★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
573:北畠蒼陽2005/02/18(金) 13:19 [nworo@hotmail.com]
翌朝、曹騰は眠い目をこすりながら劉保の後ろについて歩いていた。
梁商はいない。
彼女は彼女で忙しいのである。
「劉保〜? どこいくの〜?」
あくびをしながら声を出すので『ううほ』と聞こえた。
「えぇ、これから季興さんには私と一緒にあるひとにあってもらいます。忙しいひとですからあまり時間は取れませんでしたが」
省36
574:北畠蒼陽2005/02/18(金) 13:19 [nworo@hotmail.com]
「妹が副会長なんかになるから私がこんなとこに座んなきゃいけなくなるんだっつの。まったく……どっかに優秀な人間がいれば喜んで階級章返上するのになぁ」
ぴん、と指で自分の胸の一万円をはじいてみせる。
「困ります。晁ォ会長は私の下でも生徒会長として指導していただかなくては」
「あっはっは。次期会長には梁商ちゃんがいるじゃねぇの。大丈夫大丈夫。あの子にだったら今すぐにでも階級章を譲ってかまわないね」
他愛ない世間話、というにはいささか庶民的ではない時空の話が続く。
「……で、その子は?」
省43
575:北畠蒼陽2005/02/19(土) 22:49 [nworo@hotmail.com]
-Sakura-
第4話:千里香

それからしばらくは勉強の日々だった。
劉保の教師は確かに一流であった。
明らかに学力の劣っていた曹騰にもわかりやすい、しかも高度な授業、というのはそうあるものではないだろう。
省47
576:北畠蒼陽2005/02/19(土) 22:50 [nworo@hotmail.com]
「よぉ」
曹騰は声の主を目で確認すると同時に背筋を伸ばす。
連合生徒会会長……
「晁ォ会長……」
……であった。
劉保が困ったような顔で晁ォの名を呼ぶ。
省45
577:北畠蒼陽2005/02/19(土) 22:50 [nworo@hotmail.com]
……と、簡単に秘書室入りを決めたわけではなかった。
内心、十分に考えてから決めたことのはずなのだが……

秘書室初日の感想は『早まったかな〜?』だった。

秘書室長、江京や実力者の李閏を中心にいつも集団行動。
省32
578:北畠蒼陽2005/02/19(土) 22:51 [nworo@hotmail.com]
「いや〜、ごめんね、さっきは〜」
孫程と名乗った少女と照れ笑いを浮かべていた。
「ホント、気にしなくていいから」
ここまで謝られると曹騰のほうが恐縮してしまう。

2人は屋上で弁当を広げていた。
省45
579:北畠蒼陽2005/02/25(金) 20:50 [nworo@hotmail.com]
-Sakura-
第5話:白妙

「……で、お前たちはなぜここにいる?」
にこやかな笑みを浮かべたまま連合生徒会会長の椅子に深く腰をかけ晁ォは自分を取り囲む生徒会執行本部の面々を睥睨した。
そう、睥睨である。
省33
580:北畠蒼陽2005/02/25(金) 20:51 [nworo@hotmail.com]
「へッ」
晁ォは鼻を鳴らして笑った。
江京の姿を見た瞬間、すべてを理解した。
安サマがどれだけ自分を邪魔に思っているか、そしてどれだけ自分を憎んでいるか……

やってられるか。
省42
581:北畠蒼陽2005/02/25(金) 20:52 [nworo@hotmail.com]
劉保のことを一番に気に入っていたのは搦o妹だった。
劉保はその庇護下での次期会長であったのだ。
安サマのパートナーであり、搴Mのあとを継いで副会長になった閻姫は安サマの恨みにつけこむ。
その耳元でこう囁くのだ。
「次期会長は……あなたの妹は『あの』搦o妹の息がかかってるんですよ」

省39
582:北畠蒼陽2005/02/25(金) 20:52 [nworo@hotmail.com]
「劉保、それは間違ってるよ。彼女は決定的に悪い」
曹騰が劉保のほうに視線も向けずに使者を睨みつけながら言い捨てる。
「決定的に『運』が悪いんだ。梁商さんも私も……機嫌の悪いところにこの部屋に来てしまったんだから」
「曹騰さんの仰るとおりですね。今ならどんなに無様に土下座されても許さない自信がありますよ」
曹騰と梁商、2人の腹心の言葉に……それでも劉保は言った。
「お願い。やめてあげて」
省39
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