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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
594:北畠蒼陽 2005/03/04(金) 21:03 [nworo@hotmail.com] …… 「……あの日、1日だけでそりゃ大変だったねぇ」 懐かしそうな目で曹騰が語る。 西鐘校舎の前で済陰の君の即位式をやった。 たった何人か、だけの即位式。 しかしそのうわさを聞きつけ、多くの人々が新蒼天会長の下に集まってくれた。 もちろん閻姉妹がそれを放っておくはずがない。 それに対して戦って……戦って…… 何度、自分もリタイアするかと思ったことか…… そして戦いも終わって…… 劉保とは友達のままでずっといられたと思う。 梁商も約束どおり最後には劉保のことを『劉保』と呼んでいた。 そして3人は本当に友達、だったのだと思う。 曹騰は懐かしさに目を細め、ながらふ、と時計に目をやった。 「ねぇねぇ、お姉ちゃん……続きは〜?」 「ぎゃ!」 続きを催促する曹操に意味不明の叫びが浴びせかけられた。 叫びだけじゃなくて唾もちょっとだけ飛んだ。 「もうこんな時間じゃない!?」 「え、えぇッ!?」 意味不明にあわてる曹騰を見て曹操もあたふたした。 曹操はあたふたしなくてもいいと思う。 「ごめんね、孟徳ちゃん! 私、今日は同窓会だから続きはまた今度ね!」 曹操は苦笑する。 なるほど、同窓会だからそんなよそ行きの服を着てたのか…… 同窓会…… 同窓会…… 「! ……お姉ちゃん、もしかして!?」 気づいたように顔を上げる曹操に曹騰は親指を立ててウィンクした。 桜が舞っている。 あのころの熱さがうそのようだ。 こんな静けさがこの世に存在するなんてあのころは気づきもしなかった。 歩を進めながら思う。 彼女たちを友達に持つことができて本当によかった。 彼女たちが友達でいてくれたことに誇りを感じる。 だから…… 桜の花冠の向こうで小柄な影が大きく手を振った。 その横には少し大柄な女性が会釈してみせる。 曹騰も小柄な、その人影に負けずに大きく手を振り返しながら大声で叫んだ。 「劉保! 梁商さん! 久しぶりーッ!」 〜了〜
595:北畠蒼陽 2005/03/04(金) 21:12 [nworo@hotmail.com] ってわけで終了です。 なんか、こう、打ち切りチックですね。 まぁ、それはそれ。 なんかまったく反響のない中つらつら書いてしまいましたがまぁ、まったく意味のない作品、という単語すらおこがましいものになってしまったので……そんでも途中で止めるのはあれだなぁ、と思ってここまで書きましたが、まぁ、その意地もここまで、ってことで。 なんというか……まぁ、自分の文章力のなさを痛感するとともに、ぐっこ様にはこのような駄文でサーバーに負担をかけてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。このHPにきておられる諸氏にとってもこのようなモノがTOPにある、というのは見苦しさを感じておられたと思いますし、本当に私の意地だけでここまで引っ張ってしまったことに謝罪の言葉すらありません。 もう一足早く桜を散らせときましたのであとはROMに戻らせていただきみなさんのすばらしい作品を楽しませてもらおうと思います。 今まで本当にでしゃばってすいませんでした。
596:海月 亮 2005/03/04(金) 23:19 ・゚・(ノД`)・゚・ いや、お見事ですよ! 久しぶりに良いものを観させていただきましたとも! 立場を超えた友情、よくぞここまで書き上げられました…脱帽であります! …うぐぅ、なんだか上手く感想をまとめきれない我が文章力の貧困さが恨めしい_| ̄|○ >反響が無い 大丈夫ですってば…少なくとも私めは感想を言うの、全て終わってからだと決めてましたから… きっと誰もが続きどうなるのか楽しみにしてたのではないかと… 惜しむらくは私がこのあたりの史実を知らないと云ふ事…_| ̄|○
597:岡本 2005/03/05(土) 14:28 北畠様 宦官であった曹騰のエピソードを絡めて、宦官が政権決定に力を示していた 時期を記述された作品ですね。楽しんで読ませていただきました。 宦官・外戚・官僚・地方豪族が絡んでいく政争の変遷を考える上でも興味深い 作品です。これが、党コ・何進との闘争・董卓の専横とつながるわけですね。 また歴史の裏面というべき私生活ですが、私はそういうのを書くのが 苦手ですので、ただただ感心させられました。 >反響が無かった レスが着かなかったことが作品の質・内容に原因があるのではと 判断されたようですが、そのようなことは当然ありません。 時期が時期であったことが(決算期・新作三国志系ゲームの発売) 最大の理由かと思います。 何より、歴史を調べて自分なりに解釈し形にして公表したことは よほど脱線して自己陶酔しないかぎり、コメントという形の批評を 受けはしますが評価こそされ非難されることはありえません。
598:北畠蒼陽 2005/03/05(土) 19:33 [nworo@hotmail.com] ……??? ぎにゃーーーーーーーーーーーーーーーーッ! ち、違うんです! 違うんです! まず謝罪を! 次に謝罪を! 最後に謝罪を! ……595番目の北畠蒼陽名義の書き込みは無視でお願いします、違うんです。 繰り返します。595番目のやつは無視でお願いします。 えっと……事情説明ですね、私も理解できてるわけじゃないですけど…… 昨日、最終話を書き上げまして、まだ推敲もしてなかったんですがそれなりに満足してシャワー浴びて寝たわけですね。 今日、推敲して投稿させていただくつもりだったんです。 えっと…… 同居人が推敲前の文章をそのまま投稿してやがった…… しかもオリジナリティあふれる文章を添えて…… 同居人は今日の朝から旅行に出かけてるため真意を問いただすことは出来ませんが私にも意味不明です。 とりあえずみなさまがたには辛気臭い文章を(私の本意ではないにせよ)お目にかけてしまったことと海月 亮様と岡本様には温かい言葉をかけていただき30年間はご飯を食べなくてもおなかいっぱいです。 とりあえず同居人にはすげぇ怒っておくつもりですんでなにとぞご寛恕のほどを〜。 えぇ、あんな笑いどころのない文章を書いたことを怒っときますよ!(そっちか!(そっちさ! みなさまがたには微妙な心境にさせてしまって申し訳ありませんでした。1億5000万の謝罪を(ノ_・。 とりあえず北畠個人は反響があると逆に照れて書けなくなっちゃうんで^^; 595番目のヤツと本当に正反対です^^;
599:海月 亮 2005/03/05(土) 21:31 >595の件 ぬわんだとぉぉぉ━━━━━━( ゚Д゚)! つーかアレで推敲前だったと! マジですか!? じゃあなにか、実はアレよりも洗練されたモノがあると…! なんたることだ…これ以上のものがあるというなら、私感動のあまり死にますよ!?(w ただでさえ続きが気になって、自分のSS製作ほったらかしにしてたってのに…(え?
600:★ぐっこ@管理人 2005/03/07(月) 00:05 キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!! 北畠蒼陽さま! GJ杉! いやさ、このへんモロストライクですがな私( ゚Д゚)! 本家ラウンジの四方山スレに書いた通りの事情で、長期間ネット断ち 続けておりますもので、レスが遅れに遅れてしまいましたが… とにかく、順さまと曹騰の友情、そして孫程らカコイイ秘書連中の活躍! そういや蔡倫もいたっけか…仲悪かったようですけど… むう!やるやると口で言いながら全然進んでない党錮事変の、更にベース なっているこの孫程のクーデター!貴重な情報源ありがとうございます!
601:北畠蒼陽 2005/03/07(月) 02:46 [nworo@hotmail.com] -あおいそら- その日…… 彼女は桜の並木道を歩いていた。 もちろん桜の季節にはまだ早い。 葉もない桜などただ物悲しいだけである。 彼女はそんな道を歩いていた。 向こうに見知った顔を見つけはっとする。 その少女は大勢の少女に囲まれ楽しそうに話をしていた。 「……でん」 声をかけようとして思いとどまる。 いまさらどんな顔をして会え、というのか。 少女の胸には誇らしげにコサージュがゆれている。 そして親友、なのだろう…… 4月に学園生活の転機が訪れて……そして彼女にはすでに親友とも呼べるひとがいる。 自分の隣には誰もいない…… 彼女は伸ばした手を下ろし…… そして軽くこぶしで自分の額をこつん、と打ちつけた。 彼女……袁紹は1人だった。 学園の卒業式は通常、校区ごとに行われる。 そして冀州学院校区…… この場所において袁紹は卒業式を迎えようとしていた。 式も単調に進められていく。 その中でも袁紹はたった1人だった。 一般学生たちが袁紹のほうを見て、なにかを囁きあい、そして笑っている声が聞こえる。 仕方がない、と思う。 自分はそれだけのことをやってしまった。 多くの人を……自分を信じてついてきてくれた人を裏切ってしまった。そう思う。 卒業式という行事の中、袁紹は一人ぼっちだった。 「……続いて連合生徒会会長よりの祝辞です」 退屈な式を聞き飛ば、そうとして袁紹ははっ、と顔を上げた。 連合生徒会会長!? まさか、と思った。 彼女がこんなところに来るわけがない…… 彼女を魏会長に推す動きがあることは袁紹も風の噂で聞いていた。 そんな大事な時期に彼女がこんなただの一般行事にくるわけがない……! 小柄な少女がステージの壇上に姿を現した。
602:北畠蒼陽 2005/03/07(月) 02:47 [nworo@hotmail.com] 「みなさん、連合生徒会会長の曹操です。まずは先輩がたの卒業をお祝いします。 さて……本来であれば私はここに来るつもりはありませんでした。私も忙しい身ですし卒業式程度、私が出席しなくても進行することは知っているからです。代理人を立てようと思えばいくらでも立てられる……私にとってはその程度のものでしかありません。 でも、それでも私がここにきたのには理由があります。 それは……みなさんには申し訳ないのですが諸先輩がたを祝福するためではありません。 たった1人の人を見送るためです。 その人はいつも毅然とした人でした。 その態度のりりしさに私は憧れを抱いていました。 私はいつしかその人のことを『姉』と呼んでいました。 『姉』のしゃべり方に憧れていました。 『姉』の立ち振る舞いに憧れていました。 『姉』の……そう、すべてに憧れていました。 私はその人のことを好きだった……いえ、今でも好きです。 『姉』とは結局、いろいろあって別れることになってしまいました。 そのことをご存知の人もいると思います。 『姉』のことをリタイアさせた私がこの場に立っていることをこっけいに思う人もいるかもしれません。 でも私はあのとき、一生懸命考えて、そして自分で選んだ道を間違っているとは思っていません。 『姉』とは進路が別たれてしまったけれど、それは『姉』が悪い、ということではなくただ立場が違っていただけです。 私が彼女を敬愛しているのは今でも間違いありませんし、まぁ、彼女のほうが私をどう思っているかは知りませんが……とにかく他人からどうこう言われたくはない、というのが本音です。 『姉』は世界でも有数の財閥の次期当主です。 卒業したらさらに帝王学を身につけ、そしてきっと本当に世界でも有数の経営者になることでしょう。 私が今後、どうなるかはわかりませんが私は何年かして『姉』とあのころの話を笑って話すことができればいい、心からそう思っています。 ……すいません。もう時間のようです。 忙しくていけませんね、この立場というやつは。 最後にもう一度だけ…… ありがとう! そしてこれからもがんばってね、本初お姉ちゃん!」 小柄な少女がステージを降りた。
603:北畠蒼陽 2005/03/07(月) 02:48 [nworo@hotmail.com] 「……」 誰もいなくなった式場。 そこに袁紹はたった1人で座っていた。 曹操が自分のことをあれほどまでに思っていてくれたのが嬉しかった。 誰の祝福よりも胸を張って受け取れる、とそう思った。 ことり…… 後ろから物音。 「おめでとうございます、袁紹先輩」 袁紹がゆっくり振り返る…… 夏侯惇。曹操の腹心。 「孟徳も本当に忙しくて……今日、アレだけの時間をとるのも精一杯でした。先輩に直接、お祝いを言うんだ、って3日徹夜で政務を片付けてましたけど……すいません」 隻眼の少女が本当に申し訳なさそうに頭を下げる。 袁紹は微笑みながら首を横に振った。 「そんなことはない。むしろ孟徳が挨拶に来るとは思わなかったからびっくりしたわ」 来る、と知っていたら心構えも出来たのに、と苦笑する。 「それに『隻眼の鬼主将』様が忙しい孟徳の代理を務めてくれてるわけじゃない? 光栄に思わないわけがないわ」 夏侯惇が憮然とした顔をする。 それがおかしくて袁紹はまた笑った。 「さて、そろそろいかなきゃね……」 袁紹が立ち上がる。 「寮まで送りますよ」 その夏侯惇の言葉に袁紹は首を横に振る。 「……ここも私にとって馴染み深い場所だからね。最後に1人でゆっくりと歩いて回りたいの」 明日からはもう、この場所に帰ってきてはいけないんだよ。 「そうですか……」 目線をふ、と下に向けた夏侯惇に袁紹の手が差し伸べられる。 その手には…… 「袁紹先輩……?」 その手には今まで袁紹の髪に結ばれていたトレードマークとも言うべき黄色いヘアバンドが握られていた。 「これを孟徳に渡してくれないかな? 私はこの学園になにも残すことが出来なかったからこんなものしかないけど……ほんとにちっぽけなものだけど私からの礼だ、って」 「ありがとうございます。孟徳もきっと喜びます」 笑顔の袁紹に泣き笑いのような顔になって夏侯惇はヘアバンドを受け取った。 「じゃあ、そろそろいくね。見送りありがとう、夏侯惇」 夏侯惇は袁紹に頭を下げる。 袁紹は心地よい気分のまま式場をあとにする。 見上げれば3月の青い空。 その日差しに袁紹は眩しそうに目を細めながら笑った。
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