・・・
131:★ぐっこ 2003/01/19(日) 00:34 おまえらッ! 今日この日を学三の祭日に指定してアサハル様の義侠心と 萌え心を末永く称える事にするぞッ! というわけで、1月18日は学三歴内でも「旭記念日」で休日。なぜか 色っぽいイベントがやたら起こるイベント特異日。 というわけで…(;´Д`)ハァハァ…もお――ッ! 法正たんお持ち帰りしてよろしいか。わたくし久々にときめいちゃったよ… >教授様 なるほど! そう言ういきさつが(;^_^A 簡雍め、案外なキーパーソンと見える…磊落で関羽も孔明も屁とも思ってない 洒脱人だからこそ、こういう役回りが似合うというモノ。 あー、何か今年は萌え年だなあ…
132:教授 2003/01/19(日) 01:29 反響がよくて嬉しい限りです。もー…恐縮。 アサハル様の法正タンと簡擁タンに萌えながら、宴会シリーズ最後のおまけ〜! おまけ2 ■■ 〜後始末〜 ■■ 「うーん…」 夜も半ばを過ぎて、痛む頭を押さえながら厳顔が上体を起こす。 横には一升瓶を抱えて眠る黄忠がいた。 何故か体操服姿なのが妙に気になる。 「酔いつぶれて寝てしまったか…それにしても…」 自分の姿を見ながら苦笑い。 Tシャツに単パン、しかも酒をかぶったのだろう濡れている。 微妙に透けているのが重要事項なのだが、これについては敢えて触れない。 ちらりと顔を上げてみると、ぐったりしている物体が見えた。 「あれは…孫乾…か?」 痛む頭を推して孫乾の様子を見に行く。 頭に殴られたような痕と、背中を踏まれたのだろう足跡。 更には酒浸しになっており、全身ずぶ濡れだった。 「これは…一体…」 さっぱり状況が掴めない厳顔。 不意に視線を感じ、向き直る。 「………」 宴会場の出入り口に不自然なファインダー。 思わず閉口して見つめてしまう。 と、ファインダーが引っ込む。 「だ、誰!?」 我に返った厳顔が追いかけるが、時既に遅し。 撮影を敢行していた人物はもう影も形もなかった。 「くそっ! 逃げられたか!」 悔しそうに地団太を踏む。 一頻り悔しがると、思い出したかのように宴会場に飛びこむ。 「孫乾忘れてた! 大丈夫か!」 ちなみに厳顔は自分でやった事に全く気付いていない…。 「へへー…いいもん撮れた撮れた♪」 簡擁はほくほく顔で法正の部屋に向かう。 全員が寝静まった事を確認してから撮影に向かったのだ。 そして何食わぬ顔で部屋に入ると、そのまま床に就いた…。 余談だが、孫乾は暫くの間黄忠と厳顔に怯えていた。 当人達は何故怯えられるのか分からず、困っていた。 事情を知る者達も頑なに口を閉ざしていた。 真実を知る簡擁はしれっとしていた…。
133:★ぐっこ 2003/01/19(日) 20:54 [sage] (;´Д`)…。 孫乾たんカワイソウ…ていうか厳顔も黄忠も覚えてないのね… それにしても簡雍は要領がいいというか抜け目がないと言うか。 しかしお嬢ちゃんの麋竺が、三羽ガラスの中では一番要領いいのかも。
134:アサハル 2003/01/19(日) 22:22 [sage] す、すげえ・・・最凶のジャーナリストだ簡雍・・・ それでも憎まれないんだからすごいキャラだ。 下手したら本当に帰宅部崩壊しかねないのに(;゚∀゚) ていうか生きててよかった、孫乾たん・・・ >ぐっこ様 お持ち帰り上等ッス! ってゆかこれは1月18日には何か色気な絵を描けと暗に命じて いらっしゃるのですね?ええい臨むところよー!!(待て) むしろ絵しか描けませんから(苦笑)、こういうところで 貢献させて頂ければ至福であります!!
135:郭攸長若 2003/01/19(日) 22:56 [azumaio@hotmail.com] ■また一つの勇気■ 「以上で報告を終わります・・・」 「は〜い、下がっていいわよ〜♪ じゃあ次の人〜?」 董卓によって、新たに雍州校区に設置された生徒会室。 彼女はこの場所で、学園に関するあらゆる事柄を報告させるようにしていた。 報告を行うのは、生徒会役員だけに限ったことではない。 本来は董卓の傘下ではない蒼天承認委員会や全校評議会も、何かあれば真っ先に董卓へ報告することになっていた。 この時、それほどまでに董卓の権力は強大化していたのである。 「失礼します」 生徒会室の扉がノックされ、また次の報告を行う女生徒が入ってきた。 「あっら〜、義真ちゃんじゃな〜い!?」 子悪魔・・・いや、ある種悪魔のような、人を見下した笑みを浮かべて、董卓は女生徒を字で呼んだ。 彼女の名は皇甫嵩義真、黄巾事件の殊勲者であり、董卓とは幼い頃からのライバル関係にある。 そんな彼女でさえも、董卓の権力がここまで強大化した現在では、その傘下に加わらざるをえなかった。 いや、最早学園の組織内で、董卓の権力の届かぬ所など存在しないのだが・・・。 「久しぶりだな、『会長』?」 学園の誰もが恐れる存在である董卓を前にしてなお、皇甫嵩の表情には余裕さえ感じられた。 そして董卓にはそれが、大変不愉快なことだったらしい。 「ふふっ、義真ちゃんはこの卓ちゃんが怖くないのかしら? お星様は卓ちゃんの望みなら、何だって叶えてくれちゃうのよ♪」 そう言う董卓の顔から笑みは消えていた。 代わりに、えもいわれぬ不気味な威圧感が皇甫嵩に向けられている。 そんな董卓の感情の変化を感じながら、皇甫嵩は答えた。 「会長は全校生徒の信頼を受け、生徒会を一手に支えておられるのです。そんな会長の何を怖がる事がありましょう」 凛とした表情を一切崩すことなく、へりくだった態度を見せる皇甫嵩。 これにはさすがの董卓も驚かずにはいられなかった。 そんな董卓をよそに、皇甫嵩は続けた。 「ただもし・・・会長が校則を乱用して権力を振り回すような事があれば、全校生徒は皆怯えることになるでしょう。そうなったら、怯えるのは私一人に限ったことではありません」 皇甫嵩は董卓のもとに歩み寄ると、机の上に報告書を置いた。 「報告書、確かにお渡ししました」 そう告げて皇甫嵩は会長室を去ろうとした。 そして彼女がドアに手を掛けた瞬間、呆然と沈黙していた董卓が口を開いた。 「待って、義真ちゃん!!!」 董卓は焦った様子で皇甫嵩のもとに近づき、彼女の手を取って言った。 「今日は〜・・・卓ちゃん、義真ちゃんに負けちゃったみたい♪」 そう言う董卓の顔には心からの笑みが、そして皇甫嵩の顔にも笑みが浮かんでいた。 だがこの時の皇甫嵩の心中、それを知る者は彼女自身しかいなかった・・・。
136:郭攸長若 2003/01/19(日) 23:23 [azumaio@hotmail.com] またも「せっていすと〜り〜」です。 もうちっと早く書き終えるつもりだったんですが書き出しやらなんやらで意外と時間かかりました。 学園設定の方に脱線してたりするし・・・(爆) まずは今回のお話を書くに辺り、学三正史よりjapan様の「連環の計」及びアサハル様の設定画を参考にさせて頂きました。 japan様の「連環の計」は董卓像を書く上で大変参考になりました。 というより、台詞一部パクってます(爆) アサハル様の設定画には、私、PCの前で拝礼を行いました(マテ 私の文章なんぞに萌えて下さったことをまことに嬉しく思いまする。 そして今更ながら、前回の拙文に対し私の身にあまる賛美を下さった皆様に感謝m(__)m そろそろ「せっていすと〜り〜」は止めて普通に投稿させて頂こうかしらw また遅ればせながらレスを・・・。 >教授様 激しくワラタ箇所が多すぎて挙げ切れませぬ! とりあえず最初に笑わせて頂いたのは、「クローゼットを開ければ中から趙雲と劉禅が出てきた」です^^ >アサハル様 簡雍たん・・・萌えすぎて吹きました(笑) 法正たん・・・萌えすぎて泣きました(爆) いや、美味しいもの食べて泣く事はよくあるんですがさすがにこれは初めての経験ですw
137:岡本 2003/01/20(月) 02:50 郭攸長若様への支援砲撃のつもりでしたが、誤射してしまったかもしれません。 ご一読ください。 ■中天の星々(1)■ 蒼天学園暦 29年度 3月 何進の失脚、菫卓の騒乱、旧菫卓四天王の乱入等、蒼天学園蒼天会および生徒会は度重なる政変で権威を失墜、学園の総括は不可能となり、中華市は群雄割拠の様を示していた。それでも残された生徒会の役員たちは、旧菫卓四天王の支配下で蒼天会の位置する長安棟周辺の安寧を求めて苦慮し続けていた。 ばたばたばたばた、バンッ。 暫定生徒会会長として、執務に当たっている皇甫嵩の部屋の扉が勢いよく開かれた。 「何事だ、騒々しい。」 内心、いつ来るかと時間を読んでいたところであった。10名ほど、執行部の腕章をつけた生徒達が飛び込んでくるや入り口付近を固める。と、入り口の両側に列をつくり、巫女装束に身を固めた女生徒がその間をしずしずと通って皇甫嵩の目の前に現れた。李傕だ。 一礼して口を開く。 「会長、凶事が生じたのでございます。」 オカルトに凝っている李傕は、適当な自然現象に託けていろいろ生徒会や蒼天会に無理難題を言ってきている。今回もその例にもれまい。だが、護衛が多すぎる。 「なるほど。で、その凶事とは?」 取り敢えず聞くだけは聞いてみようと皇甫嵩は呼び水を向ける。 「昨晩深更、長安棟を掠めて隕石が落下したのです。これは地の不安定を早急に正せ、という天の催促の相違ありません。」 「それではその不安定を正せばよいということになるわね」 得たり、と李傕の顔が緩むのが分かった。 「この長安棟にて不安定なもの、それは私めの如き非才には思いもよりませぬ。」 オーバーアクションでよよ、と片袖で顔を覆ってみせる。 「ただ1つ、選挙で正式に定まることなく暫定の生徒会長をおいたことを除いては。」 落としどころはやはりそこか。 旧菫卓四天王たちは生徒会を少しでも早く牛耳りたかったのだが、生徒会を担うには彼女らでは何れも貫目にかける。また、利害関係でいがみ合う以上誰を頭にしても角が立つ。ましてや反菫卓勢力を総じて敵に廻すわけにも行かないので(いまさらという気もするが)生徒会会長を彼女らのうちから立てるわけには行かない。そこで皇甫嵩に白羽の矢が立った。涼州校区の名門である皇甫嵩は、劉宏が蒼天会会長であった時から各地での騒乱鎮圧に功をなし、対菫卓の最有力対抗馬と見做されていたものの、生徒会に対する反抗の意志は露ほども見せたことが無かった。彼女を暫定として生徒会会長に立てることは対外への宣伝効果にはもってこいだった。 が、長安棟近辺の不満をそれなりに抑え、基盤が固まり始めると形式とはいえ自分たちの上の存在は厄介になる。馬騰・韓遂の連合軍を撃退したこともあり最早、近隣に恐れるべき強敵はいない。四天王内の勢力争いに本格的に入る前に、お飾りの厄介者は降ろしておきたいのだろう。自ら暫定生徒会会長に建てた立場上、武力闘争で座を追うのは外聞が悪い。都合のいい口実が欲しかったのだ。前暫定生徒会会長の王允を蒼天会本部に押しかけて身柄を確保した上階級章の強制剥奪に及んだ以上、評判は地に落ちているにもかかわらず何とかなると考えているあたりが猿知恵だ。 しかし、隕石が降ったからとは...。もっとましな口実は無かったのか。 「先輩の卒業も間近です。私めは、先輩にも蒼天会にも良かれと思い愚考した次第。これまで生徒会を守って来られた先輩が晩節を汚す可能性を看過するわけには参りません。ここは、会長職を引退された上、恙無く卒業されることが望ましいかと。」 仰々しく巫女衣装の袖を合わせて一礼するが、抜け目のなさそうな視線が上目使いに向いている。ややこしいことになれば後ろに控えている体育科学生へいつでも合図を送る気である。常設執行官の最高位である車騎主将を務めた身だ。当然の対策だろう。 ・・・猿芝居に付き合うのもこれまでだな・・・。 「了承した。」 「はっ?」 あっさり、承諾の返事が返ってきたことに拍子抜けしたのか目を丸くする。 「そもそも、暫定ということで着いていたのだ。元に戻るだけだろう。委任状はここにある。持っていくがいい。」 階級章自体には権力は付随しない。生徒会会長という地位から追ってしまえばもう恐れることは無いのだ。後1週間もしないで今年度の卒業式が行われる。皇甫嵩は来年度から大学部で学ぶよう手続きを済ませていたため、ほおって置けば今年度末に自動的にデータ・ベース上で課外活動終了の処理がなされる。階級章を奪うまでも無い。誰も、皇甫嵩の止めを刺したとして、これ以上学園生の反発を買いたくない。李傕の用件はすんだのだ。 「いや、学園を正すことに第一義をおかれる。まさに“成徳の名将”でございますね。 卒業式におきましては僭越ながら私めが、先輩の階級章をお受け取りいたします。」 愛想よく、それではごきげんよろしゅうと仰々しく一礼した上で退室する。 皇甫嵩は“聖徳の名将”と評されていたが、それは買いかぶりと思っていた。中華学園都市の中央、司州校区に鎮座する蒼天会とその実務機関たる生徒会。そこを自分の居場所と見定めていた。生徒会執行部“十常侍”の暗躍で沈没寸前とは言え沈む船から逃げられるねずみではない。いわば、船と身を共にする犬、生徒会の定める蒼天学園の安寧を妨げる外敵を狩る猟犬だ。 自らの立つ大地を支える柱が根腐れを起こしているからといって、切り倒すことはできなかった。大地を支える巨人アトラスにはなれない以上、切り倒すことは自らの破滅を意味するからだ。巨人以外にも大地を支えることができるものはいる。ギリシャ神話にてアトラスと1日代わって大地を支えた英雄・ヘラクレス。だが、生徒会の猟犬に過ぎない自分は巨人にも、英雄にもなれない。 黄巾事件の鎮圧の最中、卓抜な活躍を示した一人の騎隊長がこんなことを言っていた。 『蒼天学園を導くということは、生徒会会長にとってかわること、ましてや蒼天会会長にとってかわることとイコールじゃありません。中華市全学生の学園生活を支える生徒会を”創りあげる“ことです。』 『それは生徒会を作り変えるということなのか?』 『場合によっては。既存の統治形態に取って代わるだけで学園を導けると考えているこの争乱は失敗以外ありえません。』 漠然と感じてはいたが言葉にするほどには考えが及ばなかったことをあっさり言ってのけたこの後輩に恐れに似た感情を覚えた記憶がある。彼女が“治世の能臣、乱世の姦雄”と評された人物と聞いて頷いたものだった。
138:岡本 2003/01/20(月) 02:54 ■中天の星々(2)■ 皇甫嵩こそが英雄と断じ、生徒会に成り代わって学園を導くようと進言した娘がいた。彼女・閻忠も、自分なりに蒼天学園の行く末を案じた上の進言だった。学園内で声望高い皇甫嵩が生徒会会長ひいては蒼天会会長に立てば学園に平安を取り戻すことができると信じていたのだ。が、皇甫嵩は、自らが立つ気が無かったことに加えて、仮にたったとしても生徒会を創りかえる方向性が把握できない以上蒼天学園を支え平安を取り戻すことはできないという気がしていたため、閻忠の進言を入れなかった。結局、閻忠は皇甫嵩自身によって追われた王国に首魁として担ぎ出されたが、自らの理想と現実のギャップに耐え切れず自己返済するに及んだ。 実際、専ら己の欲望に引きずられていたとは言うものの現生徒会へ不信感をいだき、学園のトップに立つことが学園を導くことだと考えていたものは多くいた。 涼州校区にて反旗を翻した王国、 徐州校区下邳棟で新蒼天会会長を自称した闕宣、 そして最たるは菫卓。 各騒乱の鎮圧では様々な不手際を示し、常に皇甫嵩の風下にいた菫卓は、生徒会会長就任後、彼女を呼び出した。 『うふ〜。卓ちゃんの方が凄いって義真ちゃんにも分かったでしょ〜。』 『あなたがここまでくるとは正直思いもよらなかったわ。』 『卓ちゃんは前から凄かったのよぉ〜。義真ちゃんが知らなかっただけだよぉ。』 『昔は、2人とも虎だったが、今あなたが獅子になったということよ。』 半分は本心だった。自ら餌をとる虎に対して、ライオンのオスはハイエナや他の群れのライオンを追い払うが自らは餌をとらない。菫卓は、諸悪の根源であった生徒会執行部員“十常侍”の残余を駆逐し、王允等著名な生徒を役員として抜擢、生徒会の運営を自分の恣意に反しない範囲で活動させた。自分には“十常侍”を処断する決心は付かなかったし蒼天会や生徒会役員を利用しようという考えも起こらなかった。結局菫卓は、生徒会に寄生することで残された余力を食いつぶした。 そしてその獅子、いや餓狼の食べカスを4頭のハイエナが争っている。自分が奪おうとしている舞台は、最早自力で立つこともできない状況にあることを理解しようとしていない。自分が舞う機会を作ってくれた舞台が倒れるのを見るに偲びないという理由で、倒壊確実の柱を支え続けている皇甫嵩も、蒼天会や生徒会の幻想から逃れられない点では彼女らとかわりない。 生徒会会長辞任に付属する様々な事務手続きを済ませていると、朱儁や楊彪が押しかけてきた。李傕の暴挙に悲憤慷慨する彼女らに皇甫嵩は心に期していたことを告げる。 「幕を下ろすべきときがきたのよ。もとより地位に執着していたわけじゃなく、蒼天学園の安寧を願い戦ってきた。その点では人後に落ちるつもりはない。李カクの如き小人に最後までいいようにされる気はないわ。連中の暴挙を認めたわけではないことをこの身で 示す。」 「義真、まさか…。」 皇甫嵩と共に幾多の騒乱を潜り抜けてきた朱儁には彼女の思案が読み取れた。 「あなた一人だけ逝かせる訳に行かないでしょう!私も...。」 「駄目よ。」 ピシャリと朱儁の口を封ずる。 「一人なら、あの連中も意味を深くは考えないでしょう。」 「だからといって、黙って耐えられるか...。」 「ここで全員が軽挙妄動して、劉協会長にご迷惑をかけるわけにはいかないのよ。」 彼女らをなだめているうちに時間が流れ、学生寮についたのは夜遅くになってしまった。 休むことなく机に向かうと封筒を取り出し、宛先をしたためる。 中華研究学園都市 蒼天学園事務部学生課 御中 便箋を一葉抜き、ペンを走らせる。修辞とは縁のない用件は一行で事足りた。 − 一身上の理由により、課外活動の終了を申請いたします。− 胸の階級章を取り、折った便箋と共に封筒へ収め、口を閉じる。 上着を羽織って、封筒片手に外へでる。今夜は冷え込みそうだ。 寮の外は春先で寒かった。加えて深夜ということもあり、明かりのついている寮も少なくしんと静まり返っている。 カタン、パサッ ポストに投函するだけの作業だ。だが静寂の中、封筒の落ちる音は想像以上に耳に響いた。 ふと、頬に眦から毀れた温かいものが伝うのを感じる。 「未練など、とうに振り切ったものと思っていたが…。」 ピッと、頬に伝う液体を指でぬぐい上を向く。満天の星空だ。13校区の上に輝く1つ1つの星は、混乱期の今まさに勢力拡大を推し進める各地の群雄のようだ。その中には、将来の生徒会を担うものと嘱望されたものの、何進政権崩壊後の菫卓の横暴から現生徒会での立身を断念し、菫卓に抗った者たちがいる。彼女らは自分と違い、蒼天会の伝統という呪縛に過度に捕らわれてはいない。忘恩の徒と評されようと彼女らなりに学園を導こうとする活気が今は必要とされているのだ。大地を支えることができるものは巨人か英雄。 河北の巨人、汝南の巨人、兗州の英雄。 ・・・袁紹、袁術、曹操・・・この学園のこと、頼むわね・・・。 中天にて他を圧倒せんと輝きを競う数多の星々にともすればかき消されそうではあるが、長安棟を守護するかのごとくその上に確かに蒼く瞬いていた数個の星。その1つが今、堕ちた・・・。
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