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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
641:北畠蒼陽 2005/06/09(木) 22:43 [nworo@hotmail] ハッピーハッピーバースデイ 「ぶ〜んわ♪」 聞きなれた声が私を呼ぶ。 今となっては私のことをこう呼ぶ人など1人しかいない。 王佐の叔母と姪も純粋軍師もすでにリタイアしている。もっとも彼女らが私に親しみを感じているなど冗談にしてもそう出来のいいものではないが。 あの無愛想な大女はまだリタイアしていなかったが私に対して感情は上記3人と似たようなものだろう。 つまり、この声は…… 「なんでしょうか、魏の君閣下」 私が振り返ると敬愛する上司は子供のように歯を見せて笑った。 賈ク…… この私の名前がかつての閣下にとって絶対の悪魔、と同義語であったであろうことは想像に難くない。 私にとっても閣下の……曹操の名前はかつての上司、張繍さんと一緒に学園を支配するために絶対に打ち倒さなければならない名前だった。 今、こうして一緒にいることが不思議な経歴ではあるがそれこそ敵対したからこそわかる親近感、というものなのだろう。 「ねぇ、賈クってコンピュータ好きだったよね?」 唐突に曹操閣下が私に言った。 当然である。自慢ではないが私はこの学園でナンバー1のハッカーである。そして私は嫌いなものを続けられるほど人間が出来ているわけではない。 「よかった、それじゃあ……」 曹操閣下はいたずらっぽく笑い…… 「誕生日おめでとう!」 私に箱を突き出した。 不覚だった。 私は子供のころから……親にすら誕生日、というものを祝ってもらったことがなかった。 はじめて私の誕生日を心から祝ってくれたのは張繍さん…… あとはもうゴミのような連中だ。 だからこの曹操閣下の不意打ちは…… 胸の奥が暖かいもので溢れるほどの不覚だった。 私は頬に涙が流れるのを感じた。 「なにぃー? 文和、泣いてるのぉ?」 曹操閣下がにやにやと私の顔を覗き込む。 「ち、違います! これは閣下の心理を虜にするための策略です」 あわてて涙をぬぐいながら我ながら取り乱した弁解をする。 「ね、ね。開けてみて」 曹操閣下が期待のこもった眼差しで私を見る。 私は若干の照れを感じながら箱を受け取り…… http://www.thinkgeek.com/stuff/41/fundue.shtml 目が点になった。 箱の中のシロモノをじっと見て、もう一度、曹操閣下を見る。 100%の好意が目に溢れている。 ……好意なのか、これ? 「あー、賈クが喜んでくれてよかった!」 喜んでるように見えるのか、おい。 しかし相手が好意でやってくれている以上、うん、なんというか……うん。やりづらいことこの上ない。 「あ、っと。そろそろこっちも仕事あるから行くねー」 私を残して曹操閣下が走っていく。 私に箱を持たせたまま曹操閣下が遠ざかっていく。 ……これ、使わなきゃだめなんだろうか?
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