★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
584:北畠蒼陽2005/02/28(月) 16:41 [nworo@hotmail.com] AAS
「ごめんかった!」
結局、安サマには一目も会えず……
そして意気消沈して帰ろうとする2人の足を止めたのはそんな明らかに間違っている日本語だった。
孫程……
「そっか。あんた、秘書室に残ってたんだっけ……」
曹騰は劉保と一緒に野に下った。
省45
585:北畠蒼陽2005/02/28(月) 16:41 [nworo@hotmail.com] AAS
劉保と初めて会ったのが4月……
……そして劉保が次期生徒会長でなくなったのが4月の終わり。
5月終わりには安サマがリタイアし……
「……」
曹騰は窓の外の雨を眺めていた。
手に持っているのは蒼天通信。
省43
586:北畠蒼陽2005/02/28(月) 16:42 [nworo@hotmail.com] AAS
部屋に招き入れると人影はぶるっと大きく震えた。
梅雨といっても濡れれば寒いに決まっている。

服から雨雫がたれる。
こんな雨の中、コートも傘も差さずにずっと立ってたのか……
「やぁやぁ……」
省35
587:北畠蒼陽2005/03/04(金) 01:51 [nworo@hotmail.com] AAS
-Sakura-
第7話:墨染

「……」
部屋の中には沈黙が落ちていた。
曹騰、梁商にとって孫程の言葉は悪い話ではない。
省36
588:北畠蒼陽2005/03/04(金) 01:51 [nworo@hotmail.com] AAS
「……」
「……」
曹騰も梁商も無言だった。
本音を言えば孫程の言葉どおり劉保が蒼天会長になること以上に望むことはない。
だが劉保があそこまできっぱりと意思を口にした以上、無理強いすることもできない。
「つまりは……この考えは無理だってこと」
省29
589:北畠蒼陽2005/03/04(金) 01:52 [nworo@hotmail.com] AAS
「済陰の君閣下の安サマを思う気持ちはわかるつもりですがこれだけの人間が貴女の発する言葉を望んでいます、とそんだけ伝えてくれないかな」
孫程はすべて伝えきった、という顔で笑う。
梁商はリストを一瞥し……
ボールペンでその最後尾に自分の名前を書き足す。
「済陰の君閣下の説得は私たちが承りました」
ボールペンを指先でくるり、と回してから胸ポケットにしまう。
省34
590:北畠蒼陽2005/03/04(金) 01:53 [nworo@hotmail.com] AAS
お姉さま……
安サマ……
前蒼天会長、劉祐……
劉保の実の姉であり劉保を失脚させた張本人。
だから曹騰にとっても梁商にとってもあまりいい印象のある人物ではない。しかし……
「お姉さま、子供のころは本当に優しかったんです」
省37
591:北畠蒼陽2005/03/04(金) 21:00 [nworo@hotmail.com] AAS
-Sakura-
最終話:染井吉野

「うん、うん……わかった……ありがとう……うん、それじゃまたあとで」
孫程は携帯電話をゆっくり置いた。
やはりあの2人に済陰の君の説得を頼んでよかった。
省38
592:北畠蒼陽2005/03/04(金) 21:02 [nworo@hotmail.com] AAS
(そろそろ頃合かな……)

孫程はディパックからただ1冊……
マルクス全集を取り出す。

(この本もかなり読んだよね……)
省42
593:北畠蒼陽2005/03/04(金) 21:02 [nworo@hotmail.com] AAS
李閏は目の前で何が起こったのかわからなかった。
孫程がすすす、と近寄ってきたかと思ったら先頭の劉安がいきなり吹っ飛んだ。
なにをされたのかわからなかった。
孫程が手の甲を江京に向ける。江京は自分をかばおうとしてカバンを盾にした。そして次の瞬間、孫程のひじから先が消えたかと思うと江京が白目をむいてひざから崩れ落ちる。
なにをされたのかわからなかった。
そのまま回転するように孫程は陳達に近づく。陳達は逃げようとして……孫程が回転したかと思うと陳達は顔から地面に突っ込んでぴくりとも動かなくなった。
省30
1-AA