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602:北畠蒼陽 2005/03/07(月) 02:47 [nworo@hotmail.com] 「みなさん、連合生徒会会長の曹操です。まずは先輩がたの卒業をお祝いします。 さて……本来であれば私はここに来るつもりはありませんでした。私も忙しい身ですし卒業式程度、私が出席しなくても進行することは知っているからです。代理人を立てようと思えばいくらでも立てられる……私にとってはその程度のものでしかありません。 でも、それでも私がここにきたのには理由があります。 それは……みなさんには申し訳ないのですが諸先輩がたを祝福するためではありません。 たった1人の人を見送るためです。 その人はいつも毅然とした人でした。 その態度のりりしさに私は憧れを抱いていました。 私はいつしかその人のことを『姉』と呼んでいました。 『姉』のしゃべり方に憧れていました。 『姉』の立ち振る舞いに憧れていました。 『姉』の……そう、すべてに憧れていました。 私はその人のことを好きだった……いえ、今でも好きです。 『姉』とは結局、いろいろあって別れることになってしまいました。 そのことをご存知の人もいると思います。 『姉』のことをリタイアさせた私がこの場に立っていることをこっけいに思う人もいるかもしれません。 でも私はあのとき、一生懸命考えて、そして自分で選んだ道を間違っているとは思っていません。 『姉』とは進路が別たれてしまったけれど、それは『姉』が悪い、ということではなくただ立場が違っていただけです。 私が彼女を敬愛しているのは今でも間違いありませんし、まぁ、彼女のほうが私をどう思っているかは知りませんが……とにかく他人からどうこう言われたくはない、というのが本音です。 『姉』は世界でも有数の財閥の次期当主です。 卒業したらさらに帝王学を身につけ、そしてきっと本当に世界でも有数の経営者になることでしょう。 私が今後、どうなるかはわかりませんが私は何年かして『姉』とあのころの話を笑って話すことができればいい、心からそう思っています。 ……すいません。もう時間のようです。 忙しくていけませんね、この立場というやつは。 最後にもう一度だけ…… ありがとう! そしてこれからもがんばってね、本初お姉ちゃん!」 小柄な少女がステージを降りた。
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