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835:烏丸沙宮 『マックスコーヒー。。。』2005/11/16(水) 21:13
 それはいきなりだった。
 「おねーちゃん!今日は私が作るよ!!」
 その言葉に固まったのは、徐晃と張遼。
この二人は剣道部つながりで友達であり、『つくる』と言った人物
――徐蓋と張虎――の姉である。徐晃が徐蓋の肩を揺さぶった。
 「ねぇ蓋!お菓子が欲しいならお姉ちゃんが買ってきてあげるから
止めよう!?かなり怖いよそれ!!」
 「大丈夫だよ。そんなに信頼ない?」
 不平な顔をした徐蓋に、張遼がつぶやく。
 「虎はともかく、蓋ちゃんじゃなぁ・・・。」
 「姉さま、駄目?」
 「いや、虎が手伝う(というかほとんど作る)ならいいよ。」
 張遼は妹に、少し甘いようだ。いや、張虎はお菓子作りが得意だから、
それでいいのだろうが。それに徐蓋が喜ぶ。
 「んじゃ、早速作るよー!!」



 「えーと、まずは・・・。」
 「ゼラチンを溶かさないとね。湯煎しよう。」
 「ゆせんってなあに?そもそも普通に鍋で溶かせばいいんじゃあ・・・。」
 「・・・鍋で溶かしたら凄いことになるよ。お湯を沸かして、その中で溶かす
のよ。お菓子を作るなら、それくらい覚えておかなくちゃ。」
 なんやかんやとやっている二人のすぐ後ろで、姉たちはため息をついた。
 「・・・不安だなぁ。ま、虎がいるから大丈夫だろうけど・・・」
 「やっぱり文遠もそう思う?・・・ゲテモノ食わされないかしら。」
 
 「えーと、それでこれを入れて・・・。」
 [え?何入れてるの?]
 考えながら何かを入れている徐蓋に、張虎が問う。徐蓋は当然とでも言う
ように答えた。
 「んー?マックスコーヒー。これ甘くて美味しいよ?張虎も飲む〜?」
 「・・・いや、いい。」
 遠慮した張虎に、徐蓋はつまらなそうに眉根を寄せる。
 「え〜?美味しいのにぃ・・・。」
 そういいながら一口ソレを飲んだ。



 やがて、台所から噎せそうなほど甘い匂いが漂ってきた。
張遼が吐き気をこらえて徐晃に聞く。
 「ねぇ。徐蓋はいったい何を作ってるの・・・?」
 「知らない・・・。寧ろ私が聞きたい・・・。」
 徐晃が頭を抱えて答えた。向こうから徐蓋と張虎の声が聞こえた。
 「よし、後はこれを冷蔵庫で冷やして固めるだけ!だよね、張虎。」
 「うん・・・頑張って・・・もう、駄目・・・・・・。」
 早速張虎が逃げたようである。姉二人は顔を見合わせてため息をついた。



 その後。残りの五将軍と李典、そしてその妹たちが呼び寄せられた。
 「何だ徐蓋・・・って、ま、まさか・・・!!」
 不機嫌なのは于圭。于姉妹の妹である。だが、すぐにおびえたような表情
になった。・・・ゲテモノを食わされた経験があるらしい。
 「大丈夫だよー。(外見的には)そんなに不味い物じゃないから。」
 笑う徐蓋に、全員がほっとした。・・・張虎と于圭を除いて。

 全員が席に着くと、徐蓋が手際よくデザートを運んでいく。そして、
並べ終わった後。
 「んじゃ、いただきまーす!」
 思いっきり食べ始めた。甘くて美味しいという徐蓋に、皆がそのゼリーを
口に運ぶ。そして、徐蓋を除く皆が叫んだ。
 「甘過ぎッ!!!」




 PS.その後、ばたばたと人が倒れていく、最後には徐蓋が総て食べつくし
たという・・・。
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