★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
661:雑号将軍2005/06/15(水) 21:44
  ■影の剣客 その一

 この年の一〇月、この蒼天学園を根本から揺るがす大事件が起こった。
 なんと張角をはじめとする「オペラ同好会」の会員が蒼天学園東部で一斉に蜂起したのである。それはもはや革命だった。
参加者は「オペラ同好会」の会員にだけにとどまらず、一般生徒も加わり、その数は見当がつかないほどだ。
この集団は「黄巾党」と呼ばれた。それは指導者である張角がいつも黄色のスカーフを巻いていたのにあやかって、参加者全員がどこかに黄色のスカーフを巻いているからである。
省82
662:雑号将軍2005/06/15(水) 21:50
  ■影の剣客 その二

 グランドの前にある何かのクラブの部室で待っていた朱儁はニタニタしながら、現れた皇甫嵩に話しかけた。
「あっ、もう、子幹との愛の誓いは済んだの?」
「なっ!何を言う。そんな誓いなどしていないっ!断じてない!そんなことよりも、黄巾党の動きはどうなんだ?」
 戦況不利と判断した皇甫嵩が無理矢理話題を変える。朱儁もしぶしぶ、それを聞き入れると、話し始めた。
省85
663:雑号将軍2005/06/15(水) 21:51
 ■影の剣客 その三
  そして約二時間後・・・・・・
 時間は午後五時四〇分。沈み駆けた夕日のまばゆいばかりの光を背中に浴びながら、一人の少女が屋上からグランドを見下ろしていた。
 彼女の見える光景は、もはや挑発の語彙が尽き果て、ただ馬鹿騒ぎをして挑発している者と、することもないので、弁当を食べている者のいずれかであった。
 皇甫嵩は右目と上唇をつり上げ、そして、ニヤリと一流の殺し屋のような笑みを浮かべる。
そのニヒルな笑みが夕日のバックには面白いようにマッチする。
省103
664:雑号将軍2005/06/15(水) 22:06
 ■影の剣客 その四
 激戦が終わり、長社棟の体育館で行われたささやかな祝勝会。
「みんな、よく頑張ってくれた!今日は戦いの疲れを癒してくれ!それでは・・・乾杯!」
 皇甫嵩の音頭と共に祝勝会が始まった。
音頭を終えた皇甫嵩が舞台から降りると、朱儁がグラスを片手に立っていた。その横には朱儁よりも小柄な少女が背筋をピンとたたせ起立していた。
「どうした、公偉。こんなところで」
省57
665:北畠蒼陽2005/06/15(水) 22:18 [nworo@hotmail.com]
>雑号将軍
皇甫嵩の話、まずはお見事!
かっこいいデスよ、十分(笑
おもしろかったので今後にも期待! なのですよ〜。
666:雑号将軍2005/06/15(水) 22:48
これで一応「影の剣客」完結です!あとがきにも書きましたがホント長くなってしまい申し訳ありません・・・・・・。
ちょっと盧植の性格が違ったかな〜と苦悩している今日この頃です。

>北畠蒼陽様
遅くなってごめんなさい・・・・・・。
それで・・・『策を投じる者〜王昶の場合〜』読ませて頂きました!王昶ってなかなかの名将だったんですね!ドジなところがまたいい感じで。
省12
667:雑号将軍2005/06/15(水) 22:53
うわっ!ごめんなさい・・・・・・ 北畠蒼陽様。全然気がつきませんでした。
感想ホントにありがとうございますっ!
そんな、まだまだです。もっと頑張らないといけない部分も多くて・・・・・・。
お褒めに預かり、光栄の限りですっ!

>おもしろかったので今後にも期待! なのですよ〜。
省7
668:海月 亮2005/06/15(水) 23:29
-意思の担い手たち-


「…なんっつーか、あたしも御人好しだよな」
目の前をあわただしく走って行ったり、集まって何か指示を受ける少女たちを高台から見やりながら、緑の跳ね髪が特徴的なその少女が呟いた。
長湖部の本部がある建業棟は、長湖制圧を目論む蒼天会の大侵攻を迎え撃つべく出撃準備で大忙しの状態。
省44
669:海月 亮2005/06/15(水) 23:30
「此処まで予想通りだと却って清々しいもんだねぇ…」
「落ち着いてる場合ですか! 早く助けに…」
「もうちょい待って。もう少し喰らいつかせてから」
陸凱は、気のはやる部下を宥め、草陰に潜んで戦況を眺めていた。
陸凱率いる軍団が江陵棟に辿り着いた時、雪のちらつく校門前は人並みでごった返していた。
要するに凄まじい大混戦だったのだが、恐慌状態だった長湖部勢がほとんど一方的に飛ばされている状態。
省34
670:海月 亮2005/06/15(水) 23:31
それから少し時間が空いて、落ち着いた朱績はこれまでの戦況を語りだした。
「…本当はね」
「うん」
「本当だったらね、叔長と挟み撃ちにするって話、昨日の打ち合わせでしていたんだ。でも、アイツはまったく動いてくれなかったんだ」
「…叔長だって!?」
陸凱は耳を疑った。
省39
1-AA