下
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
706:海月 亮 2005/07/03(日) 16:19 その決戦の翌々日、件の豫州地下食堂には特徴的な緑髪の少女たちの一団がいた。 「じゃあ結局、敬宗がタダ券持ってったわけ?」 その顛末を聞き終えて、口火を切ったアップのヘアスタイルは、既に長湖部を引退して久しい陸績。 「え〜そうですよ〜。あたしと世洪が仲良く下からワンツーっておまけつきで」 ふてくされた様子でテーブルにへばっている跳ね髪は陸凱。 「それは災難ねぇ。でもあなた達の場合は因果応報ってトコだわ」 痛烈な台詞を吐くショートボブは陸遜。 「何でよ」 「どうせまたあざとい手使ってたんでしょ、あなたも虞レさんも」 「え〜使いましたともさ。だってヨチカのタダ券欲しかったんだも〜んだ」 更なる陸遜の追い討ちに、むくれてそっぽを向く陸凱。 そのとき、何か違和感を感じたらしい陸績。 「じゃああなた、負けたんなら余計に此処、いれないんじゃないの?」 「それは異な事を仰るな公(きみ)姉。なら前金制の此処に負け組のあたしや幼節その他がいてたまるか」 「そういえば…」 集まった面子はその夜の参加者八名を含んでいる。単なる打ち上げというなら、裏から景品を廻した陸遜はともかく、不参加の同級生や長湖部員でない陸績が呼ばれるのもおかしな話だった。 「コレはみんな敬宗のおごり。ついでに言えば、あたしたちは賭け金も鐚一銭払ってませんよ」 更なる証言に顔を見合わせる陸遜と陸績。 「勝負は勝負で面白かったからお金賭けるのナシ、とか言い出したんだよアイツ。ダントツの大勝がそんなこと言い出したもんだから他も何もいえなかったってオチだよ」 「はぁ…なるほど」 「あの娘らしいわね」 そこまで聞いて、二人も納得したようだった。 「しかも今日でタダ券もばら撒くつもりみたいだよ。みんなで食べたほうがおいしいです〜とか言って。こんな結果になるなら、一昨日のあれはなんだったんだか」 呆れた様な表情で息つく陸凱。 それを挟んで両サイドの陸績と陸遜が、 「いいじゃないの、楽しんだんだから」 「さしずめ“真夏の夜の夢”ならぬ“真冬の夜の夢”かしら」 「あ、巧いこと言うわね…差し詰めタダ券を廻してあげた私は、夢の運び手ってところかしらね」 そんなことを言った。そんな族姉ふたりの隣で陸凱は「勝手に言ってろ」とふてくされたように呟いた。 三人の振り向いた先には、わいわい言いながら色とりどりの食材を取って回る少女たち。 その中心では、 「それでも敬宗ちゃん凄かったよ〜」 「えへへ…まぐれですよ〜」 その状況を作り出した張本人が、はにかんだ顔で笑っていた。 (終わり) 裏「長湖・新春の攻防戦」、そのとき丁奉たちは何をしていたかを書いてみました。 最近になって気づいたことですが、海月が旭祭りに持ち込んだSSには丁奉がいなかったのですよ。 まさかヤツも人知れず暴れていた、というのも寂しい気がしたので… 密かに後期長湖部主要メンバーが勢ぞろいなSSであります。 実におばかな話で恐縮ですが(^^A
上
前
次
1-
新
書
写
板
AA
設
索
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★ http://gukko.net/i0ch/test/read.cgi/gaksan2/1013010064/l50