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610:北畠蒼陽 2005/03/13(日) 21:11 [nworo@hotmail.com] 「確かに敵対者を叩き潰すのは反対しねぇ。だがそうなると曹仁の姉御から続くピンクパンサーズヘッドの……曹真の姉御の妹をトばす、ってことになる。アタシにゃあそんな義理を欠くようなまねはできねぇな」 力強く言い切る牛金に…… 司馬懿は再び少し考えるようにして……そして執務机から乗り出すようにして牛金の胸元の蒼天章をつまんだ。 司馬懿が少し力を入れれば簡単に蒼天章は牛金の胸元からはずされることだろう。 だが牛金は司馬懿を睨みつけたまま微動だにしない。 「……義理のために蒼天章を失っても……いいというの?」 「蒼天会はあんたにのっとられるかもしれない。だがそんな滅びていくものに殉じるバカがいても悪くない」 司馬懿の言葉に、しかし一片の感情すらも浮かべることなく牛金は言い切った。 「……牛金には確か、妹がいたよね?」 「? あぁ、まだ初等部だけどな」 突然の司馬懿の話題転換に牛金は不審そうな顔を浮かべる。 「剛毅なる猛将、牛金に最大限の敬意を。あなたの妹は私が引き取るわ……私にトばされた牛家の人間となれば世間の風当たりはきついかもしれないけど私の従妹、司馬覲の妹ぐらいに書類を書き換えてしまえばいいわ」 「好きにしろ」 司馬懿の言葉に牛金は苦笑にも似た笑みを浮かべる。 牛金の蒼天章は失われた。 …… 「……そ、そんなことって……」 「そんなこと。確かにバカな話よね」 絶句する王導に賈充は面白くもなさそうに応じた。 「でもあなたは元サマの親友として……またこの東晋ハイスクールの重鎮として知っておかなければならないの」 賈充の言葉に弱弱しそうに眉を寄せて王導は呟く。 「……このことが一般学生に知れたら……司馬一族の血を引いてない人間が蒼天会長になってることに不満を持ち、また『自分が』って思う生徒だって出てくるでしょう……」 「そうね。だからこのことが一般学生に知られたら他の誰でもない、私があなたを殺すわ」 賈充の明確な殺意。 それはあくまで自分への信頼である。 王導はそれを知って、なお呟かずにはいられなかった。 「……知らないほうが幸せなことって……あるんですね」
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