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189:岡本 2003/02/16(日) 23:47 >教授様 いらん知恵がついて薄汚れた大人になってしまった私には まぶしいばかりに初々しい法正ですね。そういう彼女には 少々強引でも心の扉を開いてくれる簡雍のような友人が 大切なのでしょう。 >彩鳳様 少女の無邪気さと覇王の冷徹さが同居する曹操。それを見守る 姐御・夏侯惇。さて、その日常は?てな雰囲気が溢れていて いいですね。こういう作品も挑戦したいものです。 >雪月華様 ”天使の歌声”張角のエピソードですが。彼女もまた、才に振り回された人物の 一人なのでしょうか。詳細な舞台背景に引き込まれます。 私のSSは、”買ってない人はそれなりに、買った人はより楽しく”程度 に見ていただければよろしいので...。 >アサハル様 いつも綺麗な絵を楽しんで拝見させていただいております。 ところで質問ですが、”テノール”は非常によく通る、男にしては高めで 女性にしては低めの声と理解していいのでしょうか? 文献に”中世・近代の戦闘で、テノールの声を持つ指揮官はその声が喧騒 を貫いてよく聞き取れたので、部隊指揮でかなり得をした”という内容があり、 関羽の声はこれだろうと思いましたので。
190:アサハル 2003/02/17(月) 01:04 ああ誤解が起きている・・・すみません皆様・・・ 画力と記述が足りなかったばっかりに・・・ 一応、「狩られる張角と死神皇甫嵩」のつもりだったんですが 描き終わってみたら姫と護衛になっていたという・・・(吐血) >岡本様 う、歌いてぇ!!元ネタ知らないですが歌いたくなりますー!! 正に歌力発伝!! ええと、テノールなんですけども、歌に限って言えば、相当地声が 低くて低音域の発声が上手い女性がテノールを歌うということは 稀ですがあります。ただ、同じ音域でも女性では低く、男性では高いので 響き方となるとちょっと差がでてくるかと。 関羽の場合は女性なんで、男声テノールみたいにカツンと響くと いうよりは全方向へ包み込むように広がる感じの響きじゃないかなあ と思います。 どっちみち「よく通る」とひとくくりにできるんですけども(w
191:雪月華 2003/02/17(月) 01:43 烏丸征伐反省会 その1 〜北の果ての晩餐会〜 作・雪月華 「紅茶とケーキは行き渡った?じゃあ、烏丸・袁姉妹連合(※以下、袁烏連合)征伐反省会はじめまーす!」 曹操のよく通る声が響く。場所は幽州校区の北のはずれ。長城の外だが蒼天学園の敷地内というあいまいな地所に建つ、柳城棟の食堂付属のティーラウンジ『Willow』である。自治会によって運営されており、給仕やマネージャー、調理人まで生徒が持ち回りの当番制でこなしている。喫茶店だが、軽食も取ることができ、オススメは手作りレアチーズケーキに紅茶がついてセット価格300円。手作りなのでクセがあり、かなり好みが分かれるが、大勢の評判は良く、他の校区からも長城を越えてちょくちょく人が訪れるほどである。 本来、この柳城棟は袁烏連合の本拠として使われていたが、袁姉妹はそれなりに風紀に気を遣っていたらしく、いくつかのバリケード以外には荒らされた形跡も無く、烏丸高校の生徒達は校外に野宿(!)させていた。故に、袁烏連合四散後も、大きな混乱も無く生徒会に接収され、半日経つ頃にはすっかり平穏になっていた。このことには、郭嘉の尽力が大きい。自治会の再編、生徒への通知などの後方勤務を恐るべき速度でこなしたのである。 テーブルをはさむように3人がけのソファがあり、一方には曹操が中央に窓側に張遼、廊下側に許チョが。もう一方には中央に郭嘉、窓側于禁、廊下側に徐晃が座る。傍を通った給仕の一般生徒が驚きのあまりトレイを落としそうになった。全員制服姿だが、燦然と輝く一万円札紙幣章をごく自然に身に付けている一人は全校区に名だたる生徒会会長、覇王曹操孟徳その人であり、他の5人も千円札紙幣章所持者である。驚くのも無理は無かった。 曹操はこのような反省会をよく開いた。行動を振り返り、問題点を探り出し、解決のための行動を決める。主目的はそれであるが、経費で好きなだけ飲み食いするという裏の目的もあった。とにかく、「会」がつけば経費で落とせ!が合言葉である。その経費は郭嘉が部費を農林水産省管轄のある『事業』に『投資』して『割戻』を稼いできているという話だ。正規の部費管理責任者の荀イクも「学園は今まさに乱世。平定のためなら部費くらいなんとしてでも捻出しなければ」ということで苦笑しつつ、容認している。ケーキセットで慎ましやかに始まった反省会は、曹操のプリンパフェ追加を皮切りに、一転、晩餐会の様相を呈してきた。それでも議論は中断せず、よりいっそう白熱するのが曹操軍団である。 曹操は甘いものを中心にオーダーし、許チョはボウル一杯の杏仁豆腐をオーダー、攻略の真っ最中である。張遼はサラダをつつき、于禁はなぜかレモネードを立て続けに4杯喫している。郭嘉は食欲が無いのか、まだケーキをフォークでつつきまわしている。徐晃はよほどここのケーキが気に入ったのか、ボキャブラリーが無いのか、同じ物を注文し続けている。 「そういや会長。袁姉妹の始末つけといたぜ。さっき公孫康に会長の署名で『烏丸の残党がそっちのほうに逃げたからあとヨロシク〜☆』ってメール送っといた。6時ごろにはあの日和見もカタつけるだろうな。」 「奉孝、お見事!今回の遠征の計画といい、戦の指揮っぷりといい。深慮遠謀、神算鬼謀というべきだよねっ!」 曹操が大仰に褒め称える。しかしその明るさにはどこか翳りがあった。近頃、郭嘉の様子がおかしい。何も無いところでけつまづいたり、ペンや箸を突然取り落とすということが頻繁にある。食欲も落ちてきているようだ。何故か陳羣が「ちょっと郭嘉。あなた最近おかしいわよ。華陀先生に診てもらったら?」と真剣に忠告している姿をよく見かける。もともと医者嫌いの郭嘉はめんどくさそうにうなずくだけで、保健室に行こうとしない。無理強いすれば反発される。もしかすると郭嘉は自分の病名を知っているのではないだろうか。それが余りにもひどい病気なので隠しているのではないだろうか。それならば医者に見せる振りでもすればこちらも余計な疑問をはさまずに済むのに。と曹操は思っている。 議論が一区切りつくともう5時近くなっていた。ラウンジに入ったのが3時であるからたっぷり2時間は経っていることになる。うずたかく積まれた皿が片付けられ、淹れなおした紅茶を囲んでの談笑となった。そして話題は柳城で先陣を切り、敵将トウ頓を打ち倒した張遼のことに及んだ。かつて学園最強と呼ばれた呂布軍団MTB部隊の右中隊長(左は高順)を務め、その剽悍な戦い振りから「餓狼」とまで呼ばれ、呂布の次に怖れられた猛将。曹操に降伏後は剣道部に所属し、「餓狼」であることを捨て、知将としての一面を発揮し始めた良将。その風貌は…純朴な牧場の少女。その一言で表現できてしまう。 「そういえば文遠の流派って何だっけ?」と曹操。 「北辰一刀流です。一応は。父が道場を開いていて、でも道場稽古をしたのは5歳くらいまでです。基本的な型とか、防具のつけ方とか。あとは全部自己流で磨いてきました。」 「へぇー。でもなんで5歳でやめたんだ?」と郭嘉。 「父より強くなりたい。と父に言ったら、師の下で修行に励んでも師の半分に達するのがやっとだ。ということで、以後道場に出ることはほとんど無かったですね。」 「我流か。道理で動きが読みづらいわけだな。それに実戦的な動きが多い。」と于禁。 曹操が何気なく、だが小悪魔の笑みを浮かべてつぶやいた。 「呂布んトコにいたときは毎日が実戦だったしねぇ。」 「や、やめてください会長!。その頃の話は…」 とたんに真っ赤になってうつむく張遼。曹操が更に追い討ちをかける。 「髪型なんかすごいパンキッシュ…」 「ホントに怒りますよっ!」 立ち上がって曹操のほうを向き、ムキになって曹操の言葉をさえぎる張遼。 「またまたぁ。いまじゃすっかり落ち着いちゃって。こんなコトしても怒んないじゃん。」 「きゃあっ!か、会長やめ…あ痛っ!」 曹操の両腕が迅雷の速さで動き、張遼の両わき腹をくすぐる。張遼は身をよじって座り込んだ拍子に肘をテーブルにぶつけてしまい、皿とカップがテーブルの上で短いダンスを踊った。幸い、どのカップも空だったのでウェイトレスを呼ばずにすんだ。 かすかな連続したシャッター音を于禁の耳が捉えていた。ふと窓の外に目をやるとデジカメらしきものを懐にしまっていた女生徒と目が合った。整髪量など使ったこともなさそうなぼさぼさの髪。こめかみあたりに無造作に挿した安物の髪留め。眠そうだが油断できない目。于禁は脳内の人名録の頁をたどった。該当人物が絞られてゆく。確か劉備の幕僚の、簡雍。何故こんなところに…そこまで考えたとき、すでに簡雍は近くに止めてあった自転車に飛び乗り、まっすぐに長城のほうへ走り去っていた。于禁はそれを呆然と見送るしかなかった。 …まだ先の話だが、劉備新聞社会面にセクハラ問題の記事があげられ、「逆らえない部下に性的接触を強要する上司」との見出しでこの写真が使われることになる。抜け目無く目の部分に消しが入っており、この日の簡雍のアリバイ工作も完璧だったため、この写真が大事に発展することは無かった。 「まあ、髪形の話は置いとくとして…」 「おねがいですから忘れてください…。」 「そういえば私達が知ってる文遠と呂布って、風紀委員長だった丁原先輩の部下だった頃からなんだけど、初対面ってどんな感じだったの?」と徐晃。 「もともと呂布様と私は匈奴中学の同級生だったんです。クラスが違ったので2年次まで知り合う機会はありませんでしたが。」 張遼は呂布の名を使うときは必ず「様」をつける。いかに尊敬していたかが伺えた。 「聞きたいなー♪そのときの話。」 「ふふっ、なんだか昔話をしたくなってきました。」 「昔って、髪型が…むぐっ!?」 言いかけた曹操の口を絶妙のタイミングで許チョがふさぐ。曹操はしばらくぢたばたしていたがやがておとなしくなった。話の腰を折られずに済んだ張遼が懐かしそうに話し始める。 匈奴中学。運動部高校と評される匈奴高校の付属中学のようなものであり、校風も似ている。平均偏差値は高くないが、スポーツの名門校として相当名が売れていた。男子と女子の割合が9対1という、半男子校であり、当然女子専門の部活は無い。当然男子部にマネージャーとして女子が混じることになるが、伝統なのか、女子に精強な者が多く、公式試合などでは高い実力を持つ女子を男装させて出場させることは珍しくない。全国大会への切符をつかみながらも、直前で明るみに出て、出場停止処分となる泣くに泣けないケースも年に何回か起きている。 張遼は剣道部に所属し、呂布は当然というべきか帰宅部であった。部長が於夫羅。2年のトップは実力でいえば圧倒的に張遼だが、副部長は部長の弟の呼厨泉が務めている。1年生に劉豹がいた。だが、張遼とまともに打ち合えるものは剣道部の中にはおらず、鮮卑中学、烏丸中学への遠征試合でもこれといった相手はいなかった。そして張遼が2年生の冬。事件は起こった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−− お待たせしました。三国志で私が最も愛する勇士。張文遠主役のストーリーです。 まず岡本様にお詫びを。張遼の流派を岡本様原案の北辰一刀流から、「北辰一刀流をベースにした我流」に変えさせてもらってます(_ _ペコリ その理由はその2を読んでいただければお分かりになるかと。 全部で4部構成くらいになると思います。
192:雪月華 2003/02/17(月) 02:12 烏丸征伐反省会 その2 〜呂布と張遼 −対峙−〜 放課後の剣道場。稽古前の瞑想の時間のときである。静謐な剣道場内に、突然、無造作に扉を開ける音が響いた。呼厨泉の指示で、部員の一人が様子を見に行った。なにやら押し問答が繰り返され、いきなりその部員が剣道場内に吹き飛ばされてきた。後ろのほうに座っていた何人かが巻き込まれて転倒する。 無造作に大男、いや大女が土足で入ってきた。ずば抜けて高い身長。黒人ソウルシンガーのようなチリチリのドレッドヘア。骨太だが無駄な筋肉が一切無い精悍な肉体。全てを見下すような目。 「呂布か!?何しに来た!」呼厨泉が色めきたつ。 「…道場破り。」 「何だと!?」 「…ヒマなの。カラダ動かしたいからつきあって。」 「ふざけるな!」 「激昂するな呼厨泉。いいだろう。学園一の戦士だとかもてはやされているが、力だけでは剣に勝てぬことを教えてやる。全員整列!。」 見る間に部員が2列に分かれ、道場の端に並んで座る。並び方は実力順であり、張遼は儀礼上、呼厨泉の1つ下座に座した。 「防具を貸してやる。早く身に付けろ。」 「…いらない。竹刀だけ貸して。」 「ふざけるな!」 「まぁいい。多少痛い目にあえば少しはこたえるだろう。竹刀を貸してやれ。」 部員が恐る恐る呂布に竹刀が手渡す。無造作に片手で振った。ドボッ、と空気を叩く音がした。 できる…!と張遼は思った。同時にいままで感じたことのない昂揚感を覚えた。肌が粟立つ。 一人目は2年生の中堅クラスの男。名前は思い出せない。部員Aとしておく。向かい合って、相手が構えても呂布は竹刀を右手に下げたままである。 「呂布!なめているのか?構えたらどうだ?」 「…これが私の構え。なめてるのは確かだけど。」 面で隠されているのでよく見えないが、部員Aは怒りで耳まで真っ赤にし、大きく踏み込むと面打ちに行った。しかし踏み込みが足りず、竹刀が床板を打つ。すかさず呂布が剣尖を踏んだ。抜けない。はっと面をあげたところに凄まじい横面が叩き込まれた。竹刀から手が離れて吹き飛び、転がる。そのままぴくりともしない。脳震盪を起こしたのだ。通常、竹刀で面なり篭手なり打ったら反動で跳ね上げることになっている。だが呂布はどんな打ちかたであろうと打ち抜いている。気絶するのも当然だった。 呂布は踏んでいた竹刀を蹴飛ばすと「…次」と言った。 二人目は胴を薙ぎに言ったところ、急激に間合を詰められ、左手で面を押された。体勢が崩れるところに唐竹割りをうけ、頭から床板に突っ込む。 三人目には無造作に間合を詰めていき、正眼(へそから竹刀を突き出すように構え、剣尖は相手の眉間に向ける。基本中の基本。)に構えたままの相手の胴を無造作に薙いだ。やはり壁際まで転がっていき、動かなくなる。 そのときになって張遼は防具を外し始めた。どうしようもない昂揚感が体の奥から湧き上がってくる。武者震いが心地いい。 「何をしている張遼?。」と於夫羅。 4人目の劉豹が、面打ちに行ったが平行移動でかわされ、カウンターで胴を薙がれた。張遼の目の前まで転がってきて、そのまま気絶する。恐ろしいことに胴に竹刀の跡がくっきり残っている。於夫羅が1年生最強と見込み、席次も張遼の5つ下だった劉豹があっさり破られ、部員にはっきりと動揺が浮かんだ。 「次は私が出ます。防具を外したのは動きやすくなるからです。」 さらリ、と言ってのける。 「正気か!さっきの打ち込みを見ただろう?防具があったから失神で済んでいるのだ。」 「打たれる。とは限りません。というより打ってやります。」 面は被っていなかったので、胴と垂、篭手を外し、純白の稽古着と藍色の袴だけになると、竹刀を携え、気絶した劉豹をまたぎ、列を出て呂布と正対した。手拭だけは汗よけのため、頭に巻いている。 「…度胸のある奴は嫌いじゃない。それにこの中では一番ましみたい。…防具はつけて。…でないと死ぬ。」 「死の覚悟はできているつもりです。手加減は…御無用!」 「…過剰な度胸、虚勢。それは傲慢に通じる。でも…あなたにはそれとは無縁の何か澄み切ったものを感じる。…防具をつけて。…死なせたくない。」 信じられないことに呂布の声に温かみがこもったように張遼には思えた。だが張遼はそれに答えず、じわりと気を発した。ある程度以上の剣格(剣のスキルレベル)が無ければこの気を感じ取ることすらできない。それは絶対領域であり、その中に踏み込めば乾坤一擲。一瞬でどちらかが逝き、どちらかが生きる。 (無駄か。今まで生きてきて、死なせたくないと思ったのは初めて。こんなに心地いい気を発する人に出会えるのはあと10年は無いかも…) 呂布は軽くため息をついた。次の瞬間、剣道場が内部から崩壊するのではないかと思われるほどの殺気が呂布から発せられた。 「…腕?足?そのあたりならまだ生きられる。…それとも…頭?首?…一思いに心臓?」 声と共に竹刀がその部位を指し示す。すでに呂布の声から温かみは蒸発していた。 「あの時は本気で「死ぬ」と思いました。「負ける」ではなく「死ぬ」と思ったんです。」 シン、と一座が静まり返っている。曹操が相槌を打った。 「呂布って、剣も強かったんだ。普段のバトルでは武器持ってなかったけど。」 「剣に限らず、弓術、薙刀術、槍術、棒術、ムエタイ、カポエラ、テコンドー…呂布様はとにかく地球上の格闘技はすべて極めていらっしゃったみたいです。」 「忍術も?」 「はぁっ!?あの呂布が忍術!?羽目板外して天井裏登ったり城壁と同じ模様の布被って追手撒いたりするのか?」 曹操が余計な茶々を入れ、すかさず郭嘉がまぜっかえした。天井裏に忍び込もうとする呂布、城壁模様の布の裏で追っ手が通り過ぎるのを期待する呂布。その姿を思い浮かべ、まず曹操が華やかな笑い声を上げる。許チョと徐晃が同時に笑い出し、郭嘉がそれに応じた。于禁はあきれて首を振ったが、口元が笑いの形に歪んでいた。張遼も、はじめは口を抑えて笑いをこらえていたが、やがて腹を抱えて笑い出した。いかに尊敬していたとはいえ、笑えるものは笑えるのだ。 「ま、まぁありえたかもしれません。でも最後に頼れるのは自分の拳だけだとおっしゃって、けっきょく得物は使われませんでした。呂布様が使った得物はたいてい一度の戦で使い物にならなくなるんです。」 何とか笑いを収めた張遼は話を続けた。同じく笑いを収めた干禁と徐晃が熱心に聞き入っていた。曹操と郭嘉は笑い疲れたらしく、ぐったりとしている。許チョは6人分の水を持ってくるため、席を立った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 第1部、絶妙のタイミングで省略されてるなぁ… 速攻で第2部です。じらすようですがここで少し期間置きます。2,3日以内でしょうが。理由として、まだ3部の推敲が完全に終わっていない。4部が終わり方だけ決まっているもので、その他は案に過ぎない。などです。(_ _ペコリ >岡本様 すみません。流派改変理由まだわかりませんね(._.; 次の回、ホント驚天動地です。2人ともほんとに中学生かと思えるような殺陣が繰り広げられます。
193:教授 2003/02/17(月) 23:16 ■■ 簡擁と張飛 〜こんな日常もたまにはね〜 ■■ 「おーい、益徳〜」 「ん…?」 ダンボールの箱を二つ抱えた張飛。 後ろから聞き慣れた陽気な声が耳に入る。 「憲和?」 姿を確認しようと箱を抱えたまま振り向く。 と、同時に眩しい光が目に飛び込んできた。 「うわっ!?」 突然の出来事に危うく持っていた箱を取り落としそうになる。 「へへー…びっくりした?」 簡擁はカメラを片手に笑顔。 少しも悪びれた様子を見せない。 「っつあぁ…危ねぇだろ! これ落としたら弁償モンなんだからな!」 頬を膨らませて抗議する張飛。 普段なら拳や蹴りの一つや二つは飛ぶ所だが、今回ばかりはそうもいかない。 何せ抱えている箱の中には実験で使うビーカーやメスシリンダーといった割れ物が入っているからだ。 以前、ふざけててビーカーやらフラスコを割ってしまった事がある張飛。 その時に請求された弁償額に愕然とした苦い思い出があるのだ。 それが故、激しく立ちまわれば九分九厘中身を壊してしまうだろう。 箱を床に置いてから攻撃してもいいのだが、無事に済ませられるか不安なのだ。 「ごめんごめん。…で、益徳に頼みがあるの」 しかし、それを軽く謝って流す簡擁。 無敵街道を一直線のようだ。 「頼みぃ? 今じゃないとダメなのか?」 ぶすっと膨れたままの張飛が嫌そうに答える。 「うん、時間ないしね。それに益徳は立ってるだけでいいよ」 「何だそりゃ? 立ったままで何が出来るんだよ…」 笑顔の簡擁に怪訝顔の張飛。 その笑顔のまま簡擁が要求を口にした。 「可愛いポーズ取って」 「…はぁ!?」 簡擁の言葉が一瞬理解できなかった張飛。 だが、落ちついて冷静に考える。 「可愛いポーズって…それで写真撮るつもりかよ! 無理! そいつは出来ない注文!」 全身で拒否する張飛。 簡擁は小首を傾げて小さく唸る。 「…益徳は今両手が塞がってるんだよね?」 「ああ。そうだけど…見れば分かるだろ?」 張飛の答えにニヤリと邪笑する簡擁。 それを見た張飛の背中に一瞬冷たいものが走った。 これは危険だと認識して箱を床に下ろして警戒しようとした時だった。 「それじゃ…こうだ!」 「へ…? わあっ!」 簡擁はお約束の神懸り的な動きで張飛に接近、あろう事か彼女のスカートをめくり上げたのだ。 咄嗟にスカートを押さえてしまう張飛。 この辺り、女性らしさの欠片が垣間見える。 「それ、いただき!」 スカートを押さえる張飛に向けて、簡擁のカメラが火を吹いた。 そして、『またね♪』と言い残して疾風の様に走り去る簡擁。 「け、けけけ…憲和〜! そのカメラこっちに渡せや〜!」 耳まで真っ赤にし、まるでさくらんぼの様な張飛が嵐のような勢いで簡擁を追い始めた。 その場に箱を残したまま…。 後日、置き去りにした箱の件でひどく絞られた張飛。 しかも簡擁を捕まえられなかったので踏んだり蹴ったり。 「その気持ち、よーく分かります…」 法正に同情されて暫くの間張飛は写真嫌いになったそうです。
194:教授 2003/02/17(月) 23:30 素晴らしいSSの後なのに…。 シリアス書けぬ己の力量が憎い…。 雪月華様> 張角たんと黄巾の見方が大幅に変わりました。 丁寧な文章もさる事ながらその表現力に脱帽しました。 そして呂布と張遼タン。 文章から熱さと御気楽さが同時に伝わってきました〜。 是非とも師事を仰ぎたいものです。 最も、私以外の神様達にも言える事ですけど…。 岡本様> 三姉妹がカッコイイ! GPMは未プレイ(つーか、その名を知ったのが今年に入ってから)なので元ネタに関してはよく分からなかったのですが…。 それでも物凄い心に響きました。まるで、読み手の心をも高揚させるような…。
195:彩鳳 2003/02/18(火) 01:08 [shouji-sakurai@mti.biglobe.ne.jp] 皆様、お久しぶりです。「一月の花時雨」のご感想有難う御座います。 2,3日ほど留守にしていた間に、皆様のSSがどんどん投下されておりますね・・・。 (溜まってるので読むのが大変だ(^^; ) >アサハル様 曹操は冷徹な面もあるのですが、幼さも持ち合わせていて、その辺りの匙加減 (切り替え)が難しいです。 しかし、頭ぶつけたり、寝ながらよだれ垂らして元嬢姐さんに拭いてもらったり、その他多数、 いくら日常モードとはいえ幼くしすぎたかも・・・やはり難しいですね(^^; >ぐっこ様 曹操って意外と危なっかしい面もあるので、元嬢姐さんには大いに奮闘してもらう事になりそうです。(^^; と言っても、次の部では場面が切り替わるので、お気に召されるかどうかが不安ですが・・・。 >維新様 イラストの方は何とか鐘ヨウのベースが固まりました。後は一番苦手なペイントですね。(爆死) 賈[言羽]の前髪&イラストのアングルで試行錯誤し、続いて賈[言羽]よりは簡単に行くと思った鐘ヨウが 実は難しかったりと悪戦苦闘で予定が遅れまくるばかり。申し訳無い限りです。 (まあ、簡単に描かせてくれない辺り、流石は大人物と言うべきでしょうか・・・ @画力が無いだけとも言います) SSの方ですが、上で言った様に第二部では場面が変化します。 この「一月の花時雨」の主旨は簡単に言うと「雪の日の一日」なので、同じ一日を 複数のアングルから捉えてみようという実験的なところがあります。 >岡本様 お褒め頂き光栄です。このSSは日常生活サイドの話なので、各キャラクター (といっても、まだ曹操と夏侯惇だけですが。)に「白馬の旋風」の様な戦闘、 戦略サイドの話とは別の面を求めてみたのですが、そこまで出来ているのやら・・・。 ただ、出来の良し悪しははさておき、各キャラクターが強烈な個性の持ち主なので、 彼女らの個性に大いに助けられている、ってところはあります。 すみませぬ、。長くなりましたので一旦切ります。 雪月華様、岡本様、教授様、SSの感想は読み終え次第レス致します。(m‐‐m)
196:岡本 2003/02/18(火) 09:02 >教授様、彩鳳様、雪月華様、アサハル様、 >そのほかのGPMを未プレイの方 拙作中の根幹であるGPMですが、同名ゲームのある意味根幹となる 歌です。しかし、それゆえに、実は”曲も音声付の歌”もゲーム中には ありません。雰囲気をしめすBGMが掛かるのみです。 詳しくは別枠のGPM板にありますし、多分実際ゲームする以上に このゲームをうまく説明することはできないと思いますが、大枠としては 人類の天敵が出現し、地球上の9割以上が席巻されるという絶望的な状況で 一高校生の主人公が生存戦をいどもうとしている(実は、我関せずとぷー垂れ てることも可能)という筋です。 絶望下で戦い希望を未来につなぐ心の最後のよりどころがこの”こっ恥ずかしい歌”なのです。 プレイヤーのゲーム中で置かれた絶体絶命の危機の中でもなおかつ一縷の望みを未来に託さん とする意思が最良の”イメージ音声”となるため、歌詞は出るのですが わざと変にイメージを制限してしまう挿入歌がついていません。 (製作者側に制作費がなかったこともあるでしょうが。) この歌のゲーム中のボーナスは”聞いている人間(友軍)の士気があがり戦闘能力が2〜3割上昇する” というものですが、現実問題として1.2倍も能力が上がれば、それまでの2倍は強くなったように感じます。 とくに最近のゲームには珍しく、死ぬときはあっさり死に復活不能というハードな状況下では 「よっしゃ、こいやぁ!!」とプレイヤー自身の士気も上がります。 ある技能を身につければ主人公も歌えるようになるのですが、2年前の夏に ゲーム廃人寸前まではまった私は、”歌を歌いますか?”というコマンドが 出現するときに実際、 「みんな、待たせたな、行くぞ!」 と声を出してボタンを押してました...。 拙作でこの歌をネタに取り上げようと思ったとき改めて歌詞を確認したのですが、 意外にも黄巾の乱時点の劉備・関羽・張飛・簡雍のイメージと行動原理にあっていた ので驚いたものです。 長々と失礼しました...。
197:★ぐっこ 2003/02/19(水) 01:10 ぐわ!2.3日留守にしたと思ったら…どこからレスをつけたらいいんだ!(;^_^A わー…お話がいっぱい…書き込みがいっぱい…幸せ〜。 >アサハル様 なるほどー! 皇甫嵩が悪魔のイメージで…。張角を天使とすれば、まさに彼女は 悪魔にあたるわけですが…。でも、やはり護衛というか、張角を庇い立つような姿 に見えます。役職に逆らい、敢えて彼女の尊厳を守る立場のように… >岡本様 ガンパレキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!! っていうかそのまんま! グッジョブ! 関さん目立ってるなあ… 両軍入り乱れての合唱から、声力で相手を押し切るあたり、GPM そのもの…。陣頭で歌う三姉妹+1は、なんかマクロスのリン・ミンメイ を彷彿としますが… ■ところでガンパレについて■ 詳しくはこちら↓(;^_^A http://gukko123.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/12ch/ganpare/index2.html まだ未プレイの方、ここに来られてると言うことは三国志フリークであり、 かつ萌をしる強者であるということ。このふたつの条件を備えている人種 にとって、このゲームは猛烈な習慣性を持つ「経験」となるでしょう。 家を売ってでもプレイすることをオススメします。 >雪月花様 まずは! その張魯たち頂きっ! 採用! なんかええなー…緊張感というか、 深刻さがない集団で…。馬超たんもナイス! それから…次は烏丸! 張遼! 秘められた…というか本人が必死で否定している 過去の鬼姫時代の張遼たん! も、萌え〜…っ!呂布の強さも故なきものでは無い わけですが…カコイイ! なんか隆慶の「虎が自ら鍛えてるのを見たことあるか? 強い 奴は強いんだよ」ってなシチュを思い出しますた…(;´Д`)ハァハァ… >教授様 そしていつも通りの簡雍たん(;^_^A 彼女に限らず、三羽ガラスの存在感というのは、どうも独特のものだったようで… 法正たちといえど、本気で何とか出来る相手ではなないような(;^_^A 関・張にしたって、簡雍は最も旧い間柄なんですよねえ…。あらためて最強…
198:岡本 2003/02/19(水) 08:46 >ぐっこ様、雪月華様 >隆慶の「虎が自ら鍛えてるのを見たことあるか? 強い >奴は強いんだよ」ってなシチュを思い出しますた 私も同様な意見を持っています。隆慶一郎氏のファンでも ありますので。 ただ、呂布についての印象は皆さんの持っているだろう印象とかなり違いが ある恐れがあります。はっきりいうと私は”否定的な”立場です。 実は白馬の次の章はこのあたり(=張遼と関羽と呂布)に絡んでくるので 雪月華さまの作品を拝見したとき、 ”しまった、人格描写が食い違う可能性がでてくる” と、考えを練り直すため一旦筆をおいた次第です。 何とかうまい解がでないか考えて見ます。
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