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550:北畠蒼陽 2005/02/10(木) 16:28 [nworo@hotmail.com] 「そんなことを言うのはこの口? この口?」 むにむにと引っ張る。 「ひ、ひたい! ひたいよぉ〜!」 むにむにむに。 ほっぺたをむにむにと引っ張っているとまた足の痺れが襲ってきて曹騰は再び突っ伏した。 「うぐ……と、とにかく孟徳ちゃんはそんなことを気にすることはないの! みんなに嫌われたら私がその分、愛してあげる。そして本当に友達、って言える人たちができるまでずっとずっと守っていてあげる」 曹騰はいいことを言った。 いいことを言ったのだがいかんせん上半身を床に預けたまま、お尻を上に向ける、といういかんせんはしたないポーズのためまったく威厳はない。 「……トモダチ」 そんなポーズながら曹騰の言葉は曹操の心に響いたようだ。 人間わからないもんである。 「トモダチ……よくわかんないよ」 従姉妹の夏侯惇や夏侯淵、曹仁や曹洪らは友達、と言えるかもしれないが、それ以外に自分が『カムロの従姉妹』と知っても付き合ってくれるようなトモダチなど曹操に心当たりはなかった。 「……」 曹騰は溜め息をつき再び足指をほぐしだした。 もうしばらく立ち上がれそうにない。 「『カムロの従姉妹』どころか『カムロ』にだって友達は出来るものよ。私にも高校の頃、とっても素敵な友達がいた」 「……え!?」 従姉妹の言葉に素っ頓狂な声をあげる曹操。 「失礼ねぇ……私が友達できないくらい性格悪いって?」 やや憮然とした声で曹騰が曹操を睨む。 もちろんそういう意味ではなく『カムロ』というものがそれくらい忌み嫌われている、という意味の驚きである。 曹騰は仕方がない、という顔をし短い髪をかきあげた。 「じゃあ……私の高校の頃の話……とても素晴らしい友達の話でもしてあげる」 どちらにしろ足の血行が戻るまでまだまだ時間がかかるだろう。 それに今日は…… まぁ、それまでの暇潰しに話をするのも悪くない。 そして曹騰は語りだした。 ……彼女たちは本当に輝いていた。 そして私の人生は彼女たちによって鮮やかに彩られた……
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