★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
551:北畠蒼陽2005/02/10(木) 16:28 [nworo@hotmail.com]
……

とても目立つ少女だった。
遠目にもつややかな髪をばっさりとオカッパにまとめ、さらなる特徴として誰が見ても明らかな胸のふくらみのなさ。
そして制服も膝がちょうど隠れるくらいのショートパンツ。
典型的なカムロである。

解説しよう。
カムロとは髪をショートボブまで切り詰め、少年と見まがうばかりに胸がないブラジャーいらずの
もののことである。
なぜそのような存在が学園に存在するか、についてはいろいろある、としか答えようがない。
答えたくとも説明が長くて答えるのが面倒だ、というのが本音である。
とりあえず今は話を少女に戻そう。

「なんでこの私の……曹騰の名前がないわけぇ〜ッ!?」
「さぁ、そんなことを私に言われてもねぇ……困るんですよ、とにかく。あなたの名前はこの名簿にありません。つまり入寮は許されません」
学生課……
そう書かれた看板の下で曹騰と係員が言い争っていた。
正確には言い争っている、と感じているのは曹騰だけであり、係員にとってはうるさいハエをつぶすことすら面倒だから放っておいている程度のことだろう。

「だいたいカムロごときが、この司隷特別校区にというのも、ねぇ」
係員の言い草に曹騰の怒りゲージは急速に溜まっていく。
今の曹騰であれば水温94度くらいでお湯が沸騰する。

『カムロ』というのはつまり学園の象徴である『学園都市女子高等学校連合生徒会代表会議』……通称、蒼天会の会長にはべり、連合生徒会との連絡、調整役を勤めるのが役目なのである。
もう少し世代交代すればそうでもなくなるが、現時点では勉強の成績もあまりよくない人間が多く、無教養で軟弱、と見られることが多かった。
曹騰とてあまり勉強ができるわけではないが、それでもこの言い方はあんまりだと思う。
だいたい曹騰なりにがんばって、ようやく掴み取った司隷特別校区……そう、蒼天会、生徒会などの全管理機能が集中している学園都市最大の『首都』への切符をこんな係員ごときにバカにされなければならないのか。
しかも入寮名簿に名前を書き漏らしたのはそっちだろうに……!
「とにかく本日の入寮は認められません。後日、書面で入寮申請をお願いします」
『お願いします』などとは言っているが明確な拒否である。
1-AA