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75:玉川雄一 2002/04/13(土) 03:15 [triglav@livedoor.com] ◆ 歴史家魂外伝・口は災いの…もと? ◆ 『山陽公戦記(笑)』にいわく。 馬超は益州校区に招かれて帰宅部連合の一員となったが、劉備の厚遇と、 また生来のキャラクター故か劉備と話をするときにはいつも彼女のことを「パンダ」と呼んだ。 「ねえ、パンダぁ。こんどの原稿だけど…」 「あん? 何や、この前話し合うたやんか。いい加減忘れるなや。せやから…」 しかし、劉備との付き合いの長い関羽にはそれが心底我慢ならなかった。 常日頃は怒りを表に現さない彼女が、あの「武装した紫式部」の面もちを浮かべて劉備に願い出たのである。 「姉者、今度という今度は我慢なりません。馬超をシメさせて下さい!」 久々に見る形相だが、劉備としては馬超とのやりとりは一種のコミュニケーションであり、むしろ楽しいものであった。 とはいえ関羽がここまで怒りを露わにするのだからただ事ではない。まずはなだめにかかる。 「なんや、関さんらしくないなあ。 …ええか、あの娘は曹操に追いつめられてきたんや。 アンタらはあの娘がウチの事をああ呼ぶゆうて物騒なこと言いよるけどなあ、そんなことじゃあ人からの理解は得られへんで」 だが、いくら敬服する劉備に言われたといって今回は承伏できることでもなかった。 そして、関羽以上に怒り心頭に発しているのは言うまでもなく張飛だったのである。 「せやったらなア、ヤツに礼儀っちゅうものを教えたるわ!」 またいかにも彼女らしく、両手の指をバキバキと鳴らしながら気勢を上げるのだった。 「はあ… まあ、気が済むようにしや。だけど、血ィ見るようなことだけはあかんで」 結局、ここまでなってしまうと劉備には二人を止める術はなかった。 翌日、帰宅部連合の緊急集会が開催された。馬超も当然招かれたわけだが、予定変更を余儀なくされておかんむりである。 「ちょっとパンダぁ、ちょおちょおむかつくー! アタシ原稿描かないといけないのにい!」 それでも渋々ながら着席して周囲を見れば関羽と張飛の姿が見えない。 「…あれえ、関Pとヒッキー(関羽と張飛のことらしい)はぁ?」 といって更に見渡すと、劉備の脇に二人が立っていた。しかも、こちらを凄まじい形相で睨み付けている! 「しおしお〜。アタシったら、部長のことパンダって呼んだから二人にシメられるところだったのね…」 馬超は、己の敗北を悟った。そうして、それ以後は劉備に敬意を持って接するようになったという− (続く)
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