★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
580:北畠蒼陽2005/02/25(金) 20:51 [nworo@hotmail.com]
「へッ」
晁ォは鼻を鳴らして笑った。
江京の姿を見た瞬間、すべてを理解した。
安サマがどれだけ自分を邪魔に思っているか、そしてどれだけ自分を憎んでいるか……

やってられるか。

正直な感想はそれだった。
搴Mと自分がいなければ何一つ満足に出来ないような小娘に自分の運命を左右されるのは癪だった。
ふむ……
腰に右手を当てて周りを見回す。
執行本部員は15人……
少ないな。
こいつらは血祭りにしてやろう。
その後、江京を人質にとってクラウドタワーを占領する……人質の役に立たなくなるのも困るから江京は半殺しで勘弁してやろう。
連合生徒会会長として子飼いの委員たちも数多い。
また各校区の総代の中にも彼女が目をかけてやったものも数多くいる。
時間が経てば経つほどこっちに有利になるのか……
しかも自分の元のポストは蒼天会長のボディガードだ。
もちろん元のポストなだけに自分のあとを継いだ後輩も自分がなにかをする、といえば力を貸してくれるだろう。
……おぉ、クーデターすら起こせそうじゃないか?
そのまま安サマをとばして自分が蒼天会長になってやるのも悪くはないな……

「く、くくッ」
自分の考えについつい笑いがもれる。
バカバカしい。
権力など自分には無用のものだったはずだ。
ましてこんなくだらない学校組織のために指一本分の労力を使うことすらお断りだ。
「どうしました? いきなり笑い出して……おかしくなってしまいましたか?」
自分のことを嘲笑する江京に逆にバカにするような笑みを浮かべる。
「いや? べぇ〜つにぃ〜」
あからさまにバカにした晁ォの言葉に江京はむっとした顔を浮かべた。
……自分がバカにされるのは耐えられないってか。心底小物だな。
「これだけの数の執行本部員を前にいつまでその余裕が続けられるのかしら!? 私が命令すれば貴女をいつでもとばせるんですよ!」
「少ねぇよ。私にかすり傷を負わせたかったらこの二乗倍の人数は用意しな」
江京は絶句した。それはそうだろう、15人を少ない、と言い切れる実力を江京は想像すらできない。
「……あ、安サマは寛大にも階級章のみの返上で貴女を許して差し上げよう、と仰っておいでです」
「ありがたい。ありがたいねぇ」
へッ、と鼻を鳴らす。
「ありがたすぎて反吐が出る」

晁ォは階級章と蒼天章を投げ捨てた。
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