下
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
776:雑号将軍 2005/07/25(月) 20:45 >むしろ呂拠のあたりから練り直してもいいかもしれませんね いやいや!そんな滅相もない。あれで十分だと思いますよ。丁奉はどこまでも丁奉でしょうし!あんまり奢りたかぶらせると、別の人になっちゃいそうですし。僕はあれで十分だと思いますよ。もうホントに! >朱然とか王昶とか 朱然…そうですよね。呂蒙の跡を継いだんですもんね。当然ですよね。なに言ってんだか。僕は…。って背、低かったんですか?曹操と同じくらいに? 王昶も杜預と同じタイプの武将なんでしょうか?いや杜預は言い過ぎか…。
777:北畠蒼陽 2005/07/25(月) 21:50 [nworo@hotmail.com] >杜預と王昶 んー、杜預ほど文系文系してないかと。 あそこまで運動音痴なら正史にもなにか書かれてるだろうし。 それがなにも書かれてないということは『個人的な戦闘能力』は並だったのではないかな、と。 王昶は……誰と同じタイプなんだろう? トップに立って指揮できる文官、なんですよね。 鍾ヨウ? タイプはね。 >奢りたかぶらせる それがまたいいのです(邪笑 >朱然 彼は169cmに満たなかったーって記述がありますね。
778:雑号将軍 2005/07/25(月) 22:10 >みんなまとめて なるほど、王昶は馬にも乗れたし、剣も使えたし、弓も引けたという、基本的な戦闘能力は持っていたということですな! 鍾ヨウってかなりすごい人なんですか?正史読んでないのでじつは鍾ヨウを掴みきれてなくて…。もしかしたらこれは雑談スレの方がいい質問だったのかもっ!? 169pって、なるほど、たしかに高くない…。曹操よりは高かったような気がしますけど。
779:北畠蒼陽 2005/07/30(土) 20:06 [nworo@hotmail.com] 「うあぁぁぁぁぁん! お姉ちゃん助けてー!」 泣き声とともに王渾が王昶の執務室に入ってくる。 王昶はいなかった。 かわりに王基がいた。 王基が少しびっくりしたような顔で扇子を手に持ってソファに座って涼んでいた。 日の丸に『Japan!』と金で書かれた扇子。 「ん、と……伯輿ちゃん、その扇子、すごいセンス悪いよ」 「……これ、あんたの姉さんの扇子だよ」 王渾はホンキで嫌そうな顔をした。 「うわぁぁぁぁ……」 顔だけじゃなくて声も出た。 統率指揮概論T 部屋に入ってきたときに比べ幾分落ち着いた王渾に王基が尋ねる。 「……で、文舒なら今、買い物にいってるけどなにか用?」 「うん、あのね、私、墨テキ教授の統率指揮概論Tをとってるの」 王基は頭に墨テキの顔を思い浮かべた。 「……あのひと、優しいけど怖いからね。それで?」 「うんー……で、レポートを宿題に出されたの。学園課外活動における統率法において注意しなければならない点をできる限り詳しく述べよ、って」 ……なるほど。それで姉の話を聞きにきたわけか。 確かに王昶であれば話を聞いて、まとめるだけで十分なレポートになるだろう。 「……感じないこと」 「お姉ちゃんに話し聞こうと思ったのにいないんじゃどうしよ、って……え? 伯輿ちゃん、なに?」 聞き返す王渾に王基は苦笑を浮かべる。 「……もし私でよければ話をするくらいかまわないけど?」 「わぁー、伯輿ちゃん、ありがと!」 王渾はにぱぁと笑った。 「……有名な映画でね、カンフースターがこんなセリフを言ってるの。『考えるな。感じろ』って」 「あぁー! ブルーさん!」 ……なんでブルーで切るか。 多少ツッコみたいものを残しながら王基は話を続ける。 「……人を指揮するってのはまったく逆の作業。『感じちゃダメ。考えなさい』ってとこかな」 「ふむ」 小首を傾げて考える。 「どういうこと?」 わかってなかったようだ。 「……敵の動き、味方の動き、双方の人数、天候、地形、時間、時期、温度、湿度……人によっては成績とか教授との相性とかを考えなきゃいけないこともあるかもね……つまりそういった要因をすべて考えることによって判断を下すこと」 「考える……?」 王渾は『う〜むむむぅ?』と頭にクエスチョンマークを浮かべる。 「んでも一瞬の判断ってないの? 『こう感じたからこうだ!』っていうのはよく話とかであると思うんだけど……」 「……そういうのは3つのパターンにわかれるわね。まず1つ目は計算が異様に早い人」 ……『名将』の部類に入るわね、と王基は付け加える。 「……これがすごい、ってのはまぁ、言わなくてもわかると思う。瞬時に、しかも総合的にすべての要因を計算しつくした上で判断し、決断する、ってのは誰にでもできるもんじゃないわ」 「なるほど」 頷く王渾。
780:北畠蒼陽 2005/07/30(土) 20:06 [nworo@hotmail.com] 「……2つ目は計算している自覚のない人」 ……意味はちょっと違うけど『天然』な人よね、と付け加える。 「……ほら、なんとなく雨が降りそうだ、とかあるでしょ? あれって天気予報を見なくても空を見ればなんとなくわかる。つまり空模様を見て無意識で『計算』してるのね。ただ自覚して計算してる人間に比べると判断に『抜け』が多いと思うわ」 「ふむふむ」 メモを取る王渾。 「……まぁ、どっちにしろ計算ミスってのはありえるわ。または計算に入れるべき要因を考えていない、というのも致命的なミスよね。それが積み重なったものが敗北だと私は思う」 ……計算がいくら速くても間違えてたら仕方ない、ってこと。 呟きながら王基はペットボトルの紅茶を飲んだ。 「ん〜と……伯輿ちゃん、3つ目を忘れてるよ?」 尋ねる王渾に王基は肩をすくめた。 「……3つ目は参考にもならないから言わなかっただけ。つまり……『天才』よ」 紅茶を口に含みながら話を続ける。 「……迷惑なことに何百年に1人くらいそういう人間が出てくるらしいわね。幸いにして私は出会ったことないけど。そういう人たちに常識は通用しない。計算してるかどうかすらも不明……ただ、常に、正しい。それだけが真実」 ……歴史上で『軍事を革新した』とか言われるのはそういう人なのかもね。 面白くなさそうな声で呟く。 「……ま、そういう人は人間と思わないほうがいいわね。『天才』は異種族と思ってもらってかまわない」 「敵に『天才』がいたらどうするの?」 ペットボトルに口をつけながら目だけで王基は王渾を見る。 「……諦めるわ」 あまりにも早い王基の回答に王渾は苦笑を浮かべる。 「……でも幸いなことに『天才』なんて何百年に1人、ってシロモノよ。まぁ、私がここにいる間に出会うことはないでしょうね」 ……生きてる間にすら出会えるかどうか、と苦笑交じりに呟く。 「……そしてただ計算が速いだけ、とかの人間ならいくらでも対処できるわ」 「ほえ〜」 王渾が感心したような声を漏らした。 「……とりあえず3つ目は考えなくていいわ。とりあえず言えることは計算ミスをしないこと」 「けいさんみす」 ひらがな発音で王渾が繰り返す。 「……私は速攻にこだわりを持ってるけどそれは計算すら早く行う、ってことじゃない。そういうことを考えるのはいくら時間がかかってもいいと思う。答えが出てから迅速に動けばいいだけ」 ……まぁ、何日も考え続けて手遅れ、ってのは笑える話じゃないけどね、と苦笑。 「んっと……つまり自分が考える。相手がその対処法を考えてきたら、さらに自分はその対処法を考える。考え尽くしたほうが勝つ、って理解でいいのかな?」 「……もちろん答えを出すまでの時間が短ければ短いほどいいでしょうね。そして相手がミスをしたらすぐにそれにつけこまなきゃいけない」 忙しいんだー、とヒトゴトのように驚く王渾。 「じゃあ、じゃあ。伯輿ちゃんにとって絶対にやっちゃいけないこと、っていうのは?」 「……感じること。感情に身を任せて突っ走っても、少なくともこの学園都市の課外活動において利点はないわね。『猛将』っていわれてる人たちは感情の生き物だと思われがちだけどそういう人たちもほとんどなんらかの計算の上で行動してるわ」 なるほどー、という王渾の声。 しばらく王渾がメモをまとめるシャーペンの硬質な音が響く。 「うん、いいレポートがかけそう! 伯輿ちゃん、ありがとね」 「……どういたしまして」 『伯輿ちゃん』は苦笑を浮かべながら飲みかけのペットボトルのキャップを閉めた。
781:北畠蒼陽 2005/07/30(土) 20:07 [nworo@hotmail.com] ってわけで軍事論です。 『感じるな。考えろ』というのは私が昔、TRPGでやったキャラのセリフだったりするわけですが実際に北畠の軍事理論そのままだったりします。 まぁ、ちょっと毛色の違うSSになりましたとさ。 今回は王昶いないんで服の描写はないですがかわりに扇子を書いときました。センスの悪い扇子っていうのはダジャレじゃないよ。ホントダヨ?
782:雑号将軍 2005/07/30(土) 23:04 北畠蒼陽様…じゃなかったMSG様!「統率指揮概論」お疲れ様です!いつも思うんですが、王基や王昶、王渾が登場するSSって、学三だけですよね。 なにはともあれ「統率指揮概論」…なるほど参考になります。感じるんじゃなくて、計算するんですね。僕はどうも計算遅いですけど…。 天才…ああ、王基は曹操の戦い見たことないんですよね? 僕も『納涼中華市祭』のSS早く仕上げないとなあ。先鋒という大役を任されちゃいましたから…。
783:北畠蒼陽 2005/07/30(土) 23:14 [nworo@hotmail.com] >雑号将軍様 計算だけが人生じゃない、と自分に言い聞かせて生きている北畠です。 で、ですね。実は私の中では曹操は天才に至ってないんですよ。 曹操は破格の才能を持ってるけど天才ではない、ってのが私の評価です。 なんていうか天才論を組み立てる中で能條純一氏に出会ってしまったのが運のつきと言うかなんと言うか…… なんというか『すべてわかってないと』天才とは認められなくなってしまったのです、私(苦笑
784:雑号将軍 2005/07/31(日) 22:12 >曹操云々 なるほど〜曹操は天才ではないんですか…。言われてみるとそんな気がしないでもないですが、寂しいと言えば寂しいです。 僕はどう考えても蜀大好き人間なんですけど、曹操が好きだったり、趙雲があんまり好きでなかったり(ファンの方土下座するんでお許しを)するんですよね。 まあ、雑食性なんでしょうね。僕。
785:北畠蒼陽 2005/08/06(土) 18:26 [nworo@hotmail.com] 「……これ、は?」 司馬昭からのメールに目を通した王基は思わず眉をひそめた。 「……多分……いえ、でも……」 ……多分間違いないとは思うが……こういうときは親友の意見も必要か…… 王基は頭の中の考えをまとめるようにそっとノートパソコンを閉じた。 冬空の鼓動 襄陽棟長であり車騎主将、胡遵の妹である胡烈からひとつの連絡が生徒会の中央執行部にもたらされた。 長湖部、摎Rが蒼天会に帰順するという…… それと同時に胡烈は期日を約束し、摎Rと合流し長湖部を混乱に陥れる案を提出した。 これを受け、連合生徒会会長、司馬昭は征南主将、王基に胡烈のフォローを命じる。 ……だが…… 王基はメールの文面を思い出す。 摎Rとの合流場所として指定された地点は…… ……あまりにも長湖部領域の中に入り込みすぎる。 王基は摎Rという人間を知らなかったが、考えれば考えるほどこの帰順は策略としか思えなかった。 ……確かに本当に摎Rの帰順があるのであればこれはチャンスであるといえる。 ……だけど。 リスクがあまりにも大きすぎる。 ……それに、ねぇ。 初期長湖部から夷陵回廊の決戦にいたるまで常に最前線に立ち続けた最古参主将、韓当の……その妹、韓綜が蒼天会に帰順してなお長湖部を瓦解させるには至らなかったのだ。 もはや長湖部は1人の寝返りで崩れるほどぬるい組織ではない。 ……リスクのわりにリターンが少なすぎ、ね。 ハイリスクローリターンなんて笑えやしない。 ……さて…… ……この件、文舒ならどう結論付けるかな。 少しだけ口の端から漏れる笑いをかみ殺し…… 王基は学園都市運営会議議長の執務室の前に立つ。 王昶は三委員長の一角にまで上り詰めながら荊・予校区兵団長を同時に勤め、最前線である荊州校区から中央執行部としての任を果たしていた。 「……?」 ノックをしようとして違和感。 王基は眉をひそめる。 部屋の中の人間……まぁ、王昶なのだろうが……せわしなく動いている雰囲気を感じ取ったのでる。 ……忙しいのならあとにしようか。 そうは思うものの本当に忙しいのかどうかもわからない。 ……とりあえず様子だけ見てみよう、かな。 王基は一人頷き、ノックをする。 「あいよー。あいてるよー」 あまりにも無防備なその物言いに王基は苦笑を浮かべつつドアを開け…… 面食らった。
上
前
次
1-
新
書
写
板
AA
設
索
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★ http://gukko.net/i0ch/test/read.cgi/gaksan2/1013010064/l50