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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
480:玉川雄一 2004/05/01(土) 21:57 ネタは世説新語から三つのエピソードを合体。 タケノコご飯(元ネタだとタケノコとご飯は別に食べたっぽい)のお話は なんかほのぼのしてますけど、 他の二つは一筋縄ではいかないっぽいのがこの人らしいとゆうか。 ちなみに最後のネタで、ルージュは宝剣だったんですけど。 さすがに扱いが難しそうだし、以前書いた鍾姉妹のメイク話に繋げてみました。 しかし、はるらさん、ヤッサバ隊長殿に続いて自分語りネタ三連発になったんですが、 私のはおネエ言葉な上に頭悪そうでアレな気分です(^_^;)
481:玉川雄一 2004/05/01(土) 23:30 [sage] ニューフェイスも増えて賑わって参りました。 ■(゚∀゚)ゝプロフェッサー! 陳羣の墓参、これまでにも何度かネタにされてきましたがやはりジワリときますね。 どこか不器用な彼女だからこそ映えるシリアスな一コマ… すれ違っても、ぶつかり合っても、二人が共に時を過ごした日々のことももっと見てみたいです。 そしてバレンタイン。バラエティに富んだ面々がそれぞれ繰り広げる逃避行。 …そうか、やっぱみんな逃げるんですね(^_^;) あと簡×法は反則。なんだよイイ雰囲気ですやん! さらには回を重ねてなお新鮮さと萌えを損なわない簡×法シリーズですか。 やっぱ簡雍ってば、日頃のはっちゃけ属性だけじゃここまでブレイクしなかったですよね。 法正とのこんな一面があってこそ、ここまで厚みのあるキャラクターになったってことでしょうか。 しかし張任ワロタ。特に牛丼屋でのエンカウントが。 ■国重さん おいでませー。これからもどんどん投稿よろしくお願いします。 さて一発目は陸績と袁術のエピソードですね。 陸績の健気なまでの孝心が微笑ましくありますが、袁術お姉さまの挙動にも注目。 各メディアで何かとアレな扱いを受けることが多いこの人ですが、 この学三では案外とおいしいポジションを貰うこともしばしばです。 (相応のポカをやらかしてることもありますけど) 国重さんの作品でも、名家のお嬢様らしい振る舞いが素敵な雰囲気を醸し出しています。 陸績をなだめるシーンはツボに来ましたよ! 続いて群雄割拠の角逐の水面下で密かに進むハンターキラーの策動という。 中堅勢力時代の曹操が、強敵・呂布を相手取るために布石を打つわけですが… 一方の陳登も自身の思惑を持って乱世の一角を(ほんの僅かの間ながら)占めることになるだけに、 侮りがたい深慮で虚々実々の駆け引きを繰り広げると。 餓狼軍団との本格的な激突がこれからどう展開してゆくのか、期待が膨らむエピソードでした。 ■はるらさん こちらもニューフェイス! 新風が吹いてイイ感じ。 東漢カルテットと後輩たちのタテの繋がりというのはいくつかありますが、 この盧植センセイを巡る面々は公孫サンに劉備と一癖も二癖もあるメンツですね。 盧植が先輩として、教師として後輩に臨む姿と、親友たる朱儁に対する姿が交錯するあたりが魅力的。 事ある毎に書いていますが、私はこういった異世代(この場合は学年が違う程度ですけど)間の 交流が好きなんですよね。まだまだヒヨッコの公孫サンたちも微笑ましいものがありました。 盧毓って今までなかなか出番がなかったのですが。 東漢カルテットのひとりである盧植を姉に持ち、 また自らは蒼天会の変転を長く見続けることになる貴重な存在ですよね。 彼女がこれから何を見て、何を綴ってゆくのか楽しみです。 ■岡本さん もはやしょーとれんじにあらざる超大作! 全体的なボリュームはおくとして、若干重く感じられもしましたが、 さすがに綿密な考証に裏打ちされた展開は読者を飽きさせませんね。 個々の場面に納得のゆくまでの説明が施されているので、 ストーリーが飲み込みやすいといえるでしょう。 また、格闘シーンにおいてもわずかコンマ何秒かという間に繰り広げられる 矢継ぎ早の動作をテキストで表現しながらもそれがビジュアルとして想像できる描写力は毎度ながらさすが。 基本的に読んでいて破綻していないんだから羨ましい限り。 内容については、伝説のピーチガーデンの近いにまつわる秘話(?)ということで、 それぞれの思惑が絡み合ってやがてまとまってゆく流れでした。 簡雍はまあ、あの頃からうまいことやっていたというか… とはいえ、 いくら当事者であっても将来を見通すことは難しいということですね。 浮き沈みの激しいこの一党ではなおさらのことでしょうが(-_-;) ちなみにやっぱり廖惇いいですよね(^_^;) 彼女が関羽に再会してから、とかも… ねえ。 そして新生帰宅部連合の門出を前にした劉備の述懐を兼ねた学園史の俯瞰。 わずか数年の間に、それまでには思いも及ばなかった程の大変革が起こったこの学園で、 生き延びるということだけでもままならない中で無念の涙を飲んだ者は数知れず。 さらには僥倖と実力を兼ね備えた者だけが自らの手で学園を動かすに至ったわけですが、 去っていった者たちとの間はあるいは紙一重であったりあるいは遠く離れていたり、 その中で変わらずに受け継がれてゆく物は確かに存在するというのですね。 多くのものを背負い、劉備の新たな一歩が踏み出されるのか… ■ヤッサバ隊長殿 そういえば今までホウ統の出番ってなかったんじゃ…? 確かに活動期間は短い(考えたらものっそい短いやん)のですが、 その中でも印象的な場面は色々とあったわけでまずはその立志編ですやね。 卒業間際からの回想って形がポイントかも。諸葛亮と簡雍をふくめたやりとりがもっと見たいなあ。 そういや、キャラ絵描いたときには意識してなかったんだけど、無双口調が違和感ないですのう(^_^;)ゞ しかし『落鳳事件』気になるなあ。隊長の次回作に期待してよかとですか?
482:★ぐっこ@管理人 2004/05/02(日) 00:17 うほッ! またまた豊作だーヽ( ´∀`)ノ! 管理人はなくともサイトは育つ…←ってそれじゃ駄目だって。 >はるら様 ほほう! 盧植姉妹の日常エピソード! 当時はまだ平凡な中学生である盧毓たんから見た、お姉さんの姿… 妹から見たら、頼りになる姉である盧植は、実は学園の情勢を単身で 左右できるほどの超大物であるわけで、そのへんのギャップがまた萌える… >ヤッサバ隊長 あー、そういえば龐統ってあまり出てこなかったですねえ(^_^;) 酒飲み、そばかす、面倒くさがり、眼鏡外せば割と美人、と萌えポイントがここまで 揃ってるキャラってのに…。やはり早死にだからキャラにしづらいのね… んで、今回は落第県令・龐統のエピソードですやね(゚∀゚) 彼女の物語もまた、痛快な サクセスストーリー。今回はまったりだけど、親友である諸葛亮との密かな確執とか、 色々面白くなりそう… >義兄上 東晋系ストーリー乙! うーん、荀勗って私も蜀攻め進言したエピソード しか知らなかったので、このSSで激しく学習。色々エピソードあるキャラ だったのね…相変わらず、不思議と勉強になるサイトだ( ゚Д゚)! 最初にアレンジ読んでから、オリジナルの世説新語読むのも斬新。 こうして見てみると、完璧美女・鍾繇たんもカワイイかんじだなあ…。
483:那御 2004/05/02(日) 21:25 溜まりに溜まった感想たち。 >岡本様 上手い!アサハル様の設定を見事に生かし切った形となりましたね。 そして相変わらずの知識量を強烈な文で綴ってらっしゃる。 あんな文は書けませんて(何。 >はるら様 盧植&盧毓ストーリー、出てきましたね。 学園屈指の女傑の妹って、立場的にビミョーなんだろうなぁ。 それでも明るく楽しく、姉に誇りを持って生きる盧毓タンに乾杯! 中学生っぽさ爆発の盧毓タンの行動に萌えw >ヤッサバ隊長殿 龐統の出仕ネタ!語り口調で面白い! しかし、人生を達観してるだけあって、なかなか毒のあるキャラですなw そしてラストは簡雍と酒で締める! 簡雍はホントどこに出しても味のあるキャラですねぇ。 >玉川様 荀勗もまた毒のあるキャラですねーw そういえば陳寿を左遷したのも荀勗じゃなかったですか? 『魏志』の自分の記述が不満だったとか・・・ 鍾会との確執というか、ガキっぽい喧嘩がなかなかスリリングですね。 (しかしマセガキって・・・w
484:那御 2004/05/02(日) 21:48 −占いに無い出会い− 「ふぅ・・・」 夜も更けた深夜1時。すっかり冷え切ったコーヒーを飲み干し、譙周は溜息をついた。 『仇国論』と銘打たれた、原稿用紙数十枚にも渡る論文。 幾度となく繰り返される無謀な北伐の意義について、友人の陳祗と語った内容を、文章で綴ったものである。 今回はこの内容をお話しすることはないが、彼女が帰宅部連合の行く末を憂いていたことが伺える。 譙周、あだ名は允南。 帰宅部連合随一の古典好きで、よくひとりでニコニコしながら古文を暗誦していたようだ。 明晰な頭脳の持ち主であったが、切れ者というわけではなく、不意の質問には答えられないことが多かった。 誠実かつ素朴な人柄で、トレードマークは長い髪の毛を束ねる緑色のリボンと縁無しの眼鏡。 どこか抜けたところがあり、諸葛亮と始めて会ったときには、諸葛亮の部下が笑いを堪え切れずに吹き出してしまったという。 諸葛亮曰く、「私ですら我慢できなかったのですから、あの娘たちに我慢しろと言う方が無理ですよ・・・」と。 最近、帰宅部連合について何度占っても、あまり良い結果は得られない。 事実、北伐によって疲弊した軍と、腐敗した中央政権。これで良い結果を望むほうが無理なのだろうか。 (これから連合は一体どうなっちゃうんだろうな・・・) こんな時間は、なぜか物思いに耽ってしまうことが多い。 (伯瑜さん・・・貴女の言葉の重み、今になって実感しています・・・) 譙周の言う『伯瑜さん』とは、杜瓊のことである。 杜瓊はもともとは益州校区総代・劉璋の下で働いていたが、劉備が益州に入ると、書記として仕えることになった。 小等部に在学中に、周りの友人が『こっくりさん』に興じるのを見て、 「くだらない・・・」と言い放ち、これを聞き付けた占い部の部長・任安にスカウトされて占いを始めたという経歴がある。 そして任安が卒業するまで、その知識の全てを叩き込まれ、その技量は神業級であった。 一口に占いといっても、その種類は膨大なものである。 学園で正式とされている『易』では、筮竹と呼ばれる長さ30〜40cmほどの細い竹の棒50本と、 算木、もしくは卦子と呼ばれる1.5cm角で長さ9cmほどの棒を6本用いる。 筮竹を規則に従って両手で操作し、片手で掴み取った数によって算木を配列する。 算木の2面には、黒く色が塗ってある。これは陽爻を表す。 また、残りの2面には溝が彫ってあり、溝の内側は赤で目印が付けられている。これは陰爻を表す。 筮竹の操作によって得られた爻は、順番に並べられて卦を構成する。 六卦を得るためには、計18回もの筮竹の操作が必要で、算木はそれを暗記するための道具であるといわれている。 杜瓊は、その天才的な占いの技術の反面、彼女は口数も少なく、人付き合いが苦手であったため、 殆ど友人らしい友人はいなかった。 しかし、ある日・・・ 「伯瑜さん、お願いですッ!私に・・・私に占いを教えてくださいッ!」 ・・・もう何度頭を下げたことだろうか。でも、伯瑜さんの答えは素っ気無い。 いきなり押しかけたのがまずかったのだろうか。 「・・・何度も言わせないで。駄目な物は駄目。」 しつこく訊き過ぎたかもしれない。呆れられているかもしれない。 それでも、私は占いの道を究めてみたい。 占いで切り開ける未来。そういうものを私は見てみたい。 でも、今のままじゃダメ。何か決定的なものが、私には欠けている。 それを、伯瑜さんに教えてもらいたい。 そのためには、私は何度だってお願いする・・・ 「なんでです?ど・・・して駄目なんで・・・か?こんなに・・・願いしているのに・・・」 なんだか鼻声になってきている。目の辺りも熱い。 もしかして・・・泣いてるのかな・・・私。 「お願いしますッ!」
485:那御 2004/05/02(日) 21:50 気がつくと、私は中庭のベンチに横になっていた。 ・・・あれ?さっきまで私は、廊下で伯瑜さんに頭を下げ・・・ 「お目覚め?」 頭の上のほうから、聞き覚えのある声。 「・・・って、ええぇーーーっ!!!??」 私が今、頭の下に敷いているもの。それはなんと伯瑜さんの膝だった。 「・・・そんなに驚かないで貰えない?」 「うひゃあっ!」 私は思わず、がばっと飛び起きてしまった。 せっかくの伯瑜さんの膝枕・・・もうちょっと横になっていればよかったかも・・・ 「・・・私、あの後どうなったんですか?」 私は恐る恐る訊いてみた。 「いや・・・さんざん喚いたあと、貴女、抜け殻みたいになっちゃって・・・。 放っておくのも悪いかと思って、ここに連れてきたわけ。」 「・・・まずかった?」 赤面して黙り込んでしまった私に、伯瑜さんは尋ねる。 「でも、貴女、面白い娘だね・・・私に好き好んで近付くなんて。」 「いや・・・あの・・・」 あぁ・・・私は今、憧れの伯瑜さんと話している。伯瑜さんって、思ったより取っ付きやすい人だったんだなぁ・・・ そして改めて見ると、美しい方だ。長い黒髪・・・どこか憂いを秘めたような瞳。 ・・・って、私は何を考えてるんだ・・・ 「貴女、占いやってるの?」 「えっ?」 伯瑜さんの唐突な、それも核心に迫る質問。 「そ、それは・・・」 「その顔を見ると、ある程度は齧ってるみたいね・・・」 伯瑜さんは、少し考え込んでから言った。 「私ね・・・私の知識を誰かに教えたいとは思ってないの。別に意地悪とかそういう意味じゃなくて。」 「どうしてですか?伯瑜さんの占いは、これからもずっと引き継いでいくに相応しいものだと思うんですが・・・」 「私は占いは『易』とかの概念とはちょっと違って、まずその対象をよく観察して、本質を見極めるの。」 「はぁ」 「だから、他人の目や言葉を信用したりしては、この占いが根底から崩れることになるの。分かる?」 「・・・」 「私の占いは、明らかにすることは困難だと思うの。だって他人を信用することができないから。 他人に話すことができないから。全て自分ひとりでやらなければならないのよ・・・。これって悲しいことだと思わない?」 「でも・・・」 「それに占いで知った未来が、必ずしも良いものだとは限らないのよ。でも、結果は結果として受け止めなければならないのよ。」 その言葉一つ一つに、伯瑜さんの心の憂いが詰まっていた気がした。 『他人を信用できない』もの。こんな悲しいことは、確かにない。 伯瑜さんの瞳に宿る、暗い影。その正体を、私はたった今、知った。 「・・・だから、こんな昏い世界に踏み込まないほうが無難だと思うの。どう?これでも分かってくれない?」 「伯瑜さん・・・。伯瑜さんは、私も信じていないんですか?」 「えっ?」 「他人を信じられないなら、私も信じることができないんですか?」
486:那御 2004/05/02(日) 21:54 あぁ・・・言っちゃった・・・。自分でも爆弾発言だと思うくらいだから・・・ 伯瑜さんは、やっぱり苦笑いを隠せなかった。 「・・・参ったわね・・・」 「伯瑜さん・・・ごめんなさい・・・」 「いや、参ったってのは・・・私が今、貴女を信じてることに気付いたってことよ。」 「えっ?」 「本当は、貴女みたいな良い娘には、この世界に入って欲しくないんだけどね・・・。 でも・・・どうしてもって言うんでしょ?そんなに頼み込まれたんじゃあ、無下には断れないわね。」 「それじゃあ・・・」 「えぇ。貴女に私の知識の全て、受け継いで頂くわ。」 やったぁ!ついに・・・ついに念願が叶った! あれ・・・?またなんか目から涙が・・・ このまままた気絶して、もう一回膝枕・・・なんて、そんなうまく行かないよね。 「そういえば、名前・・・」 「あっ・・・」 しまった・・・弟子入りを志願しに行ったのに、名前も言って無かったなんて・・・ 「譙周と言います。允南って呼んでください!」 暫しの間、回想に耽っていた譙周であったが・・・ 「・・・あれ?」 長い髪を束ねていたはずの緑色のリボンが見当たらない。 先程、外してポケットに入れたことは、数分のうちに彼女の記憶から消えていた・・・ −占いに無い出会い− <完> ********************************** というわけで、占い師弟の杜瓊・譙周ネタ。 譙周に関しては、アサハル様の設定を利用させていただきました。 杜瓊ってマイナーですね・・・
487:7th 2004/05/03(月) 09:07 内政戦隊ショッカン4 〜〜ショッカンロボ、大地に立てるか?〜〜 ある日の昼下がり、帰宅部は珍しく静かだった。………その時までは。 「…戦隊モノにはやっぱり巨大ロボが必要だと思うの」 事の発端は孫乾のその一言。折しも内政戦隊こと孫乾・糜竺・伊籍・簡雍が、仕事を終えて一息ついている時のことであった。 あまりに唐突すぎるその一言に、きょとんと呆ける三人。 しばしの沈黙の後、漸くその意図を理解したのか、「あー、そりゃ要るねぇ」と、こくこく肯く伊籍。何か思う所でもあったのか、額に指をあてて考え込む糜竺。そしてしょっぱなからやる気の欠片もない簡雍。「頭いてー」とばかりに頭を抱え込む。 そんな簡雍を尻目に、ますますヒートアップする孫乾。 「正義の味方あるところ、必ず悪の怪人が居るのよ。そして一度負けてから巨大化、これ鉄則。だから正義の味方にも巨大ロボが要る、これも鉄則よ!」 やたらテンション高い孫乾。 この人、かの鄭玄に推挙されて劉備新聞部に入ったほどの能力の持ち主なのだが、戦隊モノや仮面ライダーモノがやたらと好きなのだ。尤も、新聞部には更に個性溢れる面子が揃っていたため、さほど目立つことはなかったが。 その彼女が、その場のノリで最近結成したのが「内政戦隊ショッカン4」。半ば無理矢理ながらもまんざらでもなさそうな糜竺と伊籍、滅茶苦茶嫌がっている簡雍が隊員である。 「よし、多数決を取る!必要だと思う隊員は挙手願いたい!」 ………賛成3、反対1。よって本案は可決されました。ありがとう。 「宜しい、では善は急げ!よって正義の味方も急げ!早急に本案を実行に移すべく出撃ー!!」 『おーー!!』 気勢を上げる三人と、それに引きずられていく簡雍。 「『正義の味方』って………何処に悪の怪人が居るのよ」 その問いは、誰にも聞かれず大気に消えた。 「と云う訳なので、巨大ロボを作りなさい」 「何故私が?」 「あなた以外に作れる人が居ないからよ」 益州校区、科学部部室。 劉焉・劉璋が益州校区総代を務めていた頃は只の地方弱小部の部室だったそこは、劉備の益州校区乗っ取りと共にその主を替え、閑散としていた部屋は魔窟へとその姿を変えた。 既に科学部は無く、そこの主は只一人。ガラクタの山の中で謎の研究を行っている。 主の名は諸葛亮。帰宅部連合の幹部にして生粋のマッドサイエンティストである。 「唐突な上にに命令形ですか」 孫乾が部室に入って開口一声それである。やれやれと首を振る諸葛亮。 「何よ、作れないって訳でも無いでしょう」 「左様、可能と言えば可能です。が、大事なことを忘れていらっしゃる」 「む?」 「予算は何処から出るんですか」 「う゛っ」と呻く孫乾。どうやらその辺の細かいところ迄は考えていなかったらしい。 「帰宅部の予算から―――」 「出る訳無いでしょう」 一撃轟沈。がっくりと肩を落とす孫乾。後の三人も簡雍を除いて心なしか残念そうだ。 がっくりと、この世の終わりでも来たかのように肩を落とす孫乾。他の人にはどうでも良い事なのだが、彼女にとっては非常に重要なことなのだ。「神は死んだー円谷も死んだー」とか訳のワカラン事を呟きつつ天を仰いでいる。錯乱し過ぎ。そして大袈裟過ぎ。 流石に見かねた――と云うか鬱陶しくなった――諸葛亮が孫乾の肩にぽんと手を置く。振り返った孫乾が見た物は、微妙な笑みを浮かべる諸葛亮と怪しく光る彼女の眼鏡だった。 「ふ……あなたの熱意には負けました」 正確にはそんなモノには負けていないのだが、この場合は方便である。時に真実は人を傷つけるのだ。 「確かに私には作ることが出来ます。が、それにはかなりの時間と、途方もない費用がかかることは先ほども申しました通り。ならどうするか。…簡単です、一から作るから時間と金がかかるのなら、最初からそこにある物を使えばいい」 そう言ってガラクタの中から一枚の紙を取り出す(もしくは掘り出す)諸葛亮。 「地図……かな?」まじまじと紙に書いてある点と線を見つめる簡雍。 「荊州校区辺りみたいですわね」思い当たる地形があったのか、位地を特定する糜竺。 「そしてこのあからさまに怪しい×点はもしや」伊籍がその特異点を指し示し――― 「宝の地図かーーっ!!」孫乾、大絶叫。 「左様。宝と言うにはやや語弊がありますが、まぁあなた達にとっては宝には違いありませんな」 そう言った諸葛亮の眼鏡が更に怪しげな光を放つ。 「取り敢えずそこへ行きましょう。話はそこで」 かつん、かつん、と。薄暗い階段に靴音が響く。 「随分と深いわね。かれこれ三階分は下りたと思うけど……」 「もうすぐですよ」 とは言うものの、通路は果てしなく続き、靴音は先の見えぬ闇に吸い込まれてゆく。 二度ほど折り返しただろうか。漸く暗闇が途切れ、大きな鉄扉が代わりに現れた。 「時に…皆さんは公輸般(こうしゅはん)と云う人を知っていますか?」 扉の前で立ち止まった諸葛亮が、芝居がかった口調で問う。 「何十年か昔、この町に住んでいたと云う発明家でしたわね」 「木製のグライダーを作ったって話よね。三日間飛び続けたとか云う奴」 眉唾ものだけど、と付け加える孫乾。 「で、それが何なのよ」 「鈍いですな孫乾殿。つまりここは公輸般の秘密の研究所。そしてこれが―――」 地響きと共に鉄扉が左右に開く。その奥、地下とは思えないほど広大な空間に横たわる巨大な物体。 それには腕があった。 それには足があった。 それには顔があった。 それは人の形をしていた。 「ここで建造された巨大ロボ。名を公輸8号と云います」 絶句。その大きさ、その存在、そして何より、その形に――― 「これって……」 「まさか……」 「ねぇ……」 「先○者じゃん……」 それには腕があった。…やけに細くて手の平がしゃもじ形の。 それには足があった。…これは本当に立てるのか?と思うほどにひょろい足が。 それには顔があった。…やけに安っぽい顔が。しかも何だかフレンドリー。 それには大砲がついていた。…あろう事か股間に。 「身長18m、乾燥重量36t、全備重量は64t。材質は主に鋳鉄、一部に謎の合金が使用されています」 「動力と武装は?」 「風水式龍気変換炉による大地のパワー。武装は股間にある中華キャノンです」 「パーフェクトだ孔明。……形を除いて」 「感謝の極み。形状は私の知ったことではありません」 何やら何処かで見たような会話を繰り広げる孫乾と諸葛亮。違いがあるとしたら、孫乾が話の中身の半分も理解し切れていないと云うことか。 「で、動くの?コレ」 「無論。ただ、変換炉を起動するのに多少のエネルギー投入が必要でして。勿論、そのための用意はしてありますが」 そう言って胸のハッチをあける諸葛亮。どうやらそれはコクピットハッチだったらしく、内部にはシートだのコンソールパネルだのが設置されていた。そしてその片隅に鎮座している、前輪を外して床に固定された自転車。 「…自転車」 全員の目が一斉に伊籍に集中した。 曰く、発電によって得たエネルギーを更に水晶髑髏により変換・増幅。そのエネルギーをもって変換炉を起動させると言う話だ。 「な、何で私がぁ……」 縦割り社会の不条理を嘆きつつ、ペダルを鬼漕ぎする伊籍。後輪に取り付けられた十連装ダイナモが唸りをあげて駆動し、伊籍の体力と引き替えに電力を生み出していく。 「98、99、100%! 変換炉、起動します!」 「リフト起動。地上まで上げるぞ」 天井が開き、床ごと機体が持ち上がって行く。約3分後、数十年の時を経て、ついに機体は日の目を見た。 「さぁ、立ちなさい!ショッカンロボ!」 正式名称そっちのけで自分のインスピレーションから湧き出た名を叫ぶ孫乾。片隅で簡雍が「センスねぇなー」と呟いていたが、無視した。 その叫びに応じたように、上半身を起こし、更に足を立てて起きあがるショッカンロボ。姿が先○者のせいか余り迫力はないが、とにかくショッカンロボは立ち上がったのだ。 「わー」と拍手する糜竺。「つっかえ棒無しで立てたのか」と驚きを隠せない簡雍。どうだ!とばかりに胸を張ってふんぞり返る孫乾。伊籍は…自転車に突っ伏して動かない。合掌。 「よーし!今からこの世の悪を打ちのめすべく、ショッカンロボ発進よ!」 「しつもーん」 「何よショッカングリーン」 「…悪って何処にいるわけよ?」 沈黙。 「何でそれを早く言わないのよー!」 「いや、言ったって」 泣きそうになりながら叫ぶ孫乾に、あくまで冷静につっこむ簡雍。 「こ、この振り上げた手の立場は何処に…」 「ないない、ンな物」 身も蓋もなく撃沈。と、そこに 『あー、孫乾殿。聞こえますかー?』 スピーカーから聞こえてくる諸葛亮の声。 「うぅ、何よ」 『簡雍殿の言は尤もですので、ここはひとつ穏便にいきましょう。……只、折角ですから動作確認を兼ねて中華キャノンを、一発ドーンと撃ってみませんか?』 「え、良いの?」 『構いません。ドーンといっちゃって下さい。ドーンと』 泣いたカラスがもう笑ったとはこの事か、と言わんばかりの早さで立ち直る孫乾。つくづく感情の起伏の激しい人だ。 「ぃよーし!派手に一発いってみよー! 総員、中華キャノン発射準備!」 「えーと、大地のパワー吸収っと……えいっ」 そう言って糜竺がボタンを押した途端、凄まじい揺れがコクピットを襲った。 外から見る分には足をバタつかせているようにしか見えないが、中はトンデモないことになっている。 シートに座ってシートベルトを締めていた孫乾・糜竺・簡雍はまだマシだが、自転車に突っ伏していた伊籍はたまったものではない。自転車からズリ落ちて、そこら中を跳ね回っている。 10秒ほどで充填は完了したものの、伊籍は白目むいてダウン。他三人もげんなりしている。 「ま……まだ続けるわけ?」 「も……勿論よ。今更止められるわけないわ。…次、キャノンにエネルギー注入」 「待て、確か次は……」 簡雍が言い終わるより早く、またしても激しい揺れが襲いかかる。 今度の揺れは縦。伊籍が床と天井をばいんばいん往復している。さほどの高さはないので命の危険は無いと思われる。死んだ方がマシとの見解もあるが。 今度は5秒ほどで終わった。が、三人の顔色は死人さながら。 「う゛ぇ〜、24時間耐久でジェットコースターに乗った気分」 「バーテンさんにシェイクされるカクテルの気持ちがよ〜く解りましたわ……」 「めげないで二人とも。…後は撃つだけよ。私たちの努力も、これで報いられるわ」 眼前にある操縦桿を握りしめ、照準機を起動させる。今回はカラ撃ちなので、照準レティクルを何もない空に合わせる。何時の日か、悪の巨大化怪人に向ける日を夢見て。 「よーしっ、中華キャノン、ファイヤー!!」 瞬間、世界は白光に満たされた。 「…オチは読めてたんだ、オチは。くうっ、一瞬でも淡い期待を抱いたアタシがバカだった…」 学園の保健室。体中を包帯でぐるぐる巻きにされた簡雍が呟いた。 「なら止めろ。体を、さもなくば命を張ってでも」 その韜晦をにべもなくあっさり斬って捨てる華陀先生。 「まぁあの爆発でその程度の怪我で済んだんだ。神様か何かに感謝しろ」 爆発半径30メートル。おそらくは市内全域から確認できたであろう大爆発。 原因は注入されたエネルギーのオーバーロードであるらしいが、何にせよ5人が生き残っていたのは奇跡に近い。と云うか奇跡そのものか。 「私、テロに巻き込まれても生き残る自信がつきました」 いや糜竺。今ので一生分の運を使い果たしたと思うぞ。 「うぅ、私今回良いこと無し?」 負けるな伊籍。きっと何時かいいことあるさ。何時かは知らんが。 「う〜ん、ちょっと勿体なかったかなぁ。ま、いっか。また今度に期待しよ」 まだ懲りんのか、孫乾。 「……所で先輩方。実はまだ調整中の機体が何機かありますが…また挑戦しますか?」 『あの人の機械には金輪際乗らん!!』 満場一致、簡潔極まりない結論によって、諸葛亮の提案は却下された。 ………その後、公輸般の秘密の発明品を見た物は居ない。一説によれば、学園がその役割を終えた後も、静かにそれは荊州校区の地下に眠っていると云う。
488:7th 2004/05/03(月) 09:18 ご無沙汰してました7thです。 しばらく来ぬ間に職人の方も増えて喜ばしい限りです。 …で、何書いてるんでしょうね自分。皆様がまじめな作品を書いてるのに何なんだコレは(w 時間軸としては簡雍改造計画の後。孫乾が暴走し過ぎたり、糜竺の影が薄かったり、伊籍がひたすら不幸だったりしますが、その辺は目を瞑っていただきたく思います。 …別に伊籍が嫌いなわけじゃないですよ?彼女には何とか幸せになって貰いたい物ですね。 内政戦隊モノの中では無理かもしれませんが。
489:はるら 2004/05/03(月) 11:57 ■■盧毓が行く■■ はい!!皆さんお久しぶりですー!!盧毓で〜す!!! 今回はわたしが中一のとき、乙女百合様にお会いした話です。 はぁ〜、優しかったなー、劉虞さま………。 〜女神さまとわたし〜 「………はぁはぁはぁ」 わたしは正直なところ運動が苦手です。ドッチボールでは常に逃げ惑って、そして途中で力尽きてあっさり当てられるタイプです。 特に中学生のころは運動音痴も甚だしいって感じでした。 でもこの時わたしは走り続けていました。なぜならこの時わたしは何故か道に迷って幽州女子学院の中等部ではなく、 高等部の区域に入り込んでいた事にさっきようやくきずいたからです。 それだけでもかなりダメダメなのにわたしはよりにもよって野良犬に追われていました。 ・・・ぼけー、と歩いてた時尻尾を思い切り踏んでしまったようです。皆さんはちゃんと前を向いて歩きましょうね。 盧毓心の声「(あー、もう駄目……。声も出ないよー、助けて…)」 完全に力尽きようとしたその時、わたしは幸運にも女神様にお会いできました。 わたしが野良犬を巻こうと曲がり角を急に曲がったその時!! ドン!!!!! 「あう!!!」 出ましたね……、声。 「あ、痛い!!」 「…あ、すすす、スイマセン!!だいじょーぶですか!?」 見事高等部の先輩と頭がごっつんしました。 頭が割れそうに痛かったです。…向こうの方もそうなんでしょうけど。 「あ!!!!!」 わたしと高等部の方が倒れていたところを野良犬がゆっくりこちらに向かってきました。 そのときわたしは湿布を覚悟しました。 盧毓心の声「(うぅ〜、追いつかれたー。どうか優しく噛んでくれますよーに)」 「あら!!林芝!?こんなトコで何やってたの…。探したのよ…」 林芝「クゥ〜ン」 うそ……!?あの野良犬が懐いてる!? 「あなたが林芝を探してくれたんですか??ありがとうございます!」 その高等部の方の顔は満面の微笑みを顔に浮かべてわたしに言った。 やっぱ言えない……。林芝ちゃんの足を思いっきり踏んだなんて言えない…。 ていうか、野良犬だと思ってました。ごめんなさい。 「あの…、お礼をさせていただきたいんですけど……」 「貴女のお時間さえよければ、お茶でもしませんか…??」 え、なんか、その………、積極的。見かけはお嬢様って感じなのに…。 「………ダメ…ですか??」 え、そんな目で言われると断れない……。 「へぇ〜、劉虞さんっていうんですか〜。いい響きですねー」 んで、結局その高等部の人、劉虞さんっていうんらしいけど、一緒に ピーチガーデンに行きました。…あ、林芝ちゃんも一緒に。 「盧毓さんは今、中一なんですよね〜。どうです?学園には慣れましたか??」 「うーん、ビミョーですね。」 うーん、我ながらあいまいな返事!! 「ふふ、ここであったのも何かの縁。何か困った事があったら私に言って下さいね」 「あ、ありがとうございます!!」 「ところで林芝ちゃんって劉虞さんの部屋で飼ってるんですか?」 せっかく食事に誘ってくれたんだから話をとぎらせ無い様にと何気ない話題を持ち出した。 「そう、ね。この子、もともと野良犬だったのを前の乙女百合さまの劉淑さまに頂いたの」 「あ、頂いたじゃ失礼よね、ゴメンね…、林芝……」 …………劉虞さん…、優しい………。 盧毓心の声「(ところで、乙女百合……、劉淑さまとお知り合い……、で劉虞さん… どっかでつながってる様な、何だったっけなぁ……」 「あら、もうこんな時間ですね…。そろそろお別れですね」 林芝「クゥ〜ン」 そういえば林芝ちゃん、『クゥ〜ン』しか言わなかったわね…。 「はい、今日は会えてよかったです。それじゃ、劉虞さんごきげんよう!!」 「ごきげんよう…、盧毓さん……」 以上がわたしと劉虞さんの出会いです。 劉虞さん、ホントに女神さまみたいに優しかったですー。 ちなみにわたしが劉虞さんが現乙女百合さまで幽州校区総代である事を知ったのは この日から四日ほど経ってからでした。何できずかなかったんだろー?? で、その後わたしは劉虞さんにお会いすることなく劉虞さんは姉盧植の教え子、公孫サンさんに よって引退に追い込まれてしまいました…。 世の中って変なトコでつながってますよね……。 もう一度、もう一度でよかったから優しい劉虞さんのお世話になりたかったなー。 それじゃ、皆さんサヨナラ〜〜〜!!!! ― 盧毓が行く〜女神さまとわたし〜 完 ―
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