★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
579:北畠蒼陽2005/02/25(金) 20:50 [nworo@hotmail.com]
-Sakura-
第5話:白妙

「……で、お前たちはなぜここにいる?」
にこやかな笑みを浮かべたまま連合生徒会会長の椅子に深く腰をかけ晁ォは自分を取り囲む生徒会執行本部の面々を睥睨した。
そう、睥睨である。
晁ォはそれほど背が高いわけではなく、また座っているため見下ろしていられるわけがない。
それでも場を支配し、圧迫しているのは晁ォだった。
「と、晁ォ会長。あなたを解任します……私たちも手荒な真似はしたくありませんから階級章の自主返上をお願いしま……」
執行本部員たちの中でも一番偉いのであろう晁ォの目の前に立った娘が発言しようとし……しかし言葉の途中で晁ォの闘気とも呼べる異常なまでの気配をもろに浴び、最後まで発言することすらできずにへたりこんだ。
「あぁ? ……返上、だと?」
ゆっくりと執行本部員たちを見渡す。
執行本部員たちは青ざめ、まともに話ができる状態ではない。
「私は聞いてるんだ……いいか? 返上なのか? と聞いている」
デスクをはさみ、へたり込んだ娘のあごをゆっくりとなでながら優しく晁ォは尋ねた。
もう執行本部員たちは戦意を喪失していた。
「まったく……あまり彼女らをいじめないでほしいものですね。彼女らは貴女と違って前途ある若者なのですから」
その声に晁ォは執行本部員のあごをなでる手を止め、入り口の方向を睨みつけた。
執行本部員の人垣がわれ、その向こう側からおかっぱの女が姿を現す。
不健康なほどやせた体。
ひとを小バカにしたような目。
「……江京、てめぇか」

安サマは小、中等部の頃から英才教育を受けており昔は神童と呼ばれたものだった。
しかし実際に政務を取り仕切ることはない。
なぜならそこに蒼天会副会長、搴Mがいたから。連合生徒会会長、晁ォがいたから。
あまりにも優秀な人間に囲まれたため自分がなにもすることができなかったのだ。
もちろん彼女らがいなければ自分1人でどうする、というビジョンも持ち合わせていなかった。
ただ自分でなにかやりたかったのだ。
その安サマにとってこの搦o妹は本当に邪魔な存在だった。
彼女らがいなければどうなる、ということも考えもせずにただ邪魔だったのだ。

その反動はこの搴M引退の日にすべて降り注いだ。
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